ア・サウザンド・サンズ(スペシャル・エディション) CD(+DVD)発売日: 2010/9/29
僕がリンキン・パークを知ったのはDVDソフト「フラット・パーティ」の字幕を作った時でした。もう10年近く前になるわけで、今では彼らもベテランバンドというべきなのでしょう。
「フラット・パーティ」は大ヒットアルバム“ハイブリッド・セオリー”の後に企画されたソフトで、彼らの才能や素顔が様々な角度から分かる作品です。字幕的に言うと120分で1150枚くらいなので、バンドのソフトとしては喋りが多いですが、それは「いつもファンの近くにいたい」という彼らの思いが反映された結果だったように思います。“ハイブリッド・セオリー”のメイキングソフトとも言えるし、メンバーの顔見せソフト的な作品ですが、PVのメイキングも充実(PV本編ももちろん入っています)していて興味深いし、翻訳作業をしていても飽きませんでした。
ここで、僕が字幕を作った彼らのソフトのおさらいを古い順番にやってみます。まず前述の「フラット・パーティ」。
フラット・パーティ DVD発売日: 2001/12/12
その後、彼らが“ハイブリッド・セオリー”をリミックスした(というより、もっと作り込んだ)のが“リアニメーション”で、このアルバムのDVD Audioでも彼らの映像が収録されていて、ここでも翻訳をしました。ただ、これは短く、さらにDVD Audioだったので字幕としては入れられず、ライナーの中に対訳を入れたものになりました。
リアニメーション DVD Audio発売日: 2002/12/18
そして、彼らの2枚目のアルバム“メテオラ”。このソフトはDVD付きのパッケージも発売されましたが、残念ながら製作スケジュールの都合上、字幕は収録できず、発売当時はネットで対訳を参照できるようにしてありましたが、今調べたら、出てこないようです。(ちょっと残念)
このDVDはライヴというよりドキュメンタリーでした。この中でブラッドが言っていましたが、「このアルバムは2作目になるけど、実際は「フラット・パーティ」も「リアニメーション」もかなり手間をかけて作った作品だから、これが2作目って感じは全然しない」という事です。
メテオラ (初回生産限定盤) CD(+DVD)発売日: 2003/3/26
そして、この“メテオラ”からのシングルカット曲のPVとメイキングを収録したDVDが“ブレイキング・ザ・ハビット”です。24分ほどの収録時間で250枚ほどの字幕があり、それに加えPVが入っているのですが、このPVは「キル・ビル」のアニメーションを作った日本のアニメスタジオ、ゴンゾ製作のアニメーション作品で、監督はバンドのキーボード担当、ジョー・ハーン。彼が来日し、ゴンゾに行く様子なども収められた作品です。
ブレイキング・ザ・ハビット DVD発売日: 2004/09/23
その次の彼らのソフトはMVT企画によるJAY-Zとのマッシュアップ・ライヴ。マッシュアップというのはコラボの一種ですが、敵対的なスタンスで音を出し合うという含みがあり、クールなライヴです。
コリジョン・コース(初回)(DVD付) CD発売日 2004/12/22
その翌年の企画はマイク・シノダのプロジェクトユニット、フォート・マイナーのアルバムでした。リンキン・パークの中でのマイク・シノダの個性と才能が前面に出たアルバムで、このDVD付きパッケージにも23分ほどのドキュメンタリーが付いていました。字幕にして350枚ほどで、中身が濃い作品です。
ザ・ライジング・タイド(DVD付初回限定盤) CD発売日: 2005/11/23
これはライヴ作品で、ここでも彼らはJAY-Zとコラボしています。字幕は100枚弱くらいで、比較的ストレートなライヴでした。
ロード・トゥ・レヴォリューション:ライヴ・アット・ミルトン・キーンズ CD発売日: 2008/12/17
そして彼らの最新アルバムが“ア・サウザンド・サンズ”です。このアルバムのスペシャル・エディションというパッケージにはDVDが付いていて、これもドキュメンタリーの一種です。アルバム制作の様子を半年ほど時系列で捉えていった作品ですが、この映像からも「ファンの近くにいたい」という彼らの思いは伝わります。(約30分、字幕360枚)
僕から見ると彼らは若く、その若さが羨ましいですが、彼らもデビューして10年にもなるベテランです。考えてみるとビートルズがビートルズとしてバリバリ活動していたのは10年にもならないはずです。そう考えると、彼らがベテランと呼ばれるのも当然だし、メンバーチェンジもなく、それぞれが得意な分野の才能を出し合う様子を見るにつけ、素晴らしいバンドだと思います。カッコいいし。