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2015/03/23

こんにちは。日本は桜のシーズンが始まったようですね。2004年に三重県四日市市で見た桜が、僕にとっては最後の桜。あとは、テレビやインターネットで見るものとなっております。ソロモン諸島のガダルカナル島には、桜そっくりな木が2本生えておりました。木と花は桜そのもの、でも、葉っぱは全然違う…。当然花見をする人などいませんでしたね。そういう桜もどきでいいから見たいものです。

 

さて、一度でっかいトンガ人を挿入しましたが、トランペットの話に戻します。多分、これで終わるかな?

トランペットの仲間たちで、トランペットとコルネットとフリューゲルホルンは仲間じゃない、ということを書きましたが、今回はそのコルネットとフリューゲルホルンの仲間たちのお話です。

彼らは通称「サクソルン属」と呼ばれる楽器たちなのですが、トランペットと演奏原理は全く同じですが、パイプの8割が円錐形になっているというのが特徴です。

このサクソルンと言うのは、19世紀のアドルフ・サックスという人が考案し、特許を取得した楽器で、同じような形体で様々なサイズを揃え、音質を均一化しようという発送のもので作られた金管楽器なんです。同じく、名前からもわかるように、通称サックス、サキソフォンの考案者でもあります。同じ仕組で、同じ素材で、サイズを揃えて、低音から高音まで均一な音質を狙った金属製の木管楽器ですね。ジャズや吹奏楽でよく使われます。このアドルフ・サックスさん、かなりぶっ飛んでいる人みたいなので、興味があればググっていただくと、面白い逸話がいろいろ出てきます。でも、この人がいなければ、サックスも現在の金管楽器も存在しなかったんですよね。サックスさん、感謝。

さて、サクソルンに戻ります。サックスさんが考案したサクソルンは小さいものから大きなものまで7種類ありますが、現在殆ど使われておりません。一般的には廃れた楽器という認識なんじゃないかなと思います。ただ、「バス」と呼ばれる仲間(ユーフォニウムとほぼ同じサイズ)は、フランスでは細々と生き延びているらしい。そして、このサクソルンから派生した楽器が「サクソルン属」と呼ばれているようです。

コルネットはちょっと別の発出のようですが、サックスさんが考案し、特許をとったピストン機構を取り入れて、一気に完成度が上がった楽器です。そして、このピストン付きのコルネットが出てきて、アーバンという人が演奏法を本にまとめ、それがなんと、現在まで金管楽器のバイブルとして、生き残っています。当然、僕も勉強しました。多分、世の中のトランペット吹き(特にクラシック)に、「アーバンなんて知らない…」という人はいないと思います。そして、そのアーバンさんは、コルネットを使って、フルートの超絶技巧の曲目をサラッと吹いて、当時の人達の度胆を抜いたとのことです。そして、その超絶技巧を聞いたフランスの作曲家ベルリオーズは、彼の代表作になる「幻想交響曲」の第二楽章で、最初は何も書かれてなかったのですが、アーバンのために、コルネットの長いソロが「オプションで」挿入されたという話は「その筋」で有名です。いずれにせよ、サックスさんが考案しなければ、トランペットは「ド・ミ・ソ」に毛が生えた程度の音しか出ない時代がしばらく続いたと思います。このコルネットでの成功を元に、トランペットにも同じピストン機構を付けて、今のようなトランペットになっていきます。

現在の英国式ブラスバンドの編成のほとんどがこのサクソルン属の楽器によるもので、音質が均一で、ベル(朝顔)が上を向いている楽器が多いためか、「音が天井から降ってくるような」とか、「動くパイプオルガン」とか形容されたりしております。20年ほど前の「ブラス」という映画があるのですが、イギリスの炭鉱所属のブラスバンドがフューチャリングされており、炭鉱の存続に関する経営者と労働者の対立と、そのいわゆる部活動ですね、のブラスバンドのお話ですが、そこで演奏されている形態が英国式ブラスバンド。演奏はグライムソープ・コリアリー・バンドですが、実はまさにこの話の元ネタとなった団体さんで、炭鉱閉鎖の年、100点満点中99点というブラスバンドのコンクールでは驚異的なスコアで優勝し、その後も名門中の名門として居続けています。(吹奏楽のように木管楽器は一切使われておりません。ので、吹奏楽のことを「ブラバン」と呼ばないでください。)この英国式ブラスバンドで、高音域を担当するのがコルネットです。更に一人だけソプラノコルネットという更に小さい楽器で最高音域を担当してます。

映画「ブラス!!」のコンテストでのロッシーニのウイリアム・テル序曲が演奏されます。こちら。金管バンドでこんなこともできるんですよ。この曲のほか、クラシックで有名な楽曲の殆どは、既に編曲され、演奏されています。交響曲と言ったレベルの楽曲でさえ、金管楽器で演奏してしまします。ちなみにトンガでのブラスバンドもこのスタイルです。あまり見かけない楽器が多くあると思いますが、トロンボーン以外は、サクソルン属の楽器となります。

この英国式ブラスバンドの他に、「ファンファーレバンド」という形態もあります。これは、サクソルン属にサックス属を加えた形態。まさに、サックスさんのための編成。これがまた、なかなかゴージャスな響きでかっこいいんです。日本では殆どありませんが、ヨーロッパでは確立した編成として認識されているし、楽曲も作曲されています。日本では洗足学園音楽大学が、日本で初めて音楽大学に英国式ブラスバンドを導入し、後年ファンファーレバンドも教育の一環として導入しております。この編成では、コルネットよりフリューゲルホルンがメインです。フリューゲルホルンは、サクソルンの高音楽器ソプラノ・サクソルン(Eb管)とコントラルト・サクソルン(Bb管)から派生したという話なので、コルネットでなく、フリューゲルホルンをメインにおいているのだと思います。

と、興味のない人にとってはどうでもいい話を長々と語ってしまいました。同族の楽器とのアンサンブルやセッションと言うのは、音が綺麗に混ざり合うと、鳥肌が立つような衝撃があります。逆にオーケストラや吹奏楽というのは、むしろ異種格闘技戦かも。大人数で一つの音楽を演奏するのは、意外といろんな駆け引きがあったりして面白いのです。

では、次はトンガの話に戻しますので、またよろしくお願いします。

2015/03/23 10:50 | 音楽 | No Comments

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