2015/11/04

昨日まで、佐渡裕さんの指揮で、シエナ・ウインドオーケストラのツアーでした。

COH9rYdUEAEGtPY

ツアーといっても、今回は岩手・福島・長野の3箇所。これまで佐渡×シエナといえば毎年8月に2週間近いツアーがあったのですが、佐渡さんがウィーンのオーケストラを指揮する事が決まって多忙になった事もあり、ツアーを何回かに分けて行う事になったようです。

巷では、佐渡さんがテレビ朝日「題名のない音楽会」を降板した事で一部の方は「拠点を海外に移してシエナも振らなくなるんじゃないか」と言われているようですが、佐渡さん自身「これまでも国内と海外同時に活動をしてきているので、今までと何ら変わらない」と仰っていましたし、ベルリンフィルを振る前にも「今の僕があるのはシエナとの関係があってこそ。忙しくなろうともシエナに戻ってくる」と話していましたから、佐渡×シエナのコンビはずっと変わらないと思います。

さて、演目は夏にも演奏したレスピーギのローマ3部作。8月にも書きましたから、曲については細かい解説は必要ないですね。

コントラバスは今回も2本。前回は大学の後輩をお願いしましたが、今回は気心知れたオーケストラの友人で東京交響楽団のメンバー北村君にお願いしました。

これには個人的な狙いもあって、僕が感覚で弾くのに対し彼は理論がしっかりしているので、自分にないものを持っている人と弾きたいというのが一つ、もうひとつは僕が普段吹奏楽の中で演奏している時に感じている感覚は、オーケストラの団員でも同じように感じるのかどうか知りたいというところでした。

結果から言えば、リハーサルと本番を終えた彼と話してみて、僕の感覚は決して間違っていなかったというところが確認出来たのと、演奏技術においてお互いに有意義な話出来て大いに勉強になったというところで、彼にお願いして良かったなあと強く感じたのでした。

さて、ツアーはといえば大盛り上がりでした。

ローマ三部作に加え、佐渡×シエナではほぼお馴染みとなったマンボNo.5。決して硬派を気取らず、こうした学芸会スタイルを全力で出来るのもシエナの魅力だと思います。

FB_IMG_1446483194758

岩手・福島は終演と同時にスタンディングオベーション。お客さまの笑顔を生み出す佐渡×シエナのツアーは、毎回参加出来て良かったなあと心から思える演奏会の一つです。

そして千秋楽の松本公演、シエナ恒例、お客様も加わっての星条旗では、舞台が埋め尽くされるほどの人数になりました。

FB_IMG_1446510208589

あまりの人数にコントラバスが舞台上で演奏するスペースが無くなり、花道へ。なんとコントラバスも総勢7名になりました!

FB_IMG_1446482860687

こうして熱狂のなか、今年最後の佐渡×シエナツアーが終了しました。

来年も同プログラムでツアーがあるようです。まず僕はまたご依頼が頂けるよう、しっかりと目の前の演奏会に全力を尽くし、準備しておきたいと思います。

楽しかった!!

2015/11/04 07:59 | 未分類 | No Comments
2015/10/25

昨日は吹奏楽アニメ「響け!ユーフォニアム」のスペシャルイベントでした!

実際に声優さんが担当楽器を演奏するイベントがあるので、レッスンをして欲しいとお願いされたのが年明けでした。1回3時間のレッスンが月2回、合計半年も期間があると聞いて、余裕をもって引き受けたのですが、いざレッスンが始まってみたら、何とレッスン当日しか楽器に触らないと知り、一気に絶望の淵に叩き落されました。

毎日数時間の練習が当たり前のクラシック音楽の世界で、月に2回しか楽器に触らないで上達するなんてありえない事なんです。いや、クラシックに限らず何の世界でもそうですよね。

途方にくれた僕はいろんなオーケストラの友人知人に「何か効率の良い練習はないか」「どうしよう」と相談を持ち掛けましたが、「そんな練習方法があるなら俺が知りたい」「そもそも、その企画自体が楽器をナメてるよ」「それでうまくなれるなら我々のやってきた事が否定される」というものでした。どれも正論だと思います。

冷静に考えれば、月2回レッスンしても、2回目というのは言わば入部2日目と一緒。つまり、2ヵ月レッスンしても入部4日分にしかなりません。それでもなるべく無駄を端折って練習をしてみましたが、左手の指で弦をしっかり押さえて音程を作るコントラバスは、日々の鍛錬によって指を強くする事が何より大切で、楽器に触らないのは致命的でした。指を鍛える器具を購入して渡してみましたが、それも効果があるかは疑問でした。夏に入った頃には、担当者に「このままじゃ無理」と話した事もありました。

どうしようと考え込んでいたら教え子の豊田萌絵ちゃんから「このままじゃまずい。楽器を日常的に練習したいです」との言葉がありました。彼女は小学生時代にトランペットで全国大会に出場していた経験の持ち主で、音楽が甘くない事を知っていましたから、危機感があったのだと思います。彼女のプロ意識を感じ、僕のサブ楽器を彼女の事務所に運び、本番までレンタルする事に決めました。もともと持っている彼女の音楽的センスもあって、そこからはあっという間に上達。管楽器のみんなも、楽器を持ち帰るようになり、途中から一気に可能性が見えたような気がします。

とはいえ多忙なみんな、持ち帰って多少は楽器に触ったかもしれませんが、実際には月2回のレッスンが練習のほとんどだったと思います。

さらに、吹奏楽やオーケストラのステージがどんなものか知ってもらうこと、モチベーションを上げる目的で、佐渡×シエナの演奏会に来てもらったり、僕が出演するオーケストラの演奏会に来て貰ったりして雰囲気を感じてもらう事もしました。

僕はコントラバスの担当でしたが、レッスンの合間に話しているうちに他の楽器担当のみんなとも仲良くなり、それこそ学校のクラスの担任と生徒たちみたいな、そんな空気になっていきました。

曲が決まり、楽譜が届いてからは、みんなの合奏を見るようにもなり、豊田さんと朝井さんが自主練習した動画を送ってもらってチェックしてアドバイスする事もありました。

ユーフォニアムの黒沢ともよちゃんは、一番若いのに最もキャリアが長いこと、そして主役という事もあってか、かなりの緊張感をもって練習に取り組んでいたように思います。結果、本番曲では見事にほとんどの旋律を任せられるレベルにまでなりました。本番当日のリハーサル、サウンドチェックで彼女が音を出した際に、客席にいた洗足学園大学の学生たちが「おお~」とどよめき、「音が綺麗・・・」という感想がもれたのも頷けるところ。夜の部では最後に号泣してましたが、この作品にかける思いがそれだけ深かったのだと思います。

テューバの朝井彩加さんは、ずっと陽気で明るいムードメーカーでした。失敗しても決してめげず、常に体育会系のノリでメンバーを笑わせる、そんな存在。テューバの技術もかなり早い段階から安定し、音符の長さや音程、ダイナミクスを要求出来るところまで上達していきました。曲が出来てからは萌絵ちゃんとスケジュールを合わせて自主的に集まって朝練をするなどの積極性も見せ、今回のアンサンブルを支えました。この人の気持ち良い性格、大好きです。

楽器練習で最も苦戦したのがトランペットの安済知佳さん。僕も昔トランペットをかじった事があるのですが、そもそも音を出すのが大変な楽器で、初心者には難易度も高かったと思います。すぐに口がバテてしまい、弱音を吐くことも多く、先生に加えてトランペット経験者の萌絵ちゃんが自分のマウスピースを貸してあげたりと、みんなで協力して応援していました。しかし、本番当日最も底力を発揮し、袖で見ていた我々を驚かせたのもまた安済さんでした。特に最後の本番では想像も出来なかった柔らかい音色を出しており、一緒に見ていたトランペットの先生も思わず涙していました。

最後に担当した豊田萌絵ちゃん。これまでに書いてきた通り、経験者という事もあって音楽的なセンスは文句なし。根性もあって、生徒としては非常に優秀だったと思います。ずっとマンツーマンでレッスンをしてきたので、いろいろ話しているうちに、音楽一家の萌絵ちゃんと僕の間に共通の友人知人が居ることも分かって盛り上がった事もありました。音楽業界、狭いです。そして彼女が本番で聴かせてくれた音色は、100点満点でした。出来ることならこれからもコントラバスを続けて欲しいなあ。

そんな苦労もあってついに迎えた昨日の本番、ヤバかったですね…

袖で彼女たちがステージに出るのを見送ったと同時に涙。
娘を嫁に送り出す父親の気持ち。

その後はこちらまで緊張して軽い震えすらありましたが、さすがはライブをこなす最近の声優さん、本番が一番素晴らしい出来だったと思います。そして、演奏が終わって涙を流す彼女たちを見てまた涙。

そして何気なく公演パンフレットを読んでいたら、豊田萌絵ちゃんのこんな言葉がありました。

「吹奏楽部に入部するなら何の楽器が良いですか」という質問に対して

「今はやっぱりコントラバス」

!!!何より嬉しい言葉です。

いやあ、ついに終わったなあ。
半年間に及ぶ旅路が終わりました。

いま、佐渡×シエナのツアーが終わった時のような高揚感と寂しさが入り混じった気持ちでいます。

まずは素晴らしい演奏をしてくれたキャストのみんな、ありがとう。そしてコントラバスレンタルの岩田哲五郎商店さん、僕がリハーサルでレッスンを出来なかったとき代理を務めてくれた東京都交響楽団の佐野さん、および関係各位の皆様に感謝したいと思います。

せっかくここまで弾けるようになったから、この企画に続編があればいいのに… 笑

あ、そうそう、改めて宣伝です。

響け!ユーフォニアムのキャラクターソングの北宇治カルテット四重奏、僕が全てコントラバスを担当させて頂いております。宜しければご視聴下さい。

関連記事はこちら

レコーディングの依頼を受けてスタジオに行ったらこの楽譜が置いてあったという、凄い偶然でした 笑

2015/10/25 09:50 | 居酒屋トーク | No Comments
2015/09/28

昨日は東京芸術劇場主催ブラスウィーク・クリニックのコントラバス講師として2年連続で参加してきました。

東京佼成、シエナ、東京吹奏楽団、オオサカシオンという吹奏楽のプロが集まって楽器別レッスンを行うのですが、その中に唯一「フリー奏者」という肩書きで参加しております。肩書きなしで勝負している僕ですが、わざわざ「フリー」って書く必要あるのかな、「コントラバス奏者」じゃダメなのかな・・・という疑問は拭えません。どこのクリニックに行っても「コントラバス奏者」ではなく「フリー奏者」と書かれるのは興味深いですね。肩書き社会の日本ならではなのかな。

コントラバスは受講生が2人。一人は昨年も参加されたコントラバス歴27年という学校の吹奏楽部顧問の先生。昨年同様、学生さんを教えて先生には「教え方」を見て頂く方法を取りました。

生徒さんは楽器を始めて3ヶ月でしたが、明るくて積極的で好印象。彼女なら頑張ってくれそうな気がします。これからもフォローしていけたら良いな。

実技レッスンの後は作曲家スパーク氏による合奏リハーサルと父兄を対象とした模擬本番。スパークさんは昨年のシエナ定期以来1年半ぶりの再会でしたが、相変わらずジョークを飛ばしつつ基礎的な指導をみっちりやっていらっしゃいました。昨年の宮川彬良さんとはまた違った印象。

12032255_10207693280550852_1057194259975076580_n

クリニックの講評でスパークさんが「1日に5、6時間も練習する学校もあるみたいだしそれも良いけど、音楽を楽しむ事を忘れないで」と仰いました。この言葉、「題名のない音楽会」で佐渡さんの言葉として流れた「音楽は楽しむもの。コンクールで勝つ演奏ではなく芸術性を高めたい」という言葉とも相通ずるものがあります。

人によって「楽しめる基準」が違うと思うので、一概に「楽しめ」といってもいろいろ反応はあるでしょうが、帰宅の道中、吹奏楽の在り方についてちょっと深く考えるきっかけになりました。

近年の吹奏楽コンクールの形態について、個人的に疑問の多い最近のコンクール課題曲について、また学校指導者とプロ演奏家の音楽に対する考え方や環境の相違についてなど、いろいろ書きたい事はあるのですが、その辺の事は、もう少しこの世界の事情を理解し、頭が整理出来てからにしたいと思います。

ただ、一つ言えるのは、学校吹奏楽の主役は演奏する子供たちであるべきで、細かい事を抜きにして、やはり「音楽は楽しむもの」であるということ。これは忘れずにいたいですね。

2015/09/28 01:53 | 居酒屋トーク | No Comments
2015/09/15

先日、東京佼成ウインドオーケストラに客演して、アレンジャー・藤野浩一さんの還暦記念コンサートに出演しました。

藤野浩一さんといえば、中森明菜さんのコンサート音楽監督を長年務められ、紅白歌合戦を始めとする数多くのテレビ番組のスタッフとして活躍された名アレンジャー。近年は神奈川フィルをはじめとするオーケストラでもご自身の編曲作品を中心とした演奏会で指揮を振るなど大活躍されています。

幅広くアレンジを手掛けていらっしゃる藤野さんらしく、誕生日のお祝いに駆けつけた大勢の出演ゲストは超豪華メンバー。歌手の渡辺真知子さんに「ピンキーとキラーズ」で知られる今陽子さん、新妻聖子さん、藤沢ノリマサさん、坂本九さんのお嬢さんである大島花子さん、そしてサプライズゲストにも大物が数名。さらにゲストミュージシャンにトランペットのエリック宮城さん、テナーサックスのつづらのあつしさん、トロンボーンの中川英二郎さんと大物スタジオミュージシャンも勢ぞろいでした。

 CPFSn3tUEAAki1E

素晴らしい歌手の方々の歌声にリハーサルから感涙。渡辺真知子さんの「かもめが翔んだ日」の歌の入りで鳥肌がたち、大島花子さん「親父」の歌詞にはリハーサルでも本番でも涙腺が緩み、エリックさんやつづらのさんのソロにはニヤけるばかりでした。

 

本番のセッティングはご覧のビッグバンドスタイル。僕個人としてはあまり慣れない配置で多少緊張感もありましたが、いざ本番が始まったらもう楽しくて楽しくて、舞台上に居ながらステージを満喫させて頂きました。

CPFSn-GUEAA0I00

渡辺真知子さんの時代の歌手の方はポップス、ジャズなどジャンルを問わずハイレベルで歌っていらっしゃって、本当に歌が上手な人しか生き残れない時代だったんだろうなと想像出来ます。最近は口パクしながら「歌手」「アーティスト」と謳っているタレントも多くてウンザリする事が多いのですが、こうした一流歌手の歌声は元気を貰えますね。最近あまりポップスのステージで演奏する機会は少ないのですが、いやあ、楽しかった!!

※コンサートの模様は新妻聖子さんのブログ大島花子さんのブログ藤沢ノリマサさんのブログにも掲載されています。

2015/09/15 02:19 | コンサート報告 | No Comments
2015/08/23

昨日、富士山河口湖音楽祭の演奏会を終えて帰宅しました。

毎年夏といえば佐渡裕さんとシエナ・ウインドオーケストラのツアー、夏の終わりに河口湖音楽祭というのがこの7~8年の定番となっていますが、今年は佐渡さんが多忙ということで夏のツアーが秋に移動し、この夏は文京シビックホールでの演奏会とこの音楽祭だけでした。とはいえローマ3部作という吹奏楽ではなかなかの大曲だったので、それなりの疲労感ではあります。

ローマ三部作というのはレスピーギというイタリアの作曲家が作った「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」という3曲の交響詩を言います。オーケストラではたまにやりますが、吹奏楽では管楽器への負担も大きく、単発でやる事はあっても3部作全てを演奏する機会は少ないように思います。特に「ローマの祭り」は古代ローマ帝国の円形劇場の祭りをイメージして書かれている作品ですし、「ローマの松」では小鳥のさえずりが曲中に出てきますから、河口湖ステラシアターのように石段に囲まれ、本物の鳥の声がいつも響いている野外劇場で演奏するにはぴったりだったように思います。

11873769_907301759347369_3200548766142807471_n 11923265_907301732680705_5030070229761790480_n

今回はコントラバス2本。「ローマの松」にはコントラバスパートが上下に分かれ全く違う事を弾かなければならない箇所が数か所出てきますから、事務局に増員をお願いしました。結果、倍音の鳴りが豊かになって低音の厚みを増やすことが出来たのではないか、と思っています。やはり吹奏楽のコントラバスは複数欲しいところですね。パートナーには大学の後輩をお願いしました。やはり自分が卒業した大学の後輩は大切にしたいですからね。

文京シビックでの演奏会では、教えている多くの生徒さんたち、そしていまレッスンで関わっているアニメ「響け!ユーフォニアム」の声優さんたち、映画「マエストロ」でご一緒した俳優の池田鉄洋さんなど、これまでお仕事で知り合った方々も多数ご来場頂きました。こうして多くの方に支えられて今の自分があるんだという事を改めて気づかされますね。

河口湖音楽祭は2週間に亘って開催され、ファイナルステージが佐渡×シエナ。通常のプログラムを終え、アンコールが終わると同時に盛大に花火が打ち上げられるのですが、これを見て演奏会の感動に包まれると同時に、「あ~これで夏が終わるんだなあ」と感傷に浸ったりもします。

日本では夏といえばロックフェスですが、ヨーロッパではオーケストラの野外コンサートも定番です。この富士山河口湖音楽祭はそんなヨーロッパの音楽祭の雰囲気だけでなく、お客様も参加する楽しいコーナーもありますし、本当に心から楽しめるコンサートだと思います。皆様ぜひ一度はお越しください。といっても毎回僕が出演する保証は無いんですが。出演するときは宣伝させて頂きます。

そして明日はテレビ朝日「題名のない音楽会」収録。佐渡裕さんの司会卒業収録です。前半がシエナ、後半はシエナ×佼成×大阪市音の吹奏楽オールスターズ。佐渡さんが司会になってから吹奏楽を取り上げた回は40回を超えたそうです。佐渡さんは「吹奏楽推進委員会としてはなかなか大したもんやろ」と仰っていましたが、メディアの力は大きいですから、これをきっかけにますます吹奏楽が発展していく事を願いたいと思います。

また、佐渡さんは題名の司会を降りる理由について「ウィーンのオーケストラの音楽監督になり多忙になったのもありますが、何より、シエナを続けるためです・・・・・分らんけど 笑」と仰いました。これ、冗談ぽく話してましたが、数年前ベルリンフィルを指揮する事が決まった際、シエナとの飲み会を主催された佐渡さんは「ベルリンフィルを振る事で忙しくなるかもしれないし、シエナを振る機会が減る可能性もあるけど、僕の原点は吹奏楽で、吹奏楽があったからここまで来れたし、必ずシエナには戻ってくるから」と涙ながらにお話していましたから、本音なのだと思います。素晴らしい関係だなあと思いますし、僕も少しでも長く関わっていられたら嬉しいですね。

また来年も音楽祭に参加出来るよう、まずは目の前の演奏会に一つずつ向き合っていきたいと思います。

2015/08/23 11:27 | コンサート報告 | No Comments
2015/07/22

以前レコーディングしたCDが、今月4週に渡って発売されています。
アニメ「響け!ユーフォニアム」のキャラクターソング。業界では略してキャラソンというのだそうです。

このアニメは吹奏楽部の物語で、主人公がユーフォニアム専攻、その周りを取り巻く仲間がテューバにコントラバスにトランペットというメンバー。今回はそれぞれのキャラクターをテーマとした4枚のCDのレコーディングをしました。


それぞれ、声優さんの歌が2曲、その後「北宇治四重奏曲」という名前のカルテット(ユーフォニアム、テューバ、コントラバス、トランペット)、最後にカラオケという曲目リスト。

カルテットのメンバーは全員一緒で、僕はコントラバスを担当。
ちなみにユーフォニアムはシエナの庄司さん、テューバは日フィルの柳生君、トランペットはシエナ&シティフィルの上田君でした。

3枚目に発売された「Vol.3 川島緑輝(CV.豊田萌絵)」は基本的に四重奏でコントラバスがソロパートを担当します。作曲者の松田さんから「キャラクターの緑輝ちゃんは経験者で比較的上手、可愛いけどゴリゴリ弾くイメージです」と説明されたので、「ゴリカワ」を合言葉に、かなり松脂の音がするように意識してみました。マイクも駒に近かったので、イイ感じでゴリゴリ感が伝っていると思います。

さすがに練習時間がほとんど無く、時間制限のあるレコーディングではちょっと緊張しましたが、コントラバスは音域もそれほど高くありませんし難易度も低いので、ぜひ皆さん音を拾って弾いてみてください。他の金管楽器の難易度は分かりませんが、楽譜が発売されるといいですね~!

ちなみに、このアニメとは他のお仕事でも接点があるのですが、その話はまたいずれ・・・。

2015/07/22 04:36 | 宣伝 | No Comments
2015/06/29

ご無沙汰しています。

今回は、ちょっと音楽から離れたお話です。

僕には5歳の息子と3歳の娘がいます。息子は3歳からサッカー教室に通わせています。息子にサッカーをやらせたのは、僕と妻が大のサッカー好きだからという事もありますが、息子の性格が優しすぎてちょっと頼りなかったので、少し強くなって欲しいという気持ちからでした。

幸い、素晴らしいサッカー教室のコーチに恵まれ、基本的には彼に任せて練習の間は口出しをせず、幼稚園の間は「楽しく」という事を最優先すればいい、まずはサッカーを好きになってくれればいいと思っていました。ですから、とにかく失敗しても「次頑張ればいいんだよ」と励ますだけで、叱ることはしませんでした。

初めて出場した大会では、チームメイトの大活躍で無敗のまま全勝優勝。息子は楽しそうにスキップしているばかりで特に目立つことはしませんでしたが、それでも最後まで走っていたし、本人も「楽しかった」と言っていたので、「よく頑張ったね!」と誉めてあげました。

しかし、先日の2度目のサッカー大会、教室の友人たちが確実にプレーの意識が上がっているなか、息子はほとんどプレーに関与せず、みんなの周りを楽しそうに走っているだけ。ドリブルもやれば上手いのに、まずボールをほとんど見ないで何となく人が集まるところに行くだけ、という状態。チームは3位で銅メダル獲得という結果でしたが、息子は正直チームの足を引っ張っている状態でした。

これまで「サッカーは親のエゴで始めさせたから」という思いがあり、そして「幼稚園の間はとにかく楽しむ事を最優先」という方針でずっと叱ることを耐えてきましたが、あまりに歯痒くて不甲斐なかったので、大会途中からだんだんイライラしてきて怒鳴り声をあげてしまい、大会後、「下手でも良いから気持ちを見せろ!」と、サッカーをやらせてから初めて叱りました。

その日、「まず親が見本を見せなきゃ。とにかく諦めない姿勢でボールに食らいつく姿勢を見せよう」と思い、「パパはサッカー下手だけど、チームが勝つために必死で頑張ってるから見においで」と言って、僕がプレーするフットサルに初めて息子を連れていきました。久しぶり過ぎて足元はおぼつかないし体力もキツかったしシュートもほとんど枠に飛ばなかったけれど、とにかく全力でプレーし、ボールを最後まで追う姿勢だけは見せたつもりでした。

そして翌日、僕は自宅でレッスンだったのですが、夕方、最後の生徒さんが帰宅したら息子がやって来て

「パパ、レッスン終わった?僕、サッカーが上手になりたい。公園でサッカーの練習したいから一緒に来て」

と言われました。

「おお、じゃあ一緒に行くか」と素知らぬ顔をしながら一緒に公園に行って練習してましたが、内心嬉しくてずっと泣きそうでした。

それだよ、その気持ち。

お前が上手になりたいと思ったらパパは何でもやってやるよ。ただ、一生懸命な姿が見たいんだよ。

そう感じると同時に、僕が楽器を始めた時の両親の歯がゆさはきっとこんなものじゃなかっただろうなとも思いました。音楽の世界では第一線で活躍する両親から見て、高校2年から楽器を始めた僕の努力は、さぞ物足りなかっただろうと改めて思います。親になって初めて分かる、自分の親の気持ち。改めて親に感謝。

そしてこれからも、僕は息子のサッカーの練習に付き合おうと思います。

でもね、フットサルで折れた右足の指が治るまで、足踏まないでね。

2015/06/29 04:42 | 居酒屋トーク | No Comments
2015/04/27

大変お久しぶりです。

この何か月か、ツアーやら出張レッスンで家にほとんど居りませんで、なかなかPCを開くことも出来ず、更新が滞っていました。

実はいまシエナ・ウインドオーケストラとゲーム「ファイナルファンタジー」がコラボした「BRA★BRAファイナル・ファンタジー BRASS de BRAVO
withシエナ・ウインド・オーケストラ ~製作総指揮:植松伸夫 全公演出演!~」というツアーで各地を回っております。

ツアーに乗っかって移動先で学校のレッスンなんかも頼まれるケースがあり、そうなると家を空ける時間がさらに長くなります。今回は九州公演が終わってから鹿児島に移動して3日間レッスン、一瞬東京に戻るもレッスンして翌日には島根に移動、さらに千葉公演が終わってからも愛媛に移動して3日間レッスン予定。4月~5月は半分も家に居ません。子供たちには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです・・・・。

さて、今回のFFツアーは東京(2回)・大阪・福島・山形・鹿児島・熊本・佐賀・島根・鳥取と終わり、これから千葉・三重・愛知・静岡・長野・岩手・宮城さらに東京の追加公演が2回と、ようやく昨日で折り返し地点に到達したところ。ツアーの内容については後日全公演が終了したら書きますが、急遽決まった東京の追加公演も既に完売し、盛り上がっています。客層はゲームファン7割、吹奏楽ファン3割というところでしょうか。

こうやって各地を回っておりますと、ご当地グルメを堪能するのがストレス解消であり本番後のご褒美になります。今回だと大阪でねぎ焼、山形からの新幹線では名物「牛肉ど真ん中」弁当、熊本で馬刺、佐賀のシシリアンライス、鹿児島の刺身や黒豚を使ったトンカツやラーメン、島根の割子そば、鳥取のB級グルメ・ホルモン焼きそばなどを食べてきました。

DSC_2023 DSC_2037 DSC_2071 DSC_2098 DSC_2144

面白いことに、どの地方に行っても1人くらい知り合いが居て、地元の方が紹介してくれるお店はやはり美味しいんですね。さらにFacebookを通じて演奏家仲間から美味しいお店の情報も入りますから、これまでほとんど味に外れはありません。

ハードな移動日程、本番の緊張感を経て、共に演奏を作り上げた仲間と飲む本番後のビール、そして地元のグルメが翌日以降への頑張りに繋がっています。

旅芸人も、悪くない。

2015/04/27 12:58 | 居酒屋トーク | No Comments
2015/03/03

僕の執筆した教則本がヤマハミュージックメディアさんから3/15に発売予定で、既にサイトでは予約受付を開始しております。

シエナ・ウインドオーケストラというプロの吹奏楽団で弾かせて頂くようになり、全国の学校へ吹奏楽の指導に伺う機会が増え、指導に悩む指導者の方々、そして何を練習したら良いのかすら分からない生徒さんに数多く出会ってきました。

顧問の先生が「弦楽器は分からないから」といって生徒に教則本を渡して練習を丸投げ、或いは正しい知識を持たないOBが当たり前のように間違った常識を伝えているといった状況をいくつも見て、「このままではいけない」と思うようになり、2年間かけて吹奏楽部の先生、生徒さんのお力になれるよう試行錯誤して教則本を執筆致しました。

入門者のためのコントラバス教本

GTW01090366
この教則本のポイントは

①「指導者用チェックシート」

「弦楽器は分からないから」と教則本を読みもせず生徒や正しい知識のないOBに投げてしまう先生方が多いので、コントラバスの経験がない、ピアノや管楽器出身の指導者でも、教則本を併せ読みながら生徒の進度が最低限チェック出来る表をつけました。もちろん専門家のレッスンが最善ですが、部活の先生がこのシートを利用すれば、とりあえず大きく道を外さないで済むかと思っています。

②弓順のつけかた

コンクールを見ていると、強拍弱拍やフレージングに関係なく弾いている子が多く、調べてみると弓順のルールを掲載している教則本が存在しない事に気づきました。もちろんこれが全てではありませんが、プロオーケストラでは暗黙の了解となっている、最低限のヒントを解説しています。

③楽譜の読み方

実際に全国に指導に行くまで想像もしていませんでしたが、吹奏楽では「CをBと読む」コントラバスの生徒が意外と多く、衝撃を受けました。まずは正しく楽譜を読めるよう、基本的な部分も掲載しました。

④各ポジションのまとめはオーケストラスタディ

正直、吹奏楽の曲は管楽器向けに書かれている為弓順が決めにくく、また簡単なものが多く基礎が出来ていなくても何とかなってしまうので、ポジション毎の総まとめにオーケストラの曲を取り上げています。これにより、ブラームスやモーツァルト、マーラーといった作曲家に触れる事でコントラバス本来の役割を知り、音楽的な視野を広げて欲しいという気持ちも込めました。

⑤オーケストラスタディの難易度表記

各オケスタ曲には、それぞれの初心者レベルでの難易度を記してあります。それを参考にする事で「こんなに難しいのに星3つ?」とか「星5つだからすぐに弾ける訳ないよね」などモチベーションの維持・目標設定が出来ればと考えました。

⑥悪い例の掲載

ほとんどの教則本には「悪い例」の掲載が無いので、「ベースボール・マガジン」など野球雑誌によくある連続写真を取り入れ、楽器を弾くフォームの悪い例を分かりやすく解説。左手のフォームも悪い例を掲載する事で「こうなっちゃいけないんだ」と気づかせようとしています。

⑦指番号の指定

あえてフィンガリングを指定する事で、吹奏楽界にありがちな「一本指奏法」を防止し、同時に無駄のないフィンガリングを身体に記憶させるように考えました。

⑧右手の練習

本を書くにあたり、プロのオーケストラ奏者に意見を求めたとき「右手の練習を増やして欲しい」という意見が圧倒的に多かったので、開放弦の練習を多めに入れています。

⑨難しい箇所を練習する方法

「フィガロの結婚」序曲を使って、速くて難しい箇所をどのように練習するか解説しています。部活動にありがちな、何回も機械的に繰り返す練習を防止する目的です。

こうして、2年間僕が必死に考えた内容になっています。
少しでもコントラバスに悩む学生さんの手助けになれましたら幸いです。

そしてこの本、イラストを担当してくれたのは、このJunkstageで知り合ったイラストレーター、中川千尋さん。言わばジャンク・コラボ作品ともいえる一冊です。

イラストの中川さん、写真を撮影してくれた元ホルン奏者で現在写真家という異色の経歴をもつ友人宮田君、そして意見を提案してくれた東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団などのコントラバス奏者の皆さん、練習曲などを見て「このほうが見やすい」などの意見を出してくれた生徒の皆さん、さらには自宅にいる時間も執筆に割き迷惑をかけた家族に、心から感謝致します。

2015/03/03 09:12 | 宣伝 | No Comments
2015/02/19

僕が出演・現場での演奏指導などで撮影に関わった映画「マエストロ!」が絶賛公開中ですが、皆さまご覧頂けましたか?まだの方、この作品はDVDやBR-Dではなく、音響の良い劇場へぜひ足をお運びください。音が違います。

さて、この映画について、やはり出演した者としてはご覧になった方の感想が気になるところ。幸い、小林監督がTwitterでお客様の感想をRTして下さっているのでこちらも労せずチェック出来ているのですが、ここで気になったのがオーケストラの名前を間違えている人が多いこと。

というのは、この映画、最後に劇中のオーケストラが演奏する場面があるのですが、さすがに多くの俳優さんを入れた状態で観客を納得させるような凄い演奏をするのは難しいですから、実際には佐渡裕さんが指揮をしたベルリン・ドイツ交響楽団の音に合わせて僕らが当て振り(弾きマネ)をしていました。この実際に演奏しているオーケストラ名を「ベルリン・フィル」と間違えている人がかなりいらっしゃったのです。

確かに、日本のプレイヤーでもよく分かってない人が居ますし、佐渡裕さんはベルリンフィルを指揮したときに日本中で話題になりましたから、「佐渡裕=ベルリンフィル」と勘違いする人が多いのは仕方ないのかもしれません。ただ、これは野球で例えるなら、「関西」という括りで阪神とオリックスを一緒にしているような、そんな違和感を禁じ得ません。

そこで、余計なお世話であることは百も承知の上で、今回は、間違えやすいオーケストラの名前についてお話してみたいと思います。

実は、ベルリンには「ベルリン」と名の付くオーケストラがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、ベルリン=ドイツ交響楽団、ベルリン交響楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、シュターツカペレ・ベルリン、さらにベルリン室内管弦楽団、ベルリン古楽アカデミーと9つもあります。他にもあったかもしれませんが記憶が曖昧です・・・・。

どれもフルネームで呼ぶと長いので、例えばベルリンフィルはBPO(Berliner Philharmoniker)、ベルリン・ドイツ交響楽団はDSO(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin)、ベルリン放送響はRSB(Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin)といった略称で呼ばれることもあります。今回の映画で演奏しているのはDSO、つまりベルリン・ドイツ交響楽団。インターネットで見ていると、このベルリン・ドイツ響とベルリンフィル、ベルリン交響楽団の3団体を取り違えている人が多かったように思います。今回映画で演奏しているベルリン・ドイツ交響楽団にはコントラバス奏者の知人がおり、僕も留学中にチケットを戴いて何度も演奏会に行きましたが、ベルリンフィルに引けを取らない素晴らしい音をしていますし、僕が大好きなオーケストラの一つです。

日本でも、東京には「東京」の名を冠するプロのオーケストラがいくつか混在しています。東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と「東京」の名を冠する団体が4つ。こちらも都響、東響、東フィル、シティといった略称で呼ばれています。あまりクラシックに詳しくない人はどれがなんだか分かりにくいでしょうし、正直僕も音大に居た頃はドイツのオーケストラにしか興味がなかったので、東京にこんなにオーケストラが存在する事も知りませんでした。

実際にいろんなオーケストラに客演するようになり、それぞれ全く別の特色を持った素晴らしい楽団だという事が分かってきましたが、最初は留学から帰国してお仕事の依頼を頂くようになって「え、今度行くのはこの前の《東京》のオケとは違うの?」と混乱したものです。無知とは恐ろしいですね。

クラシックに興味のない方々も、まずは映画「マエストロ!」でオーケストラの雰囲気を知って頂いて、その上で日本のどの楽団がどのような特色を持っているのか、そんな事も考えながらいろんなオーケストラの演奏会に足を運んで頂けると嬉しいですし、クラシックに少しでも興味を持っていただけたなら幸せです。

2015/02/19 10:02 | 居酒屋トーク | No Comments

« Previous | Next »