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2015/09/17

ここ最近の、トランペットを吹くにあたっての、自らのテーマについてつづらせていただきます。

テーマはずばり、“緊張からの卒業”です(“この支配からの卒業” by 尾崎 豊 的な…)。

本番で最高のパフォーマンスをしたいわけですが、それを阻害する最大の要因は、緊張だと気が付きました(今さらながらに…)。

緊張はテクニックを奪い、音色を奪い、スタミナを奪います。

では、緊張しないためには、どう自らをコントロールすれば良いのか。

それについていろいろと考えては、心持ちを変えたりしつつ、克服にいたっておりません…。

しかし、道は見えてきた気がしています。

まずは練習あるのみ。

先日、プロの方とこのことについて話していて、その方はいみじくもこうおっしゃいました。

「寝ながらでもできる、まで練習する」(小学生の頃に発表会に臨むにあたりそう考えた、とのことでした…)

う…。

寝ながらでもできる、という観点は持ち得ていなかったです(もう49歳だけれども…)。

というわけで以来、“寝ながらでも吹ける”まで、反復練習しようと努めています。

そして、もう1つ。

これは自分で考えました(ドヤ顔)。

「良い音が出るか出ないかではない。出すか出さないかだ」

こう考えて本番に、そして日々の練習に臨むようにしています。

調子がいいとか悪いとか、人は時々口にするけど(『無縁坂』by クレープ、的な)、

調子は自分で作る、そう考えるようにしています。

もう49歳。調子がいいか悪いかで一喜一憂している暇はないです。

「良い音を出す」しかないのです。

「良い調子を作り出す」しかないのです。

“鳴らぬなら、鳴らしてしまえ、トランペット”です。

技術的にどうアプローチしているのかについては、次回にしたためさせていただきます。

ヤング・トランペッターの皆さま、必読です。

ところで…。

女子サッカークラブ「スフィーダ世田谷FC」さんが、選手目線カメラで撮影した“練習風景動画”を、クラブ公式YouTubeチャンネルにアップされました。

BGMに、公式サポートソング『SFIDA』を使ってくださっております。

新ボーカル・emiriの歌唱による、2015バージョンの音源です。

お時間がございました、ご覧ください!

コチラです!

使っていただけて、とても感激しております。

ありがとうございました!

押忍

2015/04/30

ライブの総括をした直後ですが、今度は、個人的な総括を…。

もちろんベストは尽くしましたし、しっかりと準備もしました。

良かったと思える部分もありました。

しかし、もっと良い演奏がしたいと思う次第です。

正直、まだまだです。

録音を何度も聴き、自分として良くなかったと思う部分を聴くにつけ、日々練習しているのになぜだろう、と、心が折れそうにも思います。

でも、今さら心を折ってもしょうがないです。

引き続き、努力したいと思います。

あと、相変わらずメンタルが弱い…。

こんなに演りたがりなのに、なんであんなに緊張してしまうのか…。

ちなみに、ピアニカを吹く曲が1曲あったのですが、これはそこそこ良いソロが取れたと思っています(自分比)。

正直、ピアニカを吹く局面では、それほど緊張はしないんです。

強気にもなれます。

吹けば必ず音が出る、指さえ間違わなければ間違った音が出るはずはない、という安心感があるからなんです。

ラッパは音が出ることが保証されておらず、指が間違っていなくても間違った音が出る可能性があります。

怖いんです…。今さらに…。お恥ずかしい話ですけれど…。

しかし、もうびびっている場合ではない、と、今、つくづくそう思っています。

次回は、“開き直る”、そして“強気で攻める”、そして“小さいことは気にしない”、この3つをスローガンに臨もうと思っています。

あと、「変わらないと変われない」とも考えています。

練習方法を、抜本的に変えてみています。

ライブの1週間前から変えました。なのでまだ成果は出ていないのですが…。でも次には出るはすです(自己暗示)。

これまでは、1度の練習時間を30分と決めていて、次の練習まで1時間以上のインターバルをおき、そしてそれを2〜4セット行ってきました(1セットだけの日もありますが…)。

インターバルを置くその心は、しっかり回復してから次の練習に入りたいからです。

ダメージを負おうとする練習はするべきでない、という観点です。

しかし、4セットをやった次の日とか、結構ダメージが残ったりもしていました。

ということで、1回の練習時間を20分にしてみました。で、インターバルは最短でその倍の40分。

それを日々、3〜6セット行っていこうと考え、実践しています。

もっと早くからそうすべきだったとも思いつつ、短い練習時間で回数を増やすというのは時間的なロスもあり、なかなか踏み込めなかったんです。

1度吹き始めたら、がつっと吹いておきたくなりますし。

でも確かに、練習を開始して20分後以降は結構バテバテで、無理矢理音を出すという感じに陥りがちで、これは良くなかったな、と。

1回の練習時間を20分に短縮したことで、無理矢理音を出すという局面を減らせています。

これは必ずや、成果を生むはずです…(神頼み…)。

他にも、メニューの見直しもしています。

これは半年前から変えています。そして、これのおかげで、なんか今まで以上のスピードで向上できているように思っていたのですが…。

今のところはそうでもなかった…。

まあまあ、とにもかくにも、スローであっても、練習していくしかないですもんね。

やるだけやってみたいと思っています。

このようにいろいろ考えて、そして実践もすると、逆に入れ込みも激しくなる傾向があります。

それがまた緊張を生んだりもしますので、そこには気を付けようと思いつつ。

なかなか劇的には向上できないだろうけれども、とにかく、こつこつと。

地道にやっていきたいと思います。

早く、次のライブがしたいです。

押忍

2015/01/31

練習用ミュートの最新事情をレポートさせていただく後編です。

結論から入ります。

新たな練習用ミュートを購入いたしました。

ブレンナーというメーカーの「シーミュート」という製品です。とても気に入りました。

その割に、少々テンションが低かったり…。

もろもろと微妙な気持ちにもなっております。

練習用ミュートで練習するコツについて前回大いに語らせていただきましたが、今さらながらにオープンで吹く重要性を改めて思ったり…。

この15年ほどの練習スタイルに対して、自己否定的な気持ちが湧いてきて…。

とはいえ、練習用ミュートのおかげで毎日練習できているわけですから、やっぱりぼくにとって必要なものであることは事実です。

あと、今、良い練習用ミュートに出会ってみて、なぜもっと早くにこの存在に気が付かなかったのか…、とも思ってみたり。

まあまあ、過ぎたことをくよくよするのは良くないです。

ここ数年、練習時間を増やして手応えも感じられていますので、これまでの練習方法を否定する必要はないですよね(自己暗示)…。

ただ、改善すべきは改善すべきですので、今後はスタジオを使う回数を増やそう、そして練習用ミュートを使っての練習もしっかり頭を使いながらやっていこうと、思いも新たにしております。

そんなこんなでございまして。

以下、最新の練習用ミュートのインプレッションをお贈りさせていただきます。

トランペット吹きにしか関係ない話になることをお許しください(偶然ここを訪れたラッパ吹きの方の参考になったらうれしいのですが…)。

さてさて、今回試したのは、以下の4アイテムです。
FullSizeRender
左から

01・ブレンナー・シーミュート(sshh mute)税抜き定価:6500円 約45g
02・ヤマハ・サイレントブラス ピックアップミュート 税抜き定価:1万1000円 70g
03・ベストブラス・ウォームアップ 税込み定価:1万500円 58g
04・ベストブラス・イーブラスジュニア 税込み定価:6300円 40g

(※価格は、メーカーHPを参照しています)

ここで、前回のコラムのおさらいを少し。

そもそもぼくは、練習用ミュートはヤマハの「サイレントブラス」が唯一無二の存在だと思っていたのです。

で、それが15年以上振りにモデルチェンジしていることを知り、さぞや劇的に進化しているに違いないっ!
と胸をときめかせて楽器屋に行った、という次第だったのでした。

「サイレントブラス」を指名買いですから、まずはそれのみを試しました。

従来モデルを持参し吹き比べてみました。

結論としては…。

期待が大きすぎたからでしょう、吹奏感の向上振りはそれほど感じませんでした。

しかし、重さと大きさが相当に軽減、小型化されていたことは大きな進化であると感じました。

それだけでも価値があると思い、購入を決心いたしました。

そしたらお店の方に、01の製品を紹介され、実はこれがイチ押しなんですよ、と。

ところが、たまたま在庫が切れていて現行モデルを試すことができず(前型モデルを持っている店員さんがいらして、それを試してみました。その時点では半信半疑。吹きやすいのは確かながら、消音性能がイマイチのようにも感じられ…)。

というわけで、新しいヤマハ製のものを買うのは一旦取りやめて、「ブレンナー・シーミュート」の現行モデルを取り寄せていただくことに。

そして、数日後改めてお店に行き、その前に他にも評判のものがあることをネットで知ったのでそれらも含めて以上の4つを試してみた、というわけなのです。

で、まず「ヤマハ・サイレントブラス」の新型モデル。

改めて比べてみて、ぼくがずっと使っていた前型より、抵抗感も減っていました。

ただ、他の製品と比べると、もっとも抵抗感は高いように感じました。

(ベルに付けて音を出さずに息を吹き込んでみれば抵抗感の差は分かりやすいので、お店で試してみてください)

音色も含め、吹いて心地良いのは03の「ウォームアップ」でした。

アルミ製であり、ハーマンミュートのように“チリチリ”と鳴りますので、その意味で心地いいです。

抵抗感も少なめです。

ただ、消音性能はちょっと低め。

「ウォームアップ」と言うだけあって、本番直前に“気持ち良く”ウォームアップできそうだな、とは感じたのですが…。

それ以外の3つの消音性能は、大きく差がない印象です。

01の「シーミュート」が若干音が大きい気もしましたが、前型の「サイレントブラス」と比べたら、それより若干静かな印象もありますので、消音効果は十分だと思います。

で、抵抗感の少なさは、「シーミュート」が頭1つ抜けている印象です。

価格も手ごろでかつ、軽いですし、これに決めました。

迷ったのはフリューゲルホルン用の練習用ミュートでして、これについてはまたそのうち改めたいと思います。

ところで「シーミュート」、ちょっと気になる点がなかったわけでもないんです。実は…。

“シー”という、息が抜ける音が結構目立ちます。

高い音を吹いても低い音を吹いても、一定の周波数の「シー」という音が聴こえるんですよ。

今どんな音が出ているのかをイメージすることが練習用ミュートを使う時のコツだと考えているのですが、その“シー”という音で、イメージが邪魔されてしまいがちに…。

しかし、この息が抜ける構造がすなわち、抵抗感を少なくさせているキモだと思われます。

多分、慣れてくれば気になる度合いは少なくなると思われます。

さらに言えば、より唇を震わせてより良い音が出せれば、“シー”音は目立たなくなるのかもしれません。

それを目指してみたいと思っています。

さて。

練習用ミュートの抵抗感がぐっと減ったことにより、日々の練習の効果に変化が出るのか、否か…。

変化が感じられたら、またいつか、続編を書かせていただきますね。

とりあえずそのあたりについて、1日、2日では明らかな変化はないのですが、期待感は持てていますので、練習するのが前より楽しみになっています。

上手くなりますように…(神頼み…)。

押忍

2015/01/29

練習用のミュート(消音器)の最新事情をレポートさせていただきます(一般的に有用な情報とは思えないながらも…)。

まずは練習用ミュートがどのようなものか、というところから入らせていただきます。

(実は2012年の2月のコラムで練習用ミュートのことを書いております。それとだぶる内容も含みますが、相当に日にちも経っていますので改めて…)

ミュートとは、ラッパの“ベル”の部分に装着するもので、音色を変えるためのアタッチメントです。

で、音色を変えるというよりも、消音に特化したものが“練習用ミュート”です。

ちなみに、トランペットやトロンボーンなどの金管楽器は、ベルの部分にそれを装着して消音することが可能ですが、サックスなどの木管楽器では、そのような消音スタイルがとれません。

サックス等は、楽器本体に押さえる穴がたくさん開いています。

そのようなタイプの楽器は、楽器全体から音が発せられるので、消音のしようがないのです。

なので、サックス類は練習場所の確保が大変です。

それに対して、トランペットは幸せです。

それを使えば、家の中でも概ね普通に練習できるのですから。

ぼくが使っているのは、YAMAHA製の『サイレントブラス』という製品です。

15年くらい前から使っています(製品は1995年から存在していたようです)。

これはミュートと小型アンプで構成されている製品で、ミュート内部にマイクが入っていて、小型アンプを通しヘッドホンで音が聴ける、という機能を持っています。

ぼくはこの機能を、一切使っていません。

この約15年の中で、3分くらいしか使っていません。

擬似的な音という色彩が濃く、ぼく的にはそれを聴けることにあまり意味を見い出せず…。

(練習用の伴奏と一緒に吹ける等々、利点はあるようですが…)。

しかしながら、消音効果は相当に大きいです。

そして吹き心地に大きな違和感がないのです。

十分に使えるアイテムだと思っています。

どのくらい消音できるかというと、普通に観ている時のテレビの音量くらい、もしくはそれ以下まで下げることができます(って、どのくらいの音量でテレビを観るか個人差がありますが…)。

まあまあ、オープンで吹ける環境があれば(意地でも作って)その環境下で練習したほうがいいのですが。

やっぱり、自分が出している音を聴くことは、とてもとても重要なんですね。

なので、時々はスタジオで個人練習もしています…(それほど頻度は多くないです)。

あと、練習用ミュートで練習する上でのコツもあります。

コツというか、“意識すべきこと”ですね。

それを意識することで、練習用ミュートを使った練習の効果を上げることができる、と考えています。

個人的に思うことであり、正しい認識でない可能性もありますが、参考程度に書かせていただきますね(って、ラッパを吹かない方にとっては、何の参考にもならないのですが…)。

ポイントは以下の3点です。

1・出したい音をしっかりとイメージすること

2・今出している音(ミュート越しに聴こえる音)が、実際はどんな音なのかを感じ取ること

3・細かな部分をおろそかにしないこと

それぞれを解説させていただきますね。

まず、1について。

これは練習用ミュートを付けていないときでも同じなのですが、出したい音をイメージすることが、ラッパを吹く上でもっとも大事なことだと考えています。

良い音をイメージせずに、良い音を出すことはできないと思っています(多分、一般論…)。

次は、2について。

練習用ミュートを使って吹いていると今どのような音が出ているのかがわからないわけですが、そこをなんとか、どんな音が鳴っているか感じ取る必要があると思っています。

個人的には、ここは相当なポイントだと思ってます。

ドラッグストアの“ポイント8倍デー”並みのポイントの高さだと思っています(相当ですよ、ポイント8倍デー)。

どのようにそれを感じるかと言いますと。

主には、唇の振動している感触から、こういう感触の時はこんな音がしている、と感じ取るようにしています。

感触と、ミュートを介して聴こえる音(響き感だったりアタック音だったり)を分析して、頭の中でそれを実際の音として構築しイメージする、という作業です。

今鳴っている音を聴けないのことが練習用ミュートの最弱点ですので、それに対処しようという話なのです。

“闇雲に吹く”、これは避けたいです。

そして3つ目。

正確な音を聴けないことをいいことに、細かな部分をないがしろにしがちになります。

これは非常に良くないです。

練習をしているという満足感は得られても、まるで練習になっていない、という状況を生み出す危険をはらみます。

(ほんと、どうでもいい話ですみません…)

ところで、このYAMAHA製『サイレントブラス』の登場以前にも、他社製の練習用ミュートは存在していました。

しかしそれらは、抵抗感が結構違っていて、使えるものという認識を持てませんでした。

なのでYAMAHAの『サイレントブラス』が登場しても、これも同じようなものだろうと、たかをくくっていたんですね。

と、そんな時、大学のジャズ研の誰かの結婚式の2次会で、ぼくより相当に上手なラッパの後輩に会いました。

どうやって練習しているか、という話になり、彼曰く、

「工場で練習しているが(会社を経営しているんです。彼)、譜面をさらったりとかなら『サイレントブラス』で家で練習しています」

「いやいや、キミキミ、練習用ミュートで練習にならないでしょ」

「いえ、全然大丈夫ですよ。使えますよ」

(ぼくより相当に上手い彼が言うのですから、使えるのかも…)

「そなの? で、いくらよ、それ」と聞いたらば、

「1万5000円くらいっすかね〜」とのことで。

当時ぼくは、ラッパの練習のためにクルマを所有していました。

車体はおんぼろでしたのでローンは早々に終わっていたものの、駐車場代、保険、税金、車検代で、年間60万円ほどが消えていました(もちろん、他の用途でクルマを使うことはありつつでしたが…)。

というわけで即、楽器屋に行き、『サイレントブラス』を試し、確かに懸念していた“抵抗感の違い”はそれほどでもなく。

大事なのは音をイメージすることだな、と感じ。

自宅で練習できるくらいまで音量を下げられるその利点を重んじ購入、即クルマは処分、以来『サイレントブラス』を使い続けている、という次第です。

で。

ちょっと前にふと気が付きました。

『サイレントブラス』の新製品が出ているではないですかっ!!

多分、初のモデルチェンジだと思われます(もう1年以上前に出ていたっぽい)。

約18年振りで新しくなっているのだから、下手をすると劇的に品質が向上している可能性もあります。

これは試すしかないっす!!

たまたま今月、臨時的なお仕事の原稿料が入る予定があり(若干)、ついつい気持ちも大きくなり、先日楽器屋さんに行き、試してきました。

そしたらば…。

この約15年間、YAMAHAの『サイレントブラス』だけが唯一の使える練習用ミュートだと思っていたのですが、知らないうちに他社からも良いものが出ていたようで…。

この15年で、状況はいろいろと変わっていた、のです…。

ここまで相当に長くなってしまいました…。

禁断の“続きモノ”形式を取らせていただきます。

って細かいことを言いますと、一部在庫が切れていたりして、まだ注目製品を試せていないのです。

というわけで、現状、未確認情報があり、それも確認した上で、“練習用ミュート最新事情”のまとめをさせていただきたいと思っております。

昨日、楽器店より在庫した旨のご連絡をいただきましたので、早速試してきます。

それでは、続編をお待ちください!

押忍

2014/12/18

今年の1月に、「指とピストン」と題したコラムを投稿いたしました。

多少の反響をいただけて、「続・指とピストン」「続々・指とピストン」と、計3回にわたって深追いさせていただきました。

それぞれリンクを貼らせていただきましたが、要は、「ピストンから指が離れないように気を付け始めた」という内容でした。

あれから約1年、ようやく8割方、できてきました。

(日々このことだけに着眼して練習しているわけではありません。何を吹くにしても、都度いろいろなことに注意しながら、考えながら練習しております。すべてなかなか上達していかないけれども…)

で、今回は、ここに至るまでの取り組みと、さらなる調査結果をご報告させていただこうと思います。

(なんか、どーでもいい感じが…)

さてさて。

まずは、昨年の記事を簡単におさらいさせてください(リンクを辿らなくても大丈夫なように…)。

指がピストンから離れないように、と思い立った理由は。

○中指と薬指を同時に押さえようと思った時、中指がピストンから離れているために中指が遅れる。

○これが弊害となり、とあるフレーズがどうにも上手く吹けず…。

○学生の頃に読んだ、とあるアメリカ人ジャズトランペッターのインタビュー記事を思い出した。

「指とピストンの間にコインを挟んで練習したよ。コインが落ちなくなるまでね。わっはっは」(最後の笑い声は、アメリカ人ぽいかなと思って…)。

このような流れで、「よし、今こそこれに取り組もう」と思い立った、という次第です(コインの練習はしていません。すぐに落ちてしまうので…)。

で、他の楽器はどうなんだろうとネットで調べてみたんですね。

すると、ピアノなりサックスなり、「鍵盤やキーから指を離さないように」と、早い段階で指導されているくさい、ということがわかってきました。

でも、自分は楽器を始めた小学生時代も、大人になって師匠についた時も、そのような指導は受けなかったなあ…。

と、ここまでが、最初のコラムの大体の内容です。

そしてそのコラムを受けて、知り合いのトランペッターの方お2人がコメントをお寄せくださいました。

ともに「意識したことはなかった(でも意識して確認したら、指は離れていなかったよ)」と。

というわけで、トランペットだけは、「指を離すな」と指導されていないくさい、ということもわかってきました。

(このあたりについては『続』や『続々』で綴らせていただきました)。

さてさて、そんなこんなでございまして。

この1年の取り組みについてです。

思っていた以上に、壁は高かったです。

(多分、ぼくに才能がない、というか運動神経が低い、というか指を動かす能力が低い、ということなんだと思います…)

特に、中指がピストンから大きく離れがちで、それを矯正するのが難しかったです。

薬指って独立していませんよね(中指、小指と一緒に動きがち)。

でぼくの場合、薬指だけを押そうとする時、逆に中指を上げて反動を付ける、というクセがついていたんです。

薬指の独立よりむしろ、中指が独立するかどうかがポイントとなりました。

とにかく中指は、何かつけて上がりがちなのです。

特に、人差し指と薬指を同時に押さえる運指の時に、この傾向は顕著でした。

どう集中しても、中指に「動くな」という信号が伝わらないのです。

とにかく、離れないように離れないように念じながら練習すること約1年…。

ようやく今、どのような局面でも概ね指がくっついたまま、という状況を作り出せるようになりました。

しかし、動きの滑らかさがまだ足りません。

むしろそこが重要ですから、実質はまだまだ道半ば、なのですが。

(なので本番では、滑らかさ重視で、指は時々離れます…)。

こんなところです。

しかし成果は感じられております。神様に感謝です。

さてさて。

この「キーなり鍵盤なりから指が離れないように」という観点は、本当に全楽器共通(トランペットを除き)の観点なのか、という問題について、最近、ちょっとだけ追加調査をいたしました。

ピアニスト、バイオリニスト、フルーティスト(フルート奏者)、それぞれに方々にお話を聞く機会が持てたのです(そのお三方+パーカッション、という編成のバンドのライブを観に行ったのです)。

すべてプロフェッショナルな方々です。

まず、ピアニストの方いわく。

「指導者にもよる。必ずしもそのように指導されるとは限らない気がするが、自分は楽器修得段階においてそれを意識し、指を離さなくても強く弾けるように練習した。もちろん今でも基本、指は常に鍵盤に触れている」とのことです。

バイオリニストの方いわく。

「普通、習い始めの早い段階で、弦を押さえていない時も大きく弦から離さないように、と教わる。自分も指導する際には、それを早い段階で教える」とのことです。

さて、フルーティストの方なのですが。

この方は超絶にお上手な方です。しかし演奏を見ていて、結構キーから指が離れる局面が多かったんですね。

高速フレーズの時は離れないんですが。

フルートではスルーされているんだな、と思いながら演奏を拝聴しておりました。

でも…。

サックス奏者とか見ても、キーから指が離れる人は少ない印象を持っていたので、意外な気もしつつ。

一応お聞きしました。

すると…。

「フルートではキーのストロークの深さはせいぜい2mmほど。それだけの動きですむのだから、離すべきではないし、離さないように指導されるのが普通です」

「あれ? お見受けしたところ結構離れていたように思ったのですが…」

「お…。自分は時々、敢えて離します。キーを叩きつけるその打音が欲しい時があるんです。タンギング(舌を使って音の立ち上がり、区切りを明瞭にする奏法)的に使う時もあります」

おー、こんな方が!

「でもこれは、人から怒られる奏法です。特に、修理の方からは(笑)」

ですって。

いやー、面白い話が聞けました。

いろいろなやり方があるんですね。

これを踏まえ今回の結論は以下です。

「人生は自由だ」

そしてやっぱり、概ね多くの楽器で、「キーなり、鍵盤なりから指を離さないように指導される」ということのようです。

そして、トランペットではそのように指導されるケースが少ない(これは前回の結論ですが…)。

これについては、機会を見てもうちょっと調査してみたいと思います。

ただ、トランペッターは、指よりも、口、息、この方面の技術会得が優先で、指のテクニックはあまり指導されない楽器、という傾向はあるように思います。

ちなみに前回、この話を書いた時、パーカッション関係の方も「手なり、スティックなりを、打面から離れすぎないようにしています」とおっしゃっていました。

さらにちなみに言うと、ボクシングもそうですよね。

構えたところからそのままパンチを繰り出します(反動をつけない)。

(そして、脱線…)。

押忍

2014/11/27

最近、トランペットの奏法上の注意事項に新たな1項目を加えました。

ここ1、2年、とある新しいテーマに取り組んでいたんですね。

それが新たな気づきを生んだ、というお話です。

その、ここ1、2年取りくんでいた新テーマとは、「目を開けて演奏する」。これです。

これを実践しようと思ったいきさつなどを、過去に綴らせていただいております。

お時間がございましたらご覧ください。以下です。

『覚悟を決めようと思うなら、目を開けろ!!!』(2013/02/21)

お読みくださいと言ってはみたものの、簡単におさらいしますね(読まなくてもOK!)

このテーマを掲げる前ぼくは、目をつぶってラッパを吹いていました。ほぼいつも(譜面は見ない派ですし…)。

トランペットは、指を動かすほうの手である右手を楽器に対して固定して演奏します(左手も固定されていますが)。

つまり、動かす指の“支点”が固定されているんですね。

なので、目をつぶっていても指が空振りをすることがない。

演奏上なんら問題がないのです、目をつぶって吹いていても。

むしろメリットは多い、すなわち目をつぶるとより集中できる、より気持ちが込められる。なんとなくそのように思い込んでいたのですが…。

しかし実はここに落とし穴があるのではないかと思い始めたのです。

なぜ緊張するのだろうと考えた時、目をつぶっていることで“入れ込み”を助長し、緊張を助長させているのでは…、と。

そうだ、目を開けよう。そうすることでもっと冷静になれるのではないか。

そう考えたのです。

以来、本番はもちろん、練習でも目を開けて吹いています。

この考えがスタンダードなのか異端なのか、はたまたどっちでもいいことなのか、深く検証できてはいないのですが…。

でも、目をつぶるのはやめました。一度決めた以上、やり遂げようという観点からです。

そうしていたら、このことが思いもよらない問題を生じさせていたのです…。

それは…。

「気をつけていないと、顔が情けなくなることがある」。これです。

写真に収められた自分を見て気がつきました。

目をつぶって演奏していれば、とりあえず一生懸命さは醸せますし、結果、ビジュアル的な大外しは比較的に少ないように思います(自分比)。

しかし、目を開けている場合。

眉間が上がってしまう(両のまゆげが“ハ”の字になってしまう状況)こともあるんですね…。

この状況、案外発生率が高い気がします。切ない系の気持ちを込める時、こうなる可能性が高い…。

しかし。

これはいただけませんね。

これは、本当にいただけないのです。

情けない…。実に情けない顔になってしまうのです…。

演奏している時、表情がどんな感じか、そこに気を配るという観点が必要になるのです。

目を開けて演奏する場合は。

表情に関して、ノー・ケアではいけなかったのです。

対策を考えました。

眉間にしわを寄せる方向で、この意識だけでこの問題はクリアできるのではないか、というのが現状の結論です。

そうしていれば、とりあえず大外しはない(自分比)。

というわけで最近は、「眉間のシワをキープしたまま吹く」、ことを心がけています。

日々の練習からです。

あー、早くライブがやりたいです。

この気づきが、思ったとおりの成果を上げられているのか否か…。

これでまた一歩、野望に近づきました。

(もてもて計画)

押忍

2014/05/29

今回は、最近どんな練習をしているのかについて書いてみたいと思います。

非常に地味な話ですけれども…。

はじめます。

このところぼくは、“コピー”に精を出しています。

今度のライブで、ブラジルの曲のカバーを1、2曲入れようと思っていまして。

そのスジではそこそこ有名な曲で、今回はそれぞれこのバージョンをお手本に、というように参考となるバージョンを決めました。

1曲、ホーン・アレンジが細かいバージョンをお手本としています。

そっくりそのままコピーする前提ではないので、メンバー各人がそれをもとに、今まさに自分がどう演奏しようか考えているところだと思います。多分。

で、ぼくは実はこっそり、むしろ割とそのままコピーして臨もうと考えているんですよ。

今週末にリハがありまして、その感触で、もろもろ方針を見直す可能性はあるのですが。

それはそれとして。

コピーは苦手です(譜面も苦手ですが…)。

まあもちろん、やっぱり練習にはなりますよね。

日々の練習は、基礎的なメソッドを繰り返し繰り返しやるのがベースで、それにプラスする練習が非常に大事なのですが、時間が取れずに基礎だけで終わる日も少なくありません。

本来は、体が未体験のフレーズをたくさん吹いてみる必要があると思います(すごく当たり前な話ですが…)。

なので、もうほんと、いろいろ片っ端からコピーしていったりとか、やるべきです。

しかし、普段はあまりやっていない…。

時間がかかるんですよ…(こんな言い訳、なしですけれど…)。

フリーランスなので、仕事の合間に練習することが可能で、おかげで会社員時代より多く練習を積めています。

普通は、30分吹き続けて、時間をおいてまた30分吹いて、というように練習をしています。

しかしコピーの場合は、1時間続けてトライして、しかし、聴いている(音を取る)時間が多くて。

というわけで、1時間集中して取り組んでも、吹いた〜、という手応えを得られにくいんです。

効率良く練習をしたい、つまり、短い時間で効率良く体に負荷をかけたいと考えると、コピーは非常に非効率的です。

という理由(言い訳)で、普段遠ざけ気味なんです。

遺憾な状況ではあるのですが。

で、今回の話に戻ります。

今回取り組んでいる曲のホーンセクションパートは、ほんと、難敵です(皆さんに曲を教えていないことをいいことに、大変アッピールです)。

音が細かいのと、リズム(歌い回し)が体になじみにくくて。

とにかく、細かく刻んでコピーしています。

CDプレーヤーに、「A-Bリピート」という機能があるのでそれを活用して、解析したいフレーズだけを延々リピートして歌えるようにします。

そして、なかなか歌えず、歌えてきて吹いてみるも、なかなか体になじまず…。

寝る前のリラックスタイム(寝酒タイム)には、重要なフレーズを含んでいるワンコーラス分くらいを延々リピートして、ひたすら歌う練習をしています。

さすがにワンフレーズ単位で延々リピートしているとちょっとストレスフルですので、せめてコーラス単位にしているわけです。

リラックスタイムにリラックスしていては、時間がもったいない、ということで。

そうして寝落ちているという今日この頃…(さほど成果もなく…)。

で。

今週末のリハまであと数日。

とりあえず、最後の山場を残し(この部分はそもそも回避するかも…)、できそうな部分はひととおり音取りまではできたかな…、という段階です。

しかし…。

細かいフレーズを吹くのは、そもそもぼくのスタイルではないですね…。

ロングトーンに命をかけるタイプです(ここタイトル『青空にロングトーン』は、まさにその決意表明です)。

そうでしたそうでした。

自分を見失うところでした。

と、逃げ腰丸出しで、今回の投稿を終わりとさせていただきます(しかも尻切れトンボ感がはんぱない…)。

今回のこのトライが、もろもろ役立っていることを祈りつつ…。

押忍

2014/04/23

トランペットって、いやすべての楽器がそうなのでしょうけれど、良い音を出すためには、良い音が頭の中で鳴っている必要があるんです。

逆に言えば、イメージしている音しか出せない。イメージできていない音は出しようもない、ということだと考えています。

口笛なんかでもそうです。

試しに何気なく口笛を吹いてみてください。

今度は、今まで自分が聴いたことのある口笛の中で。もっとも良かった音をイメージして吹いてみてください。

後者のほうが良い音がしたはずです。

あながち、気分だけの問題でもないんです。

良い音をイメージするだけで、自然とお腹に力が入り、口の中で音を響かせようと舌の位置を下げて空間を広げてみたり、そのようなことが無意識にできていたはずです。

イメージした良い音に、体が向かっていくんですね。

トランペットでも同じです。

他の楽器と比べて、イメージすることで自然とその音に近づく比率は高いと思われます。

体で音を出す、という意味合いが大きい楽器だから、だと思われます。

で、何が言いたいかというと、「良い音を聴くことは、闇雲な練習よりもよっぽど練習になる」ということです。

良い音をイメージできるようになるからです。

といいつつ、ぼく、トランペットのコンサートに普段ほとんど行っていないんですよね。

ジャズを積極的に聴かなくなっていて、吹奏楽やクラシックもほとんど聴きませんし…。

なんやかんやライブはよく行きます。しかし、シンガーの方のものがほとんど。

それも、1〜3人くらいの小編成の場合がほとんど。

やっぱり生のトランペットもたまには聴かないとな、と、心の隅で思っていたところだったんですね。

そこに、気になるライブを発見!

行ってきました。

今回のコラムは、本当のところを言うと、そのライブに行ってきたことを書きたかっただけなんです。

でもそれだけでは単なる日記なので、無理矢理、上記をくっつけた、という次第です。

いや〜、素晴らしかったです。

日付けは4月20日(日)。

場所は青山のプラッサオンゼさん。

このコラムでも、何度か触れたこともあるんですが、日本におけるブラジル音楽の殿堂、みたいなお店です。

ぼくはここ数年、なんやかんやと通っていまして、そして今月のスケジュールを何気なくチェックしていて、今回のライブの情報を知り得ました。

ぼくはブラジルのポップスが好きで良く聴いています。

ぼくが良く聴いているシンガーソングライター達にひっぱりだこのブラジル人ミュージシャン達がスペシャルなライブをする、とのこと。

編成は、ドラム、ベース、ギター、サックス、トランペット、ゲスト・キーボード、とのこと。

実はぼく、ブラジル人のミュージシャンの方々、名前を覚えるのが苦手なんですよね。

理由は2つ。

CDのライナーの文字が小さくて読めない!

名前を発音できない(どう読んでいいのかわからない)ので、響きとして名前を覚えられない!

この2つです。

なので、名前を聞いてもあまりピンときていませんでした。お恥ずかしながら…。

で、とりあえず、今回のライブのリーダーの方の演奏をYouTubeでチェック。

好みのサウンドです。

トランペットの方もいらっしゃるし。

ということで、あらかじめ予約を入れておいたわけです。

会場に着くと、ブラジル音楽の伝道師とも言うべき、ケペル木村さんが客席にいらっしゃいました。

僭越ながらぼくはケペル木村さんと懇意にさせていただいております。

なので、ケペルさんの前の席を確保させていただきました。

そして、このメンバーの方々についての情報を得ることができました(なんたるラッキー、そして贅沢さ)。

なんでもこの方々は、ブルーノート東京で公演中の、マルコス・ヴァーリさんのバックメンバーとして来日されているとのこと。

マルコス・ヴァーリさんのことをご存じの方は多いはずです。

もっとも有名な曲は、「So Nice(Summer Samba)」でしょうか。

聴けば、100人いて99人の方は聴いたことがある、と思うはずです。

ブルーノート東京で、3日間計6公演。2日公演して、1日休んで、もう1日公演する、というスケジュールのオフ日だったわけです。

ぼくは、マルコス・ヴァーリさんの来日を知らなかった節穴野郎だったわけですよ。

しかし、そのバンドメンバーのスペシャルライブを、よくぞキャッチしていたぞ! えらいぞ! おれ! とちょっとうれしくなりました。

そしてぼくが座ったその席が、トランペッターの方の真ん前。

楽器の先端からぼくまでの距離は、1mを切っていました。

なおかつ、コンパクトなお店なので、サックスとトランペットはマイクを使っていませんでした。

正真正銘、生音を、至近で体に浴び続けることができたわけです。

またその方の音色が、近年ぼくが理想と考えている方向の音色で。

ライブが終わった直後、ケペルさんがぼくにこうおっしゃいました。

「おーたさん、今すぐにでも弟子入りしたくなったでしょ(^_^)」

いやいや、ケペルさん、この1時間半あまりここで聴けて、そして吹き方を見られたことで、すでに相当量のレッスンを受け終わった心境です。

あの音色。体にインプットされました(現地でCDも買ってきましたので、忘れそうになったら聴き返します)。

そして、口の周りをずーと観察していたのですが、あの感じ、形、力の入れ具合(抜き具合)、すごく参考になりました。

目に焼き付けたために、家でラッパを練習してみると、その感じ、形、力の入れ具合(抜き具合)を、自分の体でトレースできているイメージです。

ライブとしての素晴らしさはもちろん、とても有意義な夜でした。

ちょっと気になったら、とりあえず行動してみるというのは、やっぱり大事ですね。

そして、家に帰って、その方々が共演したというアーティストのメインどころのCDを確認してみたら、皆さんの名前がザックザク…。

うわー、散々聴いていたこのCDのベースがあの方だったのか…、とかまた感無量…。

で。

ラッパの話に戻ります。

最高のイメージを手に入れたぼく。

でも。

そう簡単に、おんなじ音は出てくれませんね…。

にんともかんともです。

押忍
(Photo by Seigen Ono)
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手前中央で口を開けて手を叩いているのがぼくです。
多分、イエーとか叫んでいると思われます。
お写真を貸してくださいましたオノ・セイゲン様、ありがとうございました。

2014/01/31

「指とピストン」と題しまして、「指をピストンから離さない奏法の修得に取り組んでいる」ことについて綴ってきました。

今回はその3回目、最終回です。

最終回にしていよいよ、そもそもそなぜにそれに取り組もうと思ったのか、について綴ってみたいと思います。

当シリーズ中、もっとも地味な内容になるものと思われます。

さてさて。

これに取り組む必要性に目覚めたのは、昨年の春先です。

ずばり、昨年の春にレコーディングしたシングルCDのイントロのフレーズが吹きにくく、その原因として“中指だけピストンから離れ気味”であることに気が付きました。

(録音する前々日くらいにやっと決まったフレーズでして…)。

で、なぜ中指だけが離れ気味になってしまうかというと…。

理由は、薬指にあります。

薬指って、独立していないじゃないですか。

中指と一緒に動いたり、小指と一緒に動いたり。とにかく動かしにくい。

その薬指をしっかりと動かすために、“中指で反動をつける”的なクセが身に付いてしまっていた、という次第なのです。

薬指で3番ピストンを押すとき、逆に中指が上っちゃう的な(逆反動運動<命名・太田>)。

押さえていた薬指を上げるときは、中指がさらに上っちゃう的な(順反動運動<命名・同>)。

というわけで、薬指を使う局面で中指がピストンから離れてしまう傾向があったのです。

とはいうものの、もっと早くにこのクセに気が付いても良かったはずですよね…。

気づくのが昨年の春先になったのは…。

まず前提として、実は薬指を使う運指の出現率は、本来少なめである、ということが1つ。

トランペットは、運指のパターンが全8種類しかありません(指を3本しか使わないので)。

1・オープン(何も押さない)。
2・1番だけ押す(人差し指だけ)。
3・2番だけ押す(中指だけ)。
4・3番だけ押す(薬指だけ)。
5・1番+2番
6・1番+3番
7・2番+3番
8・全部

で、これらの運指がすべて平均的に使われるわけではないんです。

薬指を使う運指は、登場頻度が低めです。ほかの運指で代用できることが多かったりしますし。

この理由を話し出すと長くなるので、理由は割愛します。

3番(薬指)を使う運指の、使われる頻度だけ紹介しますね。

1オクターブを半音で上がっていくと、12種類の音がありますが、最初の1オクターブ(ドから始めて)では

○12音中、4音(そのうちの3音は低いほうの音です。なのでそもそも使用頻度は低め)。

次のオクターブでは、

○12音中、1音(その1音は高めの音なので、そもそも使用頻度は低め)。

どうでしょう。薬指を使う頻度が少ないということを、分かっていただけましたでしょうか。

とりあえず、そういうものだと思い込んでください。

しかし、ぼくはここ2、3年、人と違う運指で演奏しているんですよ。

なぜかと言いますと。

トランペットって、ピッチ(音程)が低めな音が結構あるんですよ。

普通に吹いて、音程が悪い楽器なんです。
(この理由についても、話すと長くなるので割愛します。以前に書いたことはあるんですけれども…)

で、音程をどのように整えているかというとですね。

周りの音を聴きながら、唇やエアーをコントロールすることで、ピッチを整えながら吹く、のです。

下から数えて2オクターブ目のミの音と、ミ♭の音が特に低めです。

ところがですね、吹きながらピッチを上げるというのは、結構唇に負担がかかるんです。

バテてくると、なかなかピッチを上げ切れなくなったりします。

なのでぼくは、ミとミ♭の音を、いわゆる“換え指”で演奏することに決めました。

2年くらい前に。

普通、ミの音は“何も押さない”運指で演奏します。で、ミ♭は、2番を押すだけ。

それに対してぼくは、前者を1番+2番、後者を2番+3番、という運指で演奏しているんです。

運指的なやりにくさよりも、音程の取りやすさを選んだのです。

ちなみに、その2音を常に“換え指”で演奏しているトランペッターは、世界的にみてもほとんどいないはずです。

これまでプロ的な人にもたずねましたが、みなさん、まったくもって換え指で演奏するという必要性を感じられていませんでした。

口で調節できるから、です。

でもぼくは、それが苦手なので、違う道を選んだというわけなんです(威張れる話ではない…)。

で、2オクターブ目のミ♭は、美味しい音域(よく使う音域)の中にあるので、使用頻度の高い音なんですね。

ここでやっと結論です。

ミ♭を換え指で吹くことによって、中指がピストンから離れるクセが問題になってきた。

という話だったのです(ここまで長っ!)。

まあ冷静に考えますと、ミ♭を換え指で吹かなくてもですね、もっと早くに“中指だけピストンから離れがちである”ということに気が付き、矯正されていなければいけなかったという話ではあります…。

あまり使われないのをいいことに、3番を使う運指を滑らかにする練習を怠ってきた、というわけですよ…。

で、自ら3番(薬指)を使う頻度を増やしたらば、それが演奏の足かせになった、という、情けない話です。

しかし、いざ直そうと思っても、長きに渡って育まれてきたクセなので、なかなか治らないんですよね。

中指の動きを抑制することで、薬指の動きも鈍くなりますし…。

換え指を使って演奏することをやめる(元に戻す)という選択肢はありません。

音程を良くしたいからです(口でコントロールするほうが、総合的にみてぼくにとって難しい、という判断です)。

とにかく、ミとミ♭の音程が低いことには、長年悩んできましたから…。

今後も、“指とピストンがいつもくっついているように”練習に励むのみです。

ふー…。

話を最初に戻しますね。

件の曲のイントロの出だしのフレーズ、「パラッパッパラ〜」というフレーズなんですね。

最初の「パラ」の運指が、パ=1番、ラ=2番+3番(ここが普通なら2番だけでOK)。

この、ラ=2番+3番を素早く押す必要があり、なかなか上手くいかなかった、という話だったわけです。

たったこれだけのことが上手くいかなかったというのもなんか情けない話なのですが。

それだけ、中指が上がってしまう、というクセが根深かった、ということではあるんですが…。

ついでですので、その曲、YouTubeで聴けますのでお時間がございましたら…。

って、こちらではもう何回も紹介させていただいている曲ですので、聴いてくださっている方も多いと思いつつ…。

コチラです(結局、誘導か!!!)。

では、また来月も、元気に更新していきますね。

今後とも当コラムをよろしくお願いいたします(連載を始めて、ちょうど丸2年が経過いたしました!)

押忍

2014/01/28

前回の続きです。

前回、地味なテーマかとは思いつつ、いつも以上に丁寧に書いたんですね(地味なだけに…)。

それが実を結んだのか、多少のご反響がいただけました。

コメント等くださった皆さま、ありがとうございました。うれしかったです。

で。

前回は、「指とピストン」というタイトルで、ピストンから指を離さない奏法の会得に努めている、ということを綴らせていただいたんですね。

そして、その話の中のポイントの1つに、“それは必要なことなのか”というのがありました。

それについて、コラムのアップ以後、若干考察を深めることができました。

それができたのは、同じくJunkStageライターの鈴木真一さんが、ぼくのコラムを読んでくださって、それに関する考察を書いてくださったからです。

該当コラムはこちらです。お時間がございましたら、ぜひお読みください!

鈴木さんは“元トンガ王国音楽教師”としてコラムを執筆されています。

ずばり、ご専門はトランペット。音大でトランペットを専攻されていたほどの方です。

今も現役でいらっしゃいます。

つまり、トランペット吹きとして、ぼくよりかなりバリューが高いのです。

で実は、昨年末のJunkStageの7周年パーティでお会いすることができまして、その時に件の奏法についてご意見を伺っておりました。

「必ずしも指とピストンがくっついていなければならない、ということはないだろう」とのご意見をいただいておりました。

で、この度改めて、鈴木さんにコラム内でもご考察いただけた、という次第なのです。

そのコラムによりますと、

「意識はしたことがなかったが、演奏して確認したところ、指はピストンからほとんど離れていなかった」と綴られております。

(その他、興味深い考察が展開されておりますので、お時間がございましたら、ほんと、ぜひぜひ!)

ところで。

ぼくは小学生時代にトランペットを始めたものの、中・高はトランペットをほとんど吹いていませんでした。

そして大学のジャズ研で本格的にトランペットを始めたものの、指導者につくことはほとんどなく、概ね独学でトランペットを練習してきたんですね。

(25歳くらいから2年間ほど、師匠について習っていたことはあるんですが)

なので、特に楽器を覚えたての時代に、一般的な指導カリキュラムを体験しておらず、普通はどうなのか、について、あまり分かっていなかったりするのです。

そんな中、音大で専攻されていたような方でも、“ピストンから指を離すべきではない”という指導は受けなかった、ということが知れて、とても有意義でした。

そして、“ピストンから指を離すべきではないということはマストではない”、と結論付けていいのでは、と思うに至りました。

そして同時に、“熟練するとピストンから指は離れなくなる” これもまた真理であると言えると思います。

さらに踏み込んで、以下のようなことも言えると思います。

他の楽器では、鍵盤なりキーなりから指を離すべきではない、ということが、楽器をマスターする上である程度早めに問題となるのに対し、

○トランペットでは、楽器をマスターする上で、そのこと以前にマスターすべきことがある(結構多く)。

○それらをマスターする頃には、自然、ピストンから指が離れなくなっている。

ということなのだと結論付けられます(自己完結)。

と考えるとですね…。

約25年もトランペットを吹いてきたのに、それができていなかった自分って…。

どぼじてどぼじて…(by 風 大左衛門)。

さてさて。

前回の内容をより深められたところで。

次回はいよいよ、カミングスーン的な勢いで、“なぜに今この技術の習得が必要になったか”について綴らせていただきますね。

しばし、お待ちください!

押忍

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