Home > ジャグリングイベント情報

2014/08/13

国際ジャグリング協会(IJA)主催のサマーフェスティバル内、
チャンピオンシップと言われる、ジャグリングの技術を競い合う競技があります。

この大会において、今年は
1位にひろたくん、こと林広太(はやし こうた)くんが。
2位に望月ゆうさくさん
と、ワン・ツーフィニッシュをするという快挙を成し遂げました。

うーん、素晴らしい。

優勝したひろた君の演技はyoutubeに早速アップされていました。

彼は、3ボール中心のスタイルが得意なジャグラー。
3ボールというのは、数が少ないだけに一番「できることが多い」ジャグリングで、
基本的には両手に持っている球が1つずつ、空中に浮いている球が1つ、なので「簡単」に思えるのですが、
それだけに、やりようによってはいくらでも複雑にできたり、難しい技ができるので、ボールジャグリングの中でも独特なカテゴリーです。

1曲目、まったくドロップをしないで3分間! しかも、えぐい技を決め続ける!!

これがしっかりと下支えになって、2曲目のはっぱ隊の”YATTA!”につながっているわけですね。
2曲目は、元気のある演技でして、勢いのまま最後まで突っ切った感じです。
技の数なんかは1曲目の方が多かったりしそうですけど、2曲目になっての観客のボルテージの上がり方が凄く、アメリカの方々の心もがっちりとつかんでいる模様。会場大爆笑してるもんなぁ。

どうしても演出に目を奪われがちですが、
意識して足を動かしながら(踊りながら)ジャグリングをする、というのは凄く難しくて、
例えば、僕だと、初級技程度ならなんとかステップを踏みながらジャグリングすることはできますが、
これが少し手を交差させたり、ちょっと取る位置が普通と違ったりすると、多分足を動かすことすらままなりません。
ひろたくんの場合、大胆に足を動かしながらジャグリングをするパートがあったり、足踏みをしながら手元では複雑な技をやっていたりなどしているパートがあり、これらは見た目とは裏腹に難易度高そうです。

さらに、彼の先輩譲りの背中の後ろ系の技を多用していますが、これまた「難しい」という言葉が陳腐に聞こえるくらい難しい。
ジャグリングは本当に「空中に浮いているボールがどこにあるか」ということがわかっていることが重要で、そのたいていの情報は視覚から入ってきます。しかし、背中の後ろと言うのはその視覚に頼れる部分が少なく、(勿論ちゃんと見える技と言うのもあるのですが)体に当てることでの触覚に頼るなど、普通のジャグリングとは異なる感覚が必要です。

彼はまだ大学生で、他の出場者たちはプロフェッショナルばっかりだとのことでしたが、
だからこそリスクを顧みないえぐい技中心の構成ができたのかもしれません。
さらにそれが完成度が高かったらもうお見事としか言えませんね。

あらためて、優勝おめでとうございます。

因みに彼、我々のサークル「じゃぐなぎ」の主催する「じゃぐなぎ杯」の今年の優勝者でもあります。

2位の望月ゆうさくさんも、近いうちに動画がアップロードされるとのことらしいので、
そちらをお待ちしたいと思います。

2012年にジャグラーSatoshiさんが同じ部門で優勝。
2013年にはチーム部門でThe Pastelsが優勝、
そして、今年。

日本人はこう言っても「いやいや、俺たちなんかまだまだ」と言うと思いますが、
ここ近年、世界的に見ても日本は強ジャグリング国の一角になったんではないかと言ってもいいと思います。

そういえば、昨年チーム部門優勝のThe Pastelsの動画を
タイミングを逃しましてこのブログで紹介していませんでしたので引き続き紹介したいと思います。

こちらが昨年度チーム部門優勝のThe Pastels。
日本最強、いや世界最強のクラブパッシングの名門校、東京大学のジャグリングサークル、マラバリスタ出身の
4人組です。

技の難易度(特に最後の方、最後回収を失敗しましたが両側から投げ入れをのある10本パスの難易度は尋激高!!!)、途中にちょっと挟む小ネタ、ステージを縦方向にも横方向にも広く使うビジュアルの良さ、ポーズの決まり方。どれをとっても素晴らしいのですが、
演技の構成が完璧で、それらの要素を120%活かせているのだと思います。

全体を通して言えるのは、めまぐるしく変わる登場人物(登場←→退場が全てスムーズ!!)、
そして、4人という人数を活かしたパッシングのバラエティの多さですね。

もう少し短い時間の視点からいうと、
技の開始から拍手をもらうまで、を一つのまとまりと考えた時の
ベースとなるパターン → 変化 → 大技でフィニッシュ
という流れがあることがわかると思います。

「変化」の段階で既に拍手を貰えているのですが、さらにそこから展開させてもう一度変化(大技でフィニッシュ)をさせて、さらに大きな拍手、をもらうという意図があると思いますが、これがことごとく成功しています。

かといって、その流れだけではなく、舞台に最初からおいてあったクラブを使うと思いきや
その上にただ座るだけとか、「スカす」ことも途中途中挟んでいるので、全体的を通して単調だと感じないのです。

そして、最後の大技。4323ライン4人16クラブパス!!(※この技の名前はチームメンバーであるフレディさんから教えてもらいました)
この技が一発で決まったのが凄く大きくて、実に感動的です。

ジャグリングと言うのは、他のステージエンターテイメントと違って、
「最後の大技」の変化がつけにくく、「フィニッシュが決まった時とても感動する」
ということはイマイチ無いものと常日頃思っているのですが、
その真っ向勝負っぷりが素晴らしい。
音楽もこの技に合わせて盛り上がっており、
このフィニッシュを見せられたらスタンディングオベーションを送るしかないじゃないですか、と言う感じ。

なんにしても、見事な演技でした。本当に素晴らしい。
1年遅れとなってしまいますが、あらためて優勝おめでとうございます。

2012/09/12

世の中には、「ジャグリングをしながら走ってそのタイムを競う」という競技が存在します。

問題です。正式名称はなんでしょうか?

a) ジョグリング
b) ジャグラング

正解はこの記事の中に出てきますが、一応最後にちゃんと正解を書くことにしましょう。

「競技」というからには参加者はガチです。

現在の400mの世界記録はwikipediaに依れば、アメリカのマイケルジョンソンの43秒18だそうです。
もう少し近いタイムで言うと、女子400mの20歳未満の日本記録が52秒88、中学生の女子日本記録が56秒81だそうです。

因みに、厳密なルールを書けば、ジャグリングの1スローにつき足を一歩しか出してはいけないルールだった筈です。
※つまり、一球だけ高く投げて、その間に走るという手段は許されない。

毎年、国際ジャグリング協会(IJA)の主催するサマーフェスティバルでは、ステージ上でやるショーのチャンピオンシップとは別個に、
陸上競技場を借りて大々的にこの競技のイベントを開催するほど。
日本ではあまりやっている人はいないのですが、世界的には盛んなようです。

因みに、また聞きの話ではあるのですが、一時オリンピックの参考種目にもなったんだとか。
種目も陸上競技さながらにたくさんあり、
同じ100mでも、3ボール部門、5ボール部門、7ボール部門……
さらには、IJAではやらないと思いますが、フルマラソンをジャグリングしながら走り切るという競技もあります。

こちらのページに依ると、
3ボールの100m部門では世界記録は11.68だそうです。5ボールの100m部門は13.8。Owen Morseというジャグラーの出した記録ですが、この方普通にショーのジャグラーとしても有名な方です。(っていうかこの記録冷静にみると普通に凄くないですか……? いや、当然っちゃ当然ですが……)
フルマラソンの3ボールの記録は2:50:09。んー、その前に42.195kmを走る体力だよなw

話に依れば、東京マラソンなんかでもジャグリングしながらレースを完走した猛者がいたとか。
素晴らしいですね。

……なんて話をしている時に、突然飛び込んできたのが
「ジャグリングしながらトライアスロンの世界記録が出たらしい」という話。

いやいや、待ちなさいよ、
自転車はまあ片手で2個をやればなんとかなるとして、水泳しながらどうやってジャグリングするんだよ……

ひいいいっ!!! 本当にやってる!!!!!!
水泳しながらの時のボールはちゃんと浮くボールなんでしょうねぇ。
いずれにせよ、ジャグリングしながらトライアスロンと言う発想自体生まれたところが凄いです。

因みに、冒頭のクイズにあった「走りながらジャグリング」はjoggling(ジョグリング)。
トライアスロンの動画に依れば、泳ぎながらのジャグリングはswuggling(スワグリング?)、自転車をこぎながらのジャグリングはbuggling(バグリング)と言うようです。

2012/08/02

ジャグリングは、
人を楽しませることのできるエンターティメント的要素が表に出がちではあるのですが、
前々からこのブログを使って伝えている通り、
ひたすらに技を究めていくという、スポーツ的な側面があることは前々からこのブログをつかって書いている通りです。

IJA(国際ジャグリング協会)主催のフェスティバルや、JJF(日本ジャグリング協会主催のフェスティバル)で
開催されているチャンピオンシップは、スポーツ性も考慮に入れつつ、
エンターテイメント性やアート性も考慮に入れた順位付けがなされます。

最近は、World Juggling Federationという、完全にジャグリングを完全にスポーツとして捕えたものの
大会も開催されています。

世間では今、オリンピックが開催されていますが、
ジャグリングはオリンピックの種目たりえるのでしょうか。

少しジャグリングをかじっている僕から見た時に、
ジャグリングに似た性質のあるスポーツがいくつかあります。
体操、新体操、シンクロナイズドスイミング。
冬季オリンピックで言うとフィギュアスケートなんかも近いように感じます。

これらのスポーツは、その芸術性や技の難易度を競う種目です。
特に、フィギュアスケートは、技の難易度とその芸術性を評価するという点でジャグリングとの共通点があると思います。

なので、無理やりルール化させれば競技と言う形にはなるのではないのかな、と考えます。

あるいは、ウエイトリフティングや陸上のジャンプ種目などのように、
○個のボールを何回続けられるか……という風に競技のルールを決めてもいいかもしれません。

しかし、僕が思うに、ジャグリングの面白さと言うのは、「自由さ」と言うところにあると思うのです。
技も、○○の技を決めたら○点、のような決まった配点では面白くなく、
「いかに観客を驚かせるか」に重きを置いたものであると思っているのです。

道具もメジャーどころのボール、クラブ、リングといった型にはまった道具だけではなく、
それ以外のどのカテゴリにも当てはまらないような道具にだって、度肝を抜くような道具もあったりするのです。

というわけで、
個人的な意見を言えば、ジャグリングは今のスタイルのまま、
誰もが自由に表現できるスタイルであってほしいので、あまりオリンピックのようなルールがはっきりと決まっていて
「こうすれば勝てるよ」というものになってほしくはないかなぁ、と思っております。

2012/07/31

ついこの前まで開催されていた、
IJA(国際ジャグリング協会)主催のジャグリングフェスティバル。

この中で行われているチャンピオンシップと言うのが、実質世界でもっとも権威のあるジャグリングの国際大会。
僕はこれを「世界大会」と呼んでもいいと思っています。

この大会、全部で3部門にわかれています。
18歳未満のみ参加可能なジュニア部門、2人以上のチーム部門、そして個人部門。

これまでの日本人ですが、ジュニア部門の優勝者は何人かいましたし、
それ以外の部門でも3位入賞は何度も入賞を果たしていました。

しかし、個人部門の優勝は、
2005年に矢部亮君が果たして以来、誰も達成者がいない状況でした。

ところが、今年、エトシさんが優勝を果たしました!!

世間ではオリンピックの話題で持ち切りですが、こんなところにも金メダル受賞者がいるのですよ!!

因みに、エトシさんのパフォーマンスは、僕はまだ拝見したことがありませんが、
話に聞いたところに依るとトスジャグラーだそうです。

「トスジャグリング」というのは、ボール、クラブ、リングなどの
いわゆる「投げ物」を扱うタイプのジャグリングで、もっともメジャーなジャグリングの華とも呼べるものです。

トスジャグリング以外、
つまりは、中国独楽ディアボロ、浮かぶ杖デビルスティック、葉巻の箱シガーボックスの3種目などは、
日本人のジャグリングテクニックは「世界に追い付いた」……とも言われていました。
(「まだまだですよ」という声もあるようですが、客観的な視点から見て僕は追いついたと言って良いと考えています)

一方で、トスジャグリング以外でこの大会の頂点に立つのは至難とも考えられており、
正直日本人がこの大会で再び金メダルを取るのはまだ先のことだろうなぁ……とも思っていました。

それが、こうもあっさりと取ってしまうことになろうとは。

ともかく、大変素晴らしいことであります。
エトシさん、本当におめでとうございます。

また、チーム部門では桔梗ブラザーズが3位を取りました。
優勝を目指していた彼らは「悔しい」という感想を言っていましたが、
3位入賞も素晴らしいことだと思います、そして、「悔しい」という思いがある限りは、また何度でも挑戦することでしょう。
彼らの今後の活躍にも期待です!!

2012/05/02

ジャグラーの世界では、n個のボールのジャグリングを「成功」として見なすには、
n個のボールを、n回(それぞれ最低でも1回は)投げ、n回ボールをキャッチすることが「成功」と見なされます。
しかし、ギネス記録に申請するには、n個のボールをn×2回(それぞれ最低でも2回は)投げ、n×2回ボールをキャッチすることが「成功」
と見なされます。 つまり、最低でも投げたボールをキャッチしてもう一度投げ返し、それをキャッチしないとなりません。

ジャグリングの世界記録は、凄くカテゴリが多いです。
例えば、ボール一つとってみても、
3つのボールをいかに長く続けられるか、に始まり、
4つのボール、5つのボール、6つのボール…… 
あるいは、「最大何個のボールを投げられるのか」というものも一つの記録ですよね。
それを、二人や三人の間で投げ合う「パッシング」というものもあり、床に跳ねさせる「バウンス」というものもあり、
さらには逆立ちしたり、水中でやったり、本当に色々な記録が存在するのです。

もしかすると、誰も気がついていないけれど、
意外と更新しやすい世界記録がころっと残っているかもしれません。

そんな世界記録の一つ、3人でのクラブを使ったパスの記録がこのたび更新されたようです。

その数17。3人でやっているとはいえ、6個・6個・5個の状態からのスタートとなっています。
よくもまあ、これだけのクラブが空中で当たらずにそれぞれ回収できているもんだと感心するよりほかありません。

2012/04/07

ある日、twitterにこんな動画が紹介されていました。

な、なんじゃこりゃっ!?

一瞬「CGじゃないか?」と思ってしまったくらい、「早い」ジャグリングです。
40秒程度の動画の中にこれでもかというくらい凝縮された技の数々。そして、安定感。
只者ではありません。

いや、むしろ、背景にぶんぶん車が通っているのはなぜ?

別の動画もあります。

こちらの方が最近撮影されたようですが、重複している技も多いし、顔も比較的はっきり見えていますし、
上の動画で出演している人物と同じ人物であろうと思います。

しかし、同じように車がぶんぶん後ろに通っている。

何故彼はこんな危険な場所でジャグリングをしているのか?

YURI君という僕の友人のジャグラーが、先日の舞台の打ち上げの時に話していたのですが、
「ブラジルでは、信号待ちをしている時に大道芸をやって、バスキング(投げ銭)を貰うという文化があるらしい」
とのこと。

先の動画に上げたoliverという人はチリの人らしいですが、
そのYURI君の話を聞いて、この動画につながりました。
そうか、この彼は、赤信号の間に信号待ちをしている車に対してジャグリングをして投げ銭を貰うような
ジャグラーだったのか!

上の動画二つでは、投げ銭をもらっているシーンは無いのですが、
もし想像が正しいとすれば、この後パフォーマンスの投げ銭を貰いに行く時間もある筈。
あんまりゆっくりやっているわけにはいきません。

赤信号の間に横断歩道に飛び出て、パフォーマンスをし、投げ銭をもらう!
その短い赤信号の間に、自分の技術を発揮できるように組まれたルーチンが「あれ」だったのか!と。
なるほど。通りで、早い上に濃密で技巧的なジャグリングな筈だ。

そんな話になってしまうと、
もっと世界中のジャグリング事情のことも知りたくなってしまいます。
高校の時地理とか苦手だったんだけどなぁ。

2012/03/21

ジャグリングの歴史を考察する」の続きです。

さて、僕がメインとして取り扱っている道具、「シガーボックス」は、
ジャグリングの道具の老舗メーカーであるDube(デュベ)の記事によると、W.C.Fieldsというジャグラーによって広められたとされています。
http://www.dube.com/blog/?p=29
一世紀くらい前と書かれていますから、他の道具よりも遅れてこの世の中に誕生したものと考えられます。

日本でも「十八番」という言葉の語源となった歌舞伎の演目は、今で言うシガーボックスの演目であったという説もあります。
(「十八番」の語源の話は諸説あり、個人的には「今で言うシガーボックスの演目であった」ということはあまり信じていません)

お手玉が日本だけでの文化ではないように、シガーボックスも発生起源は複数あっておかしくないものですが、
ジャグリング、あるいはサーカスの演目の一つであると認知されたのはW.C.Fieldsの功績が大きいのではないかと思います。

というわけで、この記事は、そこまで長い歴史を紐解くわけではありません。
「シガーボックス現代史」とでもいう内容でしょうか。

W.C.Fieldsがシガーボックスを使い始めて以来、
シガーボックスはあらゆるサーカスのシーンに利用され始め、ポピュラーなジャグリングの道具になっていきました。
中でも、伝統的なジャグリングの表現技法である「ジェントルマン・ジャグリング」の道具として扱われることが多くなり、
テレビなどのメディアにも露出が多くなってきました。

「ジェントルマン・ジャグリング」というのは、ジャグリングを見せる上の「スタイル」の一つで、
その名の通り、「紳士のジャグリング」。
使う道具も、ハット、ステッキ(杖)、葉巻(バランスに使う)といった、紳士を連想させるアイテムで統一して
ジャグリングをするというものです。

ジェントルマン・ジャグリングと言えば、最も有名なジャグラーがクリス・クレモ。
僕も一番尊敬しているジャグラーの一人です。

この動画は、ボール・葉巻・ハットの三種ミックス → ハット → シガーボックス の三部構成になっています。
シガーボックスの技はほとんど簡単な技が中心に構成されていますが、それにもかかわらずこの魅了度。
優雅さと上品さ、そして時折挟むコメディ要素を兼ね備えたパフォーマンスは、彼だからこそできるパフォーマンスであって、
技だけは真似できても、この雰囲気は僕には出せません。
そして、最後のピルエット(回転してキャッチ)という技は、彼は一時世界記録ホルダーであり、よしんば他の技はできたとしても、これだけは今の僕にはできませんし、世界中探しても未だにここまでのことをテレビショーでやってしまう人はほぼいないのではないかと思います。

一方、ジェントルマンジャグリングや、サーカスの道化師しか使っていなかったシガーボックスを、
もっとスタイリッシュに変革させたのがチャーリー・ブラウンというジャグラーです。

ジェントルマン・ジャグリングで行われていた技が基本的な持ち替え技やピルエット中心だったのに対し、
チャーリー・ブラウンは、もっとバラエティ溢れる技を繰り広げ、「シガーボックス」を、より高度なジャグリングのレベルまで押し上げました。
動画を見ていただけると、クリスクレモのジャグリングの雰囲気と、チャーリーブラウンの雰囲気とまったく違うのがわかるのではないでしょうか。

1990年代には、ジェフリー・デイモンド、ブライアン・パッツらが、国際的なジャグリングの大会でシガーボックスの演目を行いました。

シガーボックスは、このようにして「ジャグリング」の一つとして認知されてきました。
ただ、メディアの露出は多く、名前だけは聞いたことがある人もいるのではないかと思いますが、実はけっこうな運動量なので、敬遠されがちなのか、国際的にも、日本国内でも、ジャグラー人口に対するシガーボックス人口はかなり少ないです。
日本でも「しあわせ家族計画」や「新春かくし芸」で見たことがある人もいるかもしれませんね。

また、小さくまとまってしまうという欠点があるので、サーカスなどの大舞台向きでは無いとも僕は思っています。

さて。少し話が逸れてしまいましたが、もう少しだけシガーボックス現代史の話を。

先に紹介させていただいた、Dubeの記事には、こうも書かれています。
“Of the current generation of cigar box jugglers, Eric Bates, Ryuhan, Tao Wei and Nick Flair stand out.”
「最近のシガーボックス使いで目立つのは、エリック・ベイト、竜半、ウェイタオ、ニコラス・フレアーである」

……やべぇ……僕歴史に名前刻んでる(爆)

冗談はさておき、ここに記載されている4人は、さらにシガーボックスを進化させた人たち。
ここには代表して僕の名前が書かれていますが、僕の名前が紹介されているのは以前の記事でも取り上げさせていただいた、「十八番」というビデオを世に送り出した5人の代表としてでしょう。
自分で言うのはなんですが、「十八番」の登場は、世界各国のシガーボックス使いに衝撃を与えたものと確信しています。
3つが当然だったシガーボックスの世界に対し、4つや5つの技を紹介したところの功績は特に大きいのではないかと考えています。

ウェイタオ君は僕の友人ですが、シガーボックスを投げ始めた人物で、
ボールやクラブのようなトスジャグリング(※投げるジャグリング)にさらにシガーボックスの技を折り込んだ人物。
ニコラス・フレアーは、シガーボックスを体のあちこちに乗せるなどして、「挟む」以外の可能性を提示した人。
非常に綺麗な体の使い方をする人で、先ほど「サーカス向きでは無い」と言ってしまったのですが、
シガーボックスをサーカスなどの大舞台で表現できる数少ない人ではないかと思います。
エリック・ベイトは、僕が知る限り、世界中で今一番シガーボックスが上手い人ではないかと思います。

最近は「十八番」ですら到達できなかったレベルまでシガーボックスの世界は広がっており、
シガーボックスは「技は止まった状態でスタートして、止まった状態で終わる」という概念まで失われ、
技をやっている最中に別の技を挟み込むという、 トスジャグリング顔負けのことをやる人まで出てきました。

これまで、シガーボックスの技は一つ一つ名前がつけられていたのですが、
その名前すらつけられなくなってしまった程技の数が爆発的に増えている状況です。

さらなる飛躍が期待できるシガーボックスの世界。
今後も僕はきっとシガーボックスの歴史を目の当たりにすることができることでしょう。

因みに、先の動画で紹介したクリス・クレモですが、
なんとアメリカに行ったときに実際にお会いしちゃいましたっ!!!!!

しかも、僕のシガーボックスを凄く誉めていただきまして、本当にこれだけのためにアメリカに行ってきたと思ってもいいくらいの経験です。

2012/03/20

ジャグリングという概念が生まれたのは紀元前のことです。
エジプトの壁画にも、ジャグリングをする人の絵が描かれているそうで、
太古の時代からジャグリングは存在していたと言うことになります。

この壁画は、ジャグリングの教則本のコラムにも載っていたりするので、ジャグラーの間では有名です。

ジャグリングの歴史については、
http://juggling-donuts.org/juggling/omocha/history/index.html
日本のウェブページの中ではこのページが一番詳しいので、
こちらを見ていただくのがいいと思います。

ここからは僕の想像です。
そもそも、ジャグリングというのは、入りは意外と簡単ですから、
(皆様の周りにも、3つならできるよという人がいるのではないでしょうか?)
太古の昔、何かの木の実などを使って「やってみたらできちゃったよ」
という感じで、生まれたのではないかと思います。
起源はどこ、と限定することは出来ず、様々なところにあったのではないでしょうか。

実際、日本でも「お手玉」は子供たちの遊びですし、
フィジーでは未だに伝統的な遊びとして木の実を使ったお手玉のようなことをやっていると聞いたことがあります。

今でこそ道具はやりやすい形に淘汰されていますが、
ボウリングのピンのような形をしたクラブは、その言葉の意図するとおり原型は武器である「棍棒」、
リングはおそらくは皿だったのではないかと想像しています。

そんな、感じで遊んでいると、
「今度おめえ、うちの祭りでその投げるやつやってくれや」
と誰かに言われて、自分が楽しむためだった「遊び」は、
人を楽しませるための「芸」に変わって行ったのではないかと想像できます。

そして、凄腕のジャグラーは人づてで有名になっていき、やがては王様の耳に入り、
「どれ、我が城でそれをやって見せよ」となっていくと。

そんな物語のような話が昔々あったのかもしれませんね。

上記で紹介したジャグリングの歴史について書かれたウェブページには、
の内容には、中世ヨーロッパではジャグリングは忌み嫌われたという話も書かれています。
もともとが「遊び」の出身であるからして、音楽や絵画などに比べると、社会的地位も低かったのかもしれません。

あまり文献が残っていないそうで、
昔の方々がどのような機会で、どんなジャグリングをしていたのか、ということについて、
興味はあるけれど調べられないのがつらいところです。

2011/09/03

 以前このブログでも取り上げました、「フシギボール」ですが、日本に上陸するらしいです。10月に販売されることになったとか。 販売元はバンダイ。バンダイは、これまでもディアボロやヨーヨーなどのジャグリングに関連する商品を販売し、大会を企画・運営するなどの実績のある会社です。
 フシギボールは、コンタクトジャグリングと呼ばれるジャグリングに使われるもの。 クリスタルボールと呼ばれるアクリルなどで作られた一切が透明の球体とは違い、中央に金属製のボールが埋め込まれているのが特徴です。
 太陽の下でやった時、クリスタルボールはレンズの役割をしてしまい、油断をしていると何かに火が点く危険もあったりするのですが(本当!)フシギボールではこういうことがないらしいので安心ですね。

 ただ、このボール、以前の記事でも書きましたが、あまりジャグラーの間では良い話を聞きません。 twitterなどの僕の周囲では、フシギボール日本上陸に対して否定的な意見の方が多い印象でした。

 まあ、確かにおもちゃっぽいといえばそう思うし(そもそもコンタクトジャグリングをやるには少し小さいと思う) 本格的にコンタクトジャグリングをやりたい人にはジャグリングショップで取り扱っているようなボールをおススメしたいのですが、一つのメーカーが取り扱う道具のひとつに、そんなに目くじらを立てなくても、と思っていました。

 前の記事では「(アメリカ版の)デモンストレーターがそんなに巧くない」ということを否定的な意見の多い理由にしていましたが、それにしてはそういうことを言う人が多いと、どうしてなのか少し疑問に思っていましたが、このたびtwitterで海外のジャグリング情報通のツイート、

「あなたには出来る魔法のボール! みたいな感じで宣伝先行で売ったらジャグリングとしてではなくタネのあるマジックのように扱われ 、買ってない人はクリスタルにタネがあると思うようになり買った人は騙されたと思う。 」

というコメントを読んで凄く納得しました。

 なるほど、それは嫌だな。

 多くの人が「タネのあるマジック」という思いでコンタクトジャグリングを見始めたら、何もそこに面白さを感じなくなるのではないでしょうか。 「ああ、テレビで見たやつね。どうせタネがあるんでしょ、はいはい」 と、コンタクトジャグリングの持つ特有な不思議さを『タネのあるもの』として見てしまい、魅力を感じない人が出てくるかもしれません。

 そして、逆にタネがあると思って買った人のもとにはなんのタネもないただのボールが届くわけです。アメリカ版のコマーシャル、「練習不要!」というのたはぶっちゃけた話、嘘でして、人に見せられるレベルまで到達するには、僕の経験から言わせてもらうとかなりの練習が必要です。

 ある意味、ジャグリングというのは(コンタクトジャグリングに限らず)「珍しさ」というのが魅力の一つであると思うわけですが、そんなフシギボールのコマーシャルがばかすか流れたら、そのありがたみがなくなってしまうようにも思います。
 何よりも、パフォーマンスで使っている道具を「おもちゃ」として見られてしまうのは嫌だなぁ……と……

 アメリカではこのフシギボールのコマーシャルがガンガン流れた結果、コンタクトジャグリングを使ったパフォーマンスはあまり喜ばれなくなってしまったようです。

 そう考えてみると急にフシギボールの日本上陸が嫌になってきました。

 ただ、幸いなことに、日本には既に以前も紹介したおこたんぺさんや、クリスタルパフォーマーMASAKI(ジャグラーの間では親しみを持って「MASAKI様」(回文)と呼ばれている)など、次元の高いパフォーマンスを見せることのできるコンタクトジャグラーがテレビ出演を多数果たしているおかげで、ある程度「コンタクトジャグリング」というジャンルを見たことのある人が多く、地位の確立された状態での出発なので、アメリカとは事情が異なるのではないか、と勝手に想像しています。
(詳しくアメリカの事情を知っているわけではないですが。)

MASAKI様動画

おこたんぺさん動画(この前とは違うものです)

 バンダイの公式サイトにも、「あの水晶玉パフォーマンスが君にもできる!」という触れ込みで、 コンタクトジャグリングのパフォーマンスありきでの販売のようですし、これまでこの会社が扱ってきたのはマジックの道具ではなく、ジャグリングの道具なので 「誰にでもできる!! 練習不要!!」という安易な宣伝はしないのではないかなと勝手に思っています。

 日本人ジャグラーの心配が杞憂になるか的中するのかは結局のところ蓋を開けてみないとわかりませんが、いい意味でも悪い意味でもコンタクトジャグリングの敷居は下がることと思います。

 コンタクトジャグリングに興味ある方は購入してみてはいかがでしょうか。 直感ではありますが、付録されている教則DVDは参考になりそうな予感がします。

2011/07/24

ほんの2~3年前は、アメリカで開催されている国際ジャグリング協会主催のジャグリングのサマーフェスティバル内(以下「IJA」と略します)にて行われる各種の大会の結果を知るためには、ウェブ上のジャグリングフォーラムなどで、誰かが書き込みをしてくれるのを待たなければいけなかったのですが、今年は、イベントに参加している日本人からの速報がtwitterで流れてきました。
おそらくは結果が出てからすぐだったのではないでしょうか。

まず、使用する道具・個数を限定して2分間の中で競技を行うプロップコンペティションでは、
デビルスティック部門と「その他」部門で日本の方が優勝。
それ以外にも多数日本からの参加者の入賞者がいるようです。
これについては、正直あまり驚いてはいなくて、現地に行った日本人のレベルならばこのような結果になるだろうと予想していました。

そして、この大会のメインイベントも呼べる、「チャンピオンシップ」では、
2位にJJF(ジャパン・ジャグリング・フェスティバル。国内最高峰の大会)2009の個人部門で優勝した北村さん、
3位にJJF2005の個人部門で優勝した小林さんが入賞を果たしています。
これは素晴らしい結果。
これまで、ジュニア部門では3位以内に日本人が複数人数が受賞したこともあるのですが、シニアでの日本人複数受賞は初めてです。
最近日本のジャグリングのレベルは向上していて、IJAの決勝の舞台に複数人の日本人がコマを進めることも珍しくなくなってきましたが、それでも入賞まで果たすのは本当に偉大なことです。

彼らの演技は、後ほど販売されるフェスティバルの模様を収録したDVDにおさめられます。
(販売は今年末~来年初頭くらいになると思われますが)
今から見るのが楽しみです。

Next »