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2010/03/24

今回も前回に続いて武田さんとの対談をお楽しみ下さい。  
 
⇒ 前編はこちら
  
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~音楽大学について~

S:梢ちゃんは附属高校からだけど、音楽大学に対して望むことはありますか?

T:うーん…

S:じゃあ、音大ってどんなところですか?

T:先が見えないと目標を見失いがちですけど、私がいた頃でいえばピアノ演奏家コースは本当にレベルが高くて、素晴らしい音楽をなさる優秀な先輩や同級生、後輩も大勢いらっしゃりましたから、そういった環境で刺激を受けられたことは大きいです。

S:専攻分野を極めるには良い環境だけど、自分がしっかりしてないと、いくらでも堕落出来る場所でもあるよね。俺もそうだったけどほとんどの学生はその日を楽しく暮らしちゃってて、先を見れてない。計画的に過ごせばあんなに有意義な4年間は無いと思うけどね。

T:本番も少ないですよね。

S:それ、俺が代表として学生時代に署名活動したことある。プロ予備軍なのに1回の本番の為に半年も練習する意味があるのか、プロは3日で練習して本番やっちゃう訳で、そのサイクルに少し近づける事が必要なんじゃないかって。酷かったのは「現場での経験が少ない指揮者に指導されても説得力に欠ける」って 笑 当時は学生時代からプロのオーケストラに客演している連中が多かったから、金管楽器にも声かけて学長にまで持っていったけど、俺は事務の人に呼び出されて怒られた 笑

T:それで何も変わらず?

S:練習時間が多少延びたりはしたけど、それくらいかな。学校を動かすのって大変だからね。でも、高い意識持った仲間が大勢居たから、オーケストラの授業でも指揮者に「演奏の質を上げるために席順を変えさせてくれ」とか提案しにいってたなあ。今じゃ署名に賛同してくれた仲間の多くがオーケストラの首席をはじめ楽団員になっているよ。

T:素晴らしい。ピアノ科はソロ楽器なので、オーケストラもないですし、弦楽器より本番の機会が少ないと思いますね。

S:「プロ」の定義がそもそも音楽の世界は曖昧だから。「自称プロ」なんていくらでもいるし。たぶん俺だってオーケストラから出演依頼が来るから「プロと言ってもいいのかな」って思ってるけど、取りかた次第ではどうにだってなる。悪意を持って見たらツッコミどころ満載な業界だから。

~趣味~

S:音楽以外の趣味は?

T:なんだろう。音楽鑑賞やバレエ鑑賞…それと美術館行くのも好きです。

S:美術館?

T:絵や彫刻が大好きなんです。画集を眺めるのも好きですね。あと、読書。小説や物語も好きだけど、特に万葉集や和歌を読むのが好きです。笑

S:ええっ?

T:なんで読み始めたんだろう…日本に生まれながら西洋のクラシック音楽を学んでいるので、日本の心、美を理解したいと思って。初めて万葉集や古今和歌集を読んだ時、千年以上の時を経ても少しも変わらない人間の姿や心、想いに驚いたんです。昔のヨーロッパの昔の詩集や物語を読んでも感じることであり、通じることですが。圧倒的な自然の美しさを目の当たりにした時の感動や感謝、誰しもが心の中にある、人を愛する気持ちや愛する人を失った時の悲しみ、絶望や苦しみ、祈り…そして、そういった言葉にならない人の変わらぬ心、時代を超えて誰しもが持つ普遍的な気持ちを音で表現したものが、音楽だと思うんですよね。クラシック音楽はいつからか敷居が高く堅苦しいものだ、というイメージを持たれてしまうようになった気がしますが、芸術って常に人の心の側にあり、とても人間的なものだと私は思うんです。だからこそ、この移り変わりの激しい時代の中で、人々と共に笑い、時には泣き、生き続けてきたんだと思います。

…話がそれてしまいましたが、読んでみてください。 笑

S:手に取ったことも無いよ 笑 そこらで売ってんの?授業以来久しぶりに聞いた単語だなあ。

T:ありますよ~。感動しますよ!笑
 
 
~留学~

S:留学先はパリ・エコール・ノルマル音楽院だっけ?

T:はい。エコール・ノルマルの6eme Division Execution=最上級演奏家ディプロマという過程へ留学し、ジャン=マルク・ルイサダ氏のもとで勉強します。

S:留学にかける思いというか、何かやりたい事はある?

T:やっぱり作曲家たちが生きていた街ですし、クラシック音楽が生活に溶け込んでいる国だと思うので、街並みや文化、歴史に触れてその空気を感じたいです。

S:向こうでリサイタルやったりとかは?

T:いずれはやらせて頂ける機会があったらいいなと思います。6emeのExeは試験がリサイタルプログラム並みの演目だそうなので、良い準備になるかな。

S:何年くらい行くつもり? 

T:3年はいたいですね。

S:途中から生徒さんとか集まれば向こうで生活も出来るよね。

T:そうですね。でもまずは自分の勉強が一番かな。笑

S:さて、本日は留学前の忙しい時間にありがとうございました。留学で多くのものを得られるよう祈ってます。今度、一緒に何か演奏会やりましょう。

T:ぜひやりましょう、今日はありがとうございました!
 
 
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こうして楽しく対談を終え無事に渡仏した武田さんから、新たにメッセージが届きました!
 
 
~パリに留学して~

パリに来て半年が経とうとしています。パリに来てからの生活は一分一秒が宝物。感じること、考えること、想うこと、感動、刺激が多すぎてなんとなく過ごす日なんて一日もありません。

偶然ですが、今住んでいるアパルトマンの近くにはショパンが生前住んでいた家が4つもあります。パリにはショパンやドビュッシー、サン=サーンス、フォーレ、サティ、フランクなど、沢山の作曲家たちの足跡がいたるところに残っています。縁の場所を訪ねた時に感じる、楽譜を通じてしか出会えなかった作曲家たちがたしかにここに生きていたんだという感動は言葉になりません。また、伝記や音楽史という本の中の出来事を立体的に感じることができ、果てしないイメージが広がる瞬間です。

ルイサダ先生はピアニストとしてご活躍なさっている方でお忙しいため、門下生が7人と少ないので、自分以外のレッスンも聴講するマスタークラス式なのですが、門下の先輩たちがあまりにも素晴らしい演奏をなさることにも刺激を受けています。ルイサダ先生のレッスンからは、音楽に対する様々な感覚が宝石箱のように湧き出てきます。

コンサートを聞きに行ったり、バレエを見に行ったり、美術館へ出かけたり、インスピレーションや胸が震えるほどの感動を得る機会も多く、この素晴らしい環境で勉強できることに感謝して、この時間が音になっていくように、今の私にできる100パーセントを使ってできる限りのことを吸収したい、勉強したいと強く思います。がんばります!

武田 梢
 
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武田さんの今後のご活躍をお祈りし、皆様の応援をお願いして今回の対談を終了させて頂きたいと思います。
  
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◆武田梢 プロフィール◆

武田 梢(たけだ・こずえ)/ピアノ

1986年秋田県秋田市に生まれる
秋田大学教育文化学部附属小学校、秋田大学教育文化学部附属中学校卒業
ABS秋田放送より取材を受け、“特集:シリーズ旅立ち~15歳の決断・夢はピアニスト”が放映される

2002年東京音楽大学付属高等学校にピアノ演奏家コースとして入学
同校在学中、実技成績優秀により、同校出身のピアニスト小川典子氏より特別レッスンを受講(高2~高3)
並びに、モスクワ音楽院教授セルゲイツ・ドレンスキー氏より公開レッスンを推奨生として受講

2005年東京音楽大学にピアノ演奏家コースとして入学
同校在学中、フランス国立音楽院教授ジャック・ルヴィエ氏の国際音楽セミナーを推奨生として受講並びに修了コンサート出演
特にS.ラフマニノフ、K.シマノフスキに於いて高い評価を得る

これまでに全日本学生音楽コンクール東京大会入選、ピティナピアノコンペティションソロ部門B級C級D級E級・デュオ部門初級中級にて優秀賞受賞、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞、秋田市民音楽コンクール第一位並びに文化団体連盟賞、秋田県青少年音楽コンクール最優秀並びにグランプリ受賞(大会初)日本ショパン協会主催、青少年のためのショパンコンクール金賞並びにカワイ奨励賞受賞(史上最年少)アジアクラシック音楽コンクール新人賞受賞

2009年秋よりフランス、パリ・エコール・ノルマル音楽院ディプロマコース6eme Division≪Execution≫(シジエム・ディヴィジオン≪エグゼキュシオン≫=最上級演奏ディプロマ)へ留学、ジャン=マルク・ルイサダ氏のもとで研鑽を積んでいる
 
武田梢BLOG
  
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02:28 | 演奏家対談シリーズ | ■演奏家対談シリーズvol.2 武田梢~後編~ はコメントを受け付けていません
2010/03/09

前回の対談から随分と間が空きましたが、演奏家対談シリーズ第2弾は、大学の後輩でもありピアニストとしてフランスに留学中の武田梢さんをお迎えしました。対談は留学直前に行われ、期待と不安に胸いっぱいの若き才能の胸の内に迫ってみました。
 
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~楽器を始めたきっかけ~

鷲見(以下S):まずは楽器を始めたきっかけからいきましょうか。

武田(以下T):はい、よろしくお願い致します。
 母がクラシック音楽を聴くのが好きで、家ではいつもクラシック音楽が流れていました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」が大好きで、いつか弾いてみたいと強く憧れていたことを鮮明に覚えています。3歳の時、ピアニストの方が月光を弾いている番組を見て、この曲を弾いてみたい。ピアノを習いたい。と自分から両親にお願いしました。
 また、日本音楽コンクールの覇者であり、今や世界を舞台にご活躍中のピアニスト、佐藤卓史さんが同郷で小中学校と同じだったのですが、幼い頃から親しくして頃から親しくして頂いており、私はいつも卓史さんの演奏に憧れ、尊敬してきました。身近なところに素晴らしいピアニストがいて下さったため、コンクールに出た高校から親元を離れ音高に進学したのは、ごく自然な流れでした。

S:3歳で!早いね~。ピアノはもともと家にあったの?

T:なかったので買ってもらったのですが、最初はアップライトピアノでした。

S:そうだったんだ。入門編だね。

T:教わるのも最初は通っていた幼稚園の近くの、小さなこどもに教えている先生でした。

S:基礎からやった訳だ。

T:そうですね、でも音符が大きい簡単な楽譜を渡されても練習する気にならなくて、自分の弾きたい曲ばかり弾いていました。それこそ月光をハ長調に直して弾いたりしていました。笑
  
 
~コンクールについて~

S:で、新しい先生にはいつから?

T:小学校に入ってから今でも秋田に帰ると教わっている若松マキ先生に師事するようになりました。

S:コンクール受け始めたのは小学校から?

T:小学校1年生から受けるようになって、4年生の時、学生のためのショパンコンクールで1位を頂き、学生コンクールでも入選しました。でも、小学校高学年になるにつれ、コンクールが嫌になってしまった時期もありました。

S:なんで?

T:ピアノは好きだったんですけど、コンクールのプレッシャーというか…

S:あ~なるほど。小さいのに変に背負い込んじゃったんだね。

T:音楽が、ピアノが大好きなはずなのに、コンクールのためにピアノ弾いてるのかなって悩んでしまって…。
 だけど、小学校6年生の時、ナウム・シュタルクマン氏のコンサートで、ピアノをはじめたきっかけとなったベートーヴェンの「月光」を聞き、やっぱり私はピアノが好きだ、と再確認できたと同時に、音楽を追求するために弾いていこうと思えるようになりました。
 巨匠シュタルクマン氏の奏でる月光は、ベートーヴェンとシュタルクマン氏の人生を感じたほど、悲しく、優しく、静かでありながら強く美しい演奏で、強い感動と衝撃を受けました。会場にいたほとんどの人が涙を流して聞いていました・・・あの日、舞台に立って演奏することの意味がわかった気がします。
 いつか、作曲家と対話し、自分の内に向かい、音楽に向かい、そして聞く人々の心に訴える、あのような演奏ができるようになりたいと強く思うようになりました。
 でもホント、子供ってあやうい生き物ですよね。今みたいに自我が出来ていれば、コンクールも自分のためになるって思えるのに。

S:個人的には政治的要素も大きいし、音楽に点数つけるコンクールの存在自体に反対だからなあ、何ともコメントが難しいところだね。そこまで考えられる先生との出会いが大事になるね。
 

~一人暮らし~

S:東京に出てきたのはいつ?

T:レッスンに通うようになったのは中学2年生です。

S:一人暮らしは中学3年から?

T:高校1年生からです。

S:東京音楽大学は附属高校から?

T:はい。

S:東京に来て違うなあと思ったことは?

T:落ち込んだ時や悲しい時に、実家にいた頃はおいしいご飯が出てきて、あったかいお風呂があって、家族とも話せて気が紛れていたのに、一人暮らしだと家に帰って来ても冬は寒いし、疲れていてもご飯は作らないといけないし、何だかさみしかったです。笑

S:ははは。

T:東京に来て家族のありがたみがわかりました。

S:良い言葉だ!! 笑

S:一人暮らしだと、料理は外食?

T:自炊ですよー♪

S:節約生活?そうなんだ~。料理得意?

T:そうですね、高校生から一人暮らしをしていると一通りは作れるようになります。和食も中華もイタリアンもフレンチも。

S:一番得意なのは?

T:うーん、なんだろう? カルボナーラ、ハンバーグ…和食だと肉じゃがや出し巻き卵、中華だと酢豚、チンジャオロース…でも、冷蔵庫にあるものでパパッと作るのが一番得意かも。笑。あとブラウニーとプリンは自分でも美味しいと思います。笑
 
 
~好きな作曲家、曲~

S:好きな作曲家と好きな曲は?

T:沢山いて選べないですよね…。ショパンもリストもシューマンもブラームスもラヴェルもバッハもモーツァルトもベートーヴェンも好き。ラフマニノフ、シマノフスキ、プロコフィエフなど、雪国の人というか、雪が見える曲を書く人も好きです。

S:俺の感覚からいうとシベリウスなんかもそうかな?

T:そうですね!そうそう。

S:この前シベリウスの曲やったんだけど、指揮者が「シベリウスは一見退屈に感じるけど、ほんの一瞬、たまに素敵なところがあってね、そこが彼の良いところだと思います」って言ってた 笑

T:あはは、シベリウス天国で泣いていますね。笑

S:好きな曲は?

T:ものすごく沢山あってあげきれないほどですが、それこそシベリウスのヴァイオリンコンチェルトは大好きですね。ヴァイオリンコンチェルトといえばドヴォルザークのロマンスf mollもすごく好きです。もちろんピアノ曲にも好きな曲が山ほどあって、よく聞きますけど、ヴァイオリンやチェロ、交響曲も多いかな。ピアノは音域が広いですし、いろんな楽器の音を出していけるようになりたいです。

S:感受性豊かっぽいよね?

T:よく言われます。笑。コンサートに行っても絵を見ても涙が止まらなくなりますし、うれしくても悲しくても感動してもすぐ涙が出ますし…。ふとした瞬間の中に色々と感じる気持ちや見える景色、色彩や曲もありますね。

S:嫌いな作曲家は?

T:特にいないです。ただ、現代曲はちょっと苦手かな・・・

S:表立って言わないけど多くの演奏家がそうだとは思うよね。良い曲もたまにあるんだけど。

作品やメロディーが出きっちゃってる感があって、作曲家が可哀想な時代だとは思うよね。

T:そうですよね。

S:話が危険な方向にいきつつあるので、この話題はこの辺にしときましょう。
  
 
~練習~

S:練習は好きですか?

T:好きですよ、ピアノを弾くことが好きなので。ちゃんと練習する時間と、好きな曲を自分のために趣味で弾く時間とあります。
 趣味で弾く曲はシューマンのトロイメライやラフマニノフのヴォカリーズ、エレジー、シベリウスの樅の木、グリーグの風の精、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、フォーレのパヴァーヌ、ショパンのノクターンやプレリュード、マズルカなど、譜面はそんなに難しくなくても、心に染みわたるような小品が好きですね。

S:俺は練習を苦にしなくなったの最近だよ 苦笑

T:私は1日弾いていても平気です。涙が自然と流れる感覚というか、言葉にならない気持ちを音に託すというか…。特に悲しい時ほどピアノ弾きますね。そんな時に限ってピアノってすごく優しい音がしたりするものですよね。

S:おお、カッコイイ 笑

T:ピアノを弾くことと泣くことが似ているなぁと思うのは、言葉にならない気持ちとか想いとか、言葉に表現できない悲しみとか喜びが、泣きたいわけじゃなくても涙になって自然にこぼれてしまうように、言葉にならない気持ちとか心とか音に重ねてこぼれた方が自然な気がするから…。

S:先日のリサイタルはどんな感じだったの?

T:今回はショパンとラフマニノフがメインにプログラムを組みました。ピアノのための作品を数多く残し、また優れたピアニストであったショパンとラフマニノフは、多くのピアニストにとって特別な作曲家であると思います。
 ショパンが祖国ポーランドを離れ、パリに出たのは22歳の時。また彼がパリで初のリサイタルを行ったのが22歳ということから、今22歳である私の心を重ねて奏でられるよう、ショパンが22歳の時の作品である「別れの曲」を取り入れて、彼らしい詩のような音楽を選曲しました。
 現存する録音も数多くあるラフマニノフは、ピアニストとしても敬愛している作曲家です。ラフマニノフは22歳で交響曲1番の初演に失敗し、極度の神経衰弱に陥りますが、それを乗り越え数々の傑作を残しています。
 ラフマニノフ最後のピアノ独奏曲となった“コレルリの主題による変奏曲”を中心に思い入れのある小品を組み合わせ、第1部では、ショパンとラフマニノフという私にとって特別な作曲家に焦点をあてた、また、ピアノという楽器の多角的な魅力を楽しんで頂けるようなプログラムになったのではないかなと思います。
 第2部では同い年のヴァイオリニスト、鍵冨弦太郎くんをゲストに迎え、フランス系ヴァイオリンソナタの最高傑作と言われているフランクの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を演奏しました。

S:作曲家と自分を重ね合わせたようなプログラミングだね?

T:そうですね。

S:22歳、節目と捉えてる訳ですね。リサイタル前に誰かの録音を参考にしたりする?それとも自分でイメージを作るまでは聴かない?

T:最初は楽譜だけですね、初見が得意なので、まずサラッと弾いてみます。初めて弾いた時に自分が感じた感覚はとても大切だと思います。参考というか、ショパンはルービンシュタインの演奏が本当に好きなので、日頃からよく聞いています。

 
(続きは後編へ・・・・)
 
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◆武田梢 プロフィール◆

武田 梢(たけだ・こずえ)/ピアノ

1986年秋田県秋田市に生まれる
秋田大学教育文化学部附属小学校、秋田大学教育文化学部附属中学校卒業
ABS秋田放送より取材を受け、“特集:シリーズ旅立ち~15歳の決断・夢はピアニスト”が放映される

2002年東京音楽大学付属高等学校にピアノ演奏家コースとして入学
同校在学中、実技成績優秀により、同校出身のピアニスト小川典子氏より特別レッスンを受講(高2~高3)
並びに、モスクワ音楽院教授セルゲイツ・ドレンスキー氏より公開レッスンを推奨生として受講

2005年東京音楽大学にピアノ演奏家コースとして入学
同校在学中、フランス国立音楽院教授ジャック・ルヴィエ氏の国際音楽セミナーを推奨生として受講並びに修了コンサート出演
特にS.ラフマニノフ、K.シマノフスキに於いて高い評価を得る

これまでに全日本学生音楽コンクール東京大会入選、ピティナピアノコンペティションソロ部門B級C級D級E級・デュオ部門初級中級にて優秀賞受賞、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞、秋田市民音楽コンクール第一位並びに文化団体連盟賞、秋田県青少年音楽コンクール最優秀並びにグランプリ受賞(大会初)日本ショパン協会主催、青少年のためのショパンコンクール金賞並びにカワイ奨励賞受賞(史上最年少)アジアクラシック音楽コンクール新人賞受賞

2009年秋よりフランス、パリ・エコール・ノルマル音楽院ディプロマコース6eme Division≪Execution≫(シジエム・ディヴィジオン≪エグゼキュシオン≫=最上級演奏ディプロマ)へ留学、ジャン=マルク・ルイサダ氏のもとで研鑽を積んでいる
 
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10:35 | 演奏家対談シリーズ | ■演奏家対談シリーズvol.2 武田梢~前編~ はコメントを受け付けていません
2009/06/17

前回予想以上の反響をいただいた西田さんとの対談、盛り上がった後半をお楽しみ下さい!!

(前編を読む)
  
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~所属団体について~

S 所属するシエナ・ウインドオーケストラについて語って下さい。
N この団体で演奏していると、社会に参加・貢献している感じがします。
S 聴衆への浸透度とか?
N 中高生の憧れとしての存在かな。演奏家に憧れるって事は、大人に憧れるって事でもあって、すると「大人になるのが楽しみ」って子供が増える事で国が幸せになるんじゃないかって。
S 素晴らしい!!私は、シエナのツアーは本番が本当に楽しくて、あの雰囲気ってオーケストラじゃ不思議と出せないと思うんですが。もちろん吹奏楽というジャンルの影響もあるでしょうけれど。
N うん、演奏のクオリティを高めようとか良い音楽をしよう良い演奏をしようってのはもちろんなんだけど、シエナの共通意識としては「良いコンサートをしよう」っていうのがあって、皆がコンサートの演出を「ああしよう」「こうしよう」と考えている。どれだけ良い演奏をしてもお客さんに届かなかったら意味がないですから。
S シエナに入団して何年目ですか?
N 10年目かな。
S そんなになりますか?実はね、大学1、2年のときにシエナに呼ばれた事があるんですけど、さすがにその頃西田さんは居なかったかな?15年前くらいだもんね。
N そうですね、まだ居なかったなあ。楽器始めて3年目でプロの仕事したんですか?
S うん、ずいぶん指揮者に捉まって大変でした。当然ですけどね。え~と、シエナは来年20周年でしたっけ?
N そうです。
S じゃあ、私が初めて伺った時はまだ設立当初かな。その中でもう10年目って事はすっかりシエナの顔ですね。
N いやいや、とんでもない。

~趣味~

S 音楽以外で趣味ってありますか?
N 今はお料理かな。
S そうだそうだ。最近たまにレシピの話になりますもんね。ちゃんとしたの作ってる。
N いやいや。「これを作りたい」っていうより「グルタミン酸とイノシン酸を混ぜ合わせるとこんな味になるらしい」とかそういう事実を確かめてるっていうか。
S 栄養士さんか 笑
N ダシには4種類の酸があって、うち2種類以上が合わさるとさらに大きな味になるってのがあるんですよ。だから、レシピを読むっていうよりも「料理とは」みたいな。「料理とは何か?生きることだ!」みたいな 笑
S へえ~。料理とは、食とは?って感じですね。
N そうそう。
S 私自身料理するのは好きですけど、「これとこれを合わせたらこんな味になるんだろうな」っていう、音楽に近い喜びを得られるのが好きだからで、そんな意見は初めて聞いた 笑
N 料理家さんが書いたエッセイとかも好きですよ、魯山人とか。
S 完全に食通じゃないですか。料理、面倒じゃないですか?
N まあ大変ですけど・・・
S 本番終わった夜、帰宅してからも作りますか?
N 気が向けば、かな。朝ごはん作るか夜ごはん作るか、ですね。
S 一日三食取ってます?
N 最近、気付けば三食食べてる事が増えました。
S 規則正しい生活してるんですか?してないでしょ?
N してないですね 笑
S 夜型?
N どっちかというと夜型ですね。
S 演奏家ですもんね。
N あ、あと趣味といえば顕微鏡!!
S へ?顕微鏡?何見るんですか?グルタミン酸?
N 今は流行中断中なんですけど、海とか川の水をすくって微生物を見るのが好きで。
S 自宅に持ってるんですか?
N 買いました。数万円で。
S 数万円って結構な値段ですよね・・・・自宅に顕微鏡持ってる演奏家、なかなかいないでしょ。
N 楽しいですよ、ほっぺたの中の細胞とか。けっこう動くのが居て引きましたけど。
S 研究家体質なのかな。

~感覚と理論~

S あ、研究家体質で思い出した。これ聞きたかったんだ。演奏家として自分のことを感覚派、理論派に分けたらどっちだと思いますか?
N え~。難しいなあ。逆に鷲見さんどうですか?
S 理想は「理論に裏付けされた感覚」なんでしょうけど、私は完全に感覚派ですね。だから、人に教えるのが苦手。なかなか言葉にならない。
N 野球の長嶋さんみたいな?
S うん、それに近いかな。だから、音楽をきちんと言葉に出来る指揮者って凄いと思う。そういう点では経験上広上淳一さんが最高でした。
N 私は、言葉にするのは好きです。感覚を忘れない為に、言葉で補強するみたいな。
S うん、西田さんは演奏会の雰囲気を言葉にするのが凄く上手い。
N 忘れたくない感覚とか感情を言葉に翻訳して、後々言葉で呼び起こすような感じですね。
S 羨ましい。私はどうしても言葉にするのが苦手なんで、ブログで演奏会の感動を伝えられないんです。「感動しました」「良い演奏でした」って書いちゃう 笑
N でも、理論から外れた瞬間がたまらないって事もありますよね。外れたのにツボにハマッてる、みたいな。
S それもまた音楽の良さですよね。完璧な演奏が決して感動を呼ぶとは限らないですから。

~究極の選択~
 
S これもいま思いついたんですけど、「世界一綺麗な音色を出す奏者」と「世界一指が回る奏者」なら、どっちになりたいですか?
N これも難しい質問だなあ。音色は聴く人によって感じ方変わりますもんね。指回るのは誰が聴いてもあからさまに凄く感じるからなあ。逆にどっちですか?
S 私はもともと音色の美しさを追求しているしその部分を褒めていただく事が多いんだけど、実際とっても指が回らないんで、回るようになったら良いなとは思います。
N 同じです!全く同じです! 笑 この前ね、隣りで演奏していた人の音が美しくて「なんて美しい心の人なんだろう」って思った。
S 音は心の鏡って言いますよね。そう考えたら人前で弾くのが嫌になりますけど 笑

~あなたにとって音楽とは~

S じゃあ、最後の質問。ベタですけど、あなたにとって音楽とは何でしょう?
N え~!それ、聞かれたら何て答えるんですか?
S そうだな~・・・一度辞めた経験から「二度と失いたくないもの」かな。
N あははは!でも、無くても生きていけるものでしょう?
S いやいや!!そう思うでしょう?私もそう思ってましたけどね。とんでもない、失って初めて分かる音楽の存在感ってヤツですよ。
N そっか~。相当心が音と繋がってるんですね。
S ここでも言葉の話になるけど、私は音楽をメロディーで聴くんですよね。歌詞とか一切興味ない。「歌詞が良いよね」っていう感想が理解出来ないんです、どんな歌手の歌でもメロディーに共感する。その辺も音楽との繋がりに関係あるのかな。
N そうだ、言葉と繋がらないから音に繋がるんだきっと。言葉で繋がった瞬間に音楽が薄くなるとか。
S そうかもしれないなあ。・・・・で、西田さんにとって音楽とは?
N ・・・笑 楽器持って人前に立つと緊張しないけど、楽器持たずに人前に立つと凄く緊張するし何も話せない、とか関係あるかな。
S あ~、それは凄い分かる。楽器持ってないと何も出来ない。
N 脳の切り替えでしょうね、楽器持ってる時って原始人に近いのかな。言葉とか一切忘れてる、みたいな。「あ~」「う~」って。言葉って記号だもんね。記号は多少歪んでても「○」とか形で認識出来るけど、音楽は記号じゃない、全て形が違うって認識する、その差なんだろうけど。・・・・で、音楽とは、だよね 笑
S そうそう 笑
N そうだなあ、私にとって音楽は人と繋がる為のもの、かな。自分と他人も、他人同士も繋げてくれるもの。
S やった、ついに答え引き出した!! 笑
N ははは、後はうまく文章にまとめて下さい。
S 本日はありがとうございました。今後一緒に新しい試みをしていければ、と思います。またシエナでもよろしくお願いします。
N ありがとうございました。
  
 
2009年5月某日、名曲喫茶「らんぶる」にて

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◆西田紀子 プロフィール◆

西田紀子(にしだ・のりこ)/フルート
シエナウインドオーケストラ フルート・ピッコロ奏者
長野県小諸高等学校音楽科非常勤講師
 
京都市立堀川高等学校音楽科分校卒業、東京藝術大学出身。
フルートを野口博司 小久見豊子 大友太郎 金昌国 中野富雄 湯川和雄 パウル・マイゼンの各氏に、室内楽を山本正治、岡本正之の各氏に師事。
 
西田紀子公式サイト
  
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シエナ・ウインドオーケストラ8月ツアー日程  (西田&鷲見出演!!)

<佐渡裕ヤングピープルズコンサート>
 
・京都公演
 2009/8/7 (金) 18:00開演
 京都コンサートホール
・大阪公演
 2009/8/8 (土) 14:00開演
 大阪シンフォニーホール
・兵庫公演
 2009/8/9 (日) 16:00開演
 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
 
・東京公演
 2009/8/10 (月)
 東京オペラシティコンサートホール
 
<佐渡&シエナツアー2009>
 
 三重公演
 2009/8/14 (金) 19:00開演
 鈴鹿市民会館

 名古屋公演
 2009/8/15 (土) 13:30開演
 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 広島公演
 2009/8/16 (日) 15:00開演
 呉市文化ホール

 新潟公演
 2009/8/18 (火) 19:00開演
 長岡市立劇場 大ホール

 富士山河口湖音楽祭 2009
 2009/8/22 (土) 17:00開演
 河口湖ステラシアター

 神奈川公演
 2009/8/24 (月) 18:30開演
 南足柄市文化会館 大ホール

 栃木公演
 2009/8/25 (火) 18:00開演
 足利市民会館

 第30回定期演奏会
 2009/8/26 (水) 時間未定
 東京文化会館

シエナ・ウインドオーケストラ公式サイト

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07:00 | 演奏家対談シリーズ | ■演奏家対談シリーズvol.1 西田紀子~後編~ はコメントを受け付けていません
2009/06/10

さて、今月から始まる「演奏家対談シリーズ」の第1弾は、私もよく出演させていただいているシエナ・ウインドオーケストラ(以降シエナ)のフルート兼ピッコロ奏者、西田紀子さんです。
 
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実は昨年夏にシエナのツアーに出演させていただいてからというもの、何かとコントラバスのサウンドに気をかけ声をかけてくれて私の緊張を解いて下さったのがこの西田さんでした。
 
この度第1回に西田さんを選ばせていただいたのは、間もなくシエナの8月ツアーが始まる前に、この対談を読んで興味を持っていただいた方にご来場頂けたら、という狙いもあったりします。それでは、対談のインタビュアー初体験の私が、シエナを代表する美人フルート奏者の本音に迫りました。前編・後編の2回に亘りお届けします、お楽しみ下さい。

鷲見  お久しぶりです。年明けのツアー以来でしょうか。
西田  ツアー以来ですね。これは対談だから、私の質問に鷲見さんも答えるんですよね?
鷲見  ええ~!話すとしても相槌程度ですかね。
西田  いやいや。自ら失敗談なども話してくださいよ。
鷲見  けっこうJunkStageに書いてるからなあ。
西田    そっかそっか、なるほど。
鷲見  じゃあ始めましょうか。

(以下西田=N、鷲見=S)

~楽器を始めたきっかけ~

S では、非常にありがちな質問の王道から。楽器を始めたきっかけをお聞かせ下さい。
N 吹奏楽です。小学校から。
S 小学校!?
N 小学校の市民バンド版みたいなのがあって、いろんな小学校や中学校から人が来ている団体があったんです。子供の頃あまりにリコーダーを吹いていたんで、両親が見かねて入れた、みたいな。
S リコーダーなんて、シエナに入る為みたいですね・・・じゃあ、そこからフルートに?
N いや、その団体にフルートが無くて、始めは打楽器だったんです。半年後くらいに東京からフルートが来たのでフルートになりました。
S その時クラリネットをやりたいとは思わなかったんですか?
N う~ん、気づいたら打楽器でした、余ってるからやれみたいな 笑
S あ~、ブラバンではコントラバスやらされる人ののほとんどが「余ってるから」じゃないですかね 笑
S で、そのままフルートで音大まで行かれた訳ですね。
N そうです。
S 小学校からエスカレーターで。
N そうですねえ。
S 素晴らしい。ピッコロはいつ頃から?
N それも小学校からです。持ち替えで。で、またその、フルート奏者が本番中にピッコロと持ち替えるのが凄くカッコイイ!と思っていたんです。「ああいう人になりたい!」と思っていたら夢が叶いました。ま、夢が叶うならもっとマシな事を夢見ていれば良かったと思いますが・・・。
S 十分じゃないですか。今度は「持ち替えコンサート」やって下さいよ。ピッコロからバスフルートまでの。
N この前フルートアンサンブルでそういう持ち替えやったんですよ。
S じゃあ、ぜひソロリサイタルでやって下さい。
N 夢が叶ったら 笑

~好きな作曲家~

S ところで、好きな作曲家はいますか?
N う~ん・・・・・・逆に聞いていいですか?
S そうですねえ、あえて一人挙げるならブラームスかなあ。
N なんで?
S 聴いていても演奏していても自然と自分の精神に入り込んでくるからかな?どんな時でも楽しく弾けるとか。
N 自分に近いってところがポイントなのかな。自分が書いたんじゃないかって? 笑
S そこまで言っちゃうとブラームスに失礼ですけどね。演奏していて一番感情移入というか・・・理解出来るっていうのかな。好きな曲だったらたくさんあるけど、質問難しかったかなあ。あ、そうだ、最近バッハにもハマッてますね。
N バッハ良いですよねえ。ソロの曲?
S  ヴァイオリンのパルティータとか、協奏曲とか、ブランデンブルグ協奏曲とか。で、西田さんの好きな曲は? 笑
N  う~ん・・・・・・そもそも、何で曲をやるかって言ったら、本当は自分で吹けたらいいけど、大したものが吹けないから、楽譜を見て在るものを演奏するというか。だから、自分か、自分以外のものになるのかな・・・
S その話になるとねえ。結局作曲家が書いたものを再現するのが我々の仕事な訳で、その中で自己表現というか自己主張が出来るかって言ったら限界が出てくるから・・
N 自己主張っていうか、共感ですよね。
S あ~、共感いい言葉ですね。分かる!!じゃあ、共感出来る作曲家は?
N それならいっぱいいるかな。でも、案外近い世代、日本人の同世代なんかは共感出来る。友達の曲とか。分かる分かるって。
S なるほど、そう来たか 笑
N うん、でもバッハも好きですよ 笑
S 付け加えましたね・・・・・
N あとは、その時やってる曲が一番好き、かな。いま付き合ってる人が一番好き!みたいな。
S それまで嫌いだった曲も演奏すると好きになる事多いですもんね。
N 共感したものの断片が残ってて、少しずつ自分を形成しているかな。
S それを自分で曲に、形にしようとは思わない?
N あはは、なんかこう、適当に自分で吹いているときが一番気持ちがいいかな。
S それは何かの曲?
N いや、リハーサル前に適当に「今日の曲」みたいな感じで吹くと技術的にも無理がなくって楽しい。
S ああ、シエナのリハーサル前に客席とかで吹いている、あんな感じですね 笑

~思い出の曲とエピソード~
 
S 思い出の曲と、それに纏わるエピソードはありますか?
N シエナで一番最初にレコーディングしたときですね。実は前日に私の前のフルート奏者の方が亡くなられたということで、その方がさんざん一緒に皆と演奏したというバッハの「主よ人の望みの喜びよ」を捧げたんです。あれは凄い音だった。
S ああ、音楽を捧げて追悼出来るって、我々の特権ですよね。昨年のシエナツアーで佐渡さんが歌手の越智さんに1曲捧げようって演奏したとき、なぜか自分まで思いが伝わってきて弾きながら泣いちゃったの思い出すなあ。
N ありましたね~。私も、そのフルート奏者の方は私の前の人なんで全然存じ上げないんですけど、きっとこの席に座ってこうして周りの音を聴きながら演奏されていたんだろうなって思ったら、いろいろ響くものがありましたね。
S 良いお話でした。ま、あんまりこんな機会が無いのが一番良いんでしょうけどね。あ、今思いついたんですけど、自分が亡くなった時に演奏してもらいたい曲は?
N そうだなあ、曲というより、人かな。シエナのみんなに来て欲しいし、みんなでジャジャーンとやって欲しい。
S そりゃもちろんやってくれますよ。私も弾きます 笑

~失敗談~
 
S では、演奏に纏わる失敗談はありますか?
N 本当にシャレにならない失敗がたくさんあるなあ・・・・
S では話せる程度でいくつか。
N 凄い静かなところで1小節早く出てしまった、というのがあります。しかもピッコロで。
S あらら。
N しかも、凄く出すのが大変な高音で、「よっしゃ~出た~!」と思ったら1小節早かった、みたいな。
S あはは、でも飛び出せる人って凄いですよ。飛び出す勇気があるって事ですからね。
N いやいや。その時2度目はきちんと決まったんです。安定した技術を見せた、なんて。嘘。前に座ってたヴァイオリンの人たちが全員振り返ったの覚えてるなあ。
S それは若い頃?
N まあまあ。
S たいしたもんですよ。私なんて若い頃落ちる・飛び出すが怖くて小節数数えてばっかりでしたから。
N まあ、でも落ちるのも技術って言葉もありますよね。
S ははは、あるある。飛び出して音楽破壊するくらいなら弾くな、ってね。他にはありますか?
N 楽器忘れた事ある。フルートとピッコロの持ち替えの本番だったんだけどピッコロ忘れて。
S 本番はどうしたんですか?
N 近くの楽器屋さんでレンタルしました。
S じゃあ無事演奏会はこなした訳ですね。危ない危ない。私も居酒屋で呑んでて酔っ払って、翌朝リハーサル行こうとしたら弓が無い!って事がありました。その日は近所の友人に借りて、後日探したらタクシー会社で発見されましたが心臓ドキドキでしたね。
N お互い、あまり言わない方が良いエピソードですね 笑 そうだ、オーケストラピットで咳止めの薬飲んでて、あまりに効くから調子に乗って飲んでたら本番後半にはグラグラ、って事もありました。
S オーケストラピットの環境はヤバいですね。暗いし客席から見えないから緊張感も少ないし、何となく自由な気がしちゃう。ま、きっとこれからもこんなエピソードは増え続けるんでしょうけど、またご報告お願いします 笑

~影響された演奏家~

S 影響された演奏家は居ますか?
N 高校生の頃、グレン・グールドは良いなあと思ってたかな。
S フルート奏者じゃないんだ。てっきりランパルとかゴールウェイとか出てくるかと思った。
N あ~。グールドってなんかちょっとおかしな人で。うん。
S じゃあ、あまり参考にした人はいないですか?自分の道を突き進む、みたいな?
N いや、う~ん、まあ子供の頃は何も気にしない感じでしたけど。今は尺八のテイストを取り入れたいな、なんて思ったりしてます。
S 尺八?じゃあ、ぜひコントラバスとピッコロで和のテイストを組み入れたコンサートやってみますか。
N あはは、形になるかな。
S いまヴィオラ、コントラバス、二十五弦箏にピアノという組み合わせで「和洋折衷」って室内楽シリーズやってるんで、その流れでフルートも入れてしまおう。とりあえずやってみて、失敗したら止めれば良いですよ。
N へえ、面白そう。とりあえずやってみようって良いですね。ぜひぜひ。
S とりあえず若干話は逸れましたが、影響された演奏家はグレン・グールドって事ですね。フルート奏者ではありませんでした 笑

(予想以上に対談が盛り上がった為2回に分けてお届けします。この続きは後日掲載予定です、お楽しみに!!)

2009年5月某日、名曲喫茶「らんぶる」にて

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◆西田紀子 プロフィール◆

西田紀子(にしだ・のりこ)/フルート
シエナウインドオーケストラ フルート・ピッコロ奏者
長野県小諸高等学校音楽科非常勤講師
 
京都市立堀川高等学校音楽科分校卒業、東京藝術大学出身。
フルートを野口博司 小久見豊子 大友太郎 金昌国 中野富雄 湯川和雄 パウル・マイゼンの各氏に、室内楽を山本正治、岡本正之の各氏に師事。
 
西田紀子公式サイト
  
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◆コンサート&ライブ◆
 
「新感覚フルートアンサンブル フルーツベジタブル コンサートvol.1」
6月19日(金)19:00~ @近江楽堂/東京オペラシティ3階
 
出演/吉岡次郎、金野紗綾香、白石法久、西田紀子(以上フルート)、成田有花(チェンバロ)
 
プログラム/
J.S.バッハ:トリオソナタ ト長調BWV1039
DIEGO LUZURIAGA:TIERRA…TIERRA
GORDON JACOB:Introductinon And Fugue
DANIEL SCHNYDER:baroqueLochchess
などなど。
 
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シエナ・ウインドオーケストラ8月ツアー日程

<佐渡裕ヤングピープルズコンサート> 
 
・京都公演
 2009/8/7 (金) 18:00開演
 京都コンサートホール

・大阪公演
 2009/8/8 (土) 14:00開演
 大阪シンフォニーホール

・兵庫公演
 2009/8/9 (日) 16:00開演
 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
 
・東京公演
 2009/8/10 (月)
 東京オペラシティコンサートホール
 
<佐渡&シエナツアー2009>
 
 三重公演
 2009/8/14 (金) 19:00開演
 鈴鹿市民会館

 名古屋公演
 2009/8/15 (土) 13:30開演
 愛知県芸術劇場 コンサートホール

 広島公演
 2009/8/16 (日) 15:00開演
 呉市文化ホール

 新潟公演
 2009/8/18 (火) 19:00開演
 長岡市立劇場 大ホール

 富士山河口湖音楽祭 2009
 2009/8/22 (土) 17:00開演
 河口湖ステラシアター

 神奈川公演
 2009/8/24 (月) 18:30開演
 南足柄市文化会館 大ホール

 栃木公演
 2009/8/25 (火) 18:00開演
 足利市民会館

 第30回定期演奏会
 2009/8/26 (水) 時間未定
 東京文化会館

シエナ・ウインドオーケストラ公式サイト

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04:04 | 演奏家対談シリーズ | ■演奏家対談シリーズvol.1 西田紀子~前編~ はコメントを受け付けていません