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2008/12/29

12月25日、
シンガポールでは、クリスマスは国民の祝日である。

朝、モスクからいつも流れるコーランの音に加えて、
近所のキリスト教会が、めちゃくちゃに祝福の鐘を鳴らしまくる。
道行くインド系の女の子も、いつもより更に鮮やかな、
真紅やショッキングピンクのサリーを身にまとっている。
朝ご飯を中華系の屋台で食べたら、
いつも無愛想なおばちゃんがお釣りと一緒に
「メリークリスマス」とぶっきらぼうに言ってくれた。

とにもかくにも、祝日なのである。

本日はまた、先輩に遊んでいただくことになった。
行き先は、シンガポール近郊のリゾートアイランド・セントーサ島!
小規模ながら、ビーチ・アトラクション・水族館など、
祝日を過ごすにはぴったりの観光スポットである。
シンガポールに来て、初めてのまともな観光!

「いやー、先輩がいなかったら部屋で寂しく体育座りしてるとこでしたよー」
「駐在員の知り合いがいると便利でしょ」。

ええ、たしかに、とってもお世話になりました。
そして気がつけば、職までお世話になりそうです。

「このアジア株価全面安の時代に、人生最初の転職活動を
異国で始めるなんて、相変わらずサチコは面白いねー。
英会話できないくせに」
「いや、そもそもそんなつもりで来たわけじゃないし!
今回の件は、先輩経由のご縁じゃないですか。」
「でもさ、面白いだろ。ワクワクするだろ、新しい可能性だろ」
「・・・はい。」

そうなのだ。ワクワクしてしまっているのである。
そして、企業側に真剣に時間をとっていただいた以上、
当たり前だが真剣に考えなければならない。

自分は何のために、働いてるんだっけ。
これから何を身に着けて、将来的には何を実現させたいんだっけ。
何を武器にサバイブしていくつもりだったんだっけ。
頭の中はそんな自問自答でいっぱいだが、
まずはキャリア以外の相談を先輩に投げかける。

「でもこっちで働き出したら、ますます結婚できない気がするんですけど。
大問題ですよ!」
「案ずるな。おまえの場合、仕事変えない限り日本にいても変わらないでしょ」
「なんですと!?」
「それにさー、結婚は別にいつでもできるじゃーん」
「いや、日本では今、アラサーとかアラフォーとかいうのが流行っててですねえ・・・。」
「メディアがつくりだす世論なんて気にするな。メディアは自身の購買層にとって
居心地の良いように世相を切り取って表現しているに過ぎない。」
「むう・・・」
「ま、都合よく世論に甘えるなって事ですよ。すべては、UP TO YOU」

“UP TO YOU” 「キミ次第だよ」 

企業での面談の終わりにも言われた。
すべてはキミ次第。キミ自身で、まずはたくさん考えなさい、

25歳の12月25日 気温は約30度。
目の前に広がるビーチ、シンガポールの海には沢山の貨物船が浮かんでおり
小さな子供たちは水着姿で波と戯れている。
あちこちで流れるマライヤキャリーのクリスマスソング、
結露いっぱいのビール缶、先輩のサングラス

「いやあ、すっかりクリスマスですね」
「ま、見た感じはどう見ても夏休みだけどな。」

のんびりビーチリゾートで寝そべって、水族館をぶらぶらして、
夕方には、シンガポールの銀座、オーチャードロードへ。
街は煌びやかに飾り付けられていて、気温が高い事を除けば
クリスマスムード一色だった。
レストランでのディナーにホテルの最上階でカクテル。
チープな屋台飯から、最高級のサービスまで、
シンガポールには、何でもある。
「シンガポール、綺麗な街だろ。最高だろ。東京、離れる気になった?」
「・・・わかりません。」

まだまだ全然わかりません。
そして、考えるべき事が多すぎます
ごちゃごちゃした頭を抱えながらも
ラグジュアリーに過ごしたクリスマス

まあ、帰り着いたのはもちろんいつもの安宿で、今日の宿の主人のコメントは
「おー、女の子らしく着飾る事も出来るんじゃないかー」
お褒めいただき恐縮です。
そんなこんなで、シンガポール滞在も今日が最後。

しかし、ノースウエスト航空利用者の宿命、
明日の飛行機は朝の6時発。
宿を出るのは朝の3時半頃だろうか
宿の主人にからかわれる事もなく出発するのは
少し寂しい気がした。

2008/12/23

今日お邪魔したのは、シンガポールの丸の内「シェントン・ウェイ」に
立ち並ぶ高層ビルの一角にあるオフィス。

朝、宿の主人は、いつもTシャツでウロウロしている私が
突然スーツで出かけようとしているので
「どうしたんだ!?ジャパニ、仕事で来てたのか?」と
大袈裟に驚いてくれた。

いいえ、違います。私は休暇のためにシンガポールを訪れています。
という教科書に載っていそうな英文が頭に浮かんだが
説明が面倒なので、笑ってごまかす。

シンガポールの他のエリアと比較すると
ビジネスライクな雰囲気が漂うシェントン・ウェイ。
(とはいえ、丸の内やウォールストリートの雰囲気と
比べるとラフな気がするが・・)
まるで日本で顧客先のところに行く時のような気分で
オフィスを探し、たどり着いたビルでは掃除のおばちゃんに
「あなた汗かいてるからジャケットはおるの止めとけば?」などと
アドバイスをいただきつつも、先方の受付にたどり着く。

迎えてくださったのは、シンガポール人のマネージャークラス。
「OH! NICE  TO MEET YOU」
中学1年でこのセンテンスを学んで以来、ほぼ初めて
まともに使った気がする。

私は、基本的には英語ができない。
旅行者としてアジアをウロウロするために
屋台や安宿での交渉ゴトに使う英会話はできるが
ビジネスでの使用経験など微塵もないのだ。
しかし、不思議な事に・・・今回は相手が話す内容がわかるのだった。
つまりは、同じ業界である以上、相手が話す内容が
ある程度予想できるからだと思うのだが、
アポイントは、意外とスムーズに展開した。

景気後退の影響はシンガポールも同じだという事、
顧客の規模によって、最近要求されるサービスレベルの違いは
日本もシンガポールもとても似ているという事、
同じ業界ではあるが、一人の社員が担当する事業領域が
日本よりもシンガポールの方が広い事、などなど。

ただし、最後に驚きの展開が。
「で、キミはいつから働けるんだ?」
「!?」

つまり、今回のアポイントは情報共有ではなく
いわゆる面接、だったのである。
驚きの展開!でも良く考えたら、マネージャークラスが
観光客にアポくれるなんて、確かにフツーありえないよな。。と思いつつ、
しみじみと話を聞いたのでした。

今後の人生をより豊かに生きるために。。
どんな人生プランがありうるのか、
屋台で氷をつつきながら、呆然と考える
シンガポールの昼下がりでございます。

2008/12/22

シンガポールに来て6日がたった。

シンガポールはアジアでも屈指の経済成長率を誇る発展国で
公共マナーにも厳しい国として有名である。
そのため、街中は大変綺麗に保たれており、
都心には高層ビルが立ち並ぶ大都会、というのが一般的なイメージ。

しかし、私はインドエリアとアラブエリアの間あたりに滞在しており
毎日このエリアから出ないで暮らしているので、
大都市シンガポールの実感はあまりない。
インド系のおじ様方が道端に広げられた屋台のテーブルを囲んで
昼間からビール片手に盛り上がっていたり
中国寺院とモスクとヒンドゥー寺院と教会が同じようなエリアに
集まってる東南アジア色豊かな地域だ。

しかし問題は、ここ1週間ほど通っている英会話の先生に、毎日
「昨日は何したの?明日はどこに行く予定なの?」と聞かれる事だ。
そのたびにいつも
「図書館でちょこっと勉強して、カフェで本読んで、屋台でご飯食べて、
スーパーで水買って帰った」とつまらない回答しかしないので
「なんのためにシンガポールに来たの!?もっと観光客らしくして!」と
怒られる。で、それに対して
「忙しいのはTOKYOでたくさんしたからいいのっ」と
答える繰り返し。

しかし、週末は英会話のネタ作りもかねて活発に活動した。
こっちに駐在している大学の頃の先輩の家にお邪魔したのだ。
最初は、先輩と、家の近くのジャスコ(イオン帝国)に遊びにいって
日本とほぼ同じ造りの店内をブラブラした。

ジャスコにはゲーセンもある。
そこではイスラム教徒のスカーフをかぶったマレー人のお母さんが
機関車トーマスに子供を乗せていたりする。
トーマスは日本語で「また遊びに来てね!」と呼びかけいた。

ゲーセンの対戦ゲームで熱戦を繰り広げる等、日本の休日ゴッコを楽しんだ後、
先輩の上司と先輩、そしてなぜか中華系の現地コーディネーターと
突然ゴルフに行く事に!

わたくし、サラリーマンでありながら、お恥ずかしい事に、ゴルフは初めて。
初めてお会いする先輩の上司とコーディネーターに指導を
受けつつも、遠くに見える海に向かって打ちっぱなした。
難しいけど、ボールが飛んでいくのは気持ちいいっ。
でも、ここのゴルフ場では、プレイ中に近所のモスクからコーランが流れていた。
お祈りの時間なのでしょう。
(ちなみにこのコーランは朝の6時ちょい前にも街中に鳴り響く)

さて、気持ちのいい汗をかいた後はお決まりのビール!
しかし先輩も上司も日本食レストランにばかりいっているそうで、
この日も日本食レストランで「菜の花のわさび和え」などをいただく。
南の国でこれを食べる事になるとは。。
最近カレーやチキンライスばかり食べていたので妙に新鮮だった。

そして話題はビジネスについて。
以下、途中から脱線を続ける先輩と上司の会話
「最近あの商材が売れなくなったよなー」
「不景気ですからねー」
「最近、体脂肪減らないんだよねー」
「あははー。不景気だからですよー」
「・・・」
結局この日は、その後、上司の方のお家にお邪魔して
みんなで「WII FIT」に興じることに。
最後には日本酒片手に3人でYOGA。
体脂肪が減った事を祈るばかりだ。

さて、帰り道
「さちこはこっちで毎日ヒマそうだね☆」と悪気のある先輩。
「う。。皆様が年末で忙しいところすいません」
「さちこと同じ業界の会社で働いてる知り合いがいるんだけど
会ってみる?今、シンガポールは2010年プロジェクトが動いてて
さちこたちの業界はけっこう活況っぽいよ。」
「面白そうっすね!ぜひ連絡先教えてください!」
言ってしまった・・。つい、食いついてしまった・・・。休暇なのに。。。

翌日、早速メールをしてみると、即、先方からレスポンスがあり
アポが取れてしまった。
そのうえ、なんと先輩の友達は休暇中のため、
なぜかそのボスが会ってくれるのだという。
「情報共有」という名目なのだが、シンガポール人のその上司と会って、
私は英語で何を話せばいいのでしょうか!?

結局、今日はアポの原稿づくりに終始し、
取り急ぎスーツ一式と靴とバックを購入。
(休暇なのでTシャツとGパンしか持っていないため・・)
占めて1万円くらい。でも、何のための出費なのか
我ながら謎は深まるばかりなり。。。
アポの内容はまた改めてご報告いたします。

2008/12/17

いつもの水曜日、それは無理やりに組み立てたスケジュールを
自分つっこみしながらこなす一日である。

お客様、社内のPRJメンバーとそれぞれ約束しているMTGが
いくつもあり、特にお客様とのMTGには絶対に遅れられないため、
社内の廊下から地下鉄丸の内線構内を走りぬける。
25にもなって、書類片手に全力疾走である。
恥ずかしい以外の何者でもない。

しかし、今日は・・・そんな水曜日にも関わらず
朝から呑気にオープンカフェでカキ氷!

そう、突然休暇が取れたのである。
まあ、会社員の休暇なんてのは、いろいろなパワーバランスによって
決められるわけで、私の場合も、今回の年末休暇が正式に決まったのは
今週月曜日。翌日から、1週間休み。
「希望としては、もう何もしたくない・・」

そこで、カードで貯めていたマイルで航空券を即押さえ、
火曜の夜にはシンガポールへ。
友人からの忘年会等のお誘いには「これから海外へ!」と言い辛く
「ちょっと最近バタバタしてて。。」とメールしたものの
バタバタというか、まあ、実際は、師走の最中に日本から逃亡したわけです。

早朝&夜中発着を得意とする(?)ノースウエストを使ったので
夜中の0時30分に現地着。
うっかり出国ゲートを出てしまったので、
利用するはずだったトランジットホテルに泊まれず
自分の格安旅行人生で初めて
「空港にあるホテル予約センター」を利用してしまった!
数年前に同じ飛行機で来た時には絶対に近づかないようにしていたのに。。。
(予約できるホテルが高いから)

しかし今回はレセプションの空気も読まずに
「安宿プリーズ」と問い合わせてみた。
が、さすが品行方正なシンガポール、
「空港に近い安宿は歓楽街に近いから女の子は心配です」と
大変真面目な表情でご意見いただく。
そこで「いえいえ、私はしばしば酔いつぶれた女友達と
歌舞伎町のホテルに滞在します」という英文を口にしかかったが、
やはりそれよりも自分が完全なる女の子扱いを受けている事に感動し、
ついつい勧められたちゃんとしたホテルを予約してしまった。

旅に出る度に思うのだけれど、本気でお金がなかった学生時代と比べて
社会人の判断は、圧倒的に甘い。

夜中1時くらいにタクシーで市内に向かう。
広い道路が延びていて、街は眠りについていて、
オレンジ色の街灯だけが夜を彩る。
東京でもこうして毎日のようにタクシーに乗ってたな、と思った。
疲れて、スーツで、やさぐれて。

学生時代の突発的な旅と比べて、今回は何が見えるだろうかと、思う。
シンガポールは学生時代も含め、なんだかんだと良く立ち寄る街で
私にとっては名古屋と同じ位になじみがある。
観光含め、何もしないでもボーっと滞在するには、最適の場所と思えた。

しかし!
突発的に飛行機および2日目からの安宿を手配したのはいいものの
今月は、、、クリスマスがあるではないか!
お一人様OLのクリスマス@南の島!?
何もしたくなくて逃亡してきたシンガポールで
いったいどんなクリスマスを迎える事となるのか。。。