2008.10.27

中東最新遊戯事情(嘘) vol.4

ゲームで味わう感動と、
旅行先で味わう感動と。

その違いはいったいどこにあるのだろう。

……………………………………………………

今回、ヨルダン旅行で見てきたのは主に3カ所。

「インディ・ジョーンズ−最後の聖戦」の舞台にもなった、
岩壁を彫ってつくられた世界遺産『ペトラ遺跡』
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アフリカ・ナミブ砂漠と並び称される赤い砂漠、
赤い砂と岩とが織り成すランドスケープ『ワディ・ラム』
dsc04736.JPG

そして、その塩分濃度の高さから異常に浮力が大きく、
人間が浮いてしまう不思議な湖、『死海』
dsc04802.JPG

……………………………………………………

例えば、『死海』
ただ、浮きたいだけなら、箱根ユネッサンで死海風呂に入ればいい。

浮く、という行為そのものではなく、
『死海』で“浮く”からこそ、そこに感動があるのだ、
ということなのだろう。

砂漠を見たい、という思いから『ワディ・ラム』を目指したけれど、
たぶん、鳥取砂丘じゃ味気無かった。

じゃあ、鳥取砂丘が味気無い場所なのかというと、
それはそれで、全く別の問題。
はじめから、日本国内で手軽な砂漠体験がしたい、
というモチベーションの元に鳥取砂丘を目指していれば、
十分に満喫できたはずだ。

詰まるところ。
箱根や鳥取よりも、ヨルダンの方が優れていた、ということではなく。
今回の旅行の原動力が、“雰囲気の違いを楽しむ”ところにあり、
そこには、“異国情緒”というスパイスが必要だっただけの話。

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しばしば。
ゲームは虚像であり、実体験を伴わない。
だから、価値が無い、という議論を耳にする。
ゲームで得た感動すら、虚像だと言わんばかりの論調で。

が、ちょっと待てよ。
前者にはさほど異論は無いが、後者は異論大アリだ。
そもそも、前提部分が間違いなのだ。

誰も、ゲームに実体験を求めてはいない。
少なくとも、最低限の良識と常識をわきまえた人間ならば。

『死海』では浮くことができる。
ゲームでは浮くことができない。
じゃあ、ゲームは『死海』よりも劣っているのか?

ゲームでは、ヒトは“浮けない”。
当たり前じゃあないか。
優劣を決めるポイントがおかしいのだ。

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逆に捉えれば、
ゲームの中で、ゲームのキャラクターが浮くことはできるが、
果たしてそれが面白いかと言われれば、また別の問題。
少なくとも、水にただ浮くだけのゲームは、間違いなく売れない。
シュール過ぎて。

前回の話(参照)ではないが、
現実を疑似体験できるということが、即ゲームの面白さに繋がるわけではない。
現実の模倣は、ゲームとしては玄人好みの部類に入ってしまう。

むしろ、ゲームだからこそできる体験。
魔法を使えたり、剣で戦ったり、ピクミンを引っこ抜いたり。
そういう未知の経験こそが、ゲームの感動の源泉にはあるのだろう。

そんなことを、摂氏50度に達しようかという砂漠を歩きながらふと考えていた。
あのとき、あそこでサソリに襲われても、絶対面白くなかったけれど、
それがゲームの中なら楽しめる。
そういうことだ。

2008.10.13

速報、東京ゲームショウ2008

先週までに引き続き、中東の最新ゲーム事情を…、
と思ったのだが、
9日〜12日にかけて、国内最大のゲームの祭典である
「東京ゲームショウ2008」が開催されていたこともあり、
また、そもそも中東の最新ゲーム事情なんか、
これっぽっちも触れてないじゃねーか、ということもあり、

何はともあれ、ゲームの連載物を書いている以上は、
ゲームショウに触れないわけにはいかないだろう、と。

かくも長々と前置きを書きましたが、
仕事柄、しっかり現場にも足を運んできたので、
その生の様子も交えつつ、レポートをば。

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訪れたのは、ゲームショウ初日の9日午後。
プレスおよびビジネス関係者のみ入場できるビジネスデイ
だったこともあってか、会場内はさほど混雑していなかった。

大行列をつくっていたのは、一気にカプコンの看板タイトルとなった、
『モンスターハンター』シリーズの最新作、『3(トライ)』。
なんと、最大で4時間待ちにもなったらしい。

発売前に体験ができる数少ない機会ということもあり、
何よりも、業界人にファンが多い作品としても知られる同作ではあるが、
ビジネスデイで4時間待ちというのは、異例中の異例。
ディズニーのアトラクションより魅力的な何かがそこにはある、のか?

そういえば、会場である幕張メッセへの道中で、
ディズニーランドのある舞浜駅を通過する。
これがビジネスデイなら、
まだスーツ姿の人も多く、違和感はさほど無い。

が、土日ともなれば、同じ電車内に、
かたや、舞浜に向かう家族やカップル。
かたや、幕張に向かうオタクやコスプレイヤー。
が混在することに。。

絶対に負けられない戦いが、そこにはある。
なんのこっちゃ。

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次に目についたメーカーは、レベルファイブ。
あの『ドラゴンクエスト8』の制作を手がけたことで注目を集め、
今や自主企画でも『レイトン教授』シリーズで大ヒットを飛ばした、
新進気鋭のゲームメーカーである。

同社は、昨年から大きく展示スペースを広げ、
トップメーカーと肩を並べる規模の出展となったのだが、
あのスタジオジブリとのコラボレーション企画『二ノ国』をはじめ、
期待に違わぬ豪華なラインナップで会場を沸かせていた。

そういえば、昨年のゲームショウで、
上記の『モンスターハンター』に勝るとも劣らない行列を作ったのも、
レベルファイブだった。

奇しくも、今年行列が作られたカプコンの展示スペースは、
昨年、レベルファイルが出展していた場所。
コンテンツのパワーもさることながら、
地理的に行列ができやすい場所と言えるかもしれない。

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さて。
例年、任天堂はゲームショウには出展をしない。
それはイコール、残る2大ハードメーカー、
ソニーコンピュータエンタテインメント(PlayStation)と、
マイクロソフト(Xbox)にとって、
その存在感をアピールするための格好の舞台になりうるわけだ。

昨年は、両者とも任天堂のWiiそしてDSの勢いに押されていたものの、
まだソニー陣営が、PlayStation2までの優勢を持続し、
マイクロソフト陣営は日陰に追いやられていた感があった。

が、今年の印象は、ほぼ互角。
Xbox360も、大作RPGを多数取り揃え、確実に販売を伸ばしてきた。
そもそも、海外特にアメリカでは、Xbox360の販売が上回っている。

2強から3強へ。
マイクロソフトが、かつてのセガの位置まで上ってくれば、
国内のゲーム業界もさらなる活性化が促されることだろう。

なお、任天堂は、ゲームショウに出ない代わりに、
単独で任天堂カンファレンスなるものを開催するのが恒例。

今年は、ゲームショウの一週前に開催され、
その場で新型ニンテンドーDS(ニンテンドーDSi)が発表された。

その名称を見たとき、
「おいおい、アップルに怒られるんじゃねーか?」
と余計な心配をしたものだが。。

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まだまだレポートしたいブースはたくさんあった。
スクウェアエニックスの、大ボリュームの映像出展etc…

が、ひとまずこのぐらいで打ち止めとしておこう。
興味のある方は、ファミ通の下記特設サイトでも覗いていただきたい。

なお、今回のゲームショウの総来場者数は、
のべ194,288人を数え、過去最高を更新したとのこと。

世界同時株安の影響も何のその。
ゲーム業界の好景気は、まだしばらく続きそうな様相だ。

東京ゲームショウ公式サイト
http://tgs.cesa.or.jp/

ファミ通.com - 東京ゲームショウ2008特設サイト
http://www.famitsu.com/event/tgs/2008/

2008.10.06

中東最新遊戯事情(嘘) vol.3

中東へ旅に出る少し前、
日本で『AFRIKA』というゲームソフトが発売された。

いや、このソフトを“ゲーム”と呼んでいいのかどうか、
そこからまず疑わねばならない。

プレイヤーは写真家・エリック(男性)またはアンナ(女性)なって、アフリカの大地を舞台にSAFARI(サファリ=探検)し、依頼された内容に従ってサバンナにいる動物を撮影していく。必ずしも依頼を請け負う必要はなく、様々な視点でフィールドを観察・撮影できる。依頼の報酬によって新しいツールを購入することが出来る。登場するカメラはソニーの自社製品を挙動を含めて再現している。
ナショナルジオグラフィック提供の資料をもとに生態系を再現した。ライブラリには実写映像が収録されている。
2006年5月のE3で初めて映像が公開された。それ以降、2年近く情報が出されなかったために謎のタイトルとして話題となっていた。
(出典:Wikipedia)

PlayStation3の高画質を余すところ無く駆使して、
まるで本当にサバンナにいるかのような感覚を味わえる。
というのがウリ文句。

詳しくはコチラ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/afrika/

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さて、このゲームの目的というかミッションは、
動物に気づかれないようにこっそりと近づき、写真におさめること。
らしい。

あれ。
どこかで聞いたことがある。

そうだ、あれだ。
敵兵に気づかれないようにこっそりと近づき、なんやかんやする。
と、言えば…?

スニーキングミッション!!

去る6月に発売され、PS3史上最高の売上を記録した、
『METAL GEAR SOLID 4』
http://www.konami.jp/mgs4/jp/

詳しい説明は割愛させていただくが、
最新作では、中東の戦場に単独潜入するところからスタートする。

ん、中東…?

あ、つながった。
(無理矢理)

しかしながら。
メタルギアは別に、
戦場体験シミュレーションでもなければ、
中東体感アドベンチャーでもない。

何でもかんでも、結びつけようとするのは悪い癖だ。
止めよう。

……………………………………………………

閑話休題。

最新のエンタメ事情に敏感な我が社でも、
このソフトの話題で持ち切りに。
オフィスで、昼下がりに、上司と『AFRIKA』について語る。
平和な国、日本。

その議論の中で聞かれたのが、このセリフ。

「世界遺産が高画質で再現されたソフトが出たら、買う?」

正直。
高確率で、買わない、だろう。

世界遺産が、
ただ映像として出てきたり、
ただ背景として存在したり、
それだけでは興醒めしてしまう。

以前も述べたが、
別に旅行に行く目的は、その場所を“見る”ことではないのだ。

強いて言うならば、
その場所の風土に触れ、
その場所の空気に触れ、
その場所の人間に触れる。
それを含まなければ、とても、その場所を体験したとは言えない。

あるいは、
あくまでもゲームとして非現実性を表現するのならば、
そこに新しい付加価値を生むことができるかもしれない。

例えば、その世界遺産にまつわる実話なり神話なりを、
まるでその時代の登場人物となって追体験できるような、
そんな仕掛けのひとつでもあればいいのか。

自然遺産ならどうするんだ、と言われるとお手上げではあるが。

……………………………………………………

この『AFRIKA』。
残念ながら、営業成績としてはお世辞にも成功したとは言い難い。
開発に4年かけて、実売6万本では確実に赤字だろう。
斬新ではあったが、ゲームとして高い評価を得るには至らなかった。

それは、上記したような、
ゲームなのか、現実シミュレーターなのか、
その境目が悪い意味で曖昧になってしまったことも一因だと考える。

せめて。
本当に、アフリカを旅したいと思っている人にとって、
魅力的なソフトウェアに成り得たのだろうか?
疑似アフリカの満足度は如何ばかりだったかのか?

その点が気になるところではあるのだが、
こればっかりは、アフリカに行ったことがあり、
なおかつこのソフトを購入した人にお伺いしてみねばなるまい。

そんな折、ちょうど、ヨルダンへの旅の途中、
これからエチオピアに行く、という日本人男性と知り合い、
意気投合して連絡先を交換したのを思い出した。

彼が、うっかり、手を出していないか。
今度機会があれば聞いてみることにしよう。

(つづく)

2008.09.29

中東最新遊戯事情(嘘) vol.2

ひょんなことから、中東旅行に出たわけだが、
今回の旅の中では、やはりというか、
幾人もの『バックパッカー』たちに出会った。

普段、生活をしている中で、
彼らに出会うことはほとんど無いだろう。

大きな荷物を背負い、国から国へ、
数週間、数ヶ月、あるいは数年をかけて旅をしている人種。
特に、日本においては、そんな人たちが存在していることすら、
知らない人も多いのかもしれない。

その存在は、社会のはみ出し者、なのだろうか?

……………………………………………………

彼らの、生産性は全くもって皆無である。
その点では、仕事をせずに一日中家に籠もっている
『引き籠り』といい勝負だ。

彼らは、物価の安い国では、それこそ一日数百円で生活している。
その点では、電気代と接続料とわずかな食費で生活している
『引き籠り』よりも、その経済効果は薄いかもしれない。

一箇所に留まることが無い者たちと、
一箇所に留まり続ける者たち。

ある種、両極の存在であり、
ある種、似たもの同士。

ただ、
『バックパッカー』たちに対しては、
少なくとも、旅を好む人種の人たちから、
畏敬と、少しばかりの羨望とが注がれている。

……………………………………………………

異国の地での、その日暮らしの生き様。

ある時は、一人で何週間という日を過ごし、
ある時は、一期一会の仲間を得て、共に過ごすこともある。

生まれては消える、わずかばかりの共同体。

例えるなら、
ひとつのゲームをプレイし終えて、
また新しい冒険をはじめるような感覚。

まるでRPGの冒険の追体験。

ほんの一週間の中東滞在において、
僅かに繰り返されたやり取りの中から、
そんなことを感じてしまったのは、
あるいは、自分がゲーマーだから、だろうか…。

ただ、違うのは、
モンスターを倒して、金を稼ぐことができないことと、
旅の終着点である、魔王が居ないこと。

……………………………………………………

「敵は自分の中に居て、それに打ち克ったときに、
旅は終わりを告げるのです」

みたいな、
自分探しバンザイ!
的な話がしたいわけでは全く無くて。

彼らは、たぶん、
旅に出た理由は人それぞれで。

それこそ、実は目的なんか無いのかもしれない。

小難しいことを考えずに、
平凡な日常を、冒険の日々に変えて、
そこでなんだか生き生きと生きている。

それが良いことなのか、良くないことなのか、
そんなことはどうでも良くて。

ただ、自分は自分として、
彼らという存在を頭の片隅に置きながら、
再び、平凡な日常を生き、
再び、テレビの中で冒険を繰り広げるのだ。

(つづく)

2008.09.22

中東最新遊戯事情(嘘) vol.1

九月某日。
仕事を片付けたその足で、羽田空港へと赴いた。
行き先は、関西国際空港。

を、経由して、アラブ首長国連邦のドバイ。
を、経由して、ヨルダン・ハシミテ王国の首都アンマン。

およそ18時間のフライト。

旅の目的は、
「中東地域におけるテレビゲームの普及状況の実態調査」
では勿論無い。

完全なプライベート。
夏期休暇を利用した一人旅だ。

……………………………………………………

あまり中東に旅行したがる日本人がいないのは承知の上だが、
とにかく出発前に、ありとあらゆる人に、

「なんでまたヨルダンなんかに!?」

と問いただされた。

そして、その度に、

「死海に浮きたい」
「砂漠が見たい」

と適当に受け答えをしていた。
実際問題として、特にそこへ行く理由はなかったのだ。
強いて言えば、なんとなく面白そうだったから。

とかく、日本人は、旅に意味を求めたがる国民だ、と思う。
現実から逃れる旅、失恋を癒す旅、etc…

何も、自ら進んでそんなに自分を追い詰めずに、
休日を目一杯、頭空っぽにして楽しんだらいいじゃないか。

……………………………………………………

旅をすること。

モンゴルの遊牧民族のそれならいざ知らず、
それなりに富と財産を持った人にとってのそれは、
それは、一種のエンタテインメントに他ならない。

まるで、テレビゲームをプレイするのと同じように。

いったいどこの誰が、
失恋の傷を癒すことを求めて、ゲームをプレイするだろう。
いや、現実の男どもには見向きもせずに、
2D最高とのたまう残念な女子なら数多く見てきたが…。
それとこれとはまた別の話。

……………………………………………………

「ご趣味は?」
「ゲームを少々」
「どんなゲームを?」
「ドラクエとかですかね」
「えー、時間掛かるし大変じゃないですか」

シチュエーションは別にして、こんな会話が聞かれたりする。
じゃあその人がRPGをやるのをやめるかと言えば、
まさかそんなはずはなく。
大概のパターンは、嗜好の違い、ということで片付けられる。

要するに、私の勝手でしょ、ということだ。

今回の話もまた然り。
『ゲーム』を『旅行』に、
『ドラクエ』を『ヨルダン』に、
それぞれ置き換えてみる。

たしかに、ヨルダンに行くのは、
少なくとも箱根の温泉に行くよりは随分と大変だ。

ただ、大変だからじゃあ行くのを止めます、
とかそういうことには多分ならない。

自分に言わせれば、
ドラクエだろうが、テトリスだろうが、
ヨルダンだろうが、箱根だろうが、
自分の嗜好に従っている、という意味では同じだと思うのだ。

にもかかわらず、

サッカーをしています、と言えば何も言われないが、
カバディをしています、と言えば何で?と聞かれるだろう。

なんだかあまりにも理不尽じゃあないか。

……………………………………………………

何が言いたいのかわからなくなってきたが、
とにかく、旅立つ機内では、こんなことが頭を巡っていた。

なんでそんな小難しいことを考えていたのかと言えば、
たぶん、ほんの数時間前まで、職場でデスクワークをしていて、
仕事モードが頭から抜け切っていなかったせいか。

(つづく)

2008.08.23

あのアイテム、おいくら?

ゲーム界の通貨のこと。

『ドラゴンクエスト』なら“ゴールド”。
『ファイナルファンタジー』なら“ギル”。
『ゼルダの伝説』なら“ルピー”。

ひとつのゲームにひとつの通貨。
すげえ、世界統一通貨だ。

という政治的な話は置いておいて。

果たしてこのゲームの世界の物価は適正なのだろうか?
というのが、今回のお題。

……………………………………………………

せっかくだから、最近発売された、
『ドラクエ5(DS)』を例に挙げて検証してみよう。

現実の貨幣価値と比較するとわかりやすそうだ。
が、なかなか現実世界と一致するアイテムが存在しない。

剣やら鎧なんて、
現代社会じゃ滅多にお目にかからない。
人を生き返らせるアイテムなんて、
現実じゃあいくら金を積んでも手に入らない。

さて、なにかいいアイテムは無いものか。。



あった。
これだ。

ブーメラン 420ゴールド(G)

投げたら戻ってくる、あれ。
さて今時の子供はブーメランなんかで遊ぶのかわからないが。

とりあえず。
早速、本物のブーメランの値段を検索。

まさか、この歳になって、
ブーメランの相場を調べることになるとは夢にも思わなかった。

出てくる出てくる。
安いものだと数百円から。
ピンからキリまでありそうだ。

とはいえ、モンスターを倒せるぐらいの代物だから、
紙製やプラスチック製のちゃちなやつではダメだろう。

木製の、いかにもブーメランっぽいやつは無いものか…



あった。
これだ。

アボリジニージェッダブーメラン 5,800円
http://www.rakuten.co.jp/rangsjapan/866989/709331/

オーストラリア先住民族アボリジニーの名を冠した品。
こいつなら、きっとカンガルーをなぎ倒せるに違いない。

…つまり。
420G=5,800円(税込6,090円)
1G=14.5円

という両替レートが成立するということになるはずだ。
やや無理矢理。

……………………………………………………

このレートで、いろいろなアイテムを換算してみる。

やくそう 8G=116円
どくけしそう 10G=145円
お鍋のふた 40G=580円
たけのやり 50G=725円
果物ナイフ 50G=725円

145円であらゆる毒が消える、どくけしそうに脱帽。
それ以外は、なんだか適正な物価っぽい。

かわのたて 70G=1,015円
絹のエプロン 110G=1,595円
ヘアバンド 150G=2,175円
まもののエサ 200G=2,900円
銀の髪飾り 450G=6,525円
ファイト一発 600G=8,700円

エプロンとかヘアバンドとか、
リアルにショッピングセンターで売ってそうな価格だ。

問題は、ファイト一発(リ●ビタンD?)の高騰ぶり。
飲めばたちまち元気になって攻撃力2倍、というアイテムなのだが、
メーカー希望小売価格146円に対して、実に60倍!
リ●Dロイヤルでも525円なので、その効き目は半端ではないのだろう。

はがねの剣 2,000G=29,000円
はがねの鎧 2,300G=33,350円
シルクハット 2,000G=29,000円
レースのビスチェ 5,500G=79,750円

剣やら鎧やらが、3万円前後。
これを高いと見るか、安いと見るか…

シルクハットはこんなもんが妥当かと思いつつも調べてみたら、
29,400円とドンピシャのやつを発見。
が、157,500円なんてものもある様子。
ドラクエの世界では比較的ノーマルなものを使用しているようだ。
http://hat-tsujino.com/cp-bin/oscommerce/catalog/default.php/cPath/75

水鏡のたて 33,000G=478,500円
破壊の鉄球 50,000G=725,000円

最後は、高価格帯の商品群。
ここまでくると最早良くわからない。
が、最強クラスの武器・防具が100万円以下で手に入るならお得、
なのかもしれない。

というか、それで魔王が倒せるなら、誰かカンパしてほしい。

……………………………………………………

そのほか、ゲームの中のお金と言えば、
「なんでモンスターが金を落とすのか?」

という、普遍的かつ永遠のテーマもあるにはあるが、
そこまで言い出したらキリが無い。

どこかの誰かが、
RPGとはそういうものだ、と決めてしまったのだから、
ここは大人しくゲームの文法に従うのが筋というものだ。



以上。

何の得にもならない、
くだらないおカネのはなし。

暴走はしていない、たぶん。

2008.07.19

文豪が旅先で執筆する理由

大学を卒業する少し前の話。

ずっと行きたかった南米・ペルーへ行った。

マチュピチュ
クスコ
ナスカ

世界遺産、
という言葉に滅法弱い自分にとって、
どうしても訪れておきたかった土地。

道連れは居なかったけれど、
治安が悪いと聞いてはいたけれど、
自然と不安は感じなかった。

……………………………………………………

そんな旅の中で、
見てきたモノ、感じてきたコトの話は、
また機会があれば。

今回は、旅の夜の、もうひとつの目的の話を。

ペルーの夜の街をひとりで闊歩するのは、
お察しの通り、少々ハードルが高い。
リマなど大都市ならそれも可能な面はあるが、
地方都市へ行くほど、治安は悪化する。

「一本裏の通りで、こないだ首締め強盗があったよ」
なんて、宿に居た日本人から耳にしたこともあった。

そんな、夜。

夜歩きは避けて、早々に宿へ。
手持ち無沙汰に備えて日本から持参したPCを起動。
毎日の日課に取りかかる。

それは、
“卒業論文を執筆”すること。

締切りをうっちゃって旅行に飛び出した手前もあって、
ゼミの先生に、「旅行先で書いてきます」とうっかり宣言。
どうせ暇だしまあいいかと、キーボードを叩く。

するとまあ。
これが思いの外、はかどって仕方ない。

卒論のテーマは、
『情操教育過程におけるテレビゲームの与える影響の考察』

もう既に、ゲーム会社への就職も決まっていたわけだけれど、
なんだか、地球の裏側に来てまで、
ゲームのことを必死に考えている自分がかなり滑稽に感じた。

それでも、ペンは進む。

独りの夜。
テレビを見たって、スペイン語は右から左へ抜けていく。

一週間強の滞在期間で、
きっちり25,000字の論文が完成した。

……………………………………………………

そういえば。
ふと思い出す。

この旅の1年前、タイを訪れたとき。

同じようにホテルに籠り、
就活のエントリーシートを書いていた。

面白いからと、
国際郵便でエントリーシートを送ってみたりもした。

……………………………………………………

どうやら、自分にとって旅は、
日常から解き放たれること、よりも、
日常では得られない感性を研ぎ澄ますこと、
の側面が強いらしい。

想像では片付かない何かを、
環境を置き換えることで、
無理矢理シナプスを繋げていく。

昼間に見た景色を、
脳内で全く異なる形へと言語変換していく作業。

それが堪らなく心地良かった。

……………………………………………………

さて。
ではさぞかし良い文章が書けたのかと言えば。

それもまた、きっと、別のお話。

2008.07.09

ネット発、アキバ行 vol.3

テレビゲームが生まれて、約25年。
インターネットが普及するようになって、約15年。

目覚ましく発達した技術が、
人間の進歩を凌駕してしまった。
なんて声もある。
そこから引き起こされる重大な問題が隠されているのだ、と。

そう、かもしれない。
わからないものは怖い、と言っているだけかもしれないし、
饅頭怖いの類いかもしれない。

そうした、ゲームやネットを悪とする論調に対して、
ゲーム擁護派は、今度は一斉に、
「マスコミが悪いと書き立てるのが悪い」と騒ぐ。
しばしばマスコミが、そういう方向に煽っている、と。

するとふたたび、メディアはゲームを非難する。

ゲームとマスコミは、そうしていたちごっこを繰り返し、
火と油の関係性を保ったままでいる。

今度の事件が引き金となって、多少なりとも、
双方の言い分が交錯した場面はあった。
しかし、いつもの調子で、堂々巡りの繰り返し。
結局何も解決はしない。

悪影響論も、そうやって、
たいした進展も無いままに10数年が過ぎ去った。

その10数年の論争の間に、秋葉原は、
さながら宗教論争におけるエルサレムのような地位を、
着々と築き上げていった。

……………………………………………………

脱線。

そもそも。
本質的に、ゲームとマスコミとは相容れないのでは、
とふと思う。

だってほら。
ゲームをプレイしている間は、
テレビというハコはゲームに占有されてしまうのだから。
CM収入で生計を立てているテレビ局などは、
番組を見ずにゲームをプレイする人ばかりになっては、
それこそ死活問題だ。

実は、大いなる敵対関係にあってしかるべきなのでは。
というのは、あまりにも穿った物の見方だろうか。

眉唾ではあるが、
インターネットが爆発的に普及したのは、
テレビと相容れる(平行して見ることができる)から、
という説もあると聞く。

……………………………………………………

先にも述べたが、
現時点では、ゲームが悪影響があるのかどうか、
たしかなことはわかっていない。
そこに、ネット社会の弊害、みたいな話まで絡み合い、
さらに事態は複雑化してきている。

ただ。
そのような報道が出ることそのものが、
ゲームの今の価値なのだろう、
と思う。

ゲームは、まだまだ社会的価値を確立しては居ないのだ、と。

ファミコンの誕生から25年。
四半世紀という時間は、
ある物事の社会的価値を定めるにはあまりにも短い。

まだ海の物とも、山の物ともつかない存在。
持ち上げるべき時は持ち上げ、貶める時は貶められる存在。
ある意味、それはあるべき姿なのだろう。

映画も、音楽も、社会的に淘汰されようとした時代がある。
その不遇のときを乗り越えて、大衆娯楽としての今がある。

……………………………………………………

ゲームは、大きな進歩を遂げた。
それでもまだ、文化と呼べるようになるためには、
越えるべきハードルがいくつも横たわっている。

ネットを飛び出し、“聖地”と呼ばれる場所で行われた凶行。
そこから我々が得るべき教訓は、きっと少なくはないはずだ。

(おわり)

2008.07.02

ネット発、アキバ行 vol.2

加藤容疑者はテレビゲームが趣味だった、という。

さらにその後、取調べに対して、
「自分を傷つけるものは嫌い。アニメやゲームは傷つけない」
という趣旨の発言をしたとの報道が有った。

これに対する多くの反応は、
「自己中心的すぎる」
「お前が、ヒトを傷つけてるじゃないか」
といった、容疑者個人に対する批判的な意見。

また同時に、
「アニメやゲームに甘やかされて育ってきた弊害」
と主張する声も少なからず聞かれた。

……………………………………………………

「ゲーム=悪」とする論調。

それは、古くは1980年代後半にまでさかのぼる。
以前の連載でも紹介した、いわゆる『ドラクエ現象』が、
その起こりと言われている。
http://www.junkstage.com/subculture/hitoshi/?p=25

当時は、ゲームがヒトの暴力性を高める云々、といった議論ではなく、
ゲームそのものの商品価値を巡って、暴力事件に発展した例であったが、
やがて世間の風潮は、ゲームと暴力を結びつける論旨へと飛躍していく。

ゲーム悪影響論がピークに達したのは、1990年代後半。

1997年、酒鬼薔薇聖斗事件
1999年、全日空ハイジャック事件
2000年、西鉄バスジャック事件

世の中を震撼させたこれらの事件で、
容疑者とゲームの関係性が取沙汰され、
マスコミはこぞって、ゲーム悪影響論を取り上げた。

「ヴァーチャルとリアルの区別がつかなくなった」
ことが事件の引き金である。
と、まことしやかに囁かれた、そんな時代。

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翻っていま。

ふたたび起きた惨劇を前にして、
アニメに、ゲームに、そしてネットに、
その犯行動機の裏付けを求めようとする。

秋葉原は、もちろん。
ネットとリアルの狭間であると同時に、
アニメ、ゲームとも浅からぬ因縁のある街である。

その事実も、ゲーム悪影響論の後押しをする。

しかしながら。

ヒトは、ゲームから影響を受けて、凶悪犯罪を犯すのか。
あるいは逆に、凶悪犯罪を犯すタイプのヒトが、ゲームにハマりやすいのか。
それとも、ゲームと凶悪犯罪の間に、全く因果関係は無いのか。

現時点では、わからない。
正確に言えば、いまだ有意な研究成果は発表されていない。

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個人的には、結局どこまでいっても、
悪影響が有るか否かを測ることはできないのではないか、と思っている。
少なくとも、全く影響がゼロだとは思わないが、
鶏が先か、卵が先か、そこに答えは無いのだ、と。

大事なのは。
わからないものは怖い、という漠然とした不安をもとに、
無闇やたらと悪影響論を振りかざすのではなく、
まず、「自分は流されない」という強い意志を持つことではなかろうか。

ゲームにも、ネットにも。
そして、このような事件にも。

(つづく)

2008.06.25

ネット発、アキバ行 vol.1

6月8日、正午過ぎ。
秋葉原の歩行者天国で起こった、凄惨な通り魔事件。

加藤容疑者は、自身を“負け組”と評し、
世の中全てを“敵”と憎んだ。

その背景にあるとされるのは、
教育の問題、家庭の問題、雇用の問題、などなど。

しかし、そこに、ことさら触れるつもりは無い。
犯罪心理学をここで披露するつもりも無い。

唯一点。
サブカルを掲げる身として、避けては通れないと感じた疑問。

「なぜ、秋葉原でなければならなかったのか」

それを知る為に、ペンを執った。

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ヲタク文化の聖地。
サブカルチャーの中心。

秋葉原。

かつての、電気街“秋葉原”から、
電脳都市“アキハバラ”へと変貌を遂げたその街は、
彼にとって、どんな意味を持っていたのだろうか。

彼は、携帯電話から掲示板への書き込みを頻繁に行っていた、
との報道があった。
その数、実に1ヶ月で3,000件。

自身がネット中毒、ケータイであることを自覚していた様子で、
ネットから卒業しろというのは死ねということか、
という趣旨の過激な発言も散見される。

その書き込みの中に、アキバへのリスペクト、
と受け取れるような内容がいくつかあった。

「定価より高く売れるソフトもあった。さすが秋葉原」

同じく、彼はネット掲示板上で、度重なる犯行予告を行っている。
最初は、愚痴めいた妄想にはじまり、
やがて、激流のように“実行”へ向かって流れ出す。

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ネットとリアルの狭間にある街、
そして、その両方の世界に開かれた街。

秋葉原。

「やりたいこと…殺人、夢…ワイドショー独占」
「誰でもよかった、なんかわかる気がする」

歪んだ夢を臆面も無くネットに綴る、彼の劇場型犯罪欲求。

一方。
現実社会では、派遣労働者として苦悶する日々。

たぶん、彼もネットとリアルの狭間に居た、のではないか。

そんな彼にとって、秋葉原は、
ネット社会からも、リアル社会からも注目を浴びる街。
正に、究極の“劇場”だったのではないだろうか。

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事件の爪痕。
通り魔事件のあと、その模倣犯が後を絶たない。

ディズニーランドで客刺し殺してくる、と書き込みをした19歳派遣社員。
ダービー当日、東京競馬場の爆破予告をした34歳会社員。
加藤容疑者はバカ、どうせなら銀座を狙うべき、と供述した27歳市職員。

とあるリサーチによれば、
ネット掲示板の取締りを強化すべき、という声は8割に上ったという。

ネット上の掲示板に書き込むところまでは、
精神のタガがあまり抑圧されないのだろうか。

その悪しき潮流を見るにつけ、
この問題、まだまだ闇は深いと感じずにはいられない。

(つづく)

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