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2012/10/31

先々週に引き続き、バンドン工科大学から地質学の先生がゴロンタロにお越しです。

今期は合計6名の先生に授業をしていただく予定です。

先々週は忙しく、授業になかなか参加できませんでしたが、今回は最初から最後まで参加しています。

 

始めてゴロンタロ大学以外の先生の講義を聞きましたが・・・

何と、ハイクオリティーな!

各授業とも、バンドン工科大学で使用しているレジュメということでした。

“教科書”からスキャンしたと思われる図。

レジュメの完成度の高さ。

色やアニメーションなどこんなにまで効果的な使用方法があったとは。

授業の内容ではなく、授業方法がとても勉強になりました。

私が今まで見たスライドはどれも文章の羅列。

そのレジュメが永遠と続く・・・

聞く方も話す方も大変だな、といつも思っていたのです。

 

さて、なぜ教科書という単語を確固にしたか。

ゴロンタロ大学には教科書かありません。

私が日本から持ってきた教科書だけでは、全科目に対応できませんでした。

地質学科だけの問題ではないのですが、各科目の基礎となる教科書が全くと言っていいほどないのです。

ですので、先生方は“wikipedia”から引用して教えているのが現状なのです。

おっと!

wikipediaだと?!

したがって、図などもほとんど教科書引用ではなくyahooやgoogleに落ちいてるものを使っています。

もちろん教科書もありますが、1970・80年代のものばかり。

科学は日々進歩していますから、もうこれらの教科書の内容(文章だけでなく図を含め)は古いのです。

したがって、まだwikipediaの方がましだと・・・

 

教科書と言うとあまり高くないイメージですか、これは日本だからではないかと思うのです。

完璧なほどに翻訳され、どんな専門書でも日本語の教科書が入手しやすい。

洋書のものも、翻訳されている場合があります。

図書館も整備され、各大学には新しい図書を購入するための予算が組んである。

しかし、インドネシアの事情はまだまだそこまでには至っていないのです。

1冊の洋書の教科書はお給料一か月分。

学科や学部に申請してもなかなか買ってもらえない。

違法と分かっていて、教科書をダウンロードして用いている先生もいます。

※教科書が無料ですが違法ダウンロード出来るサイトがあるのも初めて知りました。

もちろん違法ですので、ご注意下さい。

非常にこの現状を改善したいのですが、wikiがいいのか古い教科書がいいのか、違法ダウンロードでも最新の教材がいいのか…

とりあえず、wikiは使わないようにお願いしたいです。

 

今回の講義は様々な科目がありますが、すべて基礎から教えてもらっています。

先々週の集中講義の際の反省会で“基礎がなっていない”という項目があったからです。

特に上回生。

理由は簡単です。

基礎科目を習っていないのです。

これまたびっくりてすが、以前お伝えしたように講師不足により他の学科の講師が地学基礎を教えました。

したがって、内容は本当に基礎中の基礎。

しかも、中には開講しなかった科目もあるようで(しかし、単位は認定している)そのまま進学。

私も授業をしている中で、“あれ?習ってるはずなのに・・・”と思う事があったのはこのためでした。

そもそも“地学基礎”という科目がないのも問題です。

カリキュラムの中に基礎がなく、1回生前期ですぐに専門科目の開始。

これでは、基礎もクソもありません。

来年の新入生入学前までを目標に、カリキュラムの変更を予定しています。

ですので、今回の集中講義は上回生・下回生ともに基礎から始める。

この方針で決定したのです。

もちろん、集中講義の時間だけでは対応できないので、私たちも定期的に授業以外の時間で基礎地学を教えることになっています。

 

前回に引き続き今回の集中講義も考えさせられることばかり。

改めてゴロンタロ大学地質学科の問題点も浮き彫りになりました。

やることは山積みです。

しかし、これが“学科を1から作り上げていくことなんだ”と改めて感じています。

 

2012/10/31 11:52 | 大学での出来事 | 1 Comment

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[…] そのあたりの経歴はこちらに詳しいので譲りますが、着任当初から今に至るまで主に大学の中で東奔西走していらっしゃるのは、ひとえに異文化、というものが具体的に教育の場において現れるからではないでしょうか。 確かに、日本の大学制度から考えると、「えええ!?」と驚くようなことがままある、大学での授業風景。 例えば授業のスケジュールを生徒が知らなかったり、そもそも教科書がなかったり、大学教授と言えば研究というイメージがありますがかの地ではどうもそうではない模様。 […]