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2014/05/31

維新 石原氏「橋下氏と分党で一致」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140528/k10014799551000.html

ご案内の通り、2012年衆院選で旋風を巻き起こした日本維新の会が
結党から1年半を待たずして分党(分裂)する運びとなりました。

離党だろうが分党だろうが一般国民から見たら
果てしなくどうでもいいことだと思うのですが、
今回も双方かもしくは片方が新党を結成する展開になるでしょう。

なぜ他と合流ではなく新党結成かというと、年末のみんなの党分裂のときと同様、
維新の会にも「比例代表」で当選した議員が多くいるからです。
そもそも、代表の石原さんが東京ブロックの比例当選ですよねそういえば。。

比例代表で当選した議員は「政党名」で信託を得て当選していますから、
他の党に移籍することは法律上認められていないわけですが、

・無所属として活動する
・選挙の時にはなかった新党結成に加わる

ことに関しては法的な規制がないため、
こうした「脱法」とも言える行為がまかり通るわけですね。

比例代表議員による新党結成や無所属での活動については、

・当選した議員は政党ではなく、全国民の代表者だから
・当選時になかった争点が出てきた場合に対応する必要がある
・党が分裂した場合、どちらからが議席総取りになるのは民意の反映ではない

などの理由から擁護する学者さんもいらっしゃいます。
ですが、私はこの意見には否定的な立場です。比例代表で当選した議員が
離党する場合は、議員辞職するのが筋だと考えています。

この理由を詳細に書いていくとマジで論文が一冊書けてしまうんですけど(苦笑)、
本日は一つに絞って書くと、日本はもう少し政党政治がきちんと
機能するようになるべき
だと考えるからです。

「日本の選挙にはカネがかかる」

と言われておりますが、世界を見渡すと選挙でこれほど
お金がかかっている主要国は、日本・韓国・アメリカの3つです。
そしてこの3ケ国の特徴は、選挙が個人重視になっている点です。

これらの国では、とにかく町中に候補個人のポスターがあふれて、
選挙カーから候補者名が連呼されるなんてスタイルで選挙が行われます。
必然、「どれだけお金を使ったか」の勝負にもなります。

無尽蔵にお金がかからないようなルールを作るために、長年の蓄積によって
日本には「べからず集」とも呼ばれる複雑な公職選挙法が出来上がったわけですが、
こんな状態は世界で見れば圧倒的にマイノリティです。

ではこの3ケ国を除くその他の国を見ると、ぜんぜん選挙のやり方が違います。
選挙カーも選挙ポスターもあまり見かけません。誰もやらないので、
当然それに対する規制もありません。国よってはそもそも

「選挙期間」

なんてものが定められていない場合もあります(!)。
なぜ、ここまで違いが生まれるのでしょう??

それはなぜなら欧州を中心とする各国の選挙は、
完全に「政党ベース」で行われるからです。

投票日の3日前に候補者を差し替える、なんてことも起こったりしますが、
選挙結果に影響はほとんどないと言われています。これは有権者が
候補者個人ではなく、政党で投票先を決めているからです。

「とにかく顔を売って、有権者と握手することが大事!」

なんて日本の選挙とは、天と地ほどの隔たりがあるのですね…。

もちろん、こうした政党政治にも欠点はあります。
政党の比例名簿の順位付けや候補者選びには直接民意が反映されませんから、
日本で言えば鳩山由紀夫や菅直人を永遠に落選させられなくなったりします

それでもなお、個人重視の不毛な消耗戦に終始し、
既得権との癒着も招きやすい日本の政治は政党政治へと
脱皮する必要があると、政治の世界に入ってからますます強く感じています。

話を冒頭に戻して、私が比例代表議員の移籍に反対する理由は、その行動が
政党への信頼感を失墜させ、政党政治への道を遠のかせるからに他なりません。
こうしたことがまかり通れば、

「やっぱり、政党や政策よりも人柄だよね」
「政党や政策に関係なく、〇〇さんを応援する!」

という『日本人的な美徳や選択基準』が、
今後もますます強くなっていくことが予想されます。
(そういわれるのは、とても嬉しいことではありますけどね)

「選挙から選挙の間の4年間くらい、きちんとまとまっておけよ!」

というのが圧倒的多数の普通の人の感覚でしょうし、
離党や解党の場合、比例代表議員は必ず議員失職することになれば、
皆さんもう少し真面目に政党の維持に努めるんじゃないでしょうか。。

とにかく、色々な理由をつけても結局は次の選挙のために
政党ロンダリングをしていくような議員が実際にいるのも事実。

以上の主な理由により、私は自党が掲げる比例議員の移籍禁止の
法制化については支持するものでありますし、自分自身も政党政治への
信頼を失墜させないよう、今後も行動していきたいと思います。

おお、やっぱり長くなりました…2000文字。。
それでは、また次回。

2014/05/11

国民投票法改正案が衆院で可決
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140509/k10014328871000.html

改正法の施行から4年後に投票年齢を18歳以上に
引き下げること柱とする、国民投票法の改正案が衆院で可決されました。
波乱がなければ参院でも可決され、2018年から18歳に投票権が与えられます。

こちらのニュースを受けて

「選挙で、18歳以上が投票できるようになる!」

と思った方もいらっしゃるようですが、(憲法改正などの)国民投票に
おける「投票権」と、各種選挙における「選挙権」は別物ですので、
これをもって選挙権が18歳以上に引下げられるわけではありません。

ただし、どちらも『参政権』の一部であり、この年齢が異なるのは
法的に整合性が取れませんから、これから公職選挙法における「選挙権」も
引下げに向けての調整が具体的に始まっていくことが予想されます。

憲法改正に至るまでの様々な与野党の思惑はあれど、
若い世代に参政権が拡大していくことを、まずは寿ぐべきだと思います。
そもそも、参政権が20歳以上の国は、もはや世界において完全なマイノリティです。

基本的に参政権はどの国も「成人」に与えられるものですが、
世界187の国地域のうち、実に140以上が18歳以上を「成人」としています。
先進国と言われるOECD各国でも、20歳を成人としているのは日本のみです。

成人を20歳以上としたのは、それほど論理的な根拠がないとも言われています。
強いていえば「キリがいいから」なのでしょうが、確かに各国もかつては
20歳以上を成人としている国が多くありました。

しかしながら、教育水準の向上や1960年代からの学生運動の高まりを受けて、
イギリスやドイツ、イタリアなどで次々と成人の年齢が18歳に引き下げられました。

我が国における学生運動時に、なぜかこうした「成人(=参政権)」の
引下げ議論が起こらなかったことは不思議でもあります。
誰かが都合でも悪かったんでしょうね。既得権層や、古い政治家とか。

安倍政権が、おそらく若年層を取り込めると目論んで第一次政権から推し進める
この改正の機運は、私たち若い世代にとって一隅のチャンスです。
参院での可決、その後の公選法の改正まで、注目し続ける必要があるでしょう。

もちろん、参政権を引き下げたからといってすぐに
政治が変わるわけではありません。若者の低投票率に対する一定の効果が
期待されますが、これだけで劇的な変化が起こることはないでしょう。

せっかく18歳、つまり高校三年生が投票にいけるようになるのですから、
高等教育における政治・民主主義の教え方を再考するべきです。
特に

「政治=なんかヤバイもの、触れちゃいけないもの」

という強烈なイメージを払拭するためには
あらゆる手立てを講じる必要があります。政治の話を学生同士が行うことは、
なんら恥ずべきことでもヤバイことでも本来ないのです。当然ながら。

こういう感じで、楽しく本質的に学べるカリキュラムがあるといいですよね。

どうして、選挙にいかなきゃいけないの? -よいこのみんしゅしゅぎ-
http://otokitashun.com/blog/daily/3109/

今回の改正案をきっかけにオトナの皆さまも、
学生や子供たちと政治について、話し合ってみるのはいかがでしょうか。

それでは、また次回。

2014/03/31

大阪市長選、投票率23.59% 過去最低を記録
http://www.asahi.com/articles/ASG3R4RP1G3RPTIL00Y.html

3月23日に投開票となった大阪市長選挙は
大方の予想通り(?)の低投票率となりましたが、
ここまで低いというのは個人的には誤算でした…。

ちなみに東京近郊でいうと、3月2日投開票で
ひっそりと行われていた埼玉県議会議員の補欠選挙では
投票率がたったの13.47%でした

埼玉県議会議員補欠選挙 結果
http://go2senkyo.com/election/12797

補欠選挙とはいえ、ここまで低い数字は初めて見ました。。
もはや10人に1人しか投票に行っていないわけで、それで選ばれた
候補者が市民の代表といっても、違和感が残るばかりです。

それでは、日本の法律では低投票率の選挙が無効になるかと言われれば…
答えはNoです。例え投票率が1%でも、選挙の結果は有効になります。

ただし、「法定得票」という決まりがありまして、
一定以上の得票率を獲得しないと当選できない仕組みですから、
あまりにも低投票かつ票が割れると全員落選で再選挙ということはありえます。

この法定得票は例えば衆議院選挙なら「有効投票総数÷6」となってまして、
投票数が10,000票で候補者が10人、全員が1,000票ずつなんてことになると
再選挙になるわけですね。あまり考えづらい事態ですけれど…。

結局のところ、ネット選挙の解禁は投票率の向上に寄与せず、
若者の政治離れは加速する一方で、投票率の低下には歯止めがかかりません。

その事態を嘆く一方、選挙前はあれほど「選挙にいこう!」と
多くの人が訴えるにも関わらず、終わると波が引いたように政治の話題を
出さなくなるのを見ると、「一時の祭り」と敬遠されるのも無理ないかなと思います。

政治家のネット発信も選挙後は9割減るという(9割に減る、ではなく!)
冗談なみたいな状態が発生している現状ですけれど、
地道な努力を続けていくしかないのかもしれません。

「だって、入れたい人がいないんだもん」

という人に対しては、かのチャーチルが残した
この言葉をお伝えしたいとします。

「選挙というのは、信用のおけない人たちの中から、
 相対的に良さそうな人を選ぶ忍耐である」

民主主義は最悪のシステムだ…という言葉は多くの人が
耳にしたことがあると思いますが、それに続く言葉はあまり知られていません。

放っておいても良くならない(むしろ悪くなる)仕組みだからこそ、
我々が選挙権を駆使して、少しでもより良い世の中を
後世に残すべく努力をしなければならないのです。

ちなみに、余談ですが。
私はこの言葉に感銘を受けてから

「棄権は絶対にやめよう。白票もやめよう!」

と心に誓いました。
白票は無投票よりはマシだけれど、
責任の放棄という意味では変わりません。

そして忘れもしない2012年の衆議院選挙。
わが北区から小選挙で立候補した4名の候補者たちは

・公明党
・未来の党
・共産党
・幸福実現党

この時ほど、頭を抱えて苦悩したことはありません(苦笑)。
でも、真剣に真剣に考えて政策を分析して、「相対的に良さそうな人」
を選ぶ作業は、決して無駄ではなかったと思っています。

…この時、白票が日本でもっとも多かったのが、北区だったそうですがね。。

というわけで皆さま、しばらくは大型選挙がない昨今ですが、
そんな時こそ一つ政治に関心を持ってみませんか?
選挙の時では見れない、本当の政治家の姿がわかるかもしれません。

それでは、また次回。

10:00 | 選挙 | No Comments
2014/01/15

都知事選挙の告示日(1月23日)が近づいて参りました。

候補者は民間の常識で言えば第一線から退くような方々ばかりで、
世論としてもイマイチ盛り上がっていないように感じます…。

さて、マスコミ関連では「自民党が舛添候補の支援を決定した」
「民主党は細川氏を推す」などなどが報じられておりますが、
そもそもなんで知事候補は「無所属」ばっかりなんでしょうね?

端的に結論からいうと、

政党の色をつけると、選挙で勝てないから

ということに尽きます。

よく言われるように、先の選挙で大勝して与党になった自民党も
過半数の支持を集めているわけではありません。参院選の比例代表における
自民党の得票率は35%程度となっています。

大勢の国会議員を選ぶ国政選挙ではそれで良くても、
「オンリーワン」を選ぶ首長選挙では、この得票率で当選することは難しい状況です

「自民党公認」

などの政党色をつけてしますと間違いなく
アンチ層はその候補に投票しなくなりますから、
『公認』という看板が逆に足を引っ張る結果になってしまうわけですね。

現在、公党公認の都道府県知事は
大阪府の松井府知事のみとなっております。
これは当時それだけ維新の会に支持があったということでしょう…

そこで前述のように候補者は「無所属」としておいて、
政党は「推薦」という形を取るわけですが、国政で対立している与野党が『相乗り』したり、
これが地方議会の仕組みをわかりづらくさせる原因となっているように思います。

少し話は飛びますが、
この問題を突き詰めていくと

「実はそもそも、地方議会には政党政治(会派政治)なんていらないんじゃないの?

という結論にたどり着く気がしています。
地方議会は国政と異なり、議院内閣制ではなく二元代表制です。
最大与党が首長を選出するわけではありません。

国政において政党が多数派を形成する理由は立法・政策実現のためですが、
地方議会は事実上立法機関として機能を失っていることが大半です。
多数派を形成すれば条例案の提出・成立ができますが、地方議会ではあまり例がありません。

単に地方議会が行政のチェック機関、首長提案の条例の審査機関であるなら、
会派なんて組まずに各々の議員が案件ごとに是々非々で行動する…
というのも十分に考えられる話しだと思います。

もちろん立法行為の放棄なので悲しいことではありますが、
首長が無所属ならば議員も全員無所属。議会の議案審査は
政策ごとに喧々諤々やって一発勝負!

…なんて議会も、民主主義のレベルアップのために
考えてみてもいいのかもしれませんね。

それでは、今回はこの辺りで。

10:27 | 選挙 | No Comments
2013/11/24

猪瀬都知事の金銭問題がにわかに問題になっております。

猪瀬氏、徳洲会に1億円要請 知事選前虎雄氏判断で提供
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131123/crm13112308510003-n1.htm
(上)徳洲会からの5千万円「個人の借入」「一銭も手をつけていなかった」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131123/lcl13112307000000-n5.htm

この件についてまず率直に思ったのは、

猪瀬さんほどの立場でも、誘惑から逃れられなかったのか

ということでした。

以前に自分のブログにも書きましたが、
選挙には本当にお金がかかりますし、かけた方が有利ですし、
事前活動を含めれば事実上いくらでも使うことができます。

しかしながら、当時の猪瀬候補の状況としては、
政治情勢的にも対抗馬的にも彼が負ける要素はほとんどないように見えました。
実際、フタを開けてみれば歴代最高得票となる圧勝劇です。

「思ったほどお金がかからなかったので、手をつけなかった」

というのはおそらく本当なんでしょうけど、
初めて「選挙」というものに直面した彼は
あれほど恵まれた状況でもその恐怖に屈してしまったわけです。

これはもう選挙に出た人しかわからないと思いますが(←偉そう)、
その時の彼の気持ちはものすごく想像がつきます。
負けたらすべてを失う。怖い。嫌だ。…絶対に勝ちたい!

ただ言うまでもないことですが、ここでお金を受け取ってしまえば
そのしがらみからは永遠に逃れることはできません
「恩返し」をしているうちに、理念も政策もどこかに行ってしまいます。

事程左様にお金と知名度が絶対的に
モノを言う日本の選挙制度においては、

「しがらみのないまま当選する」
「企業団体献金は一切受け取らずに、政治活動を続ける」

というのがどれほど難しいことなのか、
今回の件からも改めて痛感せざるを得ません。

だからこそ、それを実現して政治家になっている
諸先輩方を私は心から尊敬しますし、その理念をあっさり捨てた
なんちゃら維新の会には期待をしていただけに当時とても失望をしたものです。

無色で改革派のイメージが強かった猪瀬知事のスキャンダルは
更なる政治不信を招くでしょうし、真相の追求が待たれるところです。
法で裁くことは難しそうな気がしますが、都民から厳しい審判が下されるでしょう。

しかしまあ。

「徳洲会マネー」については猪瀬さんだけではなく、
今後さまざまな政治家の名前が取り沙汰されてくるかと思うと、
くらーい気分にならざるを得ませんし、

そもそも論でいえば元の徳洲会事件についてだって、
あれが有罪なら組織選挙をやっている政治家は全員 うわ何をするやめr

…組織もお金も持たずに闘っている政治家を見かけましたら、
皆さまぜひとも暖かく声をかけていただき、また彼らを政界に
押し上げるべくご支援をいただきたいと心から願う次第でございます。

それでは、今日はこの辺りで。

2013/01/28

「政治家志望・音喜多駿」としてジャンクステージで
約2年間に渡ってコラムを連載し続けてまいりましたが…。

先日のみんなの党渡辺喜美代表の記者会見にて、
わたくし音喜多駿は次期東京都議会議員選挙の
北区における公認内定者として発表されました。

http://www.youtube.com/watch?v=-zsv_srtLBM&feature=youtu.be&t=6m21s&noredirect=1

(6:21~の公認内定者発表シーンに飛びます。セリフはありません。。)

現在勤めている会社は1月末で事実上の退職となり、
2月より生まれ育った東京北区にてみんなの党の理念を伝えていく政治活動に入ります。

「政治家になる!」

と最初に言い始めてからどれくらい経ったのかは…
自分でも忘れてしまいましたが(苦笑)、
ようやく闘いのスタートラインに立つことができました。

そしてこの政治コラムを連載していく中で本当に
いろいろなことが勉強になったし、堅苦しい話題でもいつも
読んで下さった方々には感謝にたえません。

…と、なんか卒業するみたいな書き方になりましたが、
まだ闘いのスタートに立っただけで、「議員」という意味での
政治家になれたわけではありません。

まだまだ「政治家志望」ですから、政治活動を開始しながらも
何らかの形でこのコラムも継続できればいいな、と考えております。

どうぞみなさま、この「ジャンクステージ」のコラムから
政治家(議員)が誕生する瞬間を見守っていただき、
応援やご支援などもいただければ幸いです。

取り急ぎ、ご報告まで。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

音喜多駿

2012/12/27

みなさま、大変お久しぶりでございます。

先だっての衆議院選挙ではとある候補者のお手伝いをしており、
がっつり選挙をしていたらすっかり更新が滞ってしまいました。。
申し訳ございません。

選挙が終わってから2週間ちょっとが経ち恐縮ですが、
ここで自分なりに今回の選挙の総括をしておきたいと思います。

今回の選挙結果については、

【勝ち組】
自民党、公明党

【まあまあ組】
日本維新の会、みんなの党

【負け組】
民主党

【ド惨敗組】
日本未来の党

【正常運行】
共産党、社民党

ざっくりこんな風に分けられるのではないかと思います。
民主党、未来の党はもう少し議席を残すかと思っていましたが、
概ね自分の予想 & 世論調査通りの結果になった具合です。

自民党の圧勝については多くのメディアや識者が

「決して自民党が支持されたわけではなく、消極的な支持だった!」

とわめいており、まあそうなんだろうとも思いますけど、
この圧勝には大きく2つの要因があったと思ってます。

1.対抗勢力が、争点作りに失敗した

まず今回の選挙は、「政権交代」というわかりやすい構図があった前回と比べて
圧倒的に争点や対立軸がわかりにくい選挙になってしまったと思います。

「脱原発」

という言葉はかしましく世間を飛び交っておりましたが、
12日間、毎日長時間街頭に立って有権者の反応を見てきた経験から言っても、
今回の選挙で原発問題への関心は非常に低いと感じました(少なくとも都心では)。

にも関わらず、第三極といわれる自民党の対抗勢力たちは

「30年代には原発ゼロだ」
「いや、20年代だ!」「即時ゼロだ!」
「脱原発ではなく、卒原発だ!」

などと不毛な脱原発競争を繰り広げ、
これに愛想を尽かした有権者が自民党に流れた、
という部分は非常に大きかったと思います。

野田元総理がしかけたTPPや、増税なども大きな争点には結局ならず、
終盤には完全に

「政権運営能力」

とでも言うような、総合力勝負の様相をなしていました。
これでは、自民党に勝てないのは明白です。

原発批判、バラマキ批判に終始し、明確は争点を作り出せなかった。
対抗勢力たちはこの点を反省するべきでしょう。

2.いわゆる「第三極」の離合集散がひどすぎた

個人的には、ほんとにこっちに腹が立っているんですけどね。
今回、代表的な第三極として

「みんなの党」「維新の会」「未来の党」

が乱立し、多くの選挙区で潰しあいを演じました。
「脱原発」「反自民(既得権)」を争点にしようとしているのに、
同じ主張をしている候補者を小選挙区に乱立させて、一体なにをやってるんでしょうか。

小選挙区では、当選者が一人です。
複数人が当選する中選挙区制であれば似た立場の候補者が
立候補するのもありえますが、小選挙区ではまったくのナンセンスです。

特にみんなの党と維新の会は当初、東西で立候補者をすみ分けるはずでしたが、
維新と石原慎太郎氏(太陽の党)との突然の合併により、首都圏の多くの選挙区で
候補者が競合することになり、それらはすべて惨敗しました。

選挙直前に小沢さんが主導で作った未来の党も、
古い政治家が「原発」という争点を弄んだ印象を有権者に与え、
第三極離れを加速させた一因になったと、個人的には感じています。

「投票率が低い!有権者の意識が低いのが悪い!」
「偏向報道ばかりするマスコミが政治離れを作っている!」

などのお決まりの批判も相変わらず見られますが、今回に限っていえば
これだけ古い政治家たちが私利私欲でゴタゴタやってれば、
そりゃ棄権か自民党を選択するよ、という感じです。

というわけで、個人的な結論を乱暴にまとめると
今回の自民党大勝の立役者は石原さんと小沢さんです

あなた方が争点をぼかし(石原さんがいきなり憲法論議をしたり…)、
有権者の信頼を裏切ってくれたおかげで自民党は
安定政権を確立することができる見込みです。

本当にありがとうございました。

あ、もう1つちなみに言うと維新の会は、あれほど石原系の候補者を
第三極同士の競合承知で首都圏に後から後から大量に出してきたにも関わらず、
石原ジュニア2人が立候補していた東京3区、8区には維新の会の候補者を擁立していません

とても不思議ですねぇぇ。
どうしてでしょうか?自民党倒して改革政権作るんじゃなかったの?

未来の党の方はといえば案の定、というか予想よりはるかに早く
崩壊が始まって国会議員は阿部さんただ一人になる見込みだそうです。

日本未来の党:分裂へ 発足1カ月、嘉田代表が表明
http://mainichi.jp/select/news/20121227ddm002010126000c.html
お願いだからギャグだと言っていただきたいくらいの展開です。
こうした有権者を馬鹿にした行動に、僕は心から腹が立っています。
維新の会も、橋下さんと石原さんがどうなることやらで、早晩分裂すると思います。

とまあ、こんなひどい政治家がかき回した政党を誰も支持せず、
自民党が圧勝したというのは、ある意味有権者がマトモな判断をしたのではないかと、無理やり前向きに結果を捉えている次第であります。

上記のようなどうしようもない政党に振り回されて、
ブレずに一貫した政策を主張してきた党も一緒に埋没してしまったのは
はなはだ残念ではありますが、とにもかくにも結果が落ち着いた今回の総選挙。

このわれわれ国民の選択が誤った方向にいかないことと、
自民党大勝の功労者たる大物政治家お二人の一刻も早い
政界からのご退場を心の底から願うばかりです。はい。

07:21 | 選挙 | No Comments
2012/11/27

いよいよ、12月16日は衆議院総選挙の投票日です!
街には徐々に街宣車が溢れ、選挙モードが漂ってきました。
このままクリスマスムードを吹き飛ばしてくれればいいのに。

…さて、そんな選挙ですが。

選挙に「おかしなルールがある」というのは
皆さま方もなんか薄々気づかれているのではないかと思います。
もうすでに大半の方が知っている有名な問題点としては、

「選挙期間中は、インターネットによる宣伝・選挙活動ができない」

なんてのがありますね。
こうしたルールは「公職選挙法」という法律で定められています。

なんでネットで選挙活動をしちゃいけないんでしょうか??

まず公職選挙法には、実に高尚な理念(理想)がございます。
それは、

経済力の多寡で当選者が決まるような選挙ではいけない!
 万人が政治の世界に挑戦できるようなルールを定めるべきだ!!

というものです。
おや、「選挙はカネがかかるもの」という僕らの常識からは
あまりにもかけ離れた理念ですね!これはどうしたことでしょう。

まあこうした「崇高な理念」にもとづいて、
ざっくり言うと選挙には大きく2つのルールがあるわけです。

1.
選挙期間中に使えるお金の量は決まっている
→ゆえに、出せるハガキの枚数や貼れるポスターの枚数にも上限があります。
上限を設けないと、お金のある候補者が作りまくって選挙で有利になっちゃうからね。
こうした印刷物は選挙では「文書区画」というものに分類され、色んな制限がかけられています。

2.
定められた選挙期間以外は、選挙活動をしてはいけない
→それができたら、選挙期間外にいくらでもお金を使って宣伝でき、
上記1のルールが有名無実になってしまうからです。

インターネットが選挙期間中に使用できないのは、
ネットが現在1番のルールの「文書区画」にあたるとされているからです。

詳しく解説すると、ネットにもお金がかかる時代がありました、と(確かにあった)。
ハガキやポスターの枚数は制限してるのに、電子メールでいくらでも有権者に
ダイレクトメールを配信できたら意味がなくなってしまいます。

ここにも制限をかけないと、ダイヤルアップ接続で(懐かしい!)
ネットをつなぎ放題にして、湯水のように使える金満候補者が選挙で有利になってしまう!
それはいかん!じゃあもう、ネットは全部禁止にしてしまえ!!

…とまあ、こんな感じになるわけですね。
だいぶ端折りましたけど。

2番の方も、だいぶおかしなルールです。

選挙期間中(今回は12月4日~16日)以外は選挙活動してはいけないのに、
もう街頭演説もしてるし、街には候補者のポスターがバンバン貼られてますよね?

実は表面的には、いま行われている活動は候補者の名前を売る「選挙活動」ではなく、
政党や政策のアピールをする「政治活動」であるというタテマエで許容されています

あくまで街に貼られているポスターは、候補者の名前を売るものではない。
なので、よーーく見るとポスターのどこかに小さく小さく

「平成25年◯月◯日、街頭演説会(やら、勉強会等)開催」

というような、遥か未来のイベントを告知する文章が書かれています。
あくまで「演説会や勉強会の宣伝ポスターで、名前を売るポスターではない」という理屈です。

政治家っぽい人が配っているチラシも同じです。
どこかに小さく「勉強会討議資料」とか書いてあったりします。
討議資料ばらまいてどうするんだよっていう突っ込みを、選挙管理委員会は入れてくれません。

長々と書いてきましたが何が言いたいかというと、
公職選挙法は完全に形骸化しており、まったく理念が現実に追いついていないということです。

結局、事前の選挙活動は「政治活動」として見て見ぬフリをされるので、
ずーーっと前から仕事やめて宣伝活動を続けられる、お金のある候補者や
もともとの地盤がある世襲議員が圧倒的に有利になります。

こいつらに勝つためには新人候補もバカ正直に
選挙期間だけ闘うわけには行きませんから、事前の宣伝活動で
やっぱりとんでもなくお金がかかるハメになるわけです。人も雇えた方が有利だし。

なお、選挙期間中の運動に対しては、印刷費の一部や選挙カーのガソリン代まで
かかった経費のかなりの部分が選挙管理委員会から支給されます(もちろん上限はありますが)。
選挙期間中は理念通り、「お金のかからない、対等な闘い」なのです。

インターネットも、つなぎ放題が当たり前になった今、
圧倒的に現実は先の方にいっちゃってルールが追いついていません。

追いついていないどころか、地盤や鞄(資金力)がない新人候補が
知名度を上げるために必須とも言えるツールを奪い取って、
足を引っ張り狂うような状態になりさがっています。

ここで少し話は逸れるのですが、日本人はどうも

法律(ルール)はそのまま放ったらかして、グレーゾーンで運営したがる

という面があるように思えます。
例えば、交通ルールのスピード違反。

だいたい都心の道路は制限速度が40~50キロくらいが多いですけれども、
そんなのを守ってる車のが珍しいくらいで、大体60キロくらいまではOKになってます。
ていうか、それくらい出さないと流れにまったく乗れません。

高速道路も名目上の制限速度は100キロですが、追い越し車線では
110~120キロくらいは概ねOKというのが暗黙の了解になっています。

ドイツなんかは全く逆で、制限速度が適正に設定されている替わりに、
数キロでもオーバーしていると容赦なく警察の御用になるそうです。

これなんかも、

「本当はこれくらいの速度で走ってくれるとみんな安心よね」

という理想に、現実の法律(ルール)がまったく追いつかず
形骸化している顕著な例なんじゃないかと思います。

こうした「暗黙の了解」を好むのは日本社会のムラ文化が…
などという社会学的な分析は学者に任せるとして、兎にも角にも選挙においては
公職選挙法は古い政治家たちが生き残る道具となり、害悪になっていると言わざる得ません

これを解決するには、

・ルールを現実に合わせる(ネット選挙や、事前選挙活動もある程度思い切って解禁。新たなルールを作る)
・現実にルールをあわせる(取り締まりをめっちゃ厳しくする。事前にビラ配った瞬間逮捕!とか)

このどちらかの道に進むしかないわけですが、
どう考えても後者は現実的じゃないですよね。。現職が有利になるし。

「お金で人を差別してはいけない!」

という公職選挙法制定時の理念は大変立派なものだったと思いますが、
やがて形骸化して既得権益者たちの拠り所となってしまった悪法は一刻も早く
ご退場いただくべきです。そんな高尚な理想があるわりに、立候補に供託金300万必要とかも意味不明だし。

特に個人的には、公職選挙法を作ったやつは今のルールだと選挙期間前後で
何度もポスターの種類を変えなきゃいけず、その度に徹夜で張替えをしている
人たちの気持ちになってみろハゲ!!と言いたいです。いや、マジでクソゲーだから今の選挙。。

まあとはいえ、泣いても笑っても、今はこのルールで勝負するしかありません。
こうした理不尽なルールを正す政治家をきちんと選出することができるのか、
それは我々有権者一人ひとりの意思にかかっています。

みんな、選挙には行こうNE!
投票日は12月16日(日)、不在者投票もやってますよー。
ではでは。

10:41 | 選挙 | No Comments
2012/09/10

橋下徹氏が率いる「大阪維新の会」が正式に国政進出を宣言し、
文字通り政界には激震が走っております。

衆院定数を半減 「維新八策」最終案の全文
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC3103B_R30C12A8000000/

報道では飛ぶ鳥を落とす勢い、イケイケ(死語)の彼らですが、
果たして死角はないのでしょうか?なんか加熱報道に食傷気味の僕は
敢えてここで冷水でもぶっかけてみたいと思います。

「この国の統治機構の在り方を変えるため、政権奪取を目指す!」

そう威勢よくうたって船出した『日本維新の会』。
政権奪取、具体的には次期衆院選での議席数過半数を目指し、
350人以上の候補者を擁立するそうな。

そんな彼らを待ち受けるワースト・シナリオとして、
それも結構な確率でありそうなのが、単なる少数野党になるケースです。
もっと言うと、自民+公明が過半数の議席を取る場合です。

順を追って説明しましょう。

まず、維新の会の最大の弱点は何か。
それは彼らの党綱領とも言える「維新八策」が
他のどの政党とも連携できないほど過激なものである点です。

「議員数を半分にすると言うと、みんな波が引くように逃げていく」

橋下代表自らがそう自嘲気味に語るように、
彼らの「統治機構を変える」という政策は既存政党の目指すものと
あまりにもかけ離れており、それだけ妥協することが難しい代物です。

戦後一貫して「大きな政府(福祉国家、中央集権)」を目指してきた
既存政党たちとは180°違う価値観を提言したわけですから、
それには相応のリスクが伴います。

民主主義における政治というものは、一つの価値観が他を
圧倒するということは滅多にありませんし、また望ましくもありません。

違う考えを持った政党同士が意見をぶつけあい、調整し、折り合っていく。
ここに政治のダイナミズムがあるとも言えます。

ところがここに、受け入れに充分な時間もなく
まったく異なる価値観とそれなりの勢力を持つ政党が誕生したらどうなるか?

他の政党はこれと歩み寄るよりも
徹底的に叩き潰す、無視することを選ぶのが定石でしょう。

以上を踏まえて、最悪のケースを見てみます。

過去最大の新党ブームと言われた「日本新党」が旋風を巻き起こした
1993年の衆議院選挙で、彼らの獲得議席は35議席。
新党のデビュー戦では、これがレコードとなっています。

今回「日本維新の会」がこの記録を上回り50議席近くを獲得したとして、
それでもまだ「自民+公明」が過半数を取る可能性はあります。

すると、「日本維新の会」はキャスティング・ボード(※)を握れず
単なる「少数野党(one of them)」として埋没。

※キャスティング・ボード
同等の勢力が拮抗している状態で、第三の少数勢力が影響を及ぼすこと。
最近では公明党がその代名詞である(?)。

自前の法案を提出してみたり、政府案に反対してみたりするも、
過半数を抑える与党の前では大きな抵抗にならず半ば無視。

そうこうするうちに人気は「賞味期限切れ」を迎え、
大阪府政の運営と引換にあらゆる局面で妥協を迫られ、
何もできないまま有権者から見放されて空中分解…。

これが、僕が考える「最もありえそう」な
日本維新の会がむかえるワースト・シナリオです。

では逆に、ベスト・シナリオはどうでしょう?

もちろん、本当に過半数の議席を得て政権奪取!
…と言いたいところですが、以前にも書いた理由から
それはほとんど不可能だと僕は睨んでいます。

次善のベター・ケースとしては、
『日本維新の会』や、唯一彼らが提携可能な『みんなの党』らの
第3勢力が大きく議席を伸ばして、単独過半数の与党出現を防ぐ場合です。

これで俄然、国政運営は熱を帯びてきます。

政権与党はそれぞれの法案提出するのに
第二極、第三極との交渉・折衷が重要になりますから、
「維新八策」の内容が少なからず政策形成に影響を与えることになるでしょう。

またこのケースでは自民・公明・民主が野合(※)して「大連立」することも
考えられますが、そうなったらそうなったで維新の会らが第二極に浮上。
次期総選挙では日本憲政史上初の

「大きな政府」VS「小さな政府」

の対立軸が争点となる選挙戦が展開され、
米国や英国のような真の二大政党制が確立されるかもしれません。
(まあ、日本が2020年くらいまで破綻しないことが前提ですけど)

※野合(やごう)
共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まること。
類義語に「民主党」、「国民の生活が第一」などがある(半分ウソ)。

…いずれにせよ、このタイミングで「国政進出」という
大博打に出た維新の会は、おそらく今回は与党になるであろう自民・公明に
イニシアチブを握られる(過半数を取られる)か否かが生命線となるように思えます。

少し話がぶっ飛んでいるので想像しにくかったでしょうか(ゴメンナサイ)。
ではこうした中で、我々有権者が取るべき行動はなんでしょう?

もしあなたが若く、今の日本の政治を憂い、

「このままじゃダメだ!」「何かを変えたい!」

と思っているとすれば、
「民主がダメだったからまた自民」という投票行動は
最悪のケースを招くと考えて良いでしょう。

昨今の長老政治の跋扈や郵政民営化の後退などを見るに、
自民党はかつての歴史を反省するどころか反動の一途を辿っており、
これまでの政治の延長、既得権益が緩やかに維持されていくことは間違いありません。

もっとも、それは悪いことばかりではないかもしれません。

いくらこのままでは日本がダメだと言っても、
仮に今回維新の会がぶちあげた「維新八策」の社会が実現して、
居心地の良い人ばかりとは限らないからです。

彼らの理念の中で多様される

「自立」
「責任」

という強い言葉たちは、
我々国民一人ひとりに大きな負担を強いることになります。

これまでのように「誰か偉い人」に任せていれば、
それなりに平等な社会で生きていけることもなくなるでしょう。

そしておそらく待っているのは、いま以上の「格差社会」です。
(もっともそれは、「努力した人と、しなかった人の差」になるはずなのだけど。)

それを、

「これぞ自由で平等な社会!」と取るか、
「そんな熾烈な競争社会…」と捉えるか。。

次の選挙の投票行動は、そんな価値観で決まってくるのかもしれませんね。

ちなみに。

「自立」「(自己)責任」というワードを聞くと
小泉純一郎氏を思い出される方もいらっしゃると思います。
そうした価値観の権化とも取られる彼ですが、彼がもともと使っていたのは

「自律(自分を律する)」

という言葉の方でした。

自立、自立と言われるよりも、
こちらの方がこれからの日本のあるべき姿として
僕にはしっくりきたりするんですけどね。

それでは、また次回!

2012/06/28

増税法案が可決され、新聞の政治欄が賑やかになってきました。

あまりにも小沢小沢の字が喧しく踊っておりますので
あたくしはそちらは華麗にスルーし、増税法案の裏番組で進んでいる
選挙制度改革を前回に引き続き取り上げてみたいと思います。

連用制 党利党略の優先に呆れる
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120620/plc12062003170000-n1.htm

さて、現在政界では一票の格差が問題になっておりまして、
衆院選挙はすでに最高裁判所によって現状が「違憲状態」とされています。

これを改善しなければならないのと、もともと民主党はマニフェストで
議員定数の削減をうたっていたこともあって、議員定数を削減しながら
選挙区や選挙制度自体の改革にも踏み込む動きがあるわけですが。

民主党はもともと、比例代表制度で選出される議員数の削減を志向していました。
野田総理は過去の著作(「民主の敵」)の中でも、いずれは比例代表制を廃止して
小選挙区一本で議員を選出するべきだ、と書いています。

前回の記事で述べた通り、選挙制度には基本的に二種類しかありません。

・多数決、多数の意見こそが民意だと考える「多数代表制」(≒小選挙区制)
・少数の民意をできるかぎり汲み取ってこその民主主義だと考える「比例代表制」

そう、明らかに民主党は前者を志向する政党だったわけです。
(もともと、二大政党を招きやすい小選挙区制で台頭した政党ですから)

ところがそれが、ここにきていきなりブレた。
しかも、半端じゃないくらいブレまくった。

降って湧いて出てきたのが、比例代表制の議員を削減する代わりに、
「比例代表連用制」を一部に導入するという案です。

もうこんな制度マニアックすぎて一般市民は理解不能だと思うのですが、
簡単にいうと小選挙区で勝てなかった弱小政党に
比例票を優先して回して席を取りやすくさせる、という制度です。

理屈としては、小選挙区(多数代表制度)選出の議員が相対的に増えると、
小選挙区で勝ちやすい大政党に有利で当選者のバランスが悪くなってしまう。
ゆえに、比例代表のパートではもっと弱小政党に有利なように制度を変えましょう、と。

…意味わかんねーよ!!

弱小政党に配慮して少数意見も汲み取れる選挙制度にしたいなら、
単に多数代表の数を削って比例代表を増やせば済むだけの話しです。

繰り返しになりますが、選挙制度には2つの制度と思想しかありません。
多数の意見を取る多数決主義か、多用な民意を汲み取る相対主義か。
前者が多数代表制(小選挙区制度)で、後者が比例代表制です。

日本はどちらの制度にも決めきれず、折衷案のような形で
小選挙区300、比例代表180という中途半端な制度を取ってきました。

-さあ、ここからはじまる民主党劇場-

マニフェストにも議員定数削減って書いちゃったし、
裁判所からも違憲状態で改善しろと言われてしまった…

でも小選挙区を減らすのはマニフェストや党の志向に反するし、
現職議員の反発も強いしムリ。かといって、比例代表を減らしたら
少数政党(ていうか公明党)の反発が強すぎてそれはそれでムリ…

じゃあ比例代表の数は減らす代わりに、
少数政党(ていうか公明党)に有利な制度を導入すればいいんじゃないか?!

そしたらその少数政党(ていうか略)がとある政党(自民党ですが)と
選挙協力する必要もなくなり、こっち側に擦り寄ってきてくれるかも?!

そうだ、これだ、連用制を導入しよう!!

-劇場終わり-

いったい、どっちを向いて制度設計をしようとしているのでしょう?

仮にこれが通って衆議院選挙の比例代表制の一部に連用制が導入されると、
ざっとみてこれだけの選挙制度が日本には併存することになります。

・小選挙区単記制(衆議院、参議院の一人区)
・大選挙区単記制(参議院の二人区以上、地方議会選挙)
・拘束名簿式比例代表制(参議院)
・非拘束名簿式比例代表制(衆議院)
・非拘束名簿式比例代表連用制(衆議院)←New!

無理。

「選挙制度のデパート」と世界から失笑を買う日本の選挙が
主義思想もなくさらに複雑化していくというわけです。

選挙制度を変えるのに、政治思想・哲学は必要不可欠です。
「民主主義」「民意」をどう捉えるか。そのためにはどれくらいの議員数が必要で、
どんな方法で選出するのがベストなのか。

そういった大切な議論を一切せず、

「違憲状態だから」
「減らすって言っちゃったし」
「とりあえずとある政党の選挙協力が欲スィ」

といった理由で選挙制度が変えられようとしていることに、
もっと我々は危機感を抱かなければいけません。

増税や社会保障制度も、わかりやすく大切な問題ですけれども、
ますます選挙制度が複雑化して若者の選挙離れが進まないよう
こうした問題にもしっかりと関心を持ち続けていきたいものです。

ではではー。

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