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2014/05/01

ここ最近、ジャグリング部・ジャグリングサークルと言った類のものが全国各地に出来上がってきていますので、
新生活の始まる4月からジャグリングを始めるような人もいるのではないでしょうか。

今日は、そんな方々のために、ジャグリングの道具を取り扱うジャグリングのお店についてお話をします。

「ジャグリングのお店」というと、2種類ありまして、
「メーカー」と「ショップ」です。

名前の通り、「メーカー」はジャグリングの道具を作る企業。
「ショップ」はそれを販売するところです。

ジャグリングの「メーカー」は大半が海外。
「ショップ」から、「黄色いクラブ1000本売ってください」と注文を受けて、
そのための材料をそろえ、作って、「ショップ」に納品をします。
「ショップ」はそれを我々に売ってくれるというわけです。
(実際の流通が本当にこのようになっているかは知っているわけではないのであくまで想像。)

材料などは一気に仕入れたほうが安くなりますから、
「メーカー」としては、我々個人個人が注文するよりも、
ショップが大量に発注してくれたほうがありがたいということになります。

メーカーがショップを兼ねることも多々ありまして、
そういうお店では「ショップ」に卸さない分安く売っている場合もあります。

しかし、
例えば海外のショップ兼メーカーに個人が注文しようとすると、英語で取引をしなくてはならないし、
関税やら発送の手配やら諸々どうしていいかわからず、
そういう手続きをするくらいなら日本のショップにお願いしてしまった方が早いと思います。

さらに、昔聞いた話ですが、海外のメーカーは割といい加減で(※今はどうかは知りません。)
例えば、赤を発注したのに桃だったとか、今までクラブの持ち手が白だったのにグレーになっているとか、
(オレンジ色を発注したのに柿色(オレンジ色より薄い)だったりした、ということもあるらしいですが、こういう細かいところに日本人は厳しいのです……)
不良品なんかも混じっているかもしれません。
そういうことが起こったりした場合は文句を書いたメールやら、返品手続きやら更に面倒臭いことが。

ショップでは一律に商品を扱っていますから、我々のところに届くのはちゃんと赤いボールや持ち手が白のものになっているので安心です。

それに、「ショップ」が選りすぐった海外のメーカーの商品を一か所で注文できたほうがありがたいですよね。

現在、日本にある程度ジャグリングの文化が広まり、定着したこともあって
日本国内には数店舗「ジャグリングショップ」が存在しています。

最大手である「ジャグリングショップナランハ」は、僕がジャグリングを始める少し前に設立されたジャグリングショップ。
主に海外のメーカーから仕入れた商品を販売しているお店で「ここで買えば間違いない」と思います。
ナランハの商品は、東急ハンズのパーティーグッズのコーナーでも見かけたりします。

初心者にジャグリングショップをお勧めする場合、間違いなくここをお勧めしています。
対応も丁寧で、値段も良心的です。
そして、何より「対応が早い」。

昔は、「注文した商品が次の日に届いた」なんてことは珍しくなく、
「購入手続きをした直後に届いた」「まだ道具を選んでいる最中に届いた」「買おかなと思った瞬間に届いた」
等と言われるほどです。(ジョークですよ、念のため……)

勿論、今でも大変届けていただくのが早いので、急に道具が壊れた時とかにありがたい話です。

自身が「メーカー」でもある「ラドファクター」は、ディアボロに強いショップです。
日本トップ級のジャグラーとコラボレーションした道具を扱っているので、上級者向けかなという印象があります。 (初心者向けの商品もあります。)
ボールやリングを自社生産していて、僕もラドファクター製のボールを持っていますが、使っていてとても頑丈な感じがします。
店員さんもとてもフレンドリーです。

あと、地方のイベントとかでラドファクターくじをやって当たると商品がもらえるとか大入り袋の企画をやってくれたりとかで、
お祭り好きな会社なのかなぁとか思ってます。

ジャグリングショップと言えば日本ではこの2本柱です。
「どちらがよい」とかではなく、例えばラドファクターのボールをナランハでも取り扱ったりしていますし、「両方良い」です。

ただ、ナランハもラドファクターも東京にあり、地方に住んでいる場合、
イベントで臨時出店をしてもらわない限りは実際にボールやディアボロを触ることはできません。

そこで、地方にあるジャグリングショップに出向くわけです。
ショップによっては、独自に自社生産している道具を扱っているところもあったりしますが、
あまりラインナップも、値段も、ラドファクターやナランハと変わらないものを取り揃えています。
(というか、世界的に見たってそこまでジャグリングの道具の種類は多いわけではない)
実物を触れる分、また、送料が節約できる分、こちらで購入した方がよい、ということになるんではないでしょうか。

地方にあるジャグリングショップも、全国各地にあるわけではありませんが、
これからマイジャグリング道具を持とうとされている方で、
近くにジャグリングショップのある方は、是非とも訪問してみてください。

2013/10/16

申し訳ありません、今日の記事は
完全にジャグラー向けに書かせていただきますので、
技や道具の解説などは一切記載しません。

今年もJJF(Japan Juggling Festival)に参加してきました!!
都合、3日間の1日目と3日目にしか参加できませんでしたが、
1日目はワークショップ(講師役)とチャンピオンシップ観覧、
3日目はだべりんぐと特別ワークショップ受講と、
それなりに充実した2日間だったのではないでしょうか。

まずは、スタッフの皆様、参加者の皆様お疲れ様でした。

恒例であるチャンピオンシップ感想を。
推敲している時間があまりなかったので、いつもより意見が散漫で、
もしかすると、僕のこの感想を不快に思ってしまう方がいるかもしれません。

それに、今年は
特に男性部門のレベルの高さにショックを受けてしまい、
本当に感想が書けるかどうか不安な状態で書き始めています。

いつもながら「僕がこんなことを書いてしまってもいいんだろうか……」と思いつつも、
それでも、なかなか全部の感想を書いているサイトというのもありませんし、
僕の将来的な勉強の為でもあると思いますので、
皆さんの努力に対して失礼を承知で書かせていただいております。

■チーム部門

Fabs (デビルスティック)
ハンドスティックの上でデビルスティックを立て、その状態でバランスをする……という技を武器に、
二人組みのバリエーション豊かな技を行っていくというもの。
二人ともキャラクターがかわいらしくて、とても好感のもてるパフォーマンスだったと思います。
演技終了後には一番手からこれかよと(レベルが高い!という意味で)、観客席がざわついてましたね。
バランス技というのは、本当にステージでやるのは緊張するんです。
しかも、よりによって一番手。(まあ、僕に言わせると、一番手は緊張する時間が短くて済むので消耗しなくて済むと思うんですが。)
いつもは感じない手の震えが伝わってきたり、いつもはかかないはずの手の汗がいつも以上に気になったり。
その中でも、(多少の失敗こそあれ)多くの技を成功させるのは、精神力の強さだと思いますね。
さらに、あくまでバランス技は「武器」であって、それ以外の技にも創意工夫を感じました。
デビルスティックではないのですが、クラブバランスの演技を参考にすると、もっとえぐいバランス技のアイディアが出てくるでしょう。
二人とも相当なバランスの匠だと思いますので、その道を是非とも極めてみてください!!

Arlon Children (シガーボックス)
昨年準優勝の超絶シガーボックス使いトリオ。この3人は、各個人が相当高いレベルのシガーボックス使いなのですが、
敢えて3人で組んでパフォーマンスをしています。
シガーボックスをチームでやる場合、タイミングをあわせるのが本当に難しいんです。
全員の屈伸運動(シガーボックスはひざの曲げ伸ばしが重要な道具。)が揃っていないと技は決まらないので、
3人の呼吸が合っていないと失敗してしまいます。
それをこなせるのは3人が長期間にわたってお互いに切磋琢磨していることの賜物でしょう。
ルーチン全部を通して、高難易度の技が続いているので、せっかくのさらなる高難易度の技が映えていないように感じました。
シガーボックスの原点である、端返しや中抜きなど、ベーシックな技を効率よく使うと、
「この技は失敗しないよね」という安心できる箇所が生まれたり、技の難易度の緩急がつき、高い難易度の技が映えるようになります。
演出面は、去年より数段レベルアップしてかっこよくなっていますし、技術的には充分なものを持っていると思いますので、
少し力を抜いてみるとまた違う演目が見えてくると思います。

そらにん (クラブ)
高校生4人組のクラブパッシング。東京大学ジャグリングサークルマラバリスタの十八番であるクラブパスマスゲームを行っていました。
僕は、彼らの演技を見終わったときに鳥肌が立ちましたよ。この構成を考えられる高校生っていったいどんな頭脳をしているんだろうと。
クラブパスのマスゲームというのは、演者一人ひとりについて、どう移動し、どう投げて、どの技をするのかを考えなくてはなりません。
その上、技を成功させなくてはならない。一人でルーチンを考えるのとはわけが違います。
例え、他のジャグラーのクラブパスを研究し、それを自分たちの演技に取り入れていたとしても、
それを作り上げることが「できた」ということにまず賞賛を送りたいと思います。
技術的には控えめでしたが、マスゲームは成功してこそ、だと思うので、無理して難易度を追及する必要は無いと思います。
(あるに越したことは無いのですが。)
ただ、ジャグリング以外の部分でもっと伸びそうな部分を感じます。例えば、ジャグリングしていないときの歩き方やポーズを統一させたり、
技を決めたときに技の主役となる人以外が技の主役を生かす煽りを観客に行ったり。
ベタ褒めした構成も、まだノビシロを感じますし、今後もさらなる活躍が期待されます。

こーのCLUB(クラブ)
じゃぐなぎ杯にも参加してくれた、千葉大学ジャグリングサークルpossumの二人組正統派パサー。
じゃぐなぎ杯で見たときと比べ、安定感・二人のキャラクター付けの色分けなど、さまざまな部分が向上しており、
また、途中にはまったく関係の無い演出をはさむ余裕すらありましたね。
難易度の高いアルバートやトレブラーを絡めたパスを連続して行ったうえに、さらにそれを発展させた技や、
正面のパスからダイレクトにバックトゥバック(背面パス)につなぐところなど、技術面でもかなりハイレベルな技が光っており、
また、演技中の姿勢が良く、足元もふらついていなかったので、パスがダイナミック、かつ綺麗に見えていました。
演出面においては、二人が違うポーズをとりながらも、ちゃんと笑顔(&どや顔)でお客様の歓声に答える姿は
とても好感度が高かったです。
正統派、王道であることは間違いの無い二人ですが、
+アルファとしてキャラクターを出したこと、ネタを挟んだこと、というのは、「これが俺たちのパスだ!!」と
ちゃんと競技会の性質を汲み取ったパフォーマンスであり、とても個性を発揮できていたと思います。
この調子で自分たちの世界観作りを強化しつつ、安定感をさらに向上させられれば、
またパワーアップしたこーのCLUBを見せることができるのではないでしょうか。

チーム部門の結果は、
1位 こーのCLUB 2位 そらにん 3位 Fabs
でした。
見ていて、正直チーム部門は審査委員泣かせだなと思いました。
どのチームも素晴らしく、甲乙つけがたかったのではないかと思います。

そうなってくると、ドロップが目立ってしまったArlon Childrenは入賞から外さざるを得なく、
(ドロップが多くなると、「完成度」の点数が低くなり、
 それにひっぱられて「難易度」「エンターテイメント性」カテゴリの点数も低くなってしまうでしょう。)
残った3組を見ると、
「エンターテイメント性」・「難易度」でこーのCLUBが、
「構成力」・「完成度」でそらにんが高得点を稼いだのではないかと想像します。
因みに、Fabsは「希少性」を中心に、偏り無く点数がついていたと思いますが、
こーのCLUBもそらにんも、高得点を取ったカテゴリ以外の点数も満遍なく得点があったと思うので、この2組に及ばなかったのではないでしょうか。

結果論となってしまいますが、そらにんとこーのCLUBを比較したとき、
「難易度」の得点が高い……すなわち、ガンガンに難しい技を決めていると、それに引っ張られる形で
(当然観客を魅了するので)「エンターテイメント性」や(難易度が高い=誰もやっていないという意味で)「希少性」の得点が上がるので、
こーのCLUBに軍配が上がったのかな、と思います。 

やっぱりガンガンに難易度の高い技をやっていたほうがジャグラーとしては好感度高いですしね。

今回、事前に、かなり実力のあるチームの落選を知っていまして、
これは決勝に進出したチームが相当なパフォーマンスをしないと後腐れが強いだろうなと思ったのですが、
特にクラブパスの2組は素晴らしいパフォーマンスであり、堂々とした演技であったと言えましょう。

僕がよく言うことなのですが、
日本人の美徳のひとつとして、”Won by Ippon”という言葉があります。
これは、柔道などで勝つとしたら、「一本勝ち」をするということ。
柔道という競技も、「有効」「技あり」など、審判のさじ加減で得点がついてしまう競技でありますが、
(もちろん、そうならないように世界各国の柔道界で色々な工夫をされていると思いますが、そういう話ではなく)
誰が見ても文句なしの一本で勝つことができれば、まったく後腐れなく終わることができます。

「誰が見ても圧勝」という状況を作ること。
当落のボーダーラインから飛びぬけるためにはそんな演技が必要なのかな、と思います。

今回4組は、先にも述べたように、甲乙のつけ難い、どの組も素晴らしい演技でしたが、
逆に、飛びぬけていなかったからこそ、お客さんだったジャグラーの皆さんには、
様々な順位予想が存在していたのではないかと思います。

因みに、僕の予想では、鳥肌が立つほど感動したのでそらにんが1位、こーのCLUBが2位でした。
(3位はFabs。)

■女性部門
鈴木(クラブ)
JJF2012で2位だった鈴木さんの再登場です。王道クラブジャグリングに、ヘリコプタースピンなどの高度な技を織り交ぜたパフォーマンスでした。
しめやかな感じのキャラクターを押し出していたり、ドロップのときにキックアップをして技に戻ったりなど、
昨年からさらに成長をしている印象を受けました。
完成度重視でテクニカルな印象はそこまで強くなかった……のですが、
最後は5クラブまで成功させているし、ヘリコプタースピンをあんなに投げられるような人は男性を含めて探したとしても、
そういるもんじゃないんじゃないでしょうか。
演出の力が多くなってきただけに、ドロップのときのキックアップも、さらに発展させて、「ドロップしましたよ、けど何か?」と、さらっと
流れに組み戻せるようになると、さらに見ごたえのあるパフォーマンスとなるのではないかと思います。

田崎杏(ボール)
こちらも2年連続出場。頭の上系の技を武器とした、可愛らしいルーチンでした。
まず、本人が事前ナレーションで
「去年より成長している姿を……」と言っているとおり、昨年よりも技術力はとても上がっていると思いますし、
多分普段はもっとガンガン技を決めているんだろうなぁと想像しますが、やはりステージの上だとちょっと勝手が違いますよね。
頭の上系の技は、何が起こっているかわかりやすいですし、3ボールのときに使った技の応用を4ボールでやっていたりと、
構成の面でもうまいなと思う箇所がありました。
(前に伏線を貼っておいて、後からさらなる発展系の技が出てくる、というのはルーチン作りのちょっとしたアクセントになります。)
やっている技も、可愛らしさとオリジナリティあわせた技でよかったんじゃないかなと思います。
ひとつの技を武器として持っている人の場合、その技を中心にできる可能性を探っていくと、
何かしらのイノベーションが突然起こることがあります。
「こいつあほやろ!!!!」と言われるような、突拍子も無い技を閃くのはちょっとまだ先かもしれませんが、
是非ともその調子で、自分独自の技を探っていってほしいなと思います。

おの(リング)
ホログラムの貼られたリングを使ったかなりガンガン系のリングジャグリング。
まず、ホログラムリングが不思議に見えたこと。 道具の特性とはいえ、「綺麗に見える」「不思議に見える」というのは
とても重要なことなので、アイテム選びから成功していると言えましょう。
キャラクターも良かった。僕の目には、クールでかっこいいお姉さんキャラクターに映っていましたが、意識されてましたでしょうか。
序盤で(多分いつもは何の失敗もしていない箇所で)ミスをしたとき、落としたリングを拾いきれずまた落としてしまうと言うことがあり、
緊張感がかなりこちらに伝わってきたのですが、
ところどころ硬い動きながらも、決めるべきところはしっかり決め、最後まで集中力を切らせなかったのは素晴らしいですね。
最後の技、6リングのプルダウンを、(失敗こそしましたが)最終的にはちゃんと決めて演技を終了させたのもとても好印象です。

まぁちゃん(ボール)
2013年じゃぐなぎ杯にも出場してくれた、ボールのまぁちゃんです。
前半が演出重視の演技、後半が技術重視の演技、となっていました。
やはり緊張していましたよね、多分普段なら難なく決められる技がボールが手につかなかったりとか、そんなことがあったかもしれません。
前半の演出にあった、足を動かしながらの技というのは、意識が散漫になってしまい難易度の高い技なんです。
それを、難なく決められるところあたり、練習のあとが垣間見れますよね。
後半の技も、かなり「攻めて」いたことを感じました。難易度の高い技に、会場も「おおっ!」と反応を返していましたね。
最後、多分当の本人は納得いかなかったと思いますが、
5ボールのバッククロスを、何度か繰り返し、ちゃんと拍手をもらえるまでやったことが素晴らしい。

女性部門は、
1位 おの 2位 鈴木 3位 まぁちゃんでした。

まず、おのさん、鈴木さんはともに決めた技の難易度が高かった。
特におのさんは、最後の6リングのプルダウンをきっちり決めたことでぐっと「難易度」や「完成度」の点を稼ぎ、
さらに、クールなお姉さんキャラが「エンターテイメント性」を引き上げていたのではないでしょうか。
鈴木さんは「難易度」や「完成度」はおのさんと競っていたと思いますが、「エンターテイメント性」の得点を稼げなかったのではないかと
いう印象です。

まぁちゃんも田崎さんも「エンターテイメント性」は評価されていたと思いますが、
最後の技にもたついてしまったところで、「難易度」や「完成度」が引かれてしまったのでは? と感じます。
同じ「エンターテイメント性」のカテゴリの中で、よりまぁちゃんの方が印象が強かったため、この順位になったのではないかと思います。

因みに、僕の予想順位は
1位 鈴木 2位 おの 3位 まぁちゃん でした。
全体的に決めた技としては鈴木さんの方が難易度が高かったんじゃないかなぁと感じましたので。
会場の盛り上がり方はたしかにおのさんの方が上だったんですよね。

■男性部門
加藤侑大 (ボール)
加藤さんは、過去もJJFに出場していました(していましたよね?→※ 追記 していないそうです おいおい、僕は誰と勘違いしていたんだ?)が、久々のJJF出場です。
とにかく首の後ろ!!これでもかというくらい首の後ろから投げたり、首の後ろでキャッチしたり。
もう、頭の後ろに目がありますね、これは確実に。
こういう、ひとつ筆頭となる「武器」があって、その「武器」を最大限に生かしたパフォーマンスがJJFでは強いんですよ!!
しかも、その「武器」それ自体が高難易度だったため、それの応用の技をガンガンやられてしまうと、観客席も盛り上がらざるを得ない。
ドロップもあったことは間違いないですし、むしろ多かったかもしれませんが、
それ以上に「その技が決まっているところが見たい。」 そう観客に思わせたら勝ちです。
前半のピルエットからのトランジッション(技の移り変わり)は、やり直してでも成功しているところが見たかった!というのが僕の本音です。

JIN(シガーボックス)
3つのパズル的な動きの斬新なシガーボックスのスタイルから始まり、4つ、さらには5つと増やしたシガーボックスの新星。
はっきりと申し上げて、彼はまだ出てきてはいけない存在だった。
去年までのシガーボックスの世界をたった6分間で2世代くらい塗り替えてしまいました。完全に狂ってる。
体感ですが、4年後くらいにこのスタイルが出てきたら「すげえ!! ついにこんな技を決められるシガーボックス使いが現れたか!!」
と素直に賞賛を送ることができたのですが、今出てこられると、まったく現実味がありません。
普段はステージ上に大声で歓声を送っている僕なのですが、彼の演技には呆然とするばかりで声すら出なかった。
これが高校二年生だというのだからたまりません。
友人の言葉を借りるとするならば、「全てのシガーボックス使いの心を折りました。」
まあ、そんな心の折れたシガーボックス使いがどう彼と勝負していくかはまた別の話で議論することにしましょう。
前半の3つのシガーボックスのスタイルは、
Erik Åbergが考案し、日本のイケメンシガーボックス使いサクユさんが発展させ、JIN君が完成させたといっていいパフォーマンス。
今後、類似するパフォーマンスが出てきたとしても、この事実は揺るがすことができないでしょう。
(よっぽどさらに発展させるようなものが出てくるなら別ですが。)
その3つのパフォーマンスですら相当な賞賛を送りたいのに、彼はその後もすごかった。
4つの技もやってたと思うのですが、とにかく5つの技がやばすぎて記憶にあまり残っていません。
5つのダイヤモンドだけでもすさまじいレベルだというのに、5ダイヤモンドループ、5タワーピルエット、5日大回転背面キャッチと、
一回のドロップもせず連続で決めるということは、例えるとすれば禁忌の森に足を踏み入れる行為。
これからのJJFでは、彼のシガーボックスを基準に考えられてしまうかと思うと恐ろしくてたまりません。
そのくらい完璧な演技でした。僕はもう、この時点で彼の優勝を確信していたくらいです。

宮野玲(リング)
この散々盛り上がった2組の後はきつかったのではないでしょうか。
しかし、さすがは数々の舞台を経験してきた玲君、最初の技でばっちりと観客の心をつかんでいました。
話が前後しますが、オープニングの斬新な演出はとても面白かったです。
演技の方は、彼が舞台活動で行っているソロ演技の雰囲気そのままの、「ジャグリングショー」の6分間だった、という感じです。
ドロップいて床に落ちてしまった道具をそのままジャグリングに織り交ぜてしまえと、
失敗も失敗と受けとめて、それを含めた演技をする、というのがあるべき姿だと思いますし、それを実践しようとしたのも伝わりましたが、
ややそれが原因で演技が乱れてしまったように思います。
とはいえ、随所に彼ならではのハイレベルな技術を要求される技もありましたし、それを成功させていたと思います。
玲君の実力は、誰しもが知るところですので、本気の「競技会用の」演技というのも見てみたいという欲求が生まれてしまいました。

阿部紘凡(クラブ)
ガンガン系クラブジャグラー、ぱねやすさんの登場です。
初っ端から5つのクラブジャグリングを始め、そして足の下を通す。いきなりのオープニングで会場がどよめきます。
いきなりガッツンガッツンストレートを繰り出す戦法といっていいでしょう。
クラブという道具は扱うのが難しいですが、標準レベルを5つにおいての戦い方は漢らしかったですね。
昔のトーマス・ディーツのパフォーマンスを彷彿とさせます。
ここら辺は、個人のこだわりの話もあるので、あまり突っ込むべき話ではないかもしれませんが、
せっかくここまでの武器があるのだから、初っ端からボルテージマックスとせず、
緩急をつけるためにも最初は手加減をして始めた方がいいのではないかなぁ、と感じました。
ぱねやすさんは、王道のジャグラーだと思っているので、王道の組み方をすればまた印象の違った演目ができてくるものと思いますし、きっとまたドギツイ演技を引っ提げてステージで見られるものと思っております。
間違いなく決めた技の難易度の高さは全競技者の中でもトップクラスです。
6クラブの足の下……すさまじい技です。

榊原教貴(ボール)
彼もじゃぐなぎ杯に参加していただきまして、今年は見事に2位を獲得した方です。
4~5個のサイトスワップやボディースローの上手い方で、
今年のじゃぐなぎ杯では僕は彼が一番技術的に高度な技を決めていると評しました。
安定感が増しており、演技全体を通して、「見たい技」を「決めてくれたな!」という感想を持ちました。
途中にあったのは、数が数え切れなかったのですが8個のハーフシャワーをやっていましたか?
演出系のカテゴリにはそこまで力を入れていなかったのではないかと思いますが、
僕はこういうフラットなキャラクターというのも「あり」だと思っています。
演技を行う上において、使いたい技を「生かす」ことのできるルーチンというのが良いと思うので、
期待感をあおるような構成にしていくと、さらにパワーアップした演技となるのではないでしょうか。

野中葵(ディアボロ)
彼も何年もJJFに挑んでいたと思いますが、悲願の出場です。
昔、じゃぐなぎで練習していたころは、まさかここまですごいジャグラーになるとは思っていませんでした。
今回の彼のルーチンは、「見たことが無くて」「綺麗な」技が多かった印象です。
ディアボロ使いの演技は演技の内容が似たり寄ったりになってしまい、他の人との差別化が難しい道具であったと思います。
しかし、彼は演技の中心を2つと3つのディアボロの演技に集中させ、
2ディアボロは動きの面白さを、3ディアボロは間髪無く続く技の連続をテーマにおいて観客を盛り上げていました。
特に、技の開始~ストールでフィニッシュまで、かなりの時間をかけて連続で技を行う
怒涛の連続技は技の途中で歓声が沸き起こっていましたね。
演技も、気負い過ぎることなく、実に堂々としたパフォーマンスで、お見事でした。

shinkai(ボール)
JJFのチャンピオンシップの出場者が決まり、もし名前の知らない人が出ていたら、
googleなりなんなりで、どんな人なのかみんな調べてみると思います。
すると、「ああ、この動画の人ね。」とか、「ああ、この大会で●●位を取っている人か。」
と、なんやかんやで結局世に名前が出ている……くらいでないと
最近はJJFの予選すら突破することが難しい状況になっています。
しかし、このshinkaiさんという人だけは、みんなが調べたものの、まったく正体がわからずじまい。
どこのサークルに所属しているのかもわからない。
フェスティバルが始まっても誰も何者か知らない。
パフォーマンス直前に、事前に提出する必要のある意気込みの文書が読まれるのですが、
それすらもまったくのノーコメント。誰も知らないshinkaiさん。
いったい何者なんだ……!?
そんな、異様な雰囲気に包まれた会場、音楽の開始とともに舞台袖から3つのボールで技をやりながら現れたのは……

2010年男子個人部門優勝、2011年2位、2012年3位の村上翼さんじゃあないですかっ……!!!!!

この演出は卑怯w
大爆笑に包まれる会場。絶対村上さんそんなことする人だと思ってないもんw
聞けば、出場者の集合時間へ現れたのも時間ちょうどで、そこまで徹底しなくてもw
この演出を「エンターテイメント性」に含めていいかと言えば多分Noだとは思いますが、
含めていいんだとすれば満点をつけていいと思いますw

そんなshinkaiさん、出落ちで終わる筈もなく、、
いつもの村”神”節+昨年も感じた観客へのアピールに加え、今回は全出場者の中で目立ってドロップが少なかった。
もはや技術に関しては説明も不要でしょうが、全ての観客の理解を越えた3ボール、及び4ボールの
凄まじいまでのテクニックを堪能させていただきました。

それにしても、この年々レベルの上がり続けるJJFにおいて、
4年連続の決勝進出というのは凄いことですよ。
むしろ、毎年毎年手を変えて、成長する姿をしっかりと見せてくれる村上さんの今後にますます期待してしまいます。

こんな茶目っ気のある人だとはまったく知りませんでした。
いやぁ~……ファンになっちゃうなぁ、これは。

隈本哲人(デビルスティック)
東京にすげえデビルスティック使いがいる。ちらほらと噂を聞き始めたのは昨年の夏くらいだったか。それがこの人、てつんどさん。
聞けば、何回も予選に臨んだものの落選を繰り返し、悲願の決勝進出だったとか。
演技の開始から、縦横無尽に暴れまくるデビルスティック。
もともとどうして浮くのかわからないところがデビルスティックの魅力であるのですが、
摩擦と遠心力を上手く使いこなすことでデビルスティックを浮かすことができるのだよということを理解している、
大半がジャグラーという特殊な環境なのに、
観客の半数以上の人が舞台上で何が起こっているかを理解できていなかったのではないでしょうか?
少なくとも僕は、7割、いや8割以上の技が「初めて見た」技だったと言えると思います。
これだけジャグリングの文化が定着し、知らない技なんかもうないだろうと思っていたのに、
まだここまで可能性を見せつけてくるとは……
この感触は、5年ほど前に、村上さんが、開拓し尽くされていたと思われていた3ボールの世界に
新たなる風を巻き起こした時に似ています。
それでいて、きちんと観客を意識したポーズの決め方であるとか、客層を理解しているマニアックな技であるとか、
全ての面について隙がありませんでした。
舞台の使い方も非常に上手い。デビルスティックだけではなく、自分も右へ左へと動き続け、
ボディー系の技を多用した機敏でダイナミックなパフォーマンスは、真似しようと思ってもそう簡単にはできるものではないでしょう。
ドロップだってあったのですが、それを感じさせないくらいリカバリーが早い。
とにかく、「何が起こっているのかわからなかった」。
JINくんと同じように、途中から呆気にとられっぱなしで、拍手も歓声もあげることを忘れてしまいました。
敢えて、なのですが、途中でタオルでスティックをふきましたが、
何かの入れ物を使って、もともとそこに入っていて、そこに戻す、くらいの舞台への気遣いがあったら
さらに素晴らしいものになると思います。
いずれにせよ、この演技を見て、JINくんの圧勝だったと思っていた優勝予想が、
一気に変わってしまいました。

コータロー(ボール)
コータローさんと言えば、マニュピレーションジャグラーの方なのかなと勝手に思っていましたがとんでもない。
素晴らしいトスジャグラーでした。
見せ方のうまさが流石で、演技の最中、投げるボールのスピードが緩急つけられていたり、
4ボールのパートも、不思議な動き方のパートがあったりなど、うまい構成をしているなと感じていました。
派手な演出というのはあんまりなかったように感じますが、何しろ、技のセンスと演技の構成がよかった。
この世界観の作り方というのは職人の成せる技なんだろうなぁという印象を受けました。
世界観が完成されてしまっているので、なかなか難しいとは思いますが、
ジャグラーをはっとさせるようなインパクトの強い技がところどころにガツン、ガツンと入っていると
こういう複数のパフォーマーが出演するような機会においても印象に残っているようになるのではないでしょうか。
ドロップの数も少なく、完成度も高かったように感じています。

今年の男性部門は、上の感想を見てわかってしまうと思うのですが、
てつんどさん、JINくんの2人が圧倒的だったように僕には映っています。
やはりこれもまた結果論になってしまうのですが、
この二人を比べた時、てつんどさんの方が舞台を目いっぱい使い、また、見たこともないような技ばかりの
パフォーマンスだったので、
「構成力」「希少性」のカテゴリでJIN君を上回っていたのではないでしょうか。
とはいえ、このカテゴリでも、それ以外の部分でも、高いレベルで二人とも僅差だった筈で、
この順位が入れ替わっていたとしてもまったく不思議ではありませんでした。

3位は、観客席の盛り上がりで言ったら間違いなく加藤さんで、
「希少性」や「エンターテイメント性」、「難易度」のカテゴリで他を上回っていたのではないでしょうか。
演技の最初の方のトランジッションが綺麗に決まっていたら、もしかすると上位の2人に並ぶくらいの
得点はありえたかもしれません。

「完成度」の高かったshinkaiさん、ディアボロという「希少性」を出すのが難しい道具でそれを実現した野中君がこれに続いていたと感じます。

※追記 書き忘れていましたが、1位 隈本哲人、2位 JIN、3位 加藤侑大 でした。
男性部門は、1位~3位の予想は的中しました。

総括です。
2007~2011年くらいは、それこそ、ノードロップに近い出来の
パフォーマンスが高い評価を受けていたのですが、
ここ最近でまた技術力のイノベーションが起きているのか、
ドロップはあまり気にすることなく、
まずは凄い技を決めること、という形に変化しつつあるのかなと思います。
今、日本全体としてみると、技術が伸び盛りな時期で、
また少し時が流れると変わってくるのかもしれません。

あと、衣装もあんまりこだわらないでTシャツだったりとか、
音楽も「曲ハメ」ではなく、あくまでBGMとしてそこにあるという
タイプの演技もありましたね。
「ジャグリング」が主役ですから、そういう変わり方というのも面白いと思います。

来年以降のチャンピオンシップ、それはそれはまた楽しみになってきました。

2012/09/22

※今日は一般向けではなくかなりジャグラー向けの内容です。
Junk Stage記事の方向性とは違う記事になりますがご容赦を。

昨夜、JJF(日本最大級のジャグリングの祭典)のチャンピオンシップの結果発表が行われまして、
JJFチャンピオンシップを目指している人にとっては、悲喜交々(こもごも)な夜だったのではないでしょうか。

今年残念だった人も、これからJJFに向けて仕上げをしなくてはならない人たちも、
今一度、観客にどう自分の演技が期待されているのかということを見返してみてください。

また、観客として客席で声援を送る僕も、
「どういう演技が『よし』とされるのか」ということをまた見直してみたいと思います。

僕が勝手に思っていることですが、
ジャグリングのコンテストの出場者は、大きくわけると3つに分けられます。

アイディア系……「独創性」を重視したジャグリング。
アーティスト系……「芸術性」を重視したジャグリング。
アスリート系……「技術力・難易度」を重視したジャグリング。

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<アイディア系のジャグラーの勝負どころ>
・「その手があったか!」という会場にいる多くのジャグラーの盲点をつく技、演出を行えること。
・「こいつあほやろ!!」と思わせるようなネタを仕込んでおき、全ての演技の終了後、終了後に強烈なインパクトを残せること。

JJFにおいては「希少性」という評価ポイントがあるのですが、その項目を意識した点数の取り方です。
ただ、希少な技は技術点に繋がり、ネタは演出点に繋がるため、他のジャグリングのコンテストでも大いに評価されるスタイルです。

しかし、ただ単純に「他の人がやっていない技をやる」だけではこの得点には結びつきません。
いくら新しい表現方法を用いたとしても、その「技」や「演出」がジャグラーの想像の範疇を超えていないのでは、たいした評価にはならないでしょう。
テーマは「期待を上回る裏切り」です。とにかく、会場中のジャグラーを、「やられた!!!」という気持ちにさせ、
推理小説やパズルゲームのように、客席にいるジャグラーとの知恵比べに勝つこと。これがアイディア系ジャグラーの勝利条件です。

全編「見たこともない技のみ」で構成するのは既に開拓しつくされたと思われるジャグリングの畑ではかなり厳しいと思いますが、
逆に、もしそのようなことが可能ならば、観客を大爆笑の渦に巻き込んだ後にきっちり入賞、ということになるでしょう。

<アーティスト系ジャグラーの勝負どころ>
・その人の世界観にどっぷりとはまり込める音楽、衣装、動きを作りこんでおくこと。
・ミスによる演技の中断がないこと。

「演出点」を重視した点の取り方です。JJFでは「演出点」は「エンターティメント性」と「構成力」のカテゴリがありますが、
これら二つの採点については、定義があいまいな気がしますので、
演者の雰囲気とか動きの綺麗さとか、そのあたりが評価されるものと考えていただければと思います。
あとは、演技者自身に対する評価という感じでしょうか。

アーティスト系ジャグラーは、一挙手一投足に気を使い、全ての動きが繋がっているように動かきますが、
この動きが綺麗でなければこのカテゴリで点数を得ることは難しいですね。
JJFでいうと、制限時間である6分間の間に世界観を作りこむことは非常に困難であると考えられますが、上手いジャグラーだとその間にちゃんと観客を引き込むことが出来ます。

ミスが出ると演技が崩れてしまいますから、演技中に行う技の難易度もやや抑え気味に作られることが多く、
それ故、一つのミスが致命傷になってしまいがちです。
逆に、ミスが少なければ当然技術点カテゴリの「完成度」も高くなります。

ジャグリングを極めてしまっている人がこの域に到達してしまうことが多いのですが、勝つためには
観客を「おおっ!」「さすが!!」と言わせることが出来るようなサプライズが数個必要になってくるでしょう。
それが技術的に難易度の高い技なのか、ジャグラーの盲点を突くアイディア系の技なのかは場合に依りますが、
これができると、総合的に得点が高くなるため、
このカテゴリに分類されるジャグラーは大会では上位に食い込むことが多くなると思っています。

<アスリート系ジャグラーの勝負どころ>
・大技の数の多さ。そしてそれを成功させること。
・ルーティンの構成はしっかりしておくこと。

アイディア系のジャグラーが「知力で勝負」ならば、こちらは「真っ向から勝負」です。
超高難易度の技をガッシンガッシン決めて行き、観客席のジャグラーどもを力任せにねじ伏せる、
それがアスリート系ジャグラーです。

多分日本においてはたいていのジャグラーがこのカテゴリに分類されると思いますが、
それゆえに、ルーチン中に組み込まれる「大技」のレベルは他のジャグラーを圧倒している必要があると思います。
JJFクラスの大会になると、中途半端なレベルの技では通じません。

「技術点」と呼ばれるカテゴリは、JJFでは「難易度」と「完成度」のカテゴリがあります。
「難易度」は成功させた技の高度さ。「完成度」は失敗が少ないことが評価の対象になります。

それをわかった上で敢えて言いますが、アスリート系ジャグラーは失敗を恐れる必要はありません。

そりゃあもちろん失敗は少ないに越したことはないのですが、
アスリート系のジャグラーは「まあ、あのスタイルならあのドロップ数は許されるよね~」という風に言われることが多いので、失敗したとしても気にする必要はありません。
それより、観客はあなたが失敗したその技が成功しているところを見たいのです。

ここで、「演出などいらない」と書きたいところではあるのですが、最低限の演出への意識は必要です。
とはいっても、アーティスト系のジャグラーのように動きを綺麗にする、というわけではなくて、演技中に含まれる技の順番に意味を持たせることが重要になってきます。
例えばですが、ルーチンが単調では「次に大技が来る」ということを観客がわかってしまいますから、
最初はリズムよくやったとしても、後半戦は「いつ大技が飛び出てくるかわからない」ような風にするとか、
「怒涛のごとく大技を連発する」パートが必要でしょう。
演技を止めて拍手をもらうのか、それとも特に技を止めずに演技の最中に拍手をもらうのかなどの緩急のつけかたというものもあります。
ここら辺のセンスのよさもアスリート系ジャグラーの腕の見せ所です。

特にキャラクター付けを行わない、「中立のキャラクター」でパフォーマンスをやる人が多いと思うのですが、
演技中のキャラクター付けなんかも成功していたとしたら、さらに「エンターティメント性」まで得点が上がります。
(僕に言わせると、「中立」は「中立」で、味があると思いますし、むしろガンガン系のジャグリングは中立のキャラクターで行われるべきと思いますが。審査員には「何故中立のキャラクターを選んだのか?」というところまで汲み取ってもらえるとありがたいんですけれど、ルール的にはそういうことはしないんでしょうねぇ。)

失敗が多くなってしまうと、やはり上位入賞は難しくなってしまうのですが、
終わった後に「俺はあいつが入賞すると思ったんだよな~」という感想を多く持たれる、
「真の勝者」になるジャグラーが一番多いのがこのタイプのジャグラーです。
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こう書いてみると気づくのですが、
演出寄りのパフォーマーには「大技」「完成度」といった技術点を、
技術寄りのパフォーマーには「構成」「キャラクター」といった演出点を期待してしまう、ということこそが
まさに「総合力で強いジャグラーが入賞する」というところなのかなぁと思います。

今回JJFの予選に通過できなかった人は、
自分の求められている期待がどのようなものかを見返し、
さらにもう一皮むけてまた別のコンテストを目指していただきたいと思っております。

2012/08/15

前回の記事では、
主にジャグリングを見るにあたって、「この技が出たら凄い!」的な話を少しだけしまして、
まだネタはあるのですが、
今回は、日本最大のジャグリングの競技会、”JJF(ジャパン・ジャグリング・フェスティバル内のチャンピオンシップ)”において、道具別の観点から見所も伝えられたら、と思います。

●3ボール
3つのボールはいわゆる普通のボールとはカテゴリわけが違います。
通常、「多ければ多いほどジャグリングは凄い」と思われがちなのですが、そうとも限らないのがジャグリングの世界。
伝説となったショーン・マッキニーのジャグリングのスタイルを源流とする
ボディースロー(※前回記事参照)を多用し、とてもアグレッシブに動き続けることができるのも3ボールならではの特徴です。

ここ2~3年突如登場した「村上スタイル」と呼ばれる、3ボールを中心としたスタイルにも要注目です。
ボールとボールの間を別のボールが素早く横切る「シャッフル」や、腕の交差、手の甲でボールをバウンドさせるテクニック
等を駆使し、「開拓しつくされた」と思われていた3ボールの技の世界をグッと押し広げたのが彼、村上君です。

彼を真似するジャグラーも多いのですが、どう「本職」とすみ分けをしてくるのかがポイントとなってくることかと思います。

●それ以上のボール
多くの個数のジャグリングをやることを「ナンバーズ」と言います。
4~5個のボールを僕は「ミドル・ナンバーズ」と呼んでいます。(正式な呼称ではないと思います。ナンバーズと言うには数が少ないので。)
4~5個の場合、観客席にもできる人が多いため、ただ高さを変えたりとか単純な技をやるだけでは駄目で、いかにボディースローやピルエット(※前回記事参照)を絡めて大技に発展させるかが勝負の肝になってくるでしょう。
4~5個のボールをしっかりと操れる人はなかなかいないので、この個数を自在に操るスタイルが出てくるのであれば、観客を盛り上げることは十分可能だと思います。
6個・7個は、ここで技をやればなんでも拍手が貰える個数。技のオリジナリティよりは、「成功させる」ことが重要になる個数です。
例え1回失敗しても、精神的な余裕があるのならば再チャレンジも許されることかと思います。
それ以上の個数は、まだJJFの舞台でやった人はいないのではないかと記憶しています。

●クラブ
クラブは、道具自体はとてもメジャーなのですが、扱うのに難しい道具です。
それゆえ、技の難易度が高くてもyoutube等の動画で海外のジャグラーの凄い技を見てしまっているので、
変に観客が「見慣れて」おり、凄さが伝わりにくい道具であると思っています。
(そこら辺は審査員の技量で何とかしてほしいところではありますが……)
また、オリジナリティを出しにくい道具であり、やる技が全て似たり寄ったりになりがちであると思っています。

ただ、逆にそれがクラブジャグリングの特徴でもあると思うので、
クラブジャグラーは複雑なことを考えず、高難易度の技をガシガシ決めて行くスタイルが潔くて好感を得られるのではないでしょうか。
(勿論、クラブと言う道具でオリジナリティを出すことができるのであればそれに越したことはないのですけれど。)
そういう意味では、前回記事で解説した、ボディースローやピルエット等、
正攻法で難しい!という技には是非とも皆さんで拍手を送ってほしいところです。

●リング
トスジャグリングの中でも、リングは異端な道具です。
ボールは剛体じゃない(ことが多い)し、クラブは完全に対称な形ではありません。
それに引き換え、リングは剛体であり、円というとても対称な形をしています。

それゆえ、ボールやクラブに比べてよりオリジナリティを求められる道具であると思っています。
ただ単純に多い個数を投げるわけではなく、どうこの円形を上手く使うか、どうこの円形を綺麗に見せるか、
というところが着目点であると思います。

勿論、だからと言って多くの個数を投げるのに適していないというわけではありません。
むしろ、リングが一番多くの個数を投げるのに適した道具であるという話もあるくらいです。
ただ、ボディースローがやりにくいなど、投げるだけではありきたりなジャグリングになりがちになってしまいます。
どう他のジャグラーと区別をするのか。そこがポイントとなってくるでしょう。

●ディアボロ
トス系に次いで日本では競技人口が多い(と思われる)のがディアボロです。
独自の大会まで開催されていますし、また、台湾のディアボロトップアスリートたちとの交流も積極的に行われており、
今最も日本のジャグリング界の中で熱いのがディアボロだと言っても過言ではないでしょう。
2005年にIJA(国際ジャグリング大会)で3つのディアボロが回されて日本人が優勝しましたが、
もはや3つのディアボロは誰もが当たり前の用に回す時代になりました。
それゆえ、ディアボロに対する審査員や観客の目は厳しく、高難易度の技をいかに観客に伝えられるか、というところの勝負もあるでしょう。
演技の内容が、どのディアボロ使いも似た雰囲気になりがちなので、
自分独自のディアボロの演技の姿をどう見つけて行くのか、というのが一つのポイントになりそうです。
進化をし続けるディアボロですが、未だに舞台上での4つ以上のディアボロは驚愕の拍手を貰うことができるでしょう。
天井の高さも劇場に依ってはディアボロ使いの気になるところですが、少なくとも今年のJJFのステージは4つのディアボロなら大丈夫でしょう。
それ以上は知らない(笑)

●デビルスティック
はっきりいって、デビルスティックはまったく情報が入ってこず、
今どのような技が流行して、どんな世界になっているのかと言うことがまったくわかりません。
少なくとも、2つのデビルスティックを両手で回す「デュアルプロペラ」という技は既に基本技の領域になっているようで、
それプラスアルファの世界になっていると聞きます。
過去、デビルスティックは、JJF史上において、突然凄いデビル使いがぽっと出てきては好成績をかっさらっていく、
ということの繰り返しです。
ここ暫く表舞台に目立ったデビルスティック使いが出てきていない(僕が知らないだけ?)ことから、
そろそろヤバいデビルスティック使いが出てくるのでは? と期待をしております。

●シガーボックス
僕の専門分野であるシガーボックスも、昨年は決勝の舞台に一人もコマを進めることができていませんでした。
最近の流行りは、「レインボーループ系」「ダイアモンドループ系」という、
技一回だけでは終わらず、数回の技を挟み込む前に行うというかつてのシガーボックスの常識を打ち破った技です。
ただ、ディアボロと同じように、傾向が似ているため「似た雰囲気」になりがちです。
どのように他のシガーボックス使いとの色分けをしていくのかがポイントではないでしょうか。
シガーボックス使いの方には、高いレベルの技を決めるだけではなく、
どういう順番で、どういう立ち振る舞いで演技を行うのかと言うことをもう一度考えていただきたいです。
隙間産業も多い道具だと思うので、オリジナリティで勝負するのもいいと思います。

●その他の道具
ここ最近ではなかなか「その他の道具」が活躍する機会と言うのはなかなかないですが、
ジャグリングの根幹である「失敗するリスクを孕んでいるが、それを成功させるから凄い」ということを上手く表現できているか
どうかがポイントであると思います。
あまり失敗するリスクが無いのであれば、どうジャグラーに納得してもらえる演技をするかです。

なんか、途中から
「どんなパフォーマンスを期待するのか」になっちゃったなぁ(笑)

2012/08/14

最近、各地でジャグリングに関するコンテストが開催されるようになり、
競技性のある場面でジャグリングを見る機会も増えてきたように思います。

近いところから行くと、
まずは、8/16(木)から東京都文京区江戸川橋体育館競技場にて開催される
国際ディアボロ競技会
これは今年が初開催。
まず開催されたことが素晴らしいと思いますし、継続して是非とも続いてほしいですね。

東京大学の学生を中心としたジャグリングサークル、「マラバリスタ」主催、9/2(日)に開催される
MJFは、
毎年恒例となっている大会です。
出場できるのはマラバリスタ会員だけですが、
見学は一般の人でもOKとか。
近くにすんでたら見に行っただろうな。

さて、そんな大会が各地で開催されていますが、
ジャグリングをやっていない人、あるいはジャグリングをはじめたての人は
「何が凄いのか?」ということがわからないのではないかなと思うのです。

そこで、「どんな技が凄いのか」ということを、思いつくままに徒然に書いていこうと思います。

●ボディースロー (全ての道具)
「ボディースロー」というのは足の下、背中の後ろなどの、「体の正面」ではない、別の場所を通す技の総称です。
「スロー」というのは「投げる」という意味ですが、
例えばシガーボックスなどの正確には「投げない」道具についても便宜上「ボディースロー」と言うことがあります。

「ボディースロー」と言っても、腕の下を通すような簡単なものから、首の後ろなど一瞬演技をしているジャグラーの視界から外れるものまであります。
これは、昨年のJJFのワークショップで聞いた話なのですが、トスジャグリング(※1)のボディースロー代表的なものが三十数種類、
マイナーなものまで含めると百種類を超えるのだとか。

ジャグリングを見るにあたり、ボディースローが出てきた場合、その技のどこかっを演者が見ることのできない技の長さ、体勢の無理さ加減、そして長時間連続で続けられることが難易度に相関していると思っていただくのが良いのではないでしょうか。

ここ最近見ることができるようになった技に、アルバートという技があります。
例えばクラブのアルバートならば、両足を地面につけたまま、体の前面から膝の裏くらいで投げ、背中の後ろから体の正面に戻してくるという技。これを連続で出来るジャグラーがいたら相当な腕前の持ち主です。

しかし、JJFなどの競技会ではさらにプラスアルファをしてくる人たちがいます。

「トランジッション」と呼ばれるのがその代表例で、技をやったあと、間髪いれずに次の技に移行する、というものです。
昨年、3位を取った高橋優弘くんは、演技中に
3つのクラブを1回転で3本とも投げあげ(普通は2回転や3回転で投げあげる。高く投げないとならないのに回転を抑えるのは難しい。)、ピルエット(足を軸に一回転)した後に間髪おかずにアルバートにつなぐという
えげつない(誉め言葉です)技をやっていましたが、あれもトランジッションの一種です。

さらに激しいのが「シックスウェイ」に代表される、連続した「技」と「技」のつなぎです。
「シックスウェイ」というのは、3ボールや3クラブで見られるものですが、
3つの技を続けざまに連続で行う……ことを、左右対称で行うことで6種類の投げ方をする、というものです。
これが連続すると、一見ばらばらのように見えて規則性がある、しかもボディースローを混ぜているからとてもダイナミックな技に見えます。

間に「カスケード」のような「つなぎ」の技を入れず、間髪おかずにひたすらと技を連続していく見せ方がありまして、そういう見せ方の中に、こういう規則性のある動きを入れるとぐっと締まり、その瞬間が拍手のポイントとなるわけですね。

※1……トスジャグリング→投げるジャグリングのこと。一般的にはボール・クラブ・リングの3種類のことを言います。

●ピルエット (全ての道具)
ピルエットと言うのは、足を軸にした一回転のことです。
難易度は、純粋に、今扱っている道具が何個で、そのうち何個を投げ上げてキャッチしたのか、ということに依存します。
例えば、3つのボールならば、1つ投げあげて一回転してキャッチするよりも、3つを投げあげてキャッチした方が難易度が高くなります。

ジャグリングの競技会では、現在の日本のジャグリングのレベルだと、
5つのボールを扱っている最中に5つのボールを投げ上げ、1回転してキャッチする、
程度でようやく拍手が起こる程度でしょうか。

因みにこの技、僕も成功したことがありますが、多分50回成功したことがあるかどうか程度で……。

ただ、この技、扱う個数が増えれば増えるほど、階数的に難易度が向上します。
5つのボールで5つ投げあげて回転してキャッチ、ならただ拍手が起こるだけだと思いますが、
7つのボールで5つ投げあげて回転してキャッチ、なら、大きな歓声とともに大きな拍手が起こることでしょう。

また、回転する数も難易度を判別する重要な要素です。
一回転と二回転の間には難易度に雲泥の差。勿論三回転はさらに難しくなります。
投げている途中に落ちてきたボールを取ってさらにピルエットをする……などということもやっちゃう人がいます。
これは海外の人の動画ですが……

勿論、トランジッションなどを含めることでさらに難易度も上がります。

トスジャグリングに限らず、シガーボックスやデビルスティック、
どの道具でもピルエットは決め技に使いたい技ですね。

●ヴァータックス系 (ディアボロ)
ディアボロと言うのは、通常観客側には、円形の面が見えているのが普通です。
何故なら、その向き以外では回転できないから。

……そう思っていた時代がありました。

最近はディアボロは、「縦」に回ります。
ディアボロは、お茶碗を二組、背中あわせにしたような形をしていますが、
丁度そのお茶碗が組み合わさった形が観客に見えていることになります。

軸の向きが縦なんですね。
この状態を「ヴァータックス」と言います。「エクスカリバー」とも言います。

回すだけならともかく、その状態で、コマが飛び、さらには持っている紐まで振り回したりして、
飛んでいるコマをその紐に上手く絡め取るという技が出たら間違いなく高難易度。
特にピルエット等もあわせるとさらに難易度が上昇します。
振りまわしている紐が空を切る「ひゅるるん!!!」という音もあわさり、
格好よく、さらにダイナミックに見えることも特徴で、意識せずとも自然と拍手が沸き起こることでしょう。

この技は難易度の高さだけでなく、失敗した時にリカバリーに時間がかかるなど、非常にリスキーな技でもあります。
それを舞台の上で成功させることができるというのが素晴らしいことなわけですね。

とりあえず、今回はここまで。