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2008/09/05

午後からオペラのリハーサルでした。
  
今日からいよいよ歌手が入っての歌合わせ。
オペラの楽曲は歌が入ると劇的に印象が変わるので、かなり楽しみにしていました。

img_3912.JPG

いざ大久保のクラシックスペースに到着すると、後方に配置されたコントラバスのさらに真後ろにソリストがズラリと並ぶセッティング。「こりゃ耳栓持ってくりゃ良かった」と後悔しましたが時既に遅く、リハーサルでは30cmの距離から聞こえる超人的な歌声をダイレクトに浴びる羽目になりました。

オペラ歌手の声を間近で聞くたび「人間、トレーニングを積めばあんなに強烈な声が出るもんなんだなあ」と驚かされますが、今日は感心するどころじゃない。耳が破壊されるかと思いました。自分の音程なんか全く聞こえず、最後は軽く頭痛すら感じたほど。明日は耳栓を持参しようと思います。

しかし、やはりオペラは歌が入るといいですね。
正直早くも飽きかけていた曲が新鮮なものに感じましたし、今まで分からなかった音符の意味が感じられて楽しくなりました。

さて、リハーサル終了後は新大久保のコントラバス専門店へ。
ここにしか置いていない松脂「Kolstein Soft Grade 赤丸モデル」を買い求めて行きました。

ちょっと専門的な話になりますが、そもそも私はコントラバスをガリガリ硬い音で弾くのが大嫌いで、駒寄りなんか絶対弾かないし、指板の上で弦の振動を最大限利用して箱を鳴らし柔らかい響きを大切にしたいタイプ。ですから松脂もそれほど塗らないし、毛の状態にもよりますが、基本的に一度塗ったら三日は塗り足さない。だからこそ一度塗った時の感覚を大事にして松脂を選びます。

さらに私は状況に応じて松脂をいくつか混ぜたりしています。
ちなみに、今私が持っている松脂は・・・・

img_3915.JPG img_3916.JPG img_3920.JPG
kolstein Soft grade         Carlsson            Liebenzeller Gold
 
img_3917.JPG img_3919.JPG img_3918.JPG
JADE                        POPS                       Hidersine

と、まあこの6種類。
マニアックな方に比べたら相当少ないほうだと思いますが、これで十分。
一番下のPOPSとHidersineに至ってはほとんど未使用です。

大学生時代は王道のCarlssonメインでしたが、留学当時ベルリンでLiebenzellerが流行していてハマリ、帰国してNHK交響楽団に伺うようになりコントラバスSHさんから教えていただいてKolsteinのSoft Gradeを知り、それから3種類を使い回したりミックスしたりしていました。

ただ、演奏復帰を決意した際Kolsteinは友人に譲ってしまっており、なんとなく新大久保に買いに行く機会も無く、この半年LiebenzellerとCarlssonをミックスして使っていたんですが、この組み合わせは案外強力な粘りが生まれ、これが活きたのはシエナのツアー、つまりブラスで管楽器に対抗した時のみで、オーケストラではどうもしっくりこない。

シエナのツアー後半、「このセッティングのままオーケストラの仕事に戻ったら松脂の音しかしなくなってしまう」と危機感を感じ、自宅にあった未使用の松脂をいろいろ試してみたところ、CarlssonとJADEの組み合わせがピッタリ!柔らかく、かつ芯のある音が出るようになりました。

そのまま弾き続けて一週間経った今日のリハーサルは、松脂の状態が最高でした。
毛はそろそろ限界ですが、それを補うだけの溶け具合。このセッティングをしばらく続けようかなとも思ったんですが、大久保に来る機会も限られるので今日Kolsteinも購入しておいた次第。Kolsteinならこれ単体で勝負出来るのは既に以前から実証済みですからね。

なんかいろいろマニアックな事を書きましたが、基本的に私は感覚で演奏しているんで、言葉で説明するのが苦手。簡単に言ってしまえば「柔らかい音色を出したい」為のこだわり、というところ。

もちろん、本当は綺麗な音色を出すには「右手の技術」が最優先ですし、弓の毛や弦の種類、楽器との相性などいろいろある訳ですが、その中でもこんなに松脂に拘るのは弦楽器でもコントラバス奏者だけかもしれません。

でも、弦楽器奏者が弓や松脂に拘るのは、競馬の騎手が鞭に拘ったり、野球選手がバットやグローブに拘るようなもの。少しでも技術の補助となる可能性の高いものを探し求め続けている訳です。もしかしたら、弦楽器の中でも職人肌なコントラバス奏者だからこそ、皆さんこだわりを持つのでしょう。
  

さて、明日のリハーサルは夕方から。
昼間は久しぶりにちょっと身体を休めて疲れを除きたいと思います。

    

2008/09/05 08:54 | 居酒屋トーク, 演奏の現場から | No Comments

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