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2012/08/15

 

“アテレコ” なんて言葉をうっすら聞いた事がある方もいらっしゃると思いますが…今日はアテレコについて少々お話したいと思います。

 

マイクの前で喋って画にアテる仕事でしょ?はい!そうです!よくおわかりで!

 

例えばアニメを一本収録するとなったら、決まった時間に出演者全員がスタジオに集まり(スケジュールが合わない人は別時間や別日になったりしますが)基本的には全員で収録します。

 

スタジオの諸事情や出演者の人数にもよりますが、マイクが3、4本立ってます。シーン毎に区切って収録していくわけですが、この場合はアニメという事で、Aパート、Bパート…要するにオープニングからCMまでがAパート、CMあけから最後までがBパートみたいな感じになっています。

 

まずAパートのテストをします。つまり、映像を流し、実際に画にアテるテストをするわけです。その時我々声優はココの台詞はあのマイクに入る、アソコの台詞はココのマイクに入る~…などの作業をこの時間に行います。実際に共演者と台詞を掛け合うのはこの時間が初めてになりますので自分が家で稽古してきた台詞などがちゃんと相手と噛み合うか、解釈が間違っていないか、その他色々な事をこの時間に感じ取るわけです。

 

テストは僕ら声優だけのテストではなく、制作さん側も色々なチェックがあります。そして、勿論演出も入ります。

 

その作業を終え、色々加味した所でいよいよ本番です。テストでの事を踏まえ、いよいよ台詞を収録します。緊張の一瞬ですね。

 

一通りAパートの本線を撮り終わったら別録りにした箇所、ガヤなどを録ってAパートが終了となります。

 

ちなみにAパートだけだったら作品の尺的には10分位ですかね。

 

台詞がゴチャゴチャしてたり、ガヤが多かったり収録する手間がかかる作品もあれば、登場人物が少なく普通の会話的なものばっかりな作品もあるので何とも言えませんが、だいたい1時間位でAパートは録り終わるんじゃないでしょうかね。もっと早く終わる場合もありますし、もっと遅くなる場合もありますけどだいたいそんな感じです。

 

休憩を挟んでBパートの収録です。上記した事の繰り返しですね。

 

軽くザックり書いてみましたけど…結構大変なんですよ~(笑)。こんなザックリした感じに書いたような事をスムーズにこなせるようになるには声優個々の頑張りが必要不可欠です。演出に答えられないような芝居を提供しちゃったりすると当然リテイクしないといけないですし、二度三度と同じ台詞をやりなおします。時には二度三度じゃ済まない事だってあります。出演者全員がこんな調子だったとしたら当然そんな短時間じゃ録り終われません。

 

自分一人の為にそんなにお時間とお手間を取らせてしまうとスタジオ内にいる全員に迷惑がかかってしまうので、僕らは家で頑張って稽古をして現場に行くわけです。

 

初めて声優の仕事を目の当たりにした人は「おお!すげぇ!」なんて思うかもしれません。テストを聴いただけでも「充分作品として成り立ってんじゃん!」とも思うかもしれません。

 

そうなんです。凄いんです声優って(笑)

 

でも…

さも当たり前に軽くやってのけているような感じがすると思いますしプロなんだし当然そう思われるとは思うのですが…

 

家では結構もがいてるかもしれませんよ(笑)。少なくとも僕は家でもがきまくっています。

 

アレですよ。白鳥が何とかってヤツですよ。優雅に泳いでいるようで水面下では足をバタバタしちゃってる的なアレです。

 

声優に限った話じゃないかもしれませんけどね。

 

スタジオにいる人全員が一所懸命になって一つのモノを作っています。本当に素敵な空間です。

 

もっと細かい事を書こうかと思いましたが長くなりそうなので今日はこのへんで(笑)!

 

2012/08/15 12:00 | 未分類 | No Comments

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