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2010/11/02

dambustersjct.jpg @allcinema

THE DAM BUSTERS(1954) @IMDB

第二次大戦中の1943年5月17日に実際に行なわれた『チャスタイズ作戦』の発案から準備、訓練、そして実行までストレートに描くシンプルな作品。監督は「オルカ」のマイケル・アンダーソン。

原題もシンプルにThe Dam Busters(=ダム攻撃隊)。邦題は「暁の出撃」ですが、出撃するのは夜中です。今は暁(あかつき)は明け方というイメージですが、昔は「未明」まで含む使われ方をしていたので、問題なし。

要するに昔は「夜明けの出撃」も「夜中の出撃」も「暁の出撃」でよかったわけです。

さて、このチャスタイズ作戦ですが、「スター・ウォーズ」第1作(エピソード1じゃなくて製作1作目の方)のクライマックス、ルークによるデス・スター攻撃と同じです。これだけ命中率の低い標的に爆弾を落とすという発想もユニークですし、それを実現するための様々なアイデアも凄いです。それが実話だったというのだから、まさに「事実は小説よりも奇なり」です。

これは戦争映画というよりも、プロジェクトXを見るような気分で楽しめる作品です。実際、戦闘シーンはほとんどなく、クライマックスに向かって敵の対空砲火がしばらくあるだけです。

この作品では階級、距離や重さなどの数値、地名、人名など、どれも事実に基づいているので、これらの確認が一番手間でした。中でも数値は換算も多く、手を抜かずにやっていても単純に間違える危険は大きいわけで、本当に入念にやりました。間違いがない事を祈る…。(汗)

ただwikipediaにも詳細が書かれているくらいに有名な作戦だったので人名や地名や階級などは、確認しやすかったのは助かりました。

ところで、この作戦を指揮したガイ・ギブソン中佐は当時25歳。戦争というのは「平時」に対して「戦時」というくらいで、日々の緊張感が違うのでしょうが、とにかく壮絶な人生だったと思います。彼の戦歴を見ると、この人こそルーク・スカイウォーカーのモデルという気がします。

こうした緊張感のある作戦を発案から準備、訓練、実行までを淡々と描いているこの作品ですが、ブリティッシュ・ユーモアも時々入っていました。低空飛行の訓練をする局面では、付近に住む農夫が政府に抗議の手紙を書く場面があります。内容はこうです。「閣下、食料危機と戦う養鶏農家として強く抗議します。夜中、若い愚か者が面白半分で飛んでいます。楽しいのでしょうが、彼らが鶏小屋の上を飛ぶたびにメンドリが卵を早く生み、落ちて割れてしまいます。これは私だけでなく国家の損失です」。

こうしたユーモアは昭和18年当時の日本では許されたのでしょうか。普通の人々は戦時下でも普通に暮らしていたのだから、大変な状況の中でも笑いはあったでしょうが、どんな具合だったのかな…。

それからもう1つ。この映画を見ていると「ぜひダム攻撃を成功させてほしい。皆、無事帰還させてあげたい」と英軍に同化しますが、ダムが決壊した後、下流では1000人以上の民間人が亡くなっています。これを思うと、戦争は何度やっても、最終的には「もう繰り返したくない」という結論に達するのだろうと思います。勝者の結論も、敗者の結論も、それだけは同じなのではないかと…。

とにかく戦争映画を敬遠する人でも楽しめる作品だと思います。

DVD発売日: 2010/11/03

2010/11/02 03:12 | 翻訳作品(映画) | No Comments

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