2009/07/05

JunkStageをご覧の皆様、こんばんは。
いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
天体写真家・吉田隆行の連載「天体写真の世界にようこそ」につきまして、海外をはじめとする活躍の機会が増えたため、現在こちらの連載を一時休載とさせていただいております。
更新再開の目処が立ち次第、こちらにてご案内させていただきます。
御愛読くださっている皆様にはご不便をおかけいたしますが、復帰をお楽しみにお待ちくださいますよう、心よりお願い申しあげます。

(JunkStage編集部)

2009/07/05 03:24 | 未分類 | No Comments
2009/05/02

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いつの間にやら世間はゴールデンウィークに突入し、休日1,000円になった高速道路は大渋滞のようです。
今年のゴールデンウィークは月の巡りが悪いので、天体写真を撮るには不向きですが、土星や月を観望するにはもってこいです。
長期休暇ですから、いつもは訪れることができない野山で星を見るのもよいですが、大きな望遠鏡を備える公共天文台に出かけるのも楽しいですよ。
公共天文台ならではの、でっかい望遠鏡で星を見せてくれるので楽しめます。

私が住む兵庫県には、国内最大口径を誇る2メートル望遠鏡を持つ西播磨天文台があります。
ここでも一般観望会が開かれていますが、有名な施設なので連休のドーム内はかなり混雑しています。
長い列を並んで望遠鏡を覗く時間はほんの一瞬、これではさすがに寂しい気がします。

日本は諸外国と比べても公共天文台が多い国です。
ですから、探すと案外と近くに公共の天文施設があったりします。
こうしたところで一般観望会が開かれていれば、まずそちらに行ってみましょう。
混雑していなければ、リクエストにも応えてくれるので、いろいろな天体を見せてくれると思います。

写真は鳥取県にある、さじアストロパークの103センチ天体望遠鏡です。
ここの天文台は、ゆったり広がる田園地帯の中に建っていてロケーションは抜群です。
施設内には天体望遠鏡を備えたコテージも用意されていて、天体望遠鏡ごとレンタルすることができます。
このコテージを仲間で借りたら、一晩中星を見ながらワイワイ楽しめます。
こうした休日の過ごし方もおもしろいと思いますよ。
夏休みなどに利用してみてはいかがでしょう。

PS:さじアストロパークの公式HPはこちらです。

2009/05/02 09:32 | 未分類 | 1 Comment
2009/04/16

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有名撮影地に出かけると、必ず一人か二人は南の空低くで輝く天体を狙っています。
星空は全天に広がっているのだから、わざわざ条件の悪い地平線すれすれの天体を狙わなくても・・・
と思うのですが、南の空にはそれだけ魅力のある天体がたくさん輝いています。
今回の写真もその一つ、うみへび座にあるM83という渦巻銀河です。
この銀河は、ブルーの渦巻きの中に点々とピンク色の星雲があって、とても美しい姿をしています。
南の回転花火銀河とも呼ばれている天体です。

私たちの住む銀河系の中心は、射手座の方向にあります。
そのため、この射手座の方向を中心に、魅力的な星雲や天体が集まっています。
夜景で例えると、六甲山から神戸港の方向を見ると見所が多くて綺麗ですよね。
しかし、その他の方向はあまり見所はありません。
少しオーバーですが、夜の星空もそんな感じです。

こういわけで、天体写真を撮ると時は南の方向を狙うことが多くなります。
条件が悪い南の空を果敢に撮影する人の気持ちも、天体写真にのめり込むとよくわかるようになります。
オーストラリアなどの南半球に行けば条件よく見えるのですが、見えそうで見えないのがまた燃えるのかもしれません。
そこは人間の性なのでしょう。私も性懲りもなく、南の空低くを狙う毎日です。

2009/04/16 09:35 | 未分類 | No Comments
2009/03/27

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春の星座の中でも「しし座」は、いち早く昇ってきます。
そのしし座に続くように、「おとめ座」が東の空から顔を出します。
どちらも大きな星座で、星占いで使われる黄道十二星座に数えられています。

このおとめ座には、おとめ座銀河団という銀河の集まった集団があります。
1000~2000個という銀河が集まった大集団で、望遠鏡で観測するとボヤッとした丸いものが点々と見えます。
この一つ一つが私たちが住む銀河系のような銀河で、何万個もの星から構成されています。
宇宙のとてつもない大きさを感じられる場所です。

上は「マルカリアンの銀河鎖」と呼ばれている部分の写真です。
このマルカリアンの鎖は、おとめ座銀河団の中でも一番華やかな部分です。
銀河がチェーン(鎖)のように連なって見えることから、こんな名前が付けられました。
マルカリアンというのは、発見者の名前から来ています。

この写真に写っている豆粒のような天体が、私たちの銀河系のような存在で、その中に何万個も星があって、その一つが太陽系で、太陽系の中に地球があって・・・
と考えていると気が遠くなりそうですが、それぐらいこの空間は広がっているのです。
そんな広さから比べると地球なんてちっぽけな存在ですが、だからこそ大事な地球なのかなと思います。

深宇宙を見ていると、いろいろな考えが頭を駆け巡ります。
人間の祖先や人類誕生まで想像が及ぶと、アイシュタインをはじめとした過去の偉人は、宇宙を愛していたことを思い出します。
深宇宙に触れること、それは想像をかき立てる一つのツールなのかもしれません。

2009/03/27 05:54 | 天体写真 | No Comments
2009/03/13

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夏の天の川と言えば、夏休みに見られるもの、と思っている方が多いと思います。
でも、私はこの3月に見る天の川が大好きです。

3月の明け方頃、夏の天の川は東天から昇ってきます。
天の川は東の地平線を白く埋めるようにのぼってきて、一瞬雲が出てきたのかと戸惑います。
でもよく見たら星が白い輝きの間で瞬いていて、天の川であることがわかります。

視界が開けた山の上から見ると、夏の天の川が蛇のように横たわっています。
なんだかでっかいものがこちらに迫ってくるようで、心が震えます。
人間ってちっぽけだなと思うこともしばしばです。

何度体験しても、天の川が昇ってくる光景は素晴らしいです。
望遠鏡も何もいらないから、デーンと立っていれば見ることができます。
人間の視界一杯に広がって立ち上る天の川。
高速道路が1,000円になったら、こんな週末の過ごし方も素敵だと思います。

2009/03/13 06:57 | 天体写真 | No Comments
2009/03/06

星仲間達
こうした銀河や宇宙の撮影は、たいてい新月の頃に行っています。
月明かりがあると夜空が明るくなって、淡く輝く銀河やガスが写らないからです。
これは私だけでなく、天体写真を写す人には共通のお約束なので、この頃になると夜の天候を皆気にします。
そして晴れたら、星の綺麗な撮影地にレッツゴーというわけです。

日本には、星をゆっくり撮影できる場所はそれほどありません。
そのため、どこかの有名な撮影地に行くと、たいてい誰か天文ファンがいます。
星仲間と合うと一晩中話が弾みます。
星空のことから機材のことまで、時には仕事のことまで話題にのぼります。

星が綺麗に見えるほど暗い場所なので、お互いの顔はよくわかりません。
警戒心が薄れるのか、誰とでも楽しく話ができます。
知らない人同士でも温泉に入ると話出してしまう、ということがありますが、そんな感覚です。
これを「星空効果」と勝手に私は呼んでいます。
写真を撮るのが一番の目的ですが、こうした星空コミュニケーションも大きな楽しみになっています。

最近は鬱病などに悩まれている人も多いですが、そうした人にもこの星空効果を味わって欲しいな、と思っています。
星空の下には様々な年代の人が集まります。
皆、星を目的に集まる仲間です。
そうした人達と星空の下で一緒に過ごせば、心の病もきっと癒されると思います。

2009/03/06 10:38 | その他 | No Comments
2009/02/27

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何万光年も離れた銀河や宇宙を大きく撮ろうと思うと、撮影機材も自然と大きくなります。
上は私の撮影機材の中で、最も大きいものでミューロン300という望遠鏡です。
この望遠鏡とカメラを組み合わせると、35ミリ換算で6000ミリ以上の焦点距離になります。

こうした望遠鏡はでっかくて重いです。
本体重量は約25キロ。
それを載せている緑色の赤道儀という架台は、100キロ以上の重さがあります。
こんなものを郊外まで持ち運んで撮影しています。

こうした宇宙の撮影に使ってカメラは、冷却CCDカメラと呼ばれるデジタルカメラです。
これはデジカメの一種なのですが、CCDを冷却してノイズの発生を抑えるようになっています。

デジカメを使ったご経験があれば、露出時間を長くすると、撮影画像のノイズが増えることにお気づきかもしれません。
このノイズは、CCDの温度が下げれば少なくすることができます。
そこで開発されたのがこうした冷却CCDカメラで、すばる望遠鏡などにも使われています。
私の使用しているモデルでは、外気温から40度程、CCD温度を下げることができます。

私のサイトに温度変化とデジカメのノイズというページを設けています。
こちらのページをご覧いただくと、CCDの温度が減るにつれてノイズが減っていることがわかると思います。

何はともあれ、遠くの銀河を撮影しようと思うと、いろいろと複雑な機器が必要になるわけです。

2009/02/27 02:26 | 未分類 | No Comments
2009/02/20

かみのけ座の銀河
今回は横向きに見える銀河の登場です。
この銀河には名前はなく、NGC4565というインデックス番号が付いているだけです。
しかしよく知られている天体で、学校の教科書などにも登場しています。
「私たちが住む天の川銀河を、遠くから見たらこのように見えます」という言葉と共に載っています。

銀河は真正面から見ると、下の回転花火銀河のように広がって見えます。
しかし横から見ると、こうして紡錘状に見えます。
銀河は薄っぺらい円盤のようなものですね。

このNGC4565銀河は、かみのけ座という星座に属しています。
かみのけ座は、おとめ座の隣で輝いている目立たない星座ですが、こうした銀河が数多くあることで有名です。
昔は「ベレニケの髪の毛座」と呼ばれていた星座で、その名の通りベレニケ王妃の髪の毛が天に昇ったものだとギリシア神話では伝えられています。

ベレニケ王妃は、プトレマイオス3世の妻だった人です。
王妃は戦に出かけた夫の無事を祈り、無事に帰ってきた暁には、自分の髪の毛を捧げることを女神アフロディテに誓います。
その願いが叶って王が無事に戻り、彼女は髪を切って捧げました。
それが天に昇って、星座になり輝いています。

※写真をクリックすると、私のサイト「天体写真の世界」に展示している大きな画像にリンクします。

2009/02/20 09:50 | 天体写真 | No Comments
2009/02/13

回転花火銀河M101
星空の季節は、地上よりも一足早く過ぎていきます。
立春は過ぎたというものの、地上の二月はまだまだ寒く、冬の雰囲気があります。
一方夜空の方は、冬の王者オリオン座は西へと傾き、春の星座が全天を覆ってきています。
夜空はもう春の色に移り変わっているのです。

華やかな冬の星座と比べると、春の星座には明るい星が少なく、寂しく感じられます。
しかし春の時期は、私たちが住む天の川銀河から遠く離れた方向を見渡せます。
いつもより遠い深宇宙を眺められる時期です。
遠い宇宙に浮かぶ銀河をたくさん見られるのが春なのです。

真っ暗な宇宙には、渦を巻いた星の集まり「銀河」がたくさん存在しています。
人の顔が一人ずつ違うように、銀河の姿形にも個性があります。
横を向いたものや真正面を向いたもの、中には不規則な形をしたものもあります。

上の写真は、真正面を向いた銀河の代表です。
おおぐま座の北斗七星の近くで輝いている銀河です。
銀河の腕がぐるっと渦を巻いているところから、回転花火銀河という愛称が付けられています。
こうした銀河を地球から見ると、ガスの集まりのようにしか見えません。
しかし、実際はたくさんの星が集まったものです。
何千億、何兆個という太陽のような星が集まったものが銀河です。
どこかに宇宙人がいても不思議じゃないよな、と思いながら観察しています。

※写真をクリックすると、私のサイト「天体写真の世界」に展示している大きな画像にリンクします。

2009/02/13 05:12 | 天体写真 | No Comments
2009/02/06

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寒い冬の夜ですが、土星が見頃を迎えています。
今年の土星はしし座で輝いていて、20時頃になると東の空から昇ってきます。見やすい位置になるのは22時半頃でしょうか。この時間になると、東の空の真ん中ぐらいで輝きます。しし座の一等星レグルスのすぐ下にある黄色っぽい星がそれです。

土星と言えば美しい環が有名です。この土星の環を最初に発見したのはガリレオ・ガリレイですが、彼はこれが環であるとはわからなかったようです。当時の望遠鏡の性能が悪かったため、環が綺麗に見えなかったためでしょう。彼は「土星には耳がある」と記しています。

この土星の環は毎年少しずつ傾きが違って見えます。上の写真を見ると一目瞭然ですが、2003年の頃は大きく開いていた環が、今年はほぼ一直線になっています。今年の土星の姿は、まるで串団子のようです。

これから少しずつこの傾きが減っていって、今年の夏には環の消失という現象が起こります。土星の環を真横から見る形になるので、土星の環が見えなくなってしまうのです。もちろん環がなくなったわけではなく、一時的に見えなくなるだけです。その時期が過ぎるとまた環の傾きが徐々に増していきます。土星の環の傾きは、約15年周期で大きくなったり小さくなったりしているのです。

今年になって土星を見た時、15年前に環が見えなくなったことを思い出しました。あの頃は何をしていたのかな、なんてことも考えてしまいます。星をずっと見ていると、いつの間にか星の動きで季節や時間の流れを感じるようになりました。

2009/02/06 11:56 | 天体写真 | No Comments

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