2010/05/01

長らく連載を続けてきたが、実は今回で最後の投稿となる。
これまでゲームの話にはじまり、次いで競馬の話と、
まるでダメなオトナの見本みたいな人間のコラムにお付き合いいただき、
感謝の言葉も無い。

私事で恐縮ではあるが、この春から心機一転、
エンタメ系会社員から、脱サラ大学院生となり、
少し小真面目に社会を眺めてやろうと思うに至った次第。

縁あって、まだJunkStageでの連載を続けていくことができそうなので、
今度は新しいジャンルの物書きとして再デビューを目論んでいる。

もし興味があれば、新連載もどうぞお楽しみに。

職を捨てよ、街へ出よう。
http://www.junkstage.com/fujiwara/

2010/05/01 12:00 | 雑文 | No Comments
2010/03/31

3.27 sat
この日は夜遅くまで飲んで家に帰った。

深夜、パソコンの前で、じっと待つ。
そう、この日はドバイワールドカップデイ。
世界中の競馬ファンが固唾を飲んで見守る、競馬の祭典。

賞金総額1千万US$を誇る世界最高峰のドバイワールドカップを含む、
国際競争全8レースが開催される。

現地の出走時刻は、ちょうど日本時間の深夜にあたる。
テレビではCS放送のみのため、ネットの実況中継を追うことにした。

日本からは、計4レースに各1頭が参戦。

まず先陣を切ったのは、グロリアスノア(牡4歳)。
ゴドルフィンマイル(G2/AW1,600m)に参戦した同馬は、4着に善戦。
今回遠征した4頭のうち、唯一日本でのG1勝利が無く、
さらに芝馬に有利とされるAW(=オールウェザー)コースでのレースで、
この結果は大健闘と言えるだろう。

続いて登場したのは、昨年の最優秀短距離馬ローレルゲレイロ(牡6歳)。
同馬が挑戦したのは、ドバイゴールデンシャヒーン(G1/AW1,200m)。
日本でのレース同様、スタートから果敢に先頭を奪って逃げ粘ったが、
最後に交わされてやはり4着。
しかし、ここまで2頭立て続けに好走したことで、否が応でも高まる期待。

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そして3頭目、真打ち登場。
昨年の二冠牝馬、ブエナビスタ(牝4歳)。
ドバイシーマクラシック(G1/芝2,410m)で悲願の海外G1制覇に挑む。

思えば、ブエナビスタが海外G1制覇を目指したのは昨夏。
牝馬二冠を制し、国内に敵無しと見るや、狙いを海外、
しかも、世界最高峰、フランスの凱旋門賞に定めた。

結果的に、遠征は見送られたものの、海外G1は陣営の夢。
年を越して、京都記念を制し、満を持しての参戦となった。

スタートしてすぐに、中団からやや後ろ、彼女にとって好位置を確保し、
直線に入ると、馬群を割ってじわじわと伸びる。
が、いつもの日本で見られる爆発的な末脚は陰をひそめ、
最後は優勝馬を追い詰めたものの、2着でゴール板を駆け抜けた。

とはいえ、初めての海外遠征での好走劇は立派なもの。
秋には改めてヨーロッパへ遠征することも計画しているという声も聞かれ、
ますますの勇躍が楽しみになる一戦でもあった。

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さあ、そしていよいよ。
ドバイワールドカップ(G1/AW2,000m)が発走。
出走するのは、ブエナビスタのライバル・レッドディザイア(牝4歳)。

前哨戦のマクトゥームチャレンジ・ラウンド3(首G2/AW2,000m)を制し、
現地でもその評価はうなぎのぼりだったという同馬。
ライバルの敗戦は、もちろん彼女には知る由も無かったと思うが、
出走直前のその表情には、かつてない闘志が漲っているように見えた。

が、あるいは、それは高まる緊張の表れであったのか。
それとも、膨らむ期待が幻を見せただけだったのか。

前走の豪脚は完全に封じられ、11着惨敗。
同時に、極限の期待から、日本人全員の心が解き放たれた。

勝ったのは、ブラジルのグロリアデカンペオン。
前走、レッドディザイアが2着に退けた馬だった。。

↓ドバイワールドカップ他の結果と映像はコチラ
http://www.jra.go.jp/news/201003/032801.html

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ちなみに、明けて28日。
日本では、芝1,200mのG1、高松宮記念が開催された。

昨年の優勝馬は、前述のローレルゲレイロ。
ある種、王者不在の挑戦権争いの様相ではあったものの、
なんのなんの、こちらも遥か中東の熱気に勝るとも劣らない、
大接戦が繰り広げられた。

勝ったのは、これが7度目のG1挑戦となったキンシャサノキセキ(牡7歳)。
最後の直線、最初に先頭へ抜け出すと、迫り来る追撃をハナ差退けて、
悲願のゴールテープを切った。

ここにローレルゲレイロが居たら、という空想は秋までお預けとして、
まずは新しいスプリント王の誕生を祝福したい。

↓高松宮記念の結果と映像はコチラ
http://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/takamatsu/result/takamatsu2010.html

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間もなく、競馬界は春到来。
3歳馬たちによる、熱いクラシックレースが開幕する。

まずは、4月11日桜花賞(G1/芝1,600m)。
うら若き3歳の乙女が覇を競うこのレース。
昨年の優勝馬は、件のブエナビスタ。
そして2着は、レッドディザイアだった。

ここから、また次の世代のドラマがはじまる。

↓桜花賞の予習はコチラ
http://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2010/0411_1/index.html

2010/03/20

空想家たちが待ちに待っていた、ドラマ以上の現実は、
やはり、というか、残念ながら実現しないことになった。

しかも立て続けに2つも。
いや、前回の記事で書いたウオッカの件も含めれば、3つになるか。

我々競馬ファンは、とかく、スター性のある馬の出現と同時に、
その馬の、ずっと先の舞台を妄想しがちである。

それは、競馬ファンに限らず、
サッカーファンにとっての、中田英寿であったり、
バスケファンにとっての、田臥勇太であったり、
ゴルフファンにとっての、石川遼であったりするのだろう。

今回は、そんなお話。

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去る3月14日、阪神競馬場で行われた3歳牝馬たちによるG2、
フィリーズレビューに、1頭のスター候補生が出走してきた。

彼女の名前は、ラブミーチャン。
ラブ・ミーチャンなのか、ラブミー・チャンなのか、
どうやら公式サイトによると、前者が正しいようだ。
http://www.lovemechan.com/

彼女が何故人気を集めているのか、少しだけ解説しよう。

そのためにはまず、中央競馬と地方競馬について語らねばならない。
日本の競馬は、JRA(日本中央競馬会)が主催する中央競馬と、
全国各地の競馬場が独自に主催する地方競馬から成る。

野球のセ・リーグ、パ・リーグを中央とするならば、
四国独立リーグが地方、というイメージになるだろうか。

当然、中央のほうがより良い馬が集まり、レベルが高い。
地方は、集客力不足ゆえに慢性的な資金不足に悩まされており、
近年、いくつもの地方競馬場が閉鎖に追い込まれている実態もある。

ラブミーチャンは、地方・笠松競馬場(岐阜)の所属。
地方競馬に籍を置きながら、中央の、しかもG2に出るというのは、
それだけ彼女の成績は地方では群を抜いていた、ということに他ならない。

これまで6戦6勝で、2009年の地方競馬年度代表馬に選ばれたのだが、
去年、彼女は2歳で、デビューからわずか半年。
再び野球やサッカーで例えるなら、新人選手が年間MVPを穫ったような、
そんな飛び級の受賞だったのだ。(史上初)

そんな地方競馬の星が、満を持して中央競馬に出走するとあって、
フィリーズレビューは大変な盛り上がりとなり、
久方振りの、地方所属馬の中央重賞制覇か、と期待が高まっていた。

が、結果は12着に敗れ、夢は幻に。
その後出走を予定していた、3歳女王決定戦・桜花賞(G1)にも、
出走が叶わなくなった。

中央の壁は厚かったと見るべきか、
あるいは、ラブミーチャン自身に、中央の芝は合わなかったのか、
まだその答えを出すときではないだろう。

改めて中央に挑戦したい、という声も聞こえてきているだけに、
まだ始まったばかりの彼女の競走馬生活を、まずは楽しみにしたい。

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さて、もうひとつの実現しなかった夢。
それは、アメリカ最強馬決定戦の話。

日本でもウオッカの存在が、牝馬の地位向上に一役買ったわけだが、
アメリカでも、2頭の牝馬の存在が、並み居る牡馬を圧倒した。

その2頭とは、レイチェルアレクサンドラとゼニヤッタ。

この2頭について詳しいことは、2009/12/11付の記事で紹介しているので、
まずはそちらを読んでいただきたい↓
http://www.junkstage.com/subculture/hitoshi/?p=65

いずれ劣らぬ実績を残した両馬は、すったもんだがあったものの、
今年も揃って現役続行を決めた。
そこで熱を帯びてくるのが、「どちらが強いのか?」という論争である。

かたや85年の歴史を打ち破り、かたや無敗記録を打ち立てようという、
そんな世紀の名牝の直接対決が、もうすぐ実現する……はずだった。

そう、来たる4月9日が、そのXデイになるはずだったのだが、
レイチェルアレクサンドラが、今月13日の今年初戦でまさかの2着敗戦。
調整不足を理由に、直接対決の回避を申し出たのだ。

同じく今月13日に別のレースに出走したゼニヤッタは、
快勝を収めて連勝記録を15に伸ばし、対決の刻を待っていただけに、
なんとも不完全燃焼の気持ちは抑え切れない。

が、ひとつだけ、光明があるとすれば、
レイチェルも、特に怪我をしたということではなく、
引き続き競争生活を続けるということ。

我々、ファンにできることは、ただ夢の実現を祈ることくらいだが、
いつかその道が交わることを信じて、この1年を楽しみに過ごしたい。

2010/03/08

ひたひたと春の足音が近付き始める3月、
のはずなのだが、東京はどうにも寒い毎日。
昔に比べて、日毎の寒暖差が激しい気がするのは、気のせいだろうか。

そんな3月に入ってすぐ、4日(木)に、
遠く中東・ドバイの地から、日本馬の活躍が聞こえてきた。

本コラムでも何度か取り上げている、
世界最高のレース、ドバイワールドカップの前哨戦である、
マクトゥームチャレンジ・ラウンド3というレースに、
日本から2頭の牝馬が参戦した。

1頭は、現役日本最強馬、ウオッカ。
ドバイワールドカップを引退レースと定め、最後の遠征に旅立った。

もう1頭は、レッドディザイア。
昨年、ブエナビスタとともに3歳牝馬路線をおおいに盛り上げた。

実績だけ見れば、レッドディザイアのG1・1勝に対して、
ウオッカは現役最多の7勝と断然の差。
ファンも、ウオッカにこそ、期待を寄せていたように思う。

勿論、ウオッカとてそうそう勝つことは難しいような、
世界の強豪が揃ったこのレース。
期待と不安が入り交じって、レースの映像を見た。

結果は、レッドディザイアが、後方待機から、
直線で見事な豪脚を披露して快勝。
砂漠に真っ赤な大輪が咲いた。

この勝利は、日本人ももちろん驚いただろうが、
何よりも、世界の競馬界に衝撃を与えたに違いない。
ウオッカは、昨年、国際G1であるジャパンカップを制しており、
世界的にも名が通っているが、レッドディザイアは全くの無名馬。

ただ、これで本番でも有力馬の1頭に数えられるようになったことだろう。

本番は3/27(土)。
刮目して待ちたい。

↓マクトゥームチャレンジ・ラウンド3の映像はコチラ
http://www.jra.go.jp/news/201003/030501.html

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そして、レッドディザイアの快挙から3日経ち、
7日、もうひとつの大きなニュースがドバイから届いた。

ウオッカ電撃引退。

ドバイワールドカップに向けて調整中に、
ジャパンカップの後にも発症した鼻出血を再度発症。
軽症ではあったものの、大事を取って引退という決断が下された。

これまで数々の記録と、そして記憶に残る活躍をしてくれた同馬が、
最後の最後に、ワールドカップを制する、という出来過ぎたドラマは、
残念ながら幻に消えた。

ただ、彼女の足跡は、間違いなく、
日本競馬の一時代を築き上げた。

その功績を称えて、主な記録を書き出しておこう。

・歴代牝馬最多賞金
・歴代最多JRA・G1勝利数(7勝/タイ記録)
・2年連続年度代表馬
・64年振りの牝馬による日本ダービー制覇
・日本牝馬初のジャパンカップ制覇

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それにしても。
かの地、ドバイでは、何頭もの日本馬が活躍を見せ、
そして、それ以上の馬達が、その厚い壁に跳ね返されてきた。

そんな中で、特に、牝馬、
そう、女達のドラマが、記憶に残っている。

1997年には、ホクトベガの悲劇があった。
当時、日本ダート界で最強を誇っていた同馬が、満を持して遠征。
しかし、期待を一身に背負った彼女は、4コーナーで他馬に接触し、転倒。
前腕節部複雑骨折により、安楽死処置を受ける結果となってしまった。

2001年には、トゥザヴィクトリーが快挙に限りなく肉薄した。
それまで日本でもダートで目立った戦績を残していなかった同馬は、
しかし果敢にワールドカップに挑戦し、軽快な逃げを打った。
結果、ゴール寸前で交わされたものの、史上最高かつ唯一の2着となった。

恐らく、今回のウオッカの引退劇も、
いずれ記憶の中に、ドラマのひとつとして刻まれることだろう。
日本最強牝馬の果たせなかった夢として。

あるいは。
今年のワールドカップで、それ以上のドラマが起こるかもしれない。。

2010/02/25

バンクーバー五輪まっただ中である。

いつもなら、週末になると新聞を片手に競馬場へ向かうおじさん方も、
昼間からテレビにかじり付く、そんな今日この頃。

しかし。
先週日曜は、競馬ファンとしてもちょっと見逃せないレースがあった。

今年のG1初戦、フェブラリーステークス。
東京競馬場、ダート1,600m。

注目は、去年の最優秀ダート馬、エスポワールシチー。
この後、世界最高峰、ドバイワールドカップへの遠征も視野に入れており、
ある種、壮行レースの雰囲気すら漂っていた。

もちろん、世界最強を目指す器が、日本で負けていては話にならない。
絶対に負けられない、可能であれば楽勝してほしい。

そんな期待に、十二分に応える快走。
道中2番手から、直線入り口で一気に他馬を置き去りにすると、
後は完全に一人旅。

“この強さなら、あるいは…”
そういう“希望”を抱かせる走りを見せてくれた。

↓フェブラリーステークスの結果はコチラ
http://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/feb/result/feb2010.html

ちなみに、先日のコラムでも少し触れたが、
今年から、ドバイワールドカップは、オールウェザートラックという、
芝とダートの“あいのこ”のような馬場で開催される。

そんな大きな変更もあって、今年は日本から、
芝の最強馬、ウオッカも参戦予定。
芝とダートのトップホースが揃って遠征するのは、前代未聞のこと。

どんな結末を迎えるのか、今から3月27日を楽しみに待ちたい。

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なお、どうしようもない余談だが、
“エスポワール”と聞くと、昔通っていた高校の傍にあった、
エスポワールタナカというホテルを思い出す。

外観がピンク色のイカレた建物で、どう考えてもラ○ホテルの趣きなのに、
中身は只のシティホテルという、精神衛生上よろしくないホテルだった。

↓百聞は一見に如かず(未だにご健在の様子)
エスポワールタナカ

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さて、今回のフェブラリーステークスは、
ダート競争にも関わらず、芝コースを得意とする馬が多く参戦していた。

芝とダートの違いは、なかなか表現しづらいが、
リュージュ(足から滑る)とスケルトン(頭から滑る)の違い、
みたいなものだろうか。
そうじゃない気もするが、まあいいだろう。

何が違うのかよくわからんという人もいれば、
全然違うと思う人もいるだろう。

別にやってやれないことはない、
という感覚だけ持っておいてもらえればいい。

で、今回の結果としては、芝馬は見事に全滅。
最先着が、7着に逃げ粘ったローレルゲレイロで、
残りは皆、二桁着順と惨憺たる有様だった。

たしかに、やってやれないことはないのだが、
両方でトップを穫る、となると、やはり少し話は違ってくる。

昔から、競馬界では、芝・ダートという棲み分けがある中で、
両方を兼用できる馬を、畏敬を込めて“オールラウンダー”と呼んできた。

特に、芝・ダートの両方でG1を勝った馬というのは、
中央競馬の歴史上、たった4頭しか居ない。
(とはいえ、ダートのG1が出来たのが97年なので、実質13年の歴史だが)

4頭を、勝利したG1と共に並べてみるとこうなる。

クロフネ
01年NHKマイルC(芝1,600m)
01年JCダート(ダート2,100m)

アグネスデジタル
00年マイルCS(芝1,600m)
01年天皇賞・秋(芝2,000m)
02年フェブラリーS(ダート1,600m)
03年安田記念(芝1,600m)

イーグルカフェ
00年NHKマイルC(芝1,600m)
02年JCダート(ダート1,800m)

アドマイヤドン
01年朝日杯FS(芝1,600m)
04年フェブラリーS(ダート1,600m)

2000年代前半が、オールラウンダーの当たり年になっていることがわかる。
そして、皆、まず芝のG1を勝ってから、ダートに挑戦している。

これは、当時の傾向として、芝を上位に、ダートを下位に見るきらいがあり、
まずは芝で走らせて、やがて壁を感じるようになったら、
徐々にダートコースにシフトさせていく、のが通例になっていたからだ。

実際には、上記の中で、アグネスデジタルだけはやや異色で、
もともと、ダートで頭角を現し、芝でもそこそこ活躍していた中で、
たまたま芝のG1を先に勝ってしまい、とんとん拍子でダートも勝ち、
果ては海外挑戦して香港でもG1を勝ってしまった。

最早、オールラウンダーを通り越して、異端児と呼ぶのが相応しい。
いろいろな意味で、記憶に残る名馬だった。

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さて、04年を最後に、芝とダート、両方のG1を勝つ馬が、
めっきり出なくなってしまったわけだが、
これは、ダートの地位が向上し、レース体系も整備されてきたために、
生粋のダート馬、という存在が少しずつ認められるようになり、
結果として、芝との兼用では太刀打ちできなくなってきた、
ということが言えるかもしれない。

そういった意味で、近年は芝からダートへの挑戦は縮小傾向にあり、
今年のフェブラリーステークスのようなケースはかなり珍しい。
ただ、今回の結果を受けて、さらに挑戦は減ってしまいそうだ。

ますます、オールラウンダーのような希有な存在が生まれにくくなっているが、
いわば怪物的な存在というのは、どんなスポーツにおいても、
人気を沸騰させるための起爆剤に成りうる存在でもあるわけで。

さらに誕生が難しくなった、まだ見ぬオールラウンダーに想いを馳せて、
今日のコラムの締めとしたい。

2010/02/18

世間がバレンタインに浮かれていた先週末のこと。

世の、主にうだつの上がらない男達(←偏見)は、
大挙して東京競馬場に押し寄せていた(←誇張表現)。

2/13(土)のメインレースは、その名もズバリ、
バレンタインステークス。

男達は、そこで、チョコレートの代わりに、
高額配当を受け取ることを夢見ていたのだ。

おそらく。

あるいは、その中に2頭出走していた牝馬に狙いを定めて、
「バレンタインは、女子(≒牝馬)が愛(≒配当)を贈る日」
と、あらぬ拡大解釈をしている者も居たかもわからない。

そんな中、1番人気に押されたのは、
昨年の日本ダービー3着馬、アントニオバローズ。

騎乗する角田騎手は、今月末で騎手を引退し、調教師に転身する。
置き土産に、ここらでひとつ景気良く勝ち名乗りを、
といきたいところだったが、なんとなんと最下位に失速。

本命馬が早々と脱落していく姿を見て、
「ああ、みんなこうやって本命にフラれていくわけだ…」
と、なんだか無性に物悲しさを覚えたのは気のせいだろうか。

ちなみに、角田騎手の名誉のために触れておくと、
彼はきっちりその後、人気薄の馬を2頭、立て続けに勝利に導き、
健在振りをアピールしていた。

まだまだ騎手としては脂が乗っている39歳。
若過ぎる引退を惜しみつつ、調教師としての活躍を祈りたい。

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さて、今日は小咄をもうひとつ。
1月に大井競馬場で起きた珍事件の話。

レースに出走する馬は、その馬が本当に登録されている馬かを確認する、
言わば本人確認をしなければならない。
替え玉を防止するのがその主な目的だが、
素人目には馬の違いと言ってもよくわからない。

さぞかし馬を扱うプロは、素人じゃ気付かない仕草の違いなんかで、
完璧に見分けることができるんだろう、と思っていたら。。

その日、大井競馬第4レースに出走予定だった、
タケショウボス号は、レース発送直前に急遽競争除外処分を受けた。
理由は、「別の馬であることが判明した」ため。

どうやら、間違えられた馬は、タケショウボスと同じ時期に、
トレーニングセンターに放牧に出されており、厩舎に戻す際に、
取り違えてしまったことが原因ということが分かった。

ただ、これが、「並べてみると確かに似ている」ということなら、
なーんだ、プロでも見間違えることがあるんだ、
という笑い話で済むのだが、事はそう単純に収まらない。

なんと、その2頭の馬は、そもそも毛色が違うのだ。
タケショウボスは、鹿毛という明るい茶色。
間違えられた馬は、黒鹿毛という黒っぽい茶色。

黒髪と茶髪、くらいの違いがあるにも関わらず、
3週間も、調教師をはじめ、誰一人気付かなかった、というのだから、
最早、その馬を本気で育てる気があったのかどうかすら疑わしい。

付き合ってる彼女に、「今日どこか違うところ無い?」と言われて、
“前髪を1cm切ったことに気付かない”のは仕方無いと思うが、
“黒髪を茶色に染めたのに気付かない”のは致命傷だ。

いや、世の女性は、前者ですら致命傷と思うのかもしれないが。。
すみません、男子は女性に関しては素人なので、
分かり易い特徴でなければ気付くことのできない生き物、
ということで、どうかお目こぼしを。

閑話休題。

とりあえず、この1件は、
僅かばかりの報道とともに落着してしまったようだが、
なんだか、とてももやもやの残る出来事だった。

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さて。
今週日曜はいよいよ、今年最初のG1、フェブラリーステークス。
東京競馬場、ダート1,600mで行われる。

去年秋、ジャパンカップダートを制し、最優秀ダート馬に輝いた、
今最も乗っている馬、エスポワールシチーが大本命だが、
伏兵陣も多士済々。

昨年のこのレースの勝ち馬、サクセスブロッケン。
芝の最優秀短距離馬、ローレルゲレイロ。
マイルG2を4勝している、スーパーホーネット。
日本ダービー2着馬、リーチザクラウン。

などなど。
今年は、芝のレースで実績を残してきている馬の参戦が目立つ。
ダートで普段走り慣れていないだけに、適正は定かではないが、
だからこそ未知の魅力があるかもしれない。

↓フェブラリーステークスの予習はコチラからどうぞ
http://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2010/0221_1/index.html

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ちなみに、その前日、土曜日の京都記念には、
昨年の宝塚記念、有馬記念の両グランプリを制した、
ドリームジャーニーが登場。

さらに、有馬記念でその後塵を拝した、
最優秀3歳牝馬ブエナビスタも参戦予定。

こちらも要注目の1戦になりそうだ。

2010/02/09

毎週のように競馬は開催されているものの、
どうにもやる気が出ない、そんな睦月が過ぎて。

なんともなしに、今年のJRAのブランドCFを見てみる。

キャッチコピーは、『想いを乗せて、吹く風がある。』
http://www.jra.go.jp/topics/video/vg_brandcf/

相変わらず、クサい。
ちょっとここ数年、爽やか路線に行き過ぎな気もする。

この、ブランドCF。
いつからだったか記憶が定かではないが、
少なくとも、もうかれこれ10年くらいの間、
いわゆる年間キャンペーン広告とは別枠で、
競馬の啓蒙のためのイメージ広告を打っているものだ。

年間キャンペーン広告というのは、去年で言うと、
蒼井優さんらが出演していた『CLUB KEIBA』がそれに当たる。
http://clubkeiba.jp/top.go

蒼井優さんが本当に競馬好きかどうかはさておき、
たしかに、案外この“会社の同僚で競馬”パターンは無くもない。
興味を持つのが“20代女子”という傾向もある。

小汚い、というイメージもあるにはあるが、
怖いもの見たさ、という好奇心をどうやら刺激するらしい。

そう考えると、
好奇心を満たされて、
馬が間近に見れて、
さらに迫力あるレースを楽しめる、
そして入場料はたった200円!
という競馬場は、なかなかお得なレジャースポットに早変わりする。

勿論、掛け金は別口だが。。
女子はどうやら1レース100円で満足できる生き物のようなので、
昼食まで含めても、上手くやれば2000円でお釣りが来る。
さらに上手くやればビギナーズラックで利益まで出る。

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さて、広告の話に戻ろう。

近年は、やや狙い過ぎな感は否めないものの、
過去には、思わず涙ぐんでしまうような名作CFもあった。

これで競馬ファンが増えているのかどうかは定かではないが、
少なくとも、どうやらJRAは、それなりのカネをかけて、
競馬のイメージ戦略にかなり本気で取り組んでいることが伺える。

四の五の言わずに、まあ見て、感じてみていただきたい。

2000年 - 私を楽しむ(それが競馬)。
http://www.youtube.com/watch?v=cZBtbnLTp9s

2005年 - 人が馬を愛すように、馬も人を愛している。
http://www.youtube.com/watch?v=hj1zGPleEfk
http://www.youtube.com/watch?v=Ol7mbahVrbc
http://www.youtube.com/watch?v=IWU-vF0JozQ
http://www.youtube.com/watch?v=TjldXGyKr6I

2006年 - 競馬が教えてくれたこと。
http://www.youtube.com/watch?v=CopvosuEn6A

2007年 - 今日もわたしの好きな馬が走っています。
http://www.youtube.com/watch?v=bGb88mT-vQM

2008å¹´ - Touch, your heart.
http://www.youtube.com/watch?v=786xq-Riapc

2009年 - 空と、芝の、あいだに。
http://www.youtube.com/watch?v=XliZ-d8CuLY

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2009年のキャッチコピーはセーフなのか?
という議論はさておき。

馬ってちょっといいな、という気持ちに少しはなって頂けただろうか。
競馬をやりたくなるかは…

最近、レース回顧かお堅い話題ばかりだったので、
今回はとっつきやすそうなところからお届けしました。

ではまた次週。

2010/01/15

先週末、正確には今週頭の成人の日の競馬で、
痛ましい落馬事故があった。

既に各種報道でご存知の方も多いかと思うが、
1レースでJRA史上最多の9頭が落馬。
16頭立てのレースで、無事ゴールしたのは半数未満だった。

まずは、その悪夢のようなレースの映像をご覧いただこう。

●衝撃の9頭落馬(1/11 中山競馬場 第4レース)
http://www.jra.go.jp/JRADB/asx/2010/06/201001060404h.asx

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このレースで、大差の先頭でゴールしたノボプロジェクトが、
後続の馬の走行を妨害したとして失格となり、
加害馬に騎乗していた三浦皇成騎手が騎乗停止の処分を受けた。

不幸中の幸い、と言っていいものか非常に微妙にだが、
落馬した競走馬たちはみな異常なし。
騎手は、昨年、勝利数1位に輝いた内田博幸騎手が左腕骨折の重傷、
その他も打撲や挫傷を負ったが、命に別状は無かった。

三浦騎手をことさら非難するような論調もあるが、
競馬の流れの中では、いつ何時起こってもおかしくない事故であり、
彼一人に責任を押し付けるのは酷だろう。

だが、もうひとつの論調として、
競馬そのものを“危険なギャンブル”として否定する動きがあり、
競馬界としては、こちらのほうが無視できない流れだろう。

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特に日本における競馬は、
どちらかというと、ギャンブルとして忌み嫌われる向きがある、
ということは否定できない。

さらに、騎手が“モンキー乗り”と呼ばれる、
あぶみにつま先立ちで腰を浮かせて乗る騎乗法を取るため、
馬に対する負担が少ない反面、騎乗姿勢は不安定になりがちであり、
他の競技スポーツと比べても危険と隣り合わせであることも間違いない。

そういう負のイメージが、
こういった事故が起こった際に、強く表面に浮かび上がってくる。

が、ここで触れておきたいのは、
「競馬がギャンブルであること」と、
「競馬が危険なスポーツであること」は、
各々は真だが、たがいに全く無関係であり、
“危険であることを理由に、ギャンブルとしての競馬を否定する”
ことはナンセンスである、ということだ。

あくまでも競馬のギャンブル性を否定したいのであれば、
そのギャンブルとしてのマイナス点を指摘するべきだろう。

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そもそも、競馬は、その歴史上、
ギャンブルとして行われはじめたのは、ごくごく最近のことである。

競馬の起源は有史以前からとされているが、
いわゆる近代競馬は、16世紀のイギリスで発祥したと言われている。

近代競馬の成立以後、19世紀になると、
賞金を懸けての競走が盛んに行われるようになった。

レースに所有馬を出走させる馬主が賭け金(stake)を出し合い、
集めた賞金を、勝者あるいは事前に定められた入着馬までに分配する、
という方法が採られており、これが、今日の競馬のレースに、
“ステークス”と言う名前が多く見られる所以でもある。

はじめにスポーツありきで、貴族の社交場としての開催されていた競馬が、
その社交のひとつの形として、ギャンブルの体を成していった、
という成り立ちが見て取れる。

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一方、日本では、その起こりからギャンブル色が強く伺える。

日本で最初に西洋式の競馬が行われたのは、1860年とされているが、
数年後の1867年には、馬券の発売を伴う競馬が開催されている。

西洋の貴族のスポーツとしての競馬が、
自らの生産馬や所有馬を競わせる、という趣向で行われていたのに対し、
日本では、はじめから賭け事の対象として競馬が行われていたことになる。

この、ギャンブルありきの競馬こそが、
今日の日本における競馬への悪評の原点であり、
残念ながら、これをふたたび“貴族のスポーツ”に復権する、
というのは、甚だ難しいと言わざるを得ない。

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負のイメージを色濃く持つギャンブルとしての競馬。
同じく、負のイメージの強い、パチンコやパチスロ。

それに対して、さほど負のイメージを持たない、
宝くじ、あるいは、toto(サッカーくじ)。

これらの違いはいったいなんだろう。

パチンコ、パチスロは、たまに報道されるように、
駐車場に乳幼児を置き去りにして死亡させてしまう、
といった事故が後を絶たないことなどが、理由になっている節がある。

これは、その射幸性の高さ故に、中毒性が高く、
それが結果として上記のような不幸な結果を招いており、
ギャンブルそのものの性格を問われている、と言えそうだ。

たしかに、宝くじにハマる、という言い方はあまり聞かないが、
競馬にハマるヒトは多く、そういう意味ではパチンコなどに近い。

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だいぶ最初の話から逸れてしまったので、最後にひとつだけ。

先日、競馬に新たな馬券の方式を導入するという報道があった。
その名も、“五重勝”。
指定した5つのレースの1着を全て当てるというこの馬券は、
現在、最も高配当が期待できる三連単(1レースの1〜3着を全て当てる)
よりも難しく、その分、最大2億円という宝くじ並みの配当が期待できる。

あるいは、その通りに、宝くじやtotoBIGなどと同様に、
あまりにも高額配当過ぎて運頼みの夢物語に過ぎないのであれば、
さして射幸心を煽ることにはならないだろうが、
少なくとも、自ら予想することができる、という意味において、
前述のくじよりもギャンブル性が高いことは否めない。

新しい馬券導入が、新たなファン層の拡大に繋がれば万々歳だが、
逆に、競馬への嫌悪感に繋がらないことを切に願う。

2010/01/07

新春の競馬は、1月5日、金杯とともに幕を明ける。
東の金杯と言われる、中山金杯(G3)と、
西の金杯と言われる、京都金杯(G3)の両重賞競争である。

通常、中央競馬は土日開催なのだが、
この新年の名物レースだけは、曜日に関わらず、
近年は毎年、1月5日に開催されている。

さて、
世間では、一年の計は元旦にあり、と言ったものだが、
私事ながら、風邪を引いて寝込むという最悪の元旦だったもので、
なんとか別枠で一年の計を立てなければ、
非常に残念な一年の幕開けということになってしまう。

ここは、競馬界の慣例にあやかって、
一年の計は金杯にあり、といきたいところだ。

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その金杯。

東西それぞれで、勝利したのは、
いずれも、長く雌伏の時を過ごした苦労人ならぬ苦労馬たち。

まずは東。
制したのは、アクシオン。

左前浅屈腱炎という、競走馬にとって不治の病に罹り、
実に2年3ヵ月にも及ぶ休養を余儀なくされていたが、
昨春復帰後、徐々にその力を取り戻し、ここへきて重賞連勝。
今年はG1での活躍も楽しみな1頭になった。

そして西。
勝ち名乗りを挙げたのは、ライブコンサート。

ここ1年、重賞の壁にことごとく跳ね返されてきたが、
年始に見事な変わり身を見せて重賞初制覇を果たした。
若い頃にヘルニアを患い、去勢手術を施された同馬は、
種馬になることができないため、ひたすら走り続けるより道は無い。

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競走馬の現役生活は、どんなに長くても5年くらい。
そのうち、全盛期と呼べるのは1年に満たないかもしれない。

そんな馬生において、一度大きな病気や怪我をしてしまうと、
どうしても再び輝きを取り戻すことは難しい場合がほとんどだ。

“無事是名馬”とは良く言ったもので、
丈夫であることが、名馬の第一条件でもあるのだ。

しかし、だからこそ、先のアクシオンやライブコンサートのように、
苦労を重ねた末の美酒には、より大きなドラマが詰まっている、
とも言える。

もちろん、それは人間の側から見たエゴにしか過ぎないのかもしれない。

昨年末、有馬記念でレース中に故障を発症し競争中止となった、
菊花賞馬スリーロールスは、残念ながら治療の見込みが立たず、
そのまま現役引退となった。

さらに、同じく有馬記念に出走し、15着と惨敗した、
皐月賞馬アンライバルドは、年が明けて、左前浅屈腱炎が判明。
奇しくもアクシオンと同じ症例だが、再起が図れるかは不明な状況だ。

さらに、残念ながら競争中の事故が原因で命を落とした馬たちも、
数限りなく存在している。

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年始早々に重苦しい話になってきたが、
詰まるところ、そういう悲劇を、
ただ悲劇としてことさらドラマ性を煽り立てるのではなく、
それが起こらないために何が出来るのか、を考えていかねばなるまい。

例えば、冬場の芝が脚を痛めやすいのであれば、
競馬先進国フランスのように、冬場はレースを開催しない、
という選択も一考の余地があるだろう。

なにもかも欧米に倣え、ということではないが、
少なくとも、欧米の名馬と呼ばれるような馬で、
怪我で馬生を棒に振ったという話は、そういえばあまり聞かない。

聞こえてこないだけ、かもしれないが、
なにかそこに、これからの日本競馬の未来のヒントがあるような、
そんな漠然とした感覚を抱かずにはいられない。

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最後に、本日発表された、
2009年の年度代表馬の話をしておこう。

野球やサッカーで言うところの、
年間最優秀選手、あるいはMVPにあたるものだと思ってもらえればいい。

昨年の年度代表馬は、やはりウオッカ。
ヴィクトリアマイル(G1)では、7馬身差の圧勝劇を演じ、
安田記念(G1)では、届きそうも無い位置から豪脚で連覇を達成。
ジャパンカップ(G1)では、横綱相撲で最強を誇示してみせた。

そのウオッカも、今年いよいよ引退。
引退レースに選ばれた、世界最高峰ドバイワールドカップは3月開催。
現役最強馬、そして2年連続の年度代表馬選出で、
名実ともに歴代最強牝馬となった同馬が、
異国の地でどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみに待ちたい。

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その他、JRA賞各賞もあわせて発表されているので、
下記JRAの公式サイトでご覧いただきたい。

イメージとしては、
ベストナインとかベストイレブンとか、そういう類いのものに近い。
各年代や部門ごとに最も優れた成績を残した馬が受賞している。

ちなみに、各賞には該当しないが、強いインパクトを残した馬には、
特別賞が贈られている。
言うなれば、MIPということになるだろうか。

今年は、
秋、ウオッカに2連勝した老雄カンパニーが、満場一致で受賞した。

●2009年度JRA賞決定!
http://www.jra.go.jp/news/201001/010601.html

2009/12/30

去る27日、暮れのグランプリ、有馬記念(G1)が開催された。

今年の有馬記念は、主役不在の混戦模様。
まず、現役最強馬ウオッカが不出走。
次いで、6年連続で優勝していた4歳馬が不在。
さらに、秋の芝G1レース、天皇賞・秋とジャパンカップの上位馬不在。

残念ながら、結果として、
天皇賞・秋で最先着していたドリームジャーニーが1着、
ジャパンカップで最先着していたエアシェイディ3着となり、
結果的に、秋の2戦がレベルの高いレースであったことを、
図らずも証明することとなった。

と同時に、勝ったドリームジャーニーとしても、
これで最強と名乗れないことは重々承知の上だろう。

勝つことが最低条件の、切ない旅路。
見事成し遂げたドリームジャーニー鞍上の池添騎手の目には涙が溢れていた。

●有馬記念の結果はコチラ
http://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/arima/result/arima2009.html

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3歳牝馬として49年振りの有馬記念制覇を狙ったブエナビスタは、
結局、下半期は、札幌記念2着、秋華賞3着、エリザベス女王杯3着、
そして、有馬記念2着と、最後まで優勝に手が届かなかった。

絶景を意味する名を冠する同馬は、
春の牝馬二冠を達成した輝きを、いまだ取り戻せずにいる。
思えば、秋の欧州遠征の取り止めを決めたあたりがケチの付きはじめ。
次なる頂上からの景色を見ることができるのは、いつになるのか。

とはいえ、この日のレースでは、3着以下に4馬身差を付け、
負けてなお強しの印象を与えてくれた。

ウオッカとともに、来年3月に中東・ドバイで開催される、
世界最強馬決定戦、ドバイワールドカップに参戦が噂されているが、
実現すれば、世代を超えた日本最強牝馬の仁義なき戦いが、
海の向こうで実現することになる。

秋華賞を制し、ジャパンカップでも3着に健闘した、
同世代のライバル、レッドディザイアとともに、
来年の競馬界を大いに盛り上げてくれそうだ。

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8歳馬エアシェイディは2年連続3着。

競馬の世界で8歳は、立派な壮年だが、
今年は、同世代のカンパニーが、天皇賞・秋、マイルCSを連覇。
老雄2頭の活躍は、世のオジサン世代に元気を与えてくれたことだろう。

エアシェイディは、9歳になる来年も現役続行が決まった。
挑戦するのは、ナイスネイチャの有馬記念3年連続3着という偉大?な記録。
ではなく、9歳馬初のG1制覇、と夢を大きく持ってほしい。

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残念ながら、菊花賞を制したスリーロールスは、
競争中に屈腱不全断裂を発症し、競争中止。

一命は取り留めたものの、競争能力喪失と診断された。

スリーロールスとともにG1初制覇を果たした浜中騎手は、
この2ヶ月で天国から地獄を味わったことになる。

まだ21歳、ぜひ立ち直ってほしい。

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さて、前回記事で、有馬記念は“夢”を託すレースだと書いたが、
このご時世、ファンがストレートに“夢”を求めた結果が、
“ドリーム”ジャーニーを1着に押し上げたのかも知れない。

そんな“夢”のある話をしていながら恐縮だが、
競馬界は、深刻なカネの話に悩まされている。
12年連続の売上減で、97年当時の2/3にまで落ち込んでしまった。

不況、不況と叫ばれて早幾年。
不況時にはギャンブルの需要が増える、
なんて言われていたのは、過去の話。
なかなかどうして、お客さんの財布の紐は固く、
その上、競馬ファン人口減にも拍車がかかってきている状況。

しかしながら、不況を理由にしてばかりはいられない。
同じギャンブルでも、totoは売上を確実に伸ばしている。

これもひとえに、
サッカーのカッコいいイメージに対して、
競馬の持つ、オヤジ臭さが、若者離れを生んでいるせいだろうか。

そんな若者達に競馬の魅力を少しばかり伝えていけるように、
このコラムも、さらに力を入れてお送りしていきたいところ。

願わくば、来年も、
出来る限り多くの感動するレースを見せていただきたいものだ。

それではみなさま、良いお年を。

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