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2010/08/19

housethat.jpg  @allcinema

The House That Dripped Blood

原題からも邦題からも、家が血を流しそうですが、物理的な家が血を流す話ではありません。あらすじはまたリンクを辿ってもらって、ここでは特典などから少々。

この作品を作ったのはイギリスのアミカス・プロ。アミカスというのはラテン語で「友達」という意味だそうです。このソフトの特典にはプロデューサーのマックス・ローゼンバーグのインタビューが入っていますが、当事者の証言というか、当時を語るプロデューサーの言葉は、どれもが興味深いです。

IMDBの情報を見ると、アミカス・プロが製作に関わった作品は28本。(特典中のローゼンバーグ氏本人の言葉では27本。)タイトルを見れば分かりますがイギリスのAIPのような存在だったように思えます。(ハマー・プロ=ユニバーサルと見た場合。)

ここの出身者にはワリス・フセイン(「小さな恋のメロディ」)やリチャード・レスターもいたそうです。

日本映画専門チャンネルなどでも旧作の関係者が製作当時を語るような番組がありますが、当時を知らない人(僕も含めて)には、こうした話が、場合によっては映画本編と同じくらい楽しいものだったりします。この特典のインタビューで語ってくれたローゼンバーグ氏は、2004年にすでに他界されているそうで、この作品の特典は貴重なものになってしまいました。何も残らなかった可能性を考えると、本当に撮れてよかったと思います。前回も書きましたが、「往年の誰々」(乱暴な表現ですが…)の話は、その人が元気なうちに話してもらって、保存していきたいものだと、今回も思います。

映画の歴史は120年くらいになりますが、作品の数は加速度をつけて増えています。1人の人間が全部を見るのは当然不可能ですが、これも考えてみると、80年代半ばまでは「今、日本で見られる映画の全て」といったキーワードでリストを1つ作れたのです。ネットもなく、ビデオソフトもなく、多チャンネル化も進んでいなければ、タイトル数は有限と言えました。

その頃までは見られる映画の全てを見て、全てを知っている人もいたでしょうが、今は全然違います。適当な数字ですが、戦後から80年代半ばまでの約40年で、日本で公開された洋画の総数が2万本だとすると、それ以降の25年で5万本増えたようなものだと思います。劇場公開ばかりでなく、ビデオやDVDや…色々ありますから。

こうした情報の洪水の中で生きるのは大変ですが、それに流されず、うまく流れて生きていきたいものです。

それにしても、この作品の案内役ともいえる不動産業のおじさん。彼は過去の惨事をかなり詳しく知っているようで、それなのに新しい賃借人にこの物件を紹介し続けるって…。

それからビデオ発売時のタイトルが「ブラッド・ゾーン」になっていますが、80年代半ばのビデオソフトブームの頃は、旧作をレトロな感じで出すよりも新作っぽく出す方を、売る側が好んだためです。あと「デッドゾーン」の海賊版のヒットから、「デビルゾーン」(原題:NIGHTMARE)というように「ゾーン」をつけたくなった(これもあくまで売る側の話ですが)頃のリリースだったのでしょう。

 DVD発売日: 2010/08/25

2010/08/19 08:29 | 翻訳作品(映画) | 2 Comments

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Comment & Trackback

いや、この題名がストレートかつ懐かしいような響きがあり、とても引き付けられます。最近は古典的なホラー映画が少ないので新鮮に感じます。ポスターも何となくユニークさがあり、好感がもてます。この手の映画復活してほしいですね。

ゲストさんへ

全て同感です。ただ、こうした映画は意図的に復活させるのは無理だとも思います。制作当時に彼らが目指していたものはレトロな感覚ではなく、当時の「今の観客が見たいもの」ですから。たぶん、今作られている映画も、いずれ自然にレトロになるんじゃないでしょうか。

その意味では、こうして残った作品を大切にして、楽しめるようにしておくのが、残された者の使命だと思います。

僕が何より面白いと感じるのは、80年代のこの作品のビデオ化のタイトルです。新しい作品のように装う事はするけれど、恐らく画質はそれほどよくなくて、レンタルしたユーザーは最初から「しょぼい過去作じゃん」と感じてしまったはず(というか、僕自身、当時そういう経験をたくさんしていたのですが)です。

それがあっても作品は楽しめましたが、無意味に期待感を煽ったり、実態とは違う先入観を持たせるより、作品のありのままの姿を見せるのが正解で、
その意味で今回のジャケットとタイトルは正しいと思います。

そういえばあらすじにほとんど触れませんでしたが、4つのオムニバスはどれもよくできていて、今見ても十分楽しめる作品だと思います。

見る機会があったら、ぜひどうぞ。

Posted at 2010.08.21 9:26 AM by ochiai
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