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2007/11/12

演奏会のあとは、いつもこうだ。

体はとても、疲れている。
地球の重力って、こんなに強かったのかと思うぐらい
ベッドに吸い込まれていく。
あくびも止まらない。
しかし、眠れない。
頭の中で、今日のコンサートのフィードバックがぐるぐる廻る。
あぁ、あそこでこう弾いた方が良かったのかな。
いや、でも、オーボエがけっこう強く吹いていたから、
チェロはあれぐらいで良かったよな。
しかし、3楽章、速かったなぁ。
危なかった。
あれ以上速かったら、ヴァイオリンが崩壊してたかも。
指揮者もテンション上がってたんだろうな。

ステージの上で、いっぱいにライトを浴びながら、
指揮者は拍手に応えて何度もお辞儀をしていた。

オケも、指揮者も、汗がキラキラと照明で光っていた。

2000人のお客さんの、熱い拍手とブラヴォーの声。

これがあるから、やめられない。
この、お客さんの熱い気持ちが、舞台の上まで伝わってくるから、
演奏家も、どうしても本気で弾いてしまう。

オケの中には、好きなヤツも嫌いなヤツもいるけれど、
この瞬間は、そんなことはどうでもいい。
オケ一人ひとりの事よりも、全体で作ったサウンド、
汗だくになって弾き終わったブラームス。
それで心はいっぱいだった。

その晩の最初の音を弾き始める瞬間の、あのなんとも言えない緊張感。
最初の音が静かに鳴った時、もう何も考えられなかった。
浮かんでは消えていく景色、ブラームスが思い浮かべたただろう情景・・・。
あぁ、ここは悲しい。
でも、次のここは、ちょっと希望が見える・・・でもやっぱり絶望的な気持ち。
今度はちょっと明るいけど、でもそれは過去を思い出しているだけかな。
なんて切ない音楽なんだろう・・・。

そんなことを考えながら、時間だけがひたすら過ぎていく。
何度も寝返りを打ちながら・・・。
コンサートはもう終わった。
二度と同じコンサートは出来ない。
もう一生、今日の演奏は再現出来ないのである。
今日、感動してくれたお客さんも、弾きながら感動したオケのメンバーも、
時間が経てば、今日の記憶は霞んでいく。
そして、俺の意識も、ゆっくり静かに、かすんでいった。

2007/11/12 12:00 | 未分類 | No Comments

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