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2009/10/08

今、輝いている女性に会いたい、お話を聞きたい――そんな思いからJunkStage女子スタッフが各界をリードする女性にインタビューをするこちらの企画。第2回目のゲストは、ポールダンサーのATSUMI(あつみ)さん。
ポールダンスに出会うまでを伺った前回に引き続き、今回の後編はスタジオ設立、すぐに起こった一大ブームとその後についてお伺いしました。

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■スタジオ開設からブームを経て

ースタジオが開設されて、ポールダンス自体の注目度がもの凄く上がったと思うのですが、そのころと今とでポールダンスを取り巻く環境というのは変わりましたか?

それまでは、取材といってもいかがわしい内容のものもあったのですが、そういういったものはお断りして、フィットネスとしての部分を前面に出していった結果、この頃には一般紙や TVでのニュース番組、バラエティ番組、ラジオなどからも取材が来るようになりました。
あの時はもうほんとうに忙しかった!幸いなことに沢山のメディアが注目してくださって…その頃は、ポールダンスの地位を上げたいという思いでがむしゃらだったので、とにかく沢山仕事をしました。

ークラブシーンでも、ポールを設置してくれてレギュラーでポールダンサーが出るというイベントも一気に増えた時期でしたね。

そうですね。当時、私も出演・監修した大手ランジェリー企業のイベントや、その他にもフジロック、サマーソニック等の音楽フェスなどの大きなイベントでも、ポールダンスを取り入れるオーガナイザーが増えていきました。同時期に持ち運びできる、つっぱり型のポールの販売が始まったのも大きかったと思います。
最近はファッションフォトや、ポップアーティストのPVなんかでもずいぶん目にするようになりました。

ーまさに、ご自身が目標とされてきた地位の向上が行われてきたのですね。その当時の目標は叶ったとお考えでしょうか。

確かに、その当時目標としていたことは予想よりもずっと短い時間でクリアすることができました。私が始めたころは、ほんとうにストリップのことだと思われていた位だったので、そこから考えたら、かなり変わったと思います。

ただ、現在の状況についていえば、今は、やりたい!という子が沢山いるけれど、受け皿は結局深夜イベントや夜のお店が多かったりしていて、、、私は以前から、ポールとお酒はもう少し切り離しても良いのではないか、という意識があるんですね。

もちろんショウの現場の数自体はどんどん増えていますが、そういった方向性のままだと、全体としてはやはりいかがわしいイメージを抜けきれなくなってしまうのではないかと思っていて、その辺りにはジレンマを感じています。

ポールダンスというのはそれ自体でやっぱりとても美しくて、主役になれるダンスですしね。
たとえば音楽イベントなどに出演させて頂いての経験談なのですが、バックダンスという位置づけでもポールを始めるとお客さんは結構こっちを見てしまうんですね。

それだけ強烈なものだと思うし、だからこそやりたいと思ってくれる人が多いのだと思います。

■スタジオについて、経営者として

ーポールダンスの美しさ、アクロバティックな凄さなどはだいぶ浸透してきましたが、実際に習いにくるのはどういう方々が多いのでしょうか?

そうですね、もちろんショウに出たい、プロになりたいという方や、既にアーティストとして何らかの活動をしていて芸域を広げたい方もいらっしゃいますが、うちのスタジオでは8割くらいが「習い事」として初められる方です。
「ちょっと人とちがうこと」をしてみたいという動機でいらっしゃる方が多いみたいですが、中には「ショウに出るなんてとんでもない!」と仰る方も居ます。

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ーそういう方でも続けられるのでしょうか?

続けてくださるかたは、ずっと通ってくださっていますね。
あと意外と、やってみると結構無邪気に楽しかったりもするんです。小さい頃、登り棒や回るジャングルジムに夢中になったような感覚だったり(笑)。それとやっぱり「主役になれる」感があるのだと思います。

ー女性らしさを表現するのにも、ポールダンスはとても有効な気がします。

以前はフィットネスという方向で売出していたのですが、最近になって思うのは、やはりポールダンスは「踊り」なんだなということ。

私は男女問わず「踊り」=「色気」が大事だと思っているので、そういった部分が発揮し易いダンスかなと思います。
最近はレッスン内容も、より振り付け部分を多くしたり、技と技のつなぎを意識してもらったりしています。

ースタジオ運営にあたってのモットーなどはありますか?

それは当初から変わっていません。「楽しく、長く踊れる身体づくり」です。生徒さんを見ていても、身体ができてきたら自分のやりたい技も、表現もどんどん決まるようになっていくんですよ。それが素晴らしいな、と。

ー大変だった事などはありますか?

まさか物件が借りられると思っていなかったので、スタジオ開設当時は、経営に関しては全くの素人で、やっぱり大変でした。最初は手探りで、同じく個人事業主の美容師さんやスタイリストさんなどに相談したり、経営者向けの堅い内容のセミナーに通ったりもしました。

また、スタッフが増えるにつれて、代表として振る舞う難しさに悩んだ事もありましたし、つい最近までは株式会社にするかどうかでかなり迷っていましたね。会計士さんなどに何度も相談しに行きました。そんなふうにして試行錯誤してきて、いまは自分のなかでは経営者としてのスイッチが80%を占めています。なんというか、もう、お母さん気分ですね。スタジオが子供、そんな感覚でいます(笑)。

■ダンサーとして、また女性として

ーATSUMIさんご自身は今後はどのような活動をされていく予定でしょうか。

私は自分はとてもラッキーだったと思っています。色んな方との出会いがあって、また色んな方の協力があって、おかげさまで比較的短い時間のなかで、ポールダンスをメジャーにするという当初の目標は叶ってきたように思います。

ポールダンサーATSUMIとしてのいまの私に今後できることは、後進を育てる、ということなのかなと感じています。

ありがたいことに、今、生徒さんの中から地方から通って下さっている方が何人かいて、

「地元でスタジオを開きたい、教え方を教えてほしい」という声があるんですね。まずはそいういった声に答えていければと考えています。

また、私本人の活動としては…私は年齢を重ねてもずっと踊っていきたいと思っているので、実はポールダンスという形にはこだわっていないんです。踊っていけるのであれば、ポールダンスでなくても良いかもしれない、と思っています。

実は去年の夏、練習中に腕を痛めてしまって…しばらく活動を控えていたんですね。ちょうどそれがやっと完治したところで、昨日、治った腕で自主練習をしていたら、とてもわくわくしてきて想像力が湧いてきて…

やはり私の人生の優先順位は「ダンス」が一番なのだなと実感したところだったんです。でもちなみに、昔とはちょっと変化した部分もあって…今まではダントツで1位・ダンス、2位・ダンス、3位・ダンス……10位・恋とかだったんですが、

30歳をこえて、少し意識が変わってきました。今はちょうど、その変化も含めて、表現者としても女性としてもネクストレベルを模索しているという感じです。

ーエポックメイキングな存在だったATSUMIさん。どんな道程でそこに至ったのかを伺ったのですが、ご本人は鮮やかな笑顔が印象的な、気さくな女性でした。

ポールダンスを世に出した女性はどんな方だろうと思っていたのですが、試行錯誤しながら「ダンス」という軸を離さなかったら辿り着いた、というお話が印象的でした。

今後のご活躍をお祈りしています!

(聞き手:照山怜奈)

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<ATSUMI(高倉 温味) 略歴>

日本初ポールダンススクール「HYPE POLE WORKS」の講師を経て、2007年1月に自身のスタジオPole&Dance studio 『grace a』を東京・三軒茶屋に設立。日本で数少ないプロ・ポールダンサーとして活動。これまでに日本、韓国、上海、台北などでショーを行う他、多くのメディアを通じてもポールダンスを普及してきた第一人者の一人。→http://www.poledance.jp/media_2007.html

2006.12よりGOLD FINGER ポールダンスショー監修、指導を担当。現在は、ダンサー、インストラクター、スタジオ経営、ショーステージ監修などを基盤に、各種メディアにも露出。

2009/10/08 05:00 | reina, ・世界を変える女性たち | No Comments

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