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2008/06/21

JunkStageの読者のみなさま、こんにちは。
チェリストの金子鈴太郎です。
さて、今週のお題は、「爪あと」。

なんとまぁ、書きにくいテーマだこと!
チェロを弾いていて、コンサートで集中して一生懸命弾いて
終わってみたら、弦を押さえる指に弦の跡がついていた、
とかいう話じゃないんですよね?(ベタですみません。)

爪あと、というテーマとクラシックのコンサート、
色々考えたのですが、やっぱり無縁な言葉な気がします。

実際今までに、音楽に関係する場合に「爪あと」という言葉を使った事がありません。
強いて言うならば・・・
6月20日に、富山市でのコンサートで、シューベルト作曲の
「アルペジオーネ・ソナタ」という曲を演奏します。
(この記事を皆様が読まれる頃には、もう終わってしまっていますね、すみません。)

この曲、題名のとおり、元々はチェロの為の曲じゃないんです。
シューベルトさんが生きていた頃(1797-1828)、アルペジオーネという楽器が発明されたんです。
それで、楽器を作った方が、シューベルトさんに「この楽器のための曲を書いて欲しい」と依頼しました。
そこでシューベルトは、この「アルペジオーネ・ソナタ」という曲を書いたのですが、
すぐにこの「アルペジオーネ」という楽器は廃れてしまい、今ではこの曲の名前によって、
辛うじて名前だけ使われるぐらいです。
ところが、このシューベルトの書いた曲が、名曲中の名曲だったんです。
なので、この曲は、ヴィオラやチェロ、フルートでも演奏される事があり、
とても有名な曲になりました。
とても美しく、憂いを帯びていて、うっとり聞き惚れてしまうメロディーなんです。
僕ももちろん大好きな曲なんですが、これをチェロで演奏する、というのが至難の業。
元々チェロの曲ではないので、音域も合わないし、弾きにくい!

今までに何度もこの曲をコンサートで弾いているのですが、
昔、まだ高校生だった頃に、スイスでこの曲をコンサートで弾く機会がありました。
まだ若かった僕は、ガッチガチに緊張してしまい、もうそのコンサートは
思い出したくもない、人生の悲惨な一コマ。
その後3年ぐらい、この曲を弾く、という事を考えただけで、恐怖でゾクッとしたぐらいです。

・・・チェロをやっていて「爪あと」と思ったのは、これぐらいかな。
長い話ですみません。
それでは、富山で頑張って「爪あと」の事を思い出さずに、良いコンサートをしてきます。
みなさん、また来週!

2008/06/21 12:00 | 未分類 | No Comments

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