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2010/10/15

mbfgirl.jpg @allcinema

My Best Friend’s Girl (2008) @IMDB

ロマコメです。この表現は英語でも使われます。romcomって。Wikipediaでは「rom comsとかromcomsとも言う」とあります。実際、インターネットムービーデータベースのユーザーコメントでもよく目にします。

英語の勉強終わり。

さて、これは80年代のブラットパック映画の中心人物の1人(だと思ってるのは僕だけか?)、ハワード・ドゥイッチ監督による2008年の作品です。「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」に「恋しくて」の監督…。データを見たらこの人ってば、「恋しくて」の主演のリー・トンプソンと結婚してる。中々やるね。でもメアリー・スチュアート・マスターソンの方が絶対可愛かったけど。

で、この作品の話。まずパッケージが何やら怪しい。どう見てもどこかで見た事あるようなビジュアル。どう考えてもレンタル屋さんのラックで、どこかの作品の横に並んで「これも借りてみたら?」と囁きそうな…。

う~ん。その路線で行くと、「騙された!」と思う人もいるかもしれません。でも、騙されて下さい。気軽に楽しむという意味では問題なしです。ただ、何というかロマンティックな純愛成就的なロマコメを期待する乙女にはアクが強すぎるでしょう。主演はデイン・クック。日本での知名度はとっても低いですが、彼が主演。共演は日本での知名度が高いケイト・ハドソン。助演がジェイソン・ビッグス。以前、彼が主役を演じた「恋は負けない」という作品を訳した事があるせいか、冒頭の話の流れが彼を中心に進むせいか、彼が主演のような気分で訳していったのですが彼は助演でした。さらに10年前「いいひと」だった彼が、今じゃ「一歩間違えたらストーカーじゃん」という役どころ。

例によって褒めてるのかけなしているのか分からないですが、例によって、僕は好きです。訳したせいもありますが、たとえば街のピザ・レストラン“チーザス・クラスト”のシーン。丸いはずのピザが十字架型で出てきます。ウエイトレスが注文を取る時は「ピザ信仰の店へようこそ」「注文を祈って」なんて言います。メニューも「ナザレのピザ」とか。まあ、サタデーナイト・ライヴのノリです。

そんな感じなので、ロマコメを装いながら、ロマコメをブッ壊す展開のロマコメと言うといいのか。

ところでこの作品、原題はMy Best Friend’s Girlです。カーズの初期のヒット曲で、僕が大好きな「レベルポイント」のサントラにも入っている曲です。この原題からも邦題がウソっぽいというのは分かりますね(汗)

普段、僕はドラマや映画を訳す時、できるだけ挿入曲の歌詞に字幕を入れます。

意外かもしれませんが、挿入曲って字幕が出ない事がとても多いのです。たとえばマリリン・モンローの「バス停留所」のオープニング。モンローを略奪愛する主人公の青年が「僕の嫁さんになってよ」と熱唱するような曲なのですが、字幕がない。『音楽だから、ない』と言ってしまうには、これ、ドラマの一部だし、セリフと同じ意味があるのに。という事で、テレビ放映用の素材には僕が字幕を入れましたが、発売用のDVD素材には入っていません。(2005年8月現在の話で、今のソフトには入ったかな?)たしか「ゴーストバスターズ」も発売ソフトには主題曲に字幕はなかったはず。

さて、また話を戻して“マイ・ベスト・フレンズ・ガール”。原題でもあるし、話の途中で少し流れて、エンディングでもたっぷり流れます。これは僕にしてはめずらしく字幕を入れませんでした。ネタばらしは、ここでは敢えてしませんが、考えがあっての結論です。曲名はストーリーに沿うけど、歌詞が…、という事なのですが、僕の結論をどう思うかは、この作品を見て、この曲の意味を調べた人に判断してもらえたら、と思います。

まあ、せっかくここまでのパッケージなんだし、軽く騙されちゃってもいい気がします。10日間くらいレンタル屋さんのラックの前で悩んだら、借りてみたら?(笑)とにかく「売りにくい作品」だったというだけで、中身はしっかりしています。

それにしても邦題にムリがありすぎ~。とか言ってると仕事が減る気もするが(汗)

DVD発売日: 2010/10/22

2010/10/15 04:05 | 翻訳作品(映画) | No Comments