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2008/10/29

みなさんこんにちは、トンガの鈴木です。暑いです。陽射しが痛い!サンダル焼けが日に日に濃くなってきてます

前回はソロモン諸島での音楽活動を綴ってみました。その続きです。今回は主にソロモンで出会った警察官たちの話です。

と、その前に簡単にソロモン諸島の治安状況を書かないと話がつながりませんので、その辺を少しお話します。
基本的にのんびりとしていまして、少なくとも僕がいた3年間は「自分」が危険な目にあうことはありませんでした。なんですが、実は1998年〜2000年の3年間は、ソロモン諸島内の民族紛争が勃発しておりました。そのため、私が属していたボランティア活動DBVG(ドンボスコ海外青年ボランティアグループ Don Bosco Volunteer Group)はソロモン諸島の派遣を見合わせておりました。

ソロモン諸島は小さな部族がたくさんあります。そして、その部族ごとに自分の言語を持っているという国です。正式ではないですけど、ソロモン諸島内の言語は130位あるのではないか?という話を聞いたことがあります。ちなみに隣のPNG(パプアニューギニア)には850位の言語が存在するそうです。そのため、「自分と同じ言葉を話す」=「同部族」=「家族」という図式が成立ち、この関係にある人達は自分の家族として、実際に知らない人でも受け入れてしまうという「ワントクシステム」が存在します。

「ワントクwantok」つまり「one talk」一つの言葉を話すということ。このワントクシステムがソロモンの根本的なルールとなっております。なので、いくら食べるものがなくなって、家がない状況でも、ワントクの所に行けば受け入れてもらえるわけです。そういう相互扶助関係が確立していますので、国、生活は貧しくても、ホームレスは、ほぼ存在しない。素晴らしい!このワントクシステムに則れば、僕は日本人ですので、全ての日本人がワントクです!あと、「友達」という意味合いで使う場合もありますね。一度知り合えば旧知の親友みたいに仲良くしてくれるので、その友達を通じて、自分もそのワントクの仲間入りすることも十分あります。

しかし、恐い面もあります。もし、相手を傷つけてしまったら?報復があります。例えば僕、日本人がソロモン人の誰かを傷つけてしまったとします。そうすると、個人vs個人でなく、ワントクvsワントクという報復となり、関係のない相手のワントクが、全然関係ない日本人をボコボコにしてしまう可能性もあるわけです。つまり、部族間の報復です。幸いソロモンは超親日ですので、僕はかわいがってもらい、そういう目にあうことはありませんでしたが。

そしてもう少し広く見て、「島」もワントクと見る場合もあります。ソロモン諸島は無人島も含めて1000近い島が存在します。なので、「俺はこの島出身だ」「おぉぉ、俺も一緒だ!兄弟!!」と意気投合する場合も多々。そして、もっと大きくみれば「国」もその対象。例えば日本でソロモン人に会ったとします。そこで、僕が「僕もソロモン諸島にいましたよ〜」と言うと「おぉぉぉ!ワントク!!!」と抱きあって喜ぶわけです。喧嘩している島どうしでも、海外に出ればワントクに…。
このワントクシステムは、ソロモン諸島の他、お隣のPNGにも存在します。ヴァヌアツもそうなのかなぁ?ちょっとヴァヌアツは分かりません。そして、PNG、ソロモン、ヴァヌアツの3ヶ国はピジン英語という言葉がほぼ共通しているので、メラネシア全体がワントクになってしまったり…。

さて、冒頭に述べた民族紛争は、この島vs島の対立でした。首都ホニアラのあるガダルカナル島と、第二の町アウキのあるマライタ島の対立。実はその首都ホニアラの住民の80%はマライタ島民が占めており、ガダルカナル島民は島内に離散している。このふたつの島が民族も気質も全然違い、仲が悪いらしい。それが最終的に民族紛争に発展していったわけです。

この民族紛争で警察、行政がすっかり麻痺してしまい、自力復興が不可能とみたソロモン政府は国連に救援を頼み、2003年にオーストラリア、ニュージーランドを中心とした警察、軍人、文人たちがやってくるようになりました。Regional Assistant Mission of Solomon Islands の略でRAMSIと言います。ちなみに、2003年のRAMSIの第一陣の到着日の翌日、われらDBVGはソロモン入りしました。空港の中には軍の迷彩テントが広がり、町の至るところにライフルを持った軍人が歩きまわり、なかなかものものしかったです。現在もRAMSIは活動を継続中です。日本からも文人(行政部門かだったかな?)がRAMSIに加わることが決定したと言う話を聞きましたが…。

さて、僕はいつも通り、ソロモン警察音楽隊に行って、練習していたところ、音楽隊の隊長から「さっき、お前が来る前にトンガの警察官が探してたぞ!あとでオフィスに行ってみな」と言われた。ちなみにトンガ人の知り合いなど誰一人いない。知り合いどころか、いままで「トンガ人」に会ったこともない。誰だろう?と思いながらもオフィスに顔を出してみると、デカい警察官がのそっと出てきた。

alani_and_me.jpg

「うぉっ、でけぇ!なんなんだ?その腕の太さと胸板の厚さは!?」

とちょっとビビリながら挨拶。手が大き過ぎて握手できない…。

「あっ、こんにちは。アラニと申します。よろしく。」と完璧な日本語で挨拶されて更にびっくり。

僕:「こんにちは。鈴木です。日本語めちゃくちゃうまいですね。日本に行ったことあるんですか?」
トンガ人:「30年位前、日本で仕事してました。」
僕:「そうですか。何してたんですか?」
トンガ人:「相撲とってました。」
僕:「Σ (゚Д゚;)相撲…ですか?」
トンガ人:「はい、相撲ですよ。一度幕下優勝したこともありますよ!」

生まれて初めて相撲取りと話しました。それもソロモンで!まさかこんな出会いがあるとは思ってもみませんでした。どおりでデカいわけだ!日本つながり、それからお互いの住所も同じ通りということで、すっかり仲良くなってしまいました。僕の最強のボディーガード(笑)。彼の働くオフィスは音楽隊と同じ敷地内にありましたので、練習の後は、彼のオフィスに顔を出してしばし歓談。いいのかなぁ?勤務中の警察署の中でこんなにまったりして…。当然彼一人ではなく、同じ席にいるソロモン人警察官も別に問題なく「スズキ!よく来た!なんか飲むか?」とこんな感じ。実はその警察官が、ソロモン警察のNO3だったりするから、驚きもの。これで、何か警察沙汰になっても絶対大丈夫だ!幸いそういうことはなかったですが。

また、彼と一緒にソロモンに派遣された警察官の一人がトンガ警察音楽隊で、時々ソロモン警察でも演奏するようになり、トンガ警察とも親交を深めることが出来ました。トンガの他、フィジー警察音楽隊の警察官も派遣されていたこともありましたので、ソロモン、フィジー、トンガの警察に行けば、そこの音楽隊に乱入できることは確実!

音楽の他、僕はちょっと地元のクラブチームでラグビーをしておりましたが、そこではRAMSIのフィジー人警察官たちが一緒に汗を流しておりましたので、そこではフィジー警察と仲良しに。こういうわけで民間日本人の僕は、警察音楽隊にいたおかげでフィジー警察、トンガ警察と仲良しになって行くわけです。世の中いろんな出会いがあるものですね。この出会いの連続は自分でも呆れるほど。でも、このおかげで、今僕は、トンガにいます。こういうことを思い出しながら書いてましたら、無性にソロモンで出会った人々に会いたくなってきました…。僕にとってソロモンは楽園です。

話が長くなってしまいますので、続きはまた来週。
では、また。

2008/10/29 02:04 | ソロモン諸島 | 2 Comments

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こんばんはm(__)m夜分遅くにすみません☆

ただいま、JICAの短期ボランティアでソロモン諸島に行こうか検討中です。

私は、幼稚園教諭やサッカーコーチの経験があり青少年活動の分野でお手伝いが出来らばと思っております。今回ソロモン諸島の募集があり検討しております。

あまりソロモンについて詳しく知らないので女性と言うこともあり治安やマラリアなどの感染病についても不安があります。

治安や、感染病などの対策についてお聞かせいただければ幸いです(*^-^*)よろしくお願いいたします。

海老澤

Posted at 2010.01.4 2:26 AM by 海老澤 翼

>海老澤さま
はじめまして。
短期ボランティアでソロモンですか?いいですね。ソロモンはサッカーが盛んですので、面白いと思いますよ。

治安のことですが、一般的には大丈夫だと思います。犯罪率でいうと日本の方がよっぽど高いと思います。と言い切るのはどうかと思いますが、親日な国ですし、JICA万歳な感じですので、大丈夫だと思います。ただし、一般的な、最小限の自己安全管理は徹底的に、常に行なっておいて欲しいですね。金目の物を目に付く場所に置かないとか、現場に近づかないとか…。社会的治安はRAMSIという治安維持警察、軍が介入しておりまして、極めて平穏です。

病気に関してはやはりマラリアですね。マラリアの他、デング熱などもあります。ともに蚊を媒体するものなので、極力蚊にさされないようにしていれば、防げると思われますし、マラリアは夜明け、日没と言った時間帯に、地上30cm位の超低空で行動していますので、そういう時間に白い靴下を履いたり、長いズボンを履いたりするといいと思います。
それから、病気は自分の体調に左右されますので、常に食をしっかり取って、よく休んで(寝る)おけば大丈夫じゃないかと思います。体調がすぐれない時は、遠慮せず休ませてもらうとか…。

ちなみに僕はよく寝ていたせいか、蚊にさされても、マラリア、デングにかかったことはありません。

女性と言うことですが、現在も多くの女性がソロモンで活動しておりますよ。もう帰国してしまった友達も、ことあるごとに「ソロモンに戻りたい!」と言っております。

というわけで、こんな感じでよろしいでしょうか?なにかありましたら、またご連絡ください。

Posted at 2010.01.12 2:07 PM by author
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