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2015/01/31

先日、イケメンがたくさんでている舞台を見てきました。背がすらーっとして顔の小さいイイ男たちが、舞台を所狭しと動き回っているのを見ると、結構なストレス解消になります。これは年齢があがったせいなのでしょうか……。(同業者なのに!)

 

ここ数年、舞台にはイケメン波がザパーン、ザパーンと押し寄せています。いわゆる小劇場というジャンルには、演劇が好きな男女が集まっていました。こういうことを書くと語弊があるかもしれませんが、なぜか演劇部というのはちょっとださめな部活と認識されていたことでしょう。そして大学になっても演劇をしているひとたちは、どこか社会に順応しにくい、こだわりを持ったひとたちの集まりでした。だからこそ個性的な役者がたくさん出てきます。見てくれじゃない、実力主義な世界。テレビにも舞台出身者がたくさんいます。これは当然のことだと思います。でもそこにイケメンたちが溢れるようになりました。ビジュアル関係なしのところにイケメン! そりゃイケメンは目立ちます。しかも芝居の上手い人もいたりして。もうこれはちょっとした事件なわけです。

 

仕事柄、たしかにイケメンと遭遇することも多いです。はじめは顔の小ささ、バランスのよさにただただ感動し、何を話せばいいの!! と思っていましたが、やっぱ見慣れるものですね。最近はさほど動じなくなり、一回りの年の差なんてくそくらえとなりました。(笑)

 

自分の劇団やプロデュースの舞台では、企画を立てて、劇場を押さえて、次にすることはキャスティングです。私の場合、脚本も書いていますので役柄のイメージが強くあります。キャスティングの時期になるとあちこちアンテナを張って、イメージに合う人を探していきます。

 

ここでひとつ大事なことがあります。たとえイメージが合致していても、誰彼てきとうにはキャスティングできないうことです。「イメージが合うんでしょ?!」と思われると思いますが、やはり興行を成立させるためには、人気があることも重要なのです。そのバロメーターとして、ツイッターのフォロワー数やつぶやきの頻度、ブログのコメント数などがそれらを判断するひとつになると言われています。

 

イケメンであれば、ある意味、第一段階突端かもしれません。ただイケメンでも芝居ができなきゃどうしようもありません。やはりそこは舞台です。人形としてではなく役者として舞台に立ってもらわなくてはならないのです。イケメンであるのは当たり前、そしてそこにどんな個性をのせていくかが重要なのです。だから逆に、「イケメンだから」ということはっもはや大した武器にはならないとも言えるのです。

 

もちろん役者は顔じゃないということも声を大にして言いたいのですが、でもやっぱりお金を出して見るなら……、と思ってしまうのは至極当然。じゃあ何に価値をおかなくてはいけないのか、ということになるわけですね。

その価値についてはまた次の機会に書きたいと思います。

 

あら、気が付けば2015年1月ももう終わり。

今年は芝居についてたくさん書いていきたいと思います!

 

2013/08/11

毎日暑い日が続きます。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

いまさらですが。

クラブジャンクステージ、楽しかったですねえ。

女の子たちもみんな綺麗で、

わたしのお客さんは、ほんとのホステスさんと勘違いするほどでした!

そして、黒服たちも、てきぱき働いてて。

ママはすっかり、ご機嫌でした☆

また、楽しい時間を過ごせるといいですねえ。

 

そんなわけで。

わたしは現在、舞台稽古、真っ最中!!

来週20日(火)、下北沢で公演がはじまります。

真夏らしく、賑やかで、見終わったあとに、ビールが飲みたくなるお芝居です。

 

今回はとくに、キャスティングのバランスがいい。

はじめのプロット(あらすじ)では、30代後半ばかりがでてくる物語でした。

でもこれじゃあね、見てる側にわくわく感がないでしょう。

やっぱり、若くてかわいい子や、イケメンもみたいでしょう。

そして、練り直した結果、

20代~40代と幅広い出演者となりました。

 

でも意外にもこれが、いろんなギャップが生まれて面白いことに気がつきました。

作品上、たいてい、同世代で芝居することが多いです。

年齢の差があっても、前後5歳ほどとか。

これはこれで、それぞれの考えが一致しやすいので、楽と言えば楽。

でも意外に、振り切ったなにかが生まれにくい。

でも、20歳も差があると、

見てるものも、考えも、だいぶ違ってたりする。

わたしたちが、これが常識だ!、と思っていたものでも、

若い子たちからしたら、それ自体知らなかったり、別の常識が生まれていたりする。

基本中の基本であれば、これはこういうことだよ、と伝えますが。

時代が流れたことで生まれたそれに関しては、

あー、今はそういうことになってるのか、と逆に勉強させてもらったりする。

新しい風が吹くような感じがして、とても新鮮なのです。

そんな感覚から生まれ出す作品は、絶妙なバランスを生むはずでしょう。

ぜひとも、劇場でその瞬間を目撃いただければと思います!!

 

ちなみにタイトルの「ボナミ」は。

フランス語のボンアミからきております。意味は、親友とかよき仲間です!

ぜひ、お運びください☆

 

****************

危婦人、2013年公演決定!

「ボナミ」 作・演出:スギ タクミ

日時:2013年8月20日(火)〜25日(日) (全9ステージ)

会場:下北沢 Geki地下リバティー(下北沢駅南口下車徒歩3分)

料金:全席自由(日時指定)

前売 3500円 当日 4000円

学生 2800円(前売・当日共 要学生証提示)

☆初日と平日マチネ 3300円(前売りのみ)

<出演>  菊池美里  田端玲実(カムカムミニキーナ)

ウチクリ内倉(ツラヌキ怪賊団) 船戸慎士(Studio Life) 森啓一郎(東京タンバリン) 吉田俊大  中村裕香里  石川明子 工藤さや(カムヰヤッセン) 萱怜子

加藤弘子 中上雅巳 小林至(双数姉妹)

詳細→http://www.kifujin.net

YOU TUBE → 危婦人チャンネル 予告編、意気込み、役者たちをご覧ください! http://www.youtube.com/user/kifujinnet

 

2010/12/25

メリークリスマス☆

すっかりごぶさたしているうちに、早いもので、今年もあと1週間となりました!

12月はイベントが多いので、そわそわしているうちにすぎていってしまいますね~。

そんな最中、わたしは今年最後の演出をしてまいりました!

むかし、戦隊ものの、ガオレンジャーのガオブルーだった、柴木丈瑠くんのプロデュースイベントにて、

わたしの脚本・演出の作品を上演したのです。
タイトルは『ろれつ』。

ま、あの、<ろれつが回らないよ~>の、ろれつです。
実はこの作品は、今年の2月にひとり芝居として上演しました。

それを今回は3人芝居に改訂しての上演でした。

会場は、乃木坂のコレドシアター。

ここはなかなか変わったスペースでして。

バースペースとイベントスペースが完全に独立してるお店なんです。

イベントスペースは50人も入ればいっぱいくらいの広さで、演じる側も見る側も緊張する密着感!!

劇場とは違った面白さがあります。
お話は、それぞれ秘密をもっていた夫婦が3回目の結婚記念日を機にそれを告白しようとする話。
人はそれぞれ、誰にも言えない秘め事があるよな、と。

夫婦になると、改まって話す機会もないそうで(人づて・・・)

これまで言えずに秘めてたことを、暴露しあう話にしたらおもしろいかなーって思って書きました。

でもそんなに暴露っちゃう感じでもないんですけどね。

いまは、ブログとかツイッターとかありますからね。

秘めようと思っていても、知らないところからもれちゃう、ってことが多々ありますから、怖いですね!

クリスマスだけは、そんな秘め事暴露大会なんぞは、したくないですね。
今回の芝居は、クリスマスを意識して、MISIAとか木村カエラなんぞをBGMにしました。

季節に合わせて音楽を選んだり、衣装を選んだりするのも、なかなか楽しいものです。
さあて。今日が終われば年末です。

新しい年を迎える準備をしなくてはですね!

2010/11/14

絶賛旅公演中でございます。

ようやく2週間がすぎようとしています。

毎日、いろんな会館にて、仕込み→本番→バラシとなかなか充実した日々です。
旅公演の場合、もう何度も公演をしているので

本番前は、場当たり(きっかけや立ち位置などの確認)だけをします。

(普段は、通しなどをしてから本番に入ります)
毎回、わたくしはそれを客席から見ています。

(いつのまにか)すこしばかり、演出助手的なことにもしているのです。

役者たちの立ち位置の確認や、音の聞こえ具合などをみます。
当然なんですが、それぞれ会場によって、舞台の広さも客席数も違います。

おまけに、音の響き方まで違う。
今回の作品は、芝居のほかに、歌あり楽器ありと、にぎやかなレビューショーのような趣。

たとえば響きが強すぎると、跳ね返りの音が舞台に聞こえすぎて、

役者たちが、うまく自分の音を判別できなくなってしまったり。

音楽家じゃないので、やはりその辺は、手探り。

もう慣れるしかありません。
逆に、響きがなんだか音全体を包み込むような会場もあります。

そういうときはエコーがほどよく響いて、演奏が、いつもよりうまく聞こえたりする場合も。
東京にいると、そのひとつの劇場でしか公演をしないので、

今回のように各会場にあわせて、微妙に修正を加えていくというのはなかなか貴重な経験です。

そして、空間が変われば芝居も変わるというのは、生の舞台の醍醐味であるな、と再確認するのです。

それから、東京の小劇場と地方の会館での大きな違いがあります。
それは、緞帳。
これがなかなかいいんです。

各地によって柄が違って、見てるだけで楽しい。

たぶん、地元にちなんだお花だったり、景色だったりするんでしょうね。

豪華なモノ、シックなモノ、年代を感じるモノ、ほんといろいろ。

写真にとっておけばよかったなー、と思うほど。
でも残念なことに、緞帳って、

ほんと本番の直前にしか下がらないから(作業のじゃまになるのでね)

タイミングを逃すと見れません・・・。
本当はただのだだっ広い箱でしかないのに、

いろんな世界を作り出す劇場って本当にわくわくする空間だな、と改めて思う日々。
あと半分、おいしいものを食べて、がんばりまーす。

2010/10/29

本日から本番ということで、ここ数日、絶賛舞台稽古中でありました。

今回わたくしは、制作係で(お弁当を用意したり、受付周りをしたりのひと)

とくになにか演出をつけたりしないので、気楽なものですが……。

舞台袖にいると、いろんなことを思います。

こんなこと書くとね、なんだか夢がなくなっちゃうようでアレですけど。

演技エリアと舞台袖ってそんなに境界線がないんです。

照明があたってるか否か、ということでるくらいで。

役者たちは、その演技エリアに一歩でた瞬間、その役の顔に変わるのです。

そして、裏ではスタッフたちが、次の段取りを準備したりして、右往左往してるのです。

当然お客様には、そのものがたりの世界しか見えてないわけで。

舞台袖は現実の空間。

照明のあたる演技エリアは虚構の空間が見事に出来上がっているのです。

スタッフのわたくしが、ふとその演技エリアに顔をだそうもんなら、

一瞬にしてその虚構は崩れます。

危ういその空間がわたしは好きです。
だけどその境目を見ていると、なんともいえない不思議な気持ちになるのです。

やっぱり、舞台は嘘モノだ!と。

それは当たり前なんですが。

だからこそ、その嘘モノの中では嘘をついてはならないのです。

一瞬にしてリアリティがなくなるわけです。

昔、ある演出家に

「嘘に嘘を重ねてどうするんだ!」というだめ出しを受けたことがありますが。
嘘という前提の上で、楽しい時間を作り出す。

その作業のなかにひとつでも疑問を持ったら、もうその空間は作れないでしょう。
いい意味でバカでいられるひとこそ、大成する世界なのだと思います。

2010/10/25

朝晩の冷え込みがだいぶ強くなり、すっかり秋めいてまいりました。

読書の秋、食欲の秋・・・。

みなさまはどんな秋をおすごしでしょうか。
さて、わたくし、ただいまある芝居の現場についています。

もう7~8年ほどお世話になっている劇団の公演です。

今回のわたくしの役割は、楽屋まわりと本番中の裏つき(雑用)です。

10月末に、東京公演を行って、そのまま東海・中部地方の演劇鑑賞会をまわる予定。

約1ヶ月、のりうちバラシという、怒濤のツアーに参加します!

(*のりうちバラシとは・・・朝に仕込んで公演をして、その日のうちにバラして移動すること)
長い?演劇生活の中で、これほど長い旅公演に行くのははじめてでして。

少々興奮気味であります。

一度くらいやってみたかったのです。
今回の作品は、エノケンこと、榎本健一さんの生涯をつづった、歌あり踊りありのお芝居。

ほぼ、ひとり芝居なのですが、アンサンブルの若い役者たちの、楽器やタップ、フレンチカンカンなどもなかなかの見物です。

そして、作・演出は、かの、ジェームス三木さん。

そして、美術は、かの、妹尾河童さん。
おふたりとも、もうそれはそれは演劇界では、重鎮中の重鎮!!

わたくしみたいなのが、御大方と同じ場所にいる、ということがすでに貴重でありまして。

顔合わせの際も、ひとことひとことに重みを感じて、とても刺激を受けました。
ふだん、演出する際など、自分の裁量にかかってきます。

なんでもほぼひとりで判断していく作業なので、自分の考えに閉じもりがち…。

あまりよくない傾向です。

たまにはこういったところにでていって、自分自身をブラッシュアップをしていかないといけないな、とつくづく実感しました。
たぶんこんな経験はもう二度とないでしょう。

めいっぱい楽しんで、おいしいものを食べながら…、いやいやそれだけじゃあないですけど。

演劇(公演)の醍醐味を味わってきたいと思っております。
そんなわたくし、12月にはある作品を演出予定。

また詳細が決まり次第、お知らせいたしますね!!
京楽座公演
2010年10月29日(金)~31日(日)@紀伊国屋ホール
「中西和久のエノケン」
作・演出 ジェームス三木

http://www.d3.dion.ne.jp/~kyorakuz/index.htm
 

2010/08/23

残暑お見舞い申し上げます。

まったく涼しくなる気配がありませんね!

みなさん、夏は満喫されましたか?
わたしはこの夏、海尽くしでした!

p8080911.JPG

まずは大島へ行き、同じ東京とは思えない海と空に感激。

朝取れのいさきをいただいたり、三原山を見ながら温泉に入ったりと、

リゾート感満載でした。

p8080934.JPG 溶岩の跡がなまなましい三原山。

そして、お盆には、祖母が住む、富山県滑川市へ。

こちらは日本海~。

春先には、たくさんのほたるいかがとれるんですよ。
こちらは帰省といえばそうなんですが。

今年はひとつ、趣が違っておりました。

なんと、滑川市のふるさと市民講座の講師として講演会をしてきたのです。
『暮らしで使える、演出アレコレ!-楽しく生きるヒント』

と題して!!
集まった方々は、親戚含めて! 50~60人。

ひさしぶりにお会いする方もいらして、顔と名前が一致せず、ということもありながら、

東京の演劇事情と演出とはなんぞやということを話したんです。
みなさん、いわゆる「小劇場」的なお芝居をご覧になったことはほとんどないはずですからね。

話をする前に、20分ほどの、お稽古風景をデフォルメしたミニ芝居もやりました。
わたしがその場で、無理難題なダメ出しをしはじめてて、役者がそれに応えようとするんだけど、なかなかうまくいかない、みたいな。

あと、1つのシーンを音楽や、演出を変えて、こんなに印象が変わるんだよ~、みたいなことを伝えたかったんです。
そのミニ芝居の間、わたしは、お客さんたちに背を向けて、ダメ出しをしていました。(そういう役で)
真後ろのお客さんが、けらけら笑ってくださっていたので、安心して、気分が乗って、無理難題をいいまくって!

ミニ芝居自体は大成功だったのではと。
余談ですが。今回の芝居にはタイトルがあって
「お盆サスペンス劇場 『青ベレーの女 ~略奪愛に秘められた姉妹の嘘~』」
というくだらなさ満点なもの!!
これを稽古している女優たちの話なんですね。
ちなみに、女優たちは、「劇団荒波日本海」に所属ししている設定。

これ自体をちょっと2時間くらいの本格芝居に仕上げたくなりました。

そんなわけで。

楽しくお芝居が終われたので、その後の講演も、それほど緊張せずにすみました。
【演出】というと、なんだか、舞台やテレビとか、何かを表現するために必要とするものな気がしますが、

意外に、日々の生活の中でも、演出って簡単になされてるんですよね。
例えば、

髪を短くきったら、ピアス・イヤリングをしてみるとか、スカーフを首にまいてみるとかして、自己演出をしたり。

お客さんが遊びにきたら、普段使わない、綺麗なお皿で料理を盛り付けて、華やかにしてみるとか。

それはまさに【演出】で。

ただそれを意識してるか否かだけ。

演出家はそういう仕事なだけ。
とどのつまり。

相手を楽しませながら、自分も楽しむ、というのが【演出の醍醐味】なんではないかな~と。

というようなことをお話してまいりました!
人前で、50分もひとりでしゃべるなんて、なかなかないので、とても貴重な経験でした。
そして、自分自身の活動について、振り返るいい機会となりました。

p8160984.JPG真中がわたし。両脇は出演してくれた女優たち。