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2014/01/31

「指とピストン」と題しまして、「指をピストンから離さない奏法の修得に取り組んでいる」ことについて綴ってきました。

今回はその3回目、最終回です。

最終回にしていよいよ、そもそもそなぜにそれに取り組もうと思ったのか、について綴ってみたいと思います。

当シリーズ中、もっとも地味な内容になるものと思われます。

さてさて。

これに取り組む必要性に目覚めたのは、昨年の春先です。

ずばり、昨年の春にレコーディングしたシングルCDのイントロのフレーズが吹きにくく、その原因として“中指だけピストンから離れ気味”であることに気が付きました。

(録音する前々日くらいにやっと決まったフレーズでして…)。

で、なぜ中指だけが離れ気味になってしまうかというと…。

理由は、薬指にあります。

薬指って、独立していないじゃないですか。

中指と一緒に動いたり、小指と一緒に動いたり。とにかく動かしにくい。

その薬指をしっかりと動かすために、“中指で反動をつける”的なクセが身に付いてしまっていた、という次第なのです。

薬指で3番ピストンを押すとき、逆に中指が上っちゃう的な(逆反動運動<命名・太田>)。

押さえていた薬指を上げるときは、中指がさらに上っちゃう的な(順反動運動<命名・同>)。

というわけで、薬指を使う局面で中指がピストンから離れてしまう傾向があったのです。

とはいうものの、もっと早くにこのクセに気が付いても良かったはずですよね…。

気づくのが昨年の春先になったのは…。

まず前提として、実は薬指を使う運指の出現率は、本来少なめである、ということが1つ。

トランペットは、運指のパターンが全8種類しかありません(指を3本しか使わないので)。

1・オープン(何も押さない)。
2・1番だけ押す(人差し指だけ)。
3・2番だけ押す(中指だけ)。
4・3番だけ押す(薬指だけ)。
5・1番+2番
6・1番+3番
7・2番+3番
8・全部

で、これらの運指がすべて平均的に使われるわけではないんです。

薬指を使う運指は、登場頻度が低めです。ほかの運指で代用できることが多かったりしますし。

この理由を話し出すと長くなるので、理由は割愛します。

3番(薬指)を使う運指の、使われる頻度だけ紹介しますね。

1オクターブを半音で上がっていくと、12種類の音がありますが、最初の1オクターブ(ドから始めて)では

○12音中、4音(そのうちの3音は低いほうの音です。なのでそもそも使用頻度は低め)。

次のオクターブでは、

○12音中、1音(その1音は高めの音なので、そもそも使用頻度は低め)。

どうでしょう。薬指を使う頻度が少ないということを、分かっていただけましたでしょうか。

とりあえず、そういうものだと思い込んでください。

しかし、ぼくはここ2、3年、人と違う運指で演奏しているんですよ。

なぜかと言いますと。

トランペットって、ピッチ(音程)が低めな音が結構あるんですよ。

普通に吹いて、音程が悪い楽器なんです。
(この理由についても、話すと長くなるので割愛します。以前に書いたことはあるんですけれども…)

で、音程をどのように整えているかというとですね。

周りの音を聴きながら、唇やエアーをコントロールすることで、ピッチを整えながら吹く、のです。

下から数えて2オクターブ目のミの音と、ミ♭の音が特に低めです。

ところがですね、吹きながらピッチを上げるというのは、結構唇に負担がかかるんです。

バテてくると、なかなかピッチを上げ切れなくなったりします。

なのでぼくは、ミとミ♭の音を、いわゆる“換え指”で演奏することに決めました。

2年くらい前に。

普通、ミの音は“何も押さない”運指で演奏します。で、ミ♭は、2番を押すだけ。

それに対してぼくは、前者を1番+2番、後者を2番+3番、という運指で演奏しているんです。

運指的なやりにくさよりも、音程の取りやすさを選んだのです。

ちなみに、その2音を常に“換え指”で演奏しているトランペッターは、世界的にみてもほとんどいないはずです。

これまでプロ的な人にもたずねましたが、みなさん、まったくもって換え指で演奏するという必要性を感じられていませんでした。

口で調節できるから、です。

でもぼくは、それが苦手なので、違う道を選んだというわけなんです(威張れる話ではない…)。

で、2オクターブ目のミ♭は、美味しい音域(よく使う音域)の中にあるので、使用頻度の高い音なんですね。

ここでやっと結論です。

ミ♭を換え指で吹くことによって、中指がピストンから離れるクセが問題になってきた。

という話だったのです(ここまで長っ!)。

まあ冷静に考えますと、ミ♭を換え指で吹かなくてもですね、もっと早くに“中指だけピストンから離れがちである”ということに気が付き、矯正されていなければいけなかったという話ではあります…。

あまり使われないのをいいことに、3番を使う運指を滑らかにする練習を怠ってきた、というわけですよ…。

で、自ら3番(薬指)を使う頻度を増やしたらば、それが演奏の足かせになった、という、情けない話です。

しかし、いざ直そうと思っても、長きに渡って育まれてきたクセなので、なかなか治らないんですよね。

中指の動きを抑制することで、薬指の動きも鈍くなりますし…。

換え指を使って演奏することをやめる(元に戻す)という選択肢はありません。

音程を良くしたいからです(口でコントロールするほうが、総合的にみてぼくにとって難しい、という判断です)。

とにかく、ミとミ♭の音程が低いことには、長年悩んできましたから…。

今後も、“指とピストンがいつもくっついているように”練習に励むのみです。

ふー…。

話を最初に戻しますね。

件の曲のイントロの出だしのフレーズ、「パラッパッパラ〜」というフレーズなんですね。

最初の「パラ」の運指が、パ=1番、ラ=2番+3番(ここが普通なら2番だけでOK)。

この、ラ=2番+3番を素早く押す必要があり、なかなか上手くいかなかった、という話だったわけです。

たったこれだけのことが上手くいかなかったというのもなんか情けない話なのですが。

それだけ、中指が上がってしまう、というクセが根深かった、ということではあるんですが…。

ついでですので、その曲、YouTubeで聴けますのでお時間がございましたら…。

って、こちらではもう何回も紹介させていただいている曲ですので、聴いてくださっている方も多いと思いつつ…。

コチラです(結局、誘導か!!!)。

では、また来月も、元気に更新していきますね。

今後とも当コラムをよろしくお願いいたします(連載を始めて、ちょうど丸2年が経過いたしました!)

押忍

2014/01/31 09:17 | 周辺ネタ, 奏法について | No Comments

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