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2009/06/30

今、輝いている女性に会いたい、お話を聞きたい――そんな思いからJunkStage女子スタッフが各界をリードする女性にインタビューをする企画、記念すべき第一回目のゲストは和楽器界の若き第一人者、吉永真奈さん。
反響をいただきました前編に続き、今回はソロ活動について、また音楽への熱い思いを語って頂きました。

* * *

■ソロ活動について

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――2009年、惜しまれつつ解散した「Rin’」。
その以前からソロ活動は行っていた吉永さんですが、現在はますます一人の奏者として夢を実現するための活動を展開されています。       

吉永:私たちはもともとユニット結成中にも、一人一人の活動は行っていたんですね。古典というのは礎というか、土台としてあったんです。その集合体のひとつの形として「Rin’」があったんですけれど、ソロとの違いは3人で5つの和楽器を使っていた、というのが大きかった。これだけ楽器がありますから、それぞれの楽器をフューチャリングするというよりは、役割分けが決まっている。たとえばリードは尺八が取る、とかコードに関しては箏(こと)が取る、とか。そういう楽器の融合としての面白さ、というのを「Rin’」ではやっていたわけなんですけど、今ソロで行っているのはそれぞれの楽器のよさ、というのを伝えることをしていきたいと思っています。箏もそうですし、私は地歌三味線もやっているんですけれど、それぞれの楽器の新しい魅力を知ってほしいし、伝えたい。それで新しい音楽の形が生まれたらいいなあ、と思います。

――新しい音楽の魅力を伝えたい、と語る吉永さん。その活動はライブ、コンサートをはじめとして、自身での門下生への稽古など多岐にわたります。

吉永:先入観をお持ちの方が多いんですよ、箏(こと)って。ピアノって触れる機会が多いんですけれど、お琴を持っている方は少ないし、接する機会がとても少ない。正直に言って「楽器代がすごく高いんじゃないか」とか、「お稽古代も高いんじゃないか」って思われている方が多いんです。でもそれは情報が少ないからであって、本当に楽器ひとつとっても値段はピンからキリまであるので、本当に気軽に習える楽器ですし、すごく楽しい楽器なので、ぜひ興味のある方は初めてみてほしいですね。

――そんな吉永さんのライブやコンサートには、若い世代だけでなく中高年の観客の姿も目立ちます。

吉永:本当は可能なら全員に聞いてほしいんです。若い十代の子とかにも日本の伝統の音っていうのを知ってほしいなと思って、現在はソロ活動のかたわら学校訪問をしたり、教えに行ったりして和楽器のレクチャーやコンサートをもしています。それに現在の音楽業界と言うのは、お客さんがわりと10代20代という、若い層ですよね。だから40代、50代、60代の方に楽しめる音楽は少ないと思うんです。そういう方にも楽しんでもらえる音楽を作りたいし、聞いてほしい。ライブにもそういう世代の方が多くいらっしゃるんですけれど、すごく喜んで頂ける。だからその世代の方に届くような、伝わるような音楽を作っていきたいですね。

――全国各地で活動を展開されている吉永さん。その移動時間や本番前にも、気持の切り替えには工夫をされているようです。

吉永:移動時間は曲の暗譜に追われている時はi-podで音楽を聞いたりもしますが、睡眠時間を確保する時間にあてたり、余裕がある時はぼーっと景色を見たりして気持ちを切り替えたりしています。でも着いてすぐリハーサルがあったりもするので、そういう場合は自分でテンションを上げたりして、すぐ演奏ができるコンディションに持っていきます。本番前にはとにかく自分の出るステージをオープニングからエンディングまで一度全部思い描いて、「成功した、よし!」っていうイメージを作りますし、それからこっそり客席を見て、お客さんがたくさんいるのを確かめたりもして。これだけ多くの人が聞きに来てくれてるんだ、って思うと不安とかもなくなりますし、テンションが上がりますね。

――5歳から始めて、20年以上になる吉永さん。箏という楽器の最大の魅力はなんですか?

吉永:日本人のDNAに響いてくるところ。お客さんにも「なんだか懐かしい感じがする」って仰る方がいるんですけど、全然聞いたことのない曲でも懐かしい気がしたり、心地いいような気がされるそうなんですね。日本人の中にあるDNAにすごい訴えてくるし、響いてくるところかな。

■仕事と一人の女性としての生き方

――現在、アーティストとしてのソロ活動や教室での稽古、全国各地でのライブ出演など多忙に活動されている吉永さん。たくさんの活動を両立させる秘訣について伺いました。

吉永:リフレッシュの方法はすごくたくさんあるんですけど、まずは睡眠をきちんととることを心がけています。体調を良くしていかないと、心も落ち込んできてしまいますし。私はすごく寝たい人なので希望を言えば8時間とか寝たいんですが、なかなか現実には無理なので(笑)、だから短時間でも熟睡するようにしてますね。あとはお買い物にいったり。箏(こと)に接している間は練習とか、楽曲の編集だとか、とても孤独な作業が多いんですね。だからオフの日はたくさん人にあっておしゃべりしたり、大声で笑ったりしてガス抜きをしています。あとはね、アロマオイル集めたり、お風呂の中でアロマキャンドル焚いたり。

――忙しさを理由にせず、真剣に向き合っていれば成果が出ると語る吉永さん。その姿勢は恋愛にも向けられているようです。

吉永:恋愛は苦手教科なんですが(笑)、忙しくても、連絡さえしていれば解消する問題はありますよね。メールを1通送るだとか、ちょっと電話してみるとか。数十秒とかで出来ることだから、相手に気遣いをちゃんとしてあげて、相手の心遣いも受け取る。私はほんとに常に真剣モードになっちゃうので、恋愛も常に真剣勝負(笑)。仕事も恋愛もちゃんとする、それでたまにはガス抜きしてリフレッシュすることが私の場合の秘訣ですね。

――JunkStage読者にも、恋愛や仕事で迷いを抱えている女性が多くいます。そう伝えたら、早くから自分の道を選び取った吉永さんらしい、素敵なアドバイスを頂きました。

吉永:20代、30代くらいのときって色々なことを考える時期だと思うんですね。私もそうですが、仕事だったり結婚だったり考えたり悩むことが多い。そういう悩みを自分と正直に向き合って、自分と話し合って、自分がこうしたら一番輝けるんじゃないか、と思う道を選んでほしいな、と思います。私もそうしていきたいですね。

――女性として、奏者として、のびやかに活動を続ける吉永さん。このインタビュー収録中も、笑顔を絶やさずスタッフを気遣ってくださるなど、本当に素敵な女性でした。今後もコンサートやライブ、新たな音楽制作、配信など、ますますソロ活動の幅も広がっています。ご活躍が期待される吉永真奈さんが日本の音楽シーンを変えていく日は近い、と確信を頂いた今回のインタビュー。快くご協力頂き、本当にありがとうございました!(聞き手:桃生苑子)

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<吉永真奈 略歴>

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5歳の頃より生田流箏曲を安藤政輝氏に師事。その後地歌三味線も師事。
2001年 東京芸術大学音楽学部邦楽科生田流箏曲専攻卒業。
2004年 和楽器ユニット「Rin’ 」を結成しavex より「Mana」としてメジャーデビューをする。「ブルボンチーズおかき」のCFやアニメ「SAMURAI 7」のエンディングテーマとしてRin’の楽曲が抜擢。 アメリカでのデビューアルバム「Inland  sea」では、プロデューサーにJimmy Harry、 ゲストボーカルにLISA LOEB、Leigh Nashを迎え、LA・NYなどアメリカ各地でライブを行う。現在までアメリカにとどまらず、中国各地、中米や南米でも数々のライブ活動を行う。
そして本年自身のより深い音楽活動を始めるため待望のソロ活動をスタート。「吉永真奈」として、楽曲制作、レコーディング、ライブなど新たな音楽創造を始める。
それ以外にも生田流箏曲演奏家として、伝統邦楽の世界での演奏活動も行っている。 また、自身の門下生を持つなど生田流箏曲・地歌三味線の教授にも力を注いでいる。
オフィシャルウェブサイト:http://www.yoshinagamana.com/
吉永真奈ブログ「千代に八千代に・・・」:http://blog.goo.ne.jp/manayoshinaga1120/

2009/06/30 10:00 | momo, ・世界を変える女性たち | No Comments

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