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2008/10/22

みなさんこんにちは。トンガの鈴木です。段々日が長くなり、陽射しも強くなってきました。トンガの夏はすぐそこまできてます。

さて、前回に引続きソロモンのお話で、僕がしてきた活動について綴ってみたいと思います。

僕は、ソロモンにあるキリスト教系の工業学校で音楽を教えることになりました。ソロモン諸島の学校教育の中に、実は「音楽」という科目は存在せず、赴任した学校は、「僕が音楽を勉強して、音楽の教員資格を持っている」ということで特別に設けて頂きました。つまり、ソロモン諸島の学校の中で「音楽」を教えているのは、僕、ただ一人。当然カリキュラムはないし、教材もない。全くのゼロからのスタートでした。幸い、日本を出国する前に、修道院の知人を通して、リコーダー、ピアニカといった楽器の寄付があり、それを用いることができました。

音楽の授業がない。当然、音楽室もない。しかも、歌、楽器の練習など、当然騒音問題がでますので、音楽の授業は体育館で行うようになりました。黒板もなく、教材もないので、A4のコピー用紙に太字の油性マジックで楽譜を書き、紙芝居の要領で授業を展開。なんですが、最初のうちは、興味持ってくれたんですが、見慣れないというか、初めて見る音楽の五線譜に戸惑いを見せ、次第に倦怠期に突入…。

なかなか難しいものですね。僕自身、日本で音楽を勉強したわけで、例えば四分音符を英語でどういうのかすら知らなかったし、調べてみると、アメリカ英語とイギリス英語では音符の呼び方がちがうし、どっちで導入した方がいいのか迷ってしまう。両方同時に教えると、間違いなく混乱させるし…。ん〜、困った。あと、音名で教えるのか、階名で教えるのか、つまりギターのコードに代表されるようなABCDEFGで教えるのか、ドレミファソラシドで教えるのか。僕は音楽が好きだったので、楽譜を読むと言うことに関して、ほとんど苦労したことがなかったので、正直、ゼロの状態の記憶がほとんどありません。なので、どこが分からないのか、どこが引っかかっているのかと言うことを理解するまでが一苦労でした。

でも、ソロモン人は日頃教会の中で聖歌をよく歌っておりまして、そのため合唱は非常にうまい。楽譜は一切読めないのに、耳で聞いた音楽を覚えて、2、3回歌うと集まっているメンバーで、自然と4部合唱(?)にハモッていく。このハモリがまた絶妙で、思わず聴き入ってしまうことがしょっちゅうありました。そうなると、もう僕には自己嫌悪しかない。一生懸命音楽を教えても、そういうことを抜きに、自然と音楽を愛している。僕は音楽を「勉強」してきたけれど、彼らは音楽を「音楽」している。日本語としておかしいですけど、彼らの音楽には、何か純粋に、惹かれるものがありました。それを西洋音楽に当てはめて、和音を取り出したり、リズムを書きとったりしても、単純素朴。飾りっけは全くない。それでも、人を引き付けるには十分なものを持ってました。

そういえば、クラス対抗で「合唱コンクール」もしましたね。課題曲は僕が指定しまして、音楽の授業の中で練習してきました。自由曲は基本的になんでもいいよ、と入ったところ、8割のクラスが自ら作詞作曲をし、自作自演でコンクールに臨んできた。びっくりしました。音楽を勉強してきた人間と、音楽のタレントのある人間の差を見せつけられた気分でした。

あと、僕はトランペットを演奏します。ブラスバンドが好きなのですが、ソロモン諸島にはブラスバンドと呼べるものがソロモン警察音楽隊しかありませんでした。日頃、学校の放課後などを利用して、一人でトランペットを吹いてましたが、一人で吹くのはつまらない。やっぱり誰かと一緒に演奏したいと思いまして、なんのコネもない状態で、トランペットを持ち、ソロモン警察本部に単身で乗り込み、音楽隊の隊長に自己アピールをし、音楽隊に混ぜてもらうことに成功しました。非常に簡単に入れました!!演奏レベルは決して高くはありませんけど、やっぱり人と一緒の演奏するのは楽しい!!う〜ん、自己満足に浸ってるなぁ…。練習だけでも十分だったのですが、ことある毎に呼んでもらい、国の式典(独立記念日やエリザベス女王の誕生日など)で一緒に演奏したり、僕の学校の行事に招待したり、演奏旅行で隣の島まで行ったり、そして大抵最後は一緒に酔っ払う(笑)

学校の音楽の授業はこちらが一方的に教えるものでしたが、警察音楽隊は一緒に音楽を作り上げていくもの。この両方を同時に体験することが僕にとっての一番の収穫だったかも知れない。そして、この警察バンドにいたことが、現在のトンガ生活を始めるきっかけとなるわけです。

solomon_police.jpeg

写真はエリザベス女王の誕生日の記念式典での演奏風景です。さて、私はどこで吹いているでしょうか?
長くなりますので、ソロモン諸島からトンガ王国に移る経緯は次に回すことにします。
では、また来週。

2008/10/22 01:47 | ソロモン諸島 | No Comments

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