« | Home | »

2010/11/30

hbc_jct.jpg @allcinema
The House By The Cemetery @IMDB

またしてもルチオ・フルチ監督作品です。あらすじは他のサイトで調べてもらうとして、最も印象的だったのが特典に入っているアメリカ版の予告編です。

この家に来たら

閉じ込められる前に契約書をよく読め

ローンは組んでも命で買うな

(ド~ン!)

墓地裏の家!

という命令形のナレーションが「亭主元気で留守がいい」的で味があります。これは80年代の最初のビデオ化当時、本編終了後に予告が入っていたのを覚えていますが、このバージョンって入ってたかな?いずれにせよ、当時は予告には字幕は入っていませんでした。今回は、もちろん入れました。

ビヨンド」の時ほどは特典てんこ盛り(イタリア映画なのに、なぜかドイツ語の予告も入っていたり)ではありませんが、アメリカ版予告2バージョンに、イタリア版予告、海外版予告、脚本家ダルダーノ・サケッティのインタビューなどが入っています。このサケッティ氏のインタビューにはフルチ監督のファンには興味深い話が入っています。(なぜか「墓地裏の家」より、「地獄の門」や「ビヨンド」の話をしていますが…。)

それから、この作品には印象的なセリフがあります。墓地裏の家に住んじゃう一家の男の子のセリフで、彼のベビーシッターであるアンに彼はこう聞きます。「ママが“アンは死んでない”って」「本当なの?」(Ann? Mommy says you’re not dead. Is that true?)アン本人に聞いてるんですが、これは笑うべきか、恐がるべきか…。

それから主人公のルーシー(少年の母)が、朝、キッチンへ行くとアンが血の海と化した床を拭いているシーン。

おはよう アン

おはようございます

何してるの?

コーヒーを入れました

別にルーシーは寝ぼけているわけではなさそうですが、なぜか血の海の床が見えない…。(いや、気にしないで下さい。)

さらに本編の最後にヘンリー・ジェイムズの言葉として「子供は怪物か 怪物が子供なのか/誰にも分からない」(No one will ever know whether children are monsters or monsters are children)と英語のテロップが出るのですが、これは設定的にはヘンリー・ジェイムズ原作の「ねじの回転」からの引用っぽいと思います。しかし、原作を調べても、この言葉は見つかりませんでした…。

謎が謎を呼ぶショッカー。全ての謎を解く鍵はサケッティ氏のインタビューに隠されていると言っておきましょう。

そういえば、また血とかいっぱい出てくるので、そういうの苦手な人や嫌いな人には勧められない作品です。(あ、勧められても見ないか…。)

DVD発売日: 2010/12/03

2010/11/30 03:25 | 翻訳作品(映画) | No Comments