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海の日も近いので海の話。
僕はイシュメール
数年前の話
何年前かは関係ないけど
財布が空になり
陸に興味を失った時
船に乗り 海の世界を
見ようと思った
というモノローグからこの「白鯨」は始まります。こう語るのは「E.T.」でE.T.と心を通わせたエリオット少年を演じた(いい若者というより、少しオジさんが入っている)ヘンリー・トーマス。メルヴィル原作のテレビ映画化作品です。「完全版」となっているのは184分版(テレビでCMを含めた4時間枠)で、完全というより単なる全長版です。1998年に最初にビデオ化された時が120分に編集されたバージョンだったため、DVDでの発売時に「完全版」扱いになりました。(という事でallcinemaのデータはビデオ版。)ビデオ版の翻訳は誰のものか分からないのですが、完全版のDVDの時が僕の字幕です。
キャストとスタッフが微妙に多彩です。エイハブ船長役に「新スター・トレック」ではピカード艦長を演じたパトリック・スチュワート。イシュメール役が前出のヘンリー・トーマス。ジョン・ヒューストン監督の「白鯨」(1956)でエイハブ船長役を演じたグレゴリー・ペックは、同56年作でオーソン・ウェルズが演じたマプル神父役。(これが彼の遺作になりました。)他には「マッドマックス」で憎たらしい悪の首領を演じたヒュー・キース・バーンに、「マッドマックス2」と「マッドマックス/サンダードーム」で個性的な“パイロット”を演じたブルース・スペンスも出ています。これはアメリカとオーストラリアのプロダクションが関わっているためでしょうが、監督が何と「さらば青春の光」のフランク・ロッダム。これ自体が何とも意外ですが、さらに製作総指揮がフランシス・コッポラです。
それぞれ気合いの入った仕事、渾身の演技を見せてくれる作品で、テレビで見るだけではもったいない壮大な物語に仕上がっています。
レンタル屋さんで見かけたら、見てみて下さい。もっとも、原作を読んだり、他の映像化作品を見たり、立体的に見ると、より楽しめるとは思いますが、これだけあっさり見ると、ただ「長い」と思う作品かもしれません。
ちなみに先日書いた「神学校の死」は、ほぼ同じ長さ(約3時間)で字幕が約2450枚。こちらは約1800枚。セリフの数もジャンルによって、または作品によって、ずいぶん違うものです。
DVD発売日: 2002/05/24