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2014/07/23

インドネシアに来て、4回目の断食月を送っております。

今年も例に漏れず、自分の部屋から一歩でも外に出ると断食を行っています。

現地の方からすると、これは断食とは呼ばないでしょうが、やはり人の前で堂々と何かを口に出来ないものです。

 

私が最も好きな断食月の時間帯は何といっても一日の断食が終わる夕方の時間です。

平日ならまだ別ですが、土日など休みの日は、メイン道路であることを忘れてしまうほどの静けさなのです。

それがどうでしょう。

一日の断食が終わる夕方頃は、道のいたるところでお粥やちょっとしたお菓子を販売しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

一日の断食後の食事の準備をするため、皆さん外に出来ます。

全く人通りがなかったのに、街に活気が戻ります。

パワーをもらえる気がしてこの時間帯に街をブラブラすることもあります。

ブラブラするだけではもったいないので、私も皆さんのマネをしてお粥を購入してみました。

この時のお粥の味がびっくりするくらい塩辛かったのです。

ここのお店はこんな味付けなんだろうか…疑問が残りました。

次の日も同じ場所でお粥を購入しましたが、その時の味はおいしかったです。

これだけでは分らないので、別の日にまた購入して食べてみます。

塩辛くなく、おいしくいただきました。

そこで初めて疑問をいだいたのが『誰が味見をしているのだろう?』と言うことでした。

このお店に限らず、すべての飲食店・屋台などの食べ物の味見はどうしているのか?

飲食店に限らず、各家庭で準備されるものも同様です。

 

アバウトな言い方をすると、断食は日が昇っている間中行われます。

断食の行為には食べること、飲むこと、タバコを吸うことなどが含まれます。

以前もお伝えしましたが、自身の唾液を飲み込むことすらしない方もいらっしゃいます。

したがって、『味見』なんて出来るはずがありません。

ただ、例外もありイスラム教の方全員が断食をするわけではないのです。

病気の方・妊婦さん・子供(6歳くらいまで)・生理中の女性・重労働者などです。

 

後日、味付けについて気になっていた私は、この店を訪れ質問しました。

『断食中のこの食事はどのように味付けするのですか?』

おばちゃん曰く、『今まで料理を作ってきた経験と勘ねぇ~、もしくは娘が妊娠しているから彼女にお願いしてるわ』だそうです。

まぁ、分っていた結果でしたが、これでスッキリです。

ですが、スッキリした時間はほんの少しでした。

『経験と勘』って言ったけど、私だってちょっとは味見するわよ!

私が少し困惑した顔をしていたのでしょうか、おばちゃんは『いっぱい食べなきゃいいの。味見なんてほんのちょっとよ』とおっしゃっていました。

 

どこも同じかは分りません。

正直な気持ちは『それでいいの?』と疑問を抱く結果でしたが、また1つ断食についての知識が増えた瞬間でした。

2013/10/16

少し前の7月13日、ルスリ・ハビビゴロンタロ州知事はタイトル通り上級幹部に対し「女性秘書禁止令」を出しました。

この理由が何ともお粗末で、“女性秘書と不倫関係にある上級幹部が大勢いるとの情報提供を数回受けた”ためだとか。

この対策として「女性秘書を男性の補佐か、魅力が薄れた年配の女性に差し替えるように」と指示をしました。

【魅力が薄れた年配の女性】って、いったいぜんたいどういう事でしょう!

そもそも、上級幹部の指導をせず秘書を交代させる提案をする点で、この禁止令が残念でなりません。

州知事は「こうした幹部らは妻より秘書に優しくしている。秘書には出張の際に買い求めた香水やブランドもののバッグをプレゼントしている一方、妻には何一つ買ってこない」とも発言しています。

知ったこっちゃ無いわ、まったく!

現在、女性秘書を雇っている上級幹部は50人ほどいるようで、この秘書の方々がハビビ氏の言う【魅力が薄れた年配の女性】なのかどうかは分からない。

さらに、昨年ゴロンタロ州政府は不倫抑制策として、月給を妻の銀行口座に送金するよう男性公務員3200人に求めていす。

この方法は、ハビビ氏がゴロンタロ州知事になる前に初代北ゴロンタロ県知事として勤めていた北ゴロンタロ県でも採用されていました。

成果のほどは知りませんが、現在は違う県知事になったため、この方法は取られていません。

 

ただ、こうした不倫騒動は政府の上級幹部に限った話ではありません。

残念ながら、学内でも聞く話しです。

インドネシアおよびゴロンタロ人の大部分はイスラム教を信仰しています。

ご存知の通り、イスラム教は一夫多妻制を認めています。

妻の同意(第二夫人と結婚する前に第一夫人の許可を得る)があれば、宗教裁判所の審査を経て、4人まで妻を持てると法は定めています。

ただ、1つだけ言える事。

それは、ある程度金銭的に余裕がないといけない、ということです。

第一夫人・第二夫人…すべての奥さんにすべてが平等でなければいけないのです。

第一夫人と1時間買い物したら、第二夫人とも1時間買い物をしないといけない。

第一夫人用の家があるなら、第二夫人にも同じ程度の家を建てないといけない。

結納金などの額も同じでないといけない。

しかし最近では、「一夫多妻婚は女性の人権侵害を助長している」と反対する声が勢いを増しつつあるのも現状です。

 

さて、最初の話題に戻ります。

イスラム教では不倫は重罪であり、その刑罰は重く、死刑になることすら少なくないのです。

例えば、コーランには以下のような文章があります。

「姦通した女と男は、それぞれ100回鞭打て。もしあなたがたがアッラーと末日を信じるならば。アッラーの定めに基づき、両人に対し情に負けてはならない。そして一団の信者に、かれらの処刑に立会わせなさい。」

ムスリムなのに不倫…

ゴロンタロ州では95%以上がムスリムなので、ほとんどの上級幹部がイスラム教を信仰していると考えられます。

他の宗教を信仰していたとしても、不倫はやはり道徳に反すると思いますけどね。

ムスリムの場合、この罪の重大さを考えれば、州知事が女性秘書を禁止するほど日常茶飯事に不倫が起きているということは事実のようですね。

今までゴロンタロで生活してきた中で、お酒を飲んだり女性がタバコを吸ったりしているのを見てきた。

もちろん、ムスリムですよ。

しかし、お祈りは欠かさずに行うし豚肉は絶対に食べない。

インドネシアのムスリムは他の地域と事情が全く 異なり「寛容のイスラム」と呼ばれているのもこのあたりの理由からでしょうか。

すごく矛盾を感じるし、自身の中で消化できない宗教に対する考え方・モヤモヤがあります。

が、イスラム教徒であることを辞めた方がいいとまでは思いません。

ただ、この禁止令。

冒頭でも言ったように不倫することが前提の“不倫するから女性秘書を雇わない”ではなく、男女問わず上級幹部者への指導を行うべきだと私は思えてなりません。

2013/08/12

今年は、イスラムの暦「ヒジュラ暦」の1434年に当たります。

ヒジュラ暦9月のラマダンを終え、シャワル(ヒジュラ暦10月)初日がレバラン(イドゥル・フィトリ)になります。

長かったようで短かった断食月、そしてその後の長期休暇が終わりました。

この時間をゴロンタロで過ごすのも、今年ですでに3回目。

ゴロンタロでどのようにこの期間をすごすのかをご紹介したいと思います。

 

まずは、やはり断食から。

朝の3時になると、モスクから大音量で放送が始まります。

“朝だ、起きろ、ご飯を食べろ”

日本にあるコンビニ並みの距離にモスクがあり、一斉にスピーカーで呼びかけます。

睡眠が大好きな私でも起きてしまうくらいの大音量。

寝坊して断食前のご飯を食べ忘れないようにと、親切心で放送しているとか…

ご飯を食べた後は、お祈りをしてまた寝ます(笑)

 

断食期間は就労時間も大変短いです。

10時頃にゆったり出勤し、14時には帰宅します。

出勤している間は気力がなく、ダラ~としています。

仕方ないですね。

この時間帯は外に出ても人通りが少なく、街全体も活気がありません。

 

帰宅後は断食明けの食事の準備をします。

16時すぎになると、各道路に屋台が出現!

お粥やちょっとしたお菓子、飲み物などを売っています。

数時間前とは全く違い、人々の顔に笑顔が戻り人気の屋台前では渋滞が起こるほど、すべてが活き活きしています。

 

断食明けの食事をレストランでする場合には、注意も必要です。

各レストランには人が大勢訪れます。

断食明け30分前では、もう席もありません。

1時間前には席を確保し、注文したいです。

人が増えると、料理が運ばれてくるのが断食終了後になるからです。

 

ご飯が終わると、レバラン用のお買い物に市場やモールへ。

ラマダンが始まると、市内の商店街では道路を完全に封鎖して市場が軒を連ねます。

 

レバラン用に服やカーテン、食べ物など様々な準備を行いますが、ここの市場で買い物をします。

断食終了後から翌日の断食が始まるまで、夜通し市場は開いていて、たくさんの人が訪れます。

 

ずっと、私は疑問だったのですね。

日本なら、季節が変わるごとにセールが開催されます。

しかし、洋服が変わらないインドネシアでいつセールを行うか!

1年中が夏であるインドネシアでは、ラマダン中にセールが行われます。

市場の値段も据え置きですが、品質が劣ります。

ゴロンタロの方は市場で買う物とモールで買う物を分けているとのことでした。

洋服などはモールで買い、伝統的なお菓子や食商品は市場で調達する。

 

断食が終了する3日前からは、ゴロンタロ伝統である“Tumbilotohe(灯りの祭典)”が開催されます。

この祭典については去年もご紹介しました。

数か月前にガソリンの値段が値上げされたので、今年もランプは少なめでした。

しかし、これは想定の範囲内です。

今年は素敵なランプを見るために、田舎を訪れました。

田舎と言っても、街から自転車で30分ほどの場所です。

ランプに灯をともすのは子供たちの役割です。

 

灯りの祭典が終了すると、断食も終了します。

翌日から始まるレバランの買い物に、街中は大渋滞。

ゴロンタロにこんなにもたくさんの車やバイクがあるとは知りませんでした。

いつもは10分で行ける場所も1時間以上の移動時間が必要でした。

 

レバランが始まると、家族や仕事関係者への挨拶周りです。

一人ひとりと握手をして“Mohon Maaf Lahir dan Batin(日頃の過ちをお許し下さい)”と挨拶をします。

最初の年は、ホストファミリーのご家族と会うだけでしたが、知り合いが増えると回る場所も増えます。

今年は大学関係者だけでなく、州知事・各市長・地元の有力者・歴代のゴロンタロ学長宅など、挨拶を交わしました。

 

ゴロンタロではラマダン初日から数えて一週間後に伝統的な祭りが開催されます。

この日が終わるまで連休のようなものです(笑)

 

この期間・時間をゴロンタロで過ごすことが出来、私は非常に嬉しかったです。

ゴロンタロの伝統やイスラム教における重要な時間をシェアすることが出来たからです。

 

しかし、余韻に浸ってはいられません。

愛媛大学から先生・生徒さんが訪問予定です。

今年は今までにないくらいの長期滞在+大所帯です。

出来る限りの準備をして、お迎えしたいと思います。

2013/03/22

私には半年間ほど答えを出せていない質問がある。

 

これは9月下旬の話。

私は1年生の授業も持っていた。

授業の始まるつい数週間前までは高校生で、9月上旬に入学した新入生だ。

確か第2回目の授業の時。

“この岩石は何からできているでしょう?”

この質問に対して“鉱物”とか“石は石から”とか“マグマだよ”などこういう答えを想像した。

そして、実際このように答えた生徒が1人を除いて全員だった。

この1人の生徒は“神が創った”と誰よりも最初に答えたのだ。

当然、日本から来た言葉もろくに喋れない私を困らせようとしての発言ではない。

この学生は本当にそうだと思って答えたのである。

 

しかし私は、この答えを聞いて固まってしまったのだ。

しかも、“もう一度言って下さい”と聞き返してしまったのである。

この時の私の表情は自身では分からないが、きっと困惑を隠せていなかったと思う。

私の気持ちを汲み取ってか、他の学生が“そういう答えじゃないって”と言ってその学生に訂正を求めたのだ。

 

この学生の答えははたして“正解”なのか“不正解”なのか。

この瞬間から私の頭の中で“科学と宗教”について考え始めた。

こうやって文字にして並列することにさえ、正直抵抗がある。

科学を先に書くことで、優劣をつけているような気にさえなってしまうのである。

“あいうえお順”という勝手な理由をつけて、自身を納得させているのである。

 

“そういう答えじゃないって”と発言した生徒には“科学と宗教”の区別がついているのであろうか。

これは私の想像でしかないが、科学とはこういうもの・宗教とはこういうもの、という答えを持っていないと思う。

でも、両者の領分というかすみ分けは出来ていると思う。

ただ、それを言葉に置き換えて表現できるかどうか。

なぜなら、私はハッキリとした言葉による答えが欲しいからだ。

答えを探し始めてからと言うもの、様々な人から話を聞いた。

同僚や生徒、友人、ホストファミリー。

しかし、私が“なるほど”と思える答えは返ってこない。

もちろん言葉の壁もある。

だが私が“なるほど”と思えない最大の理由は、“宗教”について私自身が理解していないためである。

理解していないと言うより、理解できない、と言った方が正しいかもしれない。

宗教が日常でない分、少しでも解答にたどり着けるように努力するのみである。

 

新しい学期が始まってしまっているのに、答えが出せていない自分が腹立たしい。

理解できないからと言って放置はしない。

出来る限りの努力をしないといけない。

私がゴロンタロの人々に対して抱いている感情を整理する上でも大切な過程なのだ。

なので、私は日本滞在中に様々な本を読み、この質問に対する答えを求めた。

未だに“解答”がないので、今回のタイトルを“その1”とした。

2012/08/23

長かった一ケ月のラマダン。

去る、18日に無事ラマダンが終了しました。

ラマダンが終了すると、19日からレバランに入ります。

このレバランは日本で言うところの正月とお盆が一緒になった!くらいのお祭り騒ぎです。

 

さて、最近ネットの回線がいいのか。

はたまた私がやっと覚えたからかは定かではありませんが…

写真をアップできるようになったので、写真と共にレバランの様子をお伝えしたいと思います。

 

今年のラマダン終了直後にインドネシアの独立記念日(17日)もあり、この日から休日に入りました。

この休日に入ると、レストランやその他のお店も閉まりますので、すべての用事をこの日までに終わらせないといけません。

レバランに向けての買い物やお金(新札)の準備です。

家中のカーテンやテーブルクロスなどを新調したり、レバランに向けての食糧(訪問者に出すお菓子や飲み物)を買います。

また、レバランの第一日目は家族に挨拶周りです。

その際に着る洋服も新調します。

 

さて、レバラン当日。

朝早くからたくさんの方の訪問があります。

と言ってももちろん私に会いに来るのではなく、ホストファミリーに会いに来るのですが(笑)

この際に先ほど準備したお菓子と飲み物の出番です。

さて、挨拶も目的の1つですが、真の目的は別にあります。

少し言葉は悪いですが、お金をもらうためです。

お金がある人がない人にお金を渡すという訓えがあるのです。

子供だけではなく、すべての人に渡します。

子供には日本で言うところお年玉的な意味もあります。

 

さて、訪問者の流れが一段落すると次は私たちが親戚の家に向かいます。

レバラン第一日目は出会う人すべてと握手します。

これは“昨年のお互いの罪を許します”という意味が込められています。

昨年の罪か…

先生からの電話を数回無視したこととか、自炊を怠ったこととかでしょうか(笑)

 

さて、家族の家に行くと綺麗な衣装でホストファミリーの親族の方たちが待っていました。

家族や親族で新年の衣装を統一しています。

去年はお揃いの色・デザインでしたが、今年はデザインを統一し家族で色違いにしていたようです。

にしても、美しいっ!

私として嬉しかったのは、私が日本からのお土産としてお渡ししたアクセサリーをこの日に使っていただいたことです。

ピアスやブレスレッドなど、この日に使うために今まで置いていた、ということでした。

ホストファミリーのママは私からのお土産のメガネをこの日のために調整していました。

※フレームだけをお渡ししたので(笑)

そして、ご家族に挨拶をして、記念撮影をします。

にしても・・・

家族が多すぎます。

正直、1年以上たった今も名前を覚えきれずにいます(笑)

そして、この写真に入れなかった家族も半分くらい外にいました。

日本で家族写真と言ったら、両親・子供・そして祖父母という程度でないでしょうか。

しかし、やっぱり大家族はいいですね!

この写真を撮りながら、日本の核家族について思いを巡らせたりもしました。

そして、私が最後に撮った家族写真はいつかな~

なんて、少しセンチな気分になったのはここだけの話です。

 

さて、家族構成を今年は覚えようと、様々な質問をします。

あの方は誰のご主人ですか?

誰と誰がご兄弟ですか?

などなど、今更です(笑)

その中で、大変興味を引く表現がありました。

“何人兄弟ですか?”と言う質問に対する回答です。

兄弟はいないと思っていた人から“5人兄弟だ”と返事があったのです。

よくよく聞くと“いとこ”だということが判明。

日本であれば、兄弟とは純粋に兄弟であっていとこは含めませんよね。

どんなに仲が良くても、兄弟の人数に含めることは稀だと思っていました。

しかしこちらでは、家族・親戚の家が大変近いという条件を差し置いても、“いとこ=兄弟”のようです。

ほぉ~、とまた違う感覚を学んだ私でありました。

 

家族・親族への挨拶を終えた後、夜からは挨拶回り第二段です。

ゴロンタロ大学学長・副学長・学部長など、そうそうたる方々のご自宅へ挨拶に伺います。

それぞれの方の家は、それはもう大きくて驚きの連続でした。

ホストファミリーの家も大きいな、と思っていましたが、上には上がいるのです。

 

初日だけで、何人の方と握手したでしょうか。

そして、これが数日間続くのです。

最後にホントファミリーの家族写真を。

2012/08/16

ラマダンも折り返しに入った頃、フィールドワークに行ってきました。

先月からゴロンタロ中の様々な鉱山に行っています。

場所によって鉱山の規模やそこまでの交通手段が変わります。

今回の鉱山は今まで行った中で1番の規模で内心テンションが上がっていたのは、ここだけの話です。

 

そもそもなぜ鉱山ばっかり?

ここで、タイトルにある“医療地質学”との関係が出てきます。

“地学”や“地質”と聞くと何を、そしてどんな分野を想像しますか?

“地球”“石”“地震”“火山”など漠然とした単語・イメージをお持ちの方も、“構造地質学”“記載岩石学”など少し難しい内容でお答えになる方もいらっしゃると思います。

地質に限らずどんな学問にも共通して言えることだと思いますが、学問は単成分ではないと思います。

私の専門の火山学も火山や火山灰だけ研究すればいいというものではありません。

岩石学・結晶学など以外に、化学の知識や全く予定外(笑)の物理(例えば流体力学など)の知識など、さまざまな知識が合わさっていると思います。

さてここで“医療地質学”です。

医療と地質は、あまり縁がなさそうですが…改めて考えてみて下さい。

私たちは、長い間、特定の地質や土壌の上で生活してきました。

井戸水を飲み、その周辺でとれた作物や魚介、肉類等を食べてきました。

これらの水や土壌、食物の中には、その地域の特徴を反映したミネラルや様々な化合物を含んでいて、環境媒体内の含有成分と生物内の化学組成とは高い相関を持っています。

すごく極端な言い方をすると、人間の体や遺伝情報などは食物だけでなく、地圏環境情報に強く依存するということになります。

このような地質に深く関わる金属元素や無機・有機化合物の情報をもとに、健康や医療、公害のような社会的な課題について科学的な検討を行うのが医療地質(Medical Geology)の研究領域なのです。

 

日本国内では深刻な公害問題は少なくなっています。

しかし一方で、途上国や経済発展の著しい国々では、依然として土壌・水質汚染による深刻な環境・健康問題が山積しています。

少し例を挙げます。

バングラディッシュやパキスタンでは、ヒ素やふっ素による飲料水汚染が深刻で、何万人という市民が皮膚がんや内臓疾患により亡くなっています。

作物中のカドミウム濃度が高い汚染米の問題も知られています。

これとは逆に、土壌中のセレンが極端に少ないセレン欠乏症のような医療問題も報告されています。

 

話を戻します。

私がフィールドの場所に選んでいる鉱山は、ほとんどが違法鉱山です。

ほとんどの鉱山で、金や銀・銅などを精錬しています。

これらの鉱山・精錬所では、精錬中に使用した水を薄めることなく川に直接流しています。

この精錬中に使用している物質が“水銀”なのです。

鉱山で働いている人やその家族は、この水が混ざった川にいる魚を食べたり、稲作に使用したりしています。

これらの水が井戸水にも混合している可能性もあります。

さらに、汚染は広がります。

大抵の鉱山は山の奥深くにあります。

したがって、川の上流で汚染された水は、中流・下流とその周囲の鉱山とは直接関係のない住民にも被害が広がります。

 

私が実際に鉱山に行って、“水銀使用を中止してください”とか“水の処分について考えて下さい”と言うことはありません。

実際のところ、本人たちも環境や人体に影響が出ることを知っているのです。

なぜならば、どこの鉱山の方も“ミナマタビョウ”について知っていたからです。

私たちが出来ることは、鉱山周辺の土壌や水・植物を採取して分析することです。

さらには、人毛(髪の毛)も採取します。

このフィールドには、医師にも同行していただいています。

さまざまな問診をしていただき、髪の毛の分析結果と合わせて症状を考えていきます。

 

少し、固い話が続いてしまいました。

こんなフィールドですが、サブタイトルにあるように絶賛ラマダン中の調査です。

私は、出来る限り断食をしようと心に誓って出発しました。

しかしフタを開けてみると、キリスト教だったり生理中だったり…という具合でした。

唯一、男子学生(手伝いとして同行)が断食を行うという状況でした。

さらには、重労働をする場合などは断食が免除されるので、鉱山で働いているほとんどの方は断食を行っていませんでした。

と言うことで、私の不安は必要のないものに終わり、男子学生には申し訳なかったが、昼食を摂ったり水分補給したりしました。

この学生は1日目こそ断食をしていましたが、2日目に行った鉱山のあまりの過酷さにとうとう断念してしまいました。

2012/07/27

さて、ラマダンが始まって1週間が経とうとしています。
ラマダン開始の日にちは宗派みたいなものの違いで、少しずつ変わっているようでした。
20日~22日の間に始まりましたが、大半の方は21日の早朝から開始です。
今週はラマダンが開始して仕事も再開。
皆さん、開始直後とあって魚が死んだような目で過ごしています。
毎年やっているはずなのに、開始数日は皆きついんだな~と思ってみたりして。
やはり、日中水分補給できないのはつらいですな~

仕事再開と言ってもかなり短縮勤務です。
早い時は16時頃には帰宅しています。
なぜかと言うと、家に帰って断食明けの食事の用意をしなくてはいけないからです。
きついと言う理由もあると思いますが(笑)
本来は14時頃になると帰宅可能らしいです!

断食中の1日の過ごし方です。
もちろん日が昇る前に起床します。
お祈りと食事です。
時間で言うと朝の3時。
朝?夜中??
そしてまた寝ます。
それから、学校に行ったり仕事をこなして帰宅。
日没後にお祈りして食事。
断食明けの食事はお粥のようなものを食べます。
胃に優しい!
そして、時間があるたびに少しずついろいろ食べます。
夜中も(笑)
やはり、日没後しか口にできないので、1日分のご飯を食べます。

断食中は体重減るでしょ?
この質問はよくいただきます。
しかーーーーーーーーーし!
実は太ります。
理由は上記のように夜にたくさん食べて、すぐに寝るからですね。
なので、一切ダイエットになりません。
日中は極力体力を消耗しないように過ごすので、体も動かしません。

さて、こんなラマダン中にフィールド(野外調査)が入りました。
日曜日から泊りがけです。
何も口に出来ないのに、フィールドなんて!
先生方や生徒さんは嫌がってしまい、メンバーも集まりません(笑)
昨年のラマダン期間に、フィールドはなかったので自身初挑戦となります。
どうなるか、正直不安です…

2012/07/19

さて、明日(20日)からラマダンが始まります。
ラマダンと聞いて“断食”と思う方が多いと思いますが、これは少し間違いです。
ラマダンとはイスラム歴第9月のことをさします。
日本で言うところの、師走とか皐月に当たる感じですかね…
ちょっと、違うか!
まぁ、そんなことは置いといて…

少し、ラマダンについて説明します。
ラマダンとは上記したようにイスラム歴第9月の月の名前です。
つまりは、イスラム教あってこそのラマダンです。
具体的にどのようなことを行う・または行ってはいけないかについて書いていきたいと思います。

ラマダンって食べちゃいけないんでしょ?
大抵の友人はこの様に言います。
これは半分正解ですが、半分は不正解です。
日の出から日没まで断食です。
つまり、日没後から次の日の日の出までは飲食可能です。
この間に1日分の食事を摂ります。
ちなみに、唾液を飲み込むは禁止されていません。
※ストイックな方は唾液を飲み込むことにすらしません。

ただし、断食と言ってもある程度柔軟性もあります。
例えば、妊婦・病人・乳幼児・重労働者などは断食を免除されます。
また、女性の場合ですが、生理中も免除になります。
こういった理由でラマダンの時期に断食が出来なかった人は“振り替え断食”を行います。
次のラマダン開始までに、自分が断食できなかった分を行います。
ただ、『そう言えば今日は1日何も口にしなかったから振り替えにしよ~とっ』と言う軽いノリでは振り返れません(笑)
必ず、今日断食を行います宣言(礼拝)が必要となります。
また、断食中にうっかり飲み食いしても断食は無効になりません。
今、うっかり八兵衛がイスラム教だったら…と変な妄想をしてしまいました(笑)
あれだけ旅をしているから、断食は免除対象者なんではないか…とか!

さて、そもそも断食の目的です。
一言で言うと、宗教的な試練として課される、と言うことです。
また、食べ物・飲み物に対するありがたみを感じると言った意味合いも含まれています。

断食以外にも、禁止されている行為があります。
これも、時間は日の出から日没まで禁止です。
喫煙・性行為・故意に物を吐く・暴言を言うなどです。

実は今年のラマダンは2回目なんです。
断食は他宗教の人には、もちろん強制しません。
しかし、イスラム教90%のゴロンタロではやらないといけないのです。
なぜならば、ラマダンが開始すると生活リズムが劇的に変化するからです。
レストランは夜以降しか開かないです。
屋台などは早朝と夜。
娯楽施設の営業時間も変わります。
カラオケやジムなどは夜だけの営業です。

何が1番辛いかと言うと、水を飲めない事です。
食事はいい。
でも、30℃以上の冷房がない事務所では水分補給が出来ない事が1番辛いです。
生理中やイスラム教ではない先生は隠れて、食べたり飲んだりしています。
他の先生方に“飲んでもいいんだよ”と言われます。
しかし、私にはできないのです。
えぇ、少し意地になっている部分は否めませんが(笑)
先生や生徒さんの前で、食事を摂るなんて…めっそうもない。

こんなラマダンを見越して、私は先月インドネシアに到着してから断食の練習をしていたのであります。
ふふふ。
どうしてもお腹がすいた時や水を飲みたい時のために、部屋に浄水器を購入。
お湯も沸かせるので、インスタントを食べることが出来ます。
とうとう、私の練習の成果を見せる時が来ました!
さぁ、来い、ラマダン!

※他宗教の人には強制しない、と書きましたが、イスラム教圏内へラマダン期間に渡航する場合は、通常よりも周囲に対する配慮が必要だと思われます。
日中の飲食・喫煙などは、出来るだけ避け、どうしてもの場合には自身の部屋や人目につかない場所で行う事を強くお勧めします。
また、服装についても、女性の場合は出来るだけ露出の少ない恰好で出歩くようにしていただきたいです。

2012/07/06

日本は節電の夏ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
こちらでは、節電と言う言葉を聞いたことがないですし、クーラーの設定温度は17℃です。
ですが、外が暑いせいか全く効かない冷房にうんざりしています。

さて、今日は私の“覚書”の意味も込めて書かせて下さい。
タイトルで分かっていただけるようにトイレの話です。
お食事中の方、申し訳ありません。
そして、若干の想像力を持ってお付き合い下さい。

トイレと言うと、生活の中で切っても切り離せない大切な場所です。
私が初めて海外に出たのは12歳の頃。
旅先は中国でした。
訪れた先は上海や西安などの大きな都市ばかりです。
しかし、日本のトイレとの違いに大変驚いたのを今でも覚えています。
現在はどうか分かりませんが、トイレのドアの下20cmほどが開いていた記憶があります。
開いていたと言うより、ドアがない状態です。
見えちゃうじゃんっ!
想像していただけますでしょうか?
それから、様々な国に行きましたが、トイレ事情で日本に勝っている国はないという印象・考えは変わっていません。

さて、現在私はインドネシアの辺鄙な田舎にいるわけです。
ゴロンタロの方は90%以上がイスラム教です。
イスラム教ではトイレ後、体を水で洗って清めるという習慣があります。
さらに、イスラム教と言えば、不浄の手とも言われる左手。
トイレ後は桶で水をすくい左手で洗い流すため、このように呼ばれています。
つまり、トイレットペーパーを使用しないのです。
こちらに来た当初はトイレットペーパーなしのトイレ使用に挑戦したこともありました。
詳しい方法などを人に聞くことも出来なかったので、全くの“自己流”ではあったと思いますが…なかなか難しいのです!

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さて、ここでインドネシアの一般的なトイレについてご紹介しましょう。
回線がよかったら、写真をアップ出来るのですが…
想像力を一緒に鍛えましょう(笑)

事務所や一般家庭は、和式が多いです。
床はすべてタイル貼りになっていて、なぜか白色が多いです。
便器とともに目に付くものは、大きなタンク(ポリバケツ)と桶です。
ポリバケツには、常に水が入れてあります。
そして、流す際には桶を使って便器にジャバジャバと水を流していきます。

疑問その①
桶を右手で持つんだったら、ポリバケツを便器の右側に置けばいいのに…
たいていの場合は便器に向かって左側に設置。
これは蛇口との関係もあるが、元から考えて設計すればいいはず。

新しい建物やシャレオツなレストランは洋式です。
ちなみに、私の家(ホームステイ先)の私専用のトイレも洋式です。
こちらもなぜか、白いタイルが多いです。
この場合は、上記のようにポリバケツと桶が置いてある場合もありますが、ごく僅かです。
このような洋式のトイレの場合には、便器の横(これは右側)にホースのようなものがついています。
原始的なウォシュレットのような構造です。
このホースを用いて、汚れを洗い流します。
そして使用後は、ボタンで流すことが可能です。
おぉ~!

和式・洋式ともに、終了後は便器を洗います。
なぜ、タイル貼りなのか。
便器を洗うということは、床も濡れるからです。
ですが、この濡れた便器や床を拭くことはありません。
これは、便器を綺麗にしました、私は洗いました、的な証明なのです。
洋式の場合は便器のフタを上げておくことも大切なようです。

疑問その②
洋式でも和式でも、濡れたおしりをどうするんだぁ~!
洋式なんて、最初から濡れてるし…
時々、トイレから出てくる人のおしりを観察している(変な意味ではないですよ)が、濡れてるじゃないのっ。
まぁ、すぐ乾くみたいなんですけど…

さて、洋式でも和式でも、トイレットペーパーを流すことは出来ません。
観光地や空港だと、どちらの様式にしても必ずトイレットペーパーを捨てるためのゴミ箱が便器の横に設置してあります。
しかし、ゴロンタロでゴミ箱を見たことがないのです。
あったとしても、トイレの外側なのです。

疑問③
トイレの外側にあるゴミ箱に使用済みのトイレットペーパー(ティッシュ)を捨てていいのか。
捨てていいなら…どうやってぇ?
ゴミ箱を中に持って入っるか、それとも…?
そもそも、ゴミ箱がない場合はどうしたらいいのか?

いくつかの私の心の叫び(?)と合わせて紹介しました。
このようなトイレ事情になっています。
想像していただけましたでしょうか?

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私が現在お世話になっているこの家(ホームステイ先)を決めた1番大きな理由。
それは、トイレが洋式だったからです。
さらには、トイレットペーパーも流していいと!
おぉ~いぇいぃ~

さらに、お手伝いさんもいます。
彼女が私のトイレも含めた部屋など、すべて掃除してくれます。
自分でしますと言っても、ホストファミリーから怒られるようでさせてもらえません。
ありがとうございますっ!

掃除してもらうのは非常にありがたいです。
はい。
ですが、毎回トイレットペーパー全体が濡れているのです。
トイレットペーパーホルダーはありますが、どのトイレットペーパーで試してもサイズが合わないのです。
なので、私はトイレットペーパーをいつも洗面台の上に置いています。
どうやら、洗面台を掃除しそのままトイレットペーパーを置いているようなのです。
中盤に書いたように、濡れている=きれいにした、の証拠なのです。

疑問④
どうして、トイレットペーパーホルダーにトイレットペーパーを取り付けれないのかっ!
サイズ考えて作ろうよ…
んでさ~、紙は濡れたら使えないんだよ?

それから、掃除をしそうな週末になるとトイレットペーパーをトイレに置かないように心掛けていました。
忘れることもあり、たびたびダメにしてしまったのですが(笑)
ですが今朝(平日)、掃除をしてもらったみたいで…
さらには、残りが少なかったので新しいトイレットペーパーも置いていて…
予備を買う前だったので、最後のやつで…
朝から少しだけ泣きそうになりました…
これからは、トイレにトイレットペーパーを置かない(不便で仕方ないけど…)ように、毎回部屋に持ち帰りたいと思います。
私のトイレへの決意に付き合っていただき、ありがとうございました。