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2010/04/26

ポリス・ライブ1979&プリテンダーズ・ライブ1981

2010/4/27(火)深夜1:20 @WOWOW

2本ともフランスでのライブですが、日本では滅多に見られない貴重映像です。当時のポリスは日本でもアイドル的な人気があり、今回のライブには入っていませんが“ソー・ロンリー”のビデオクリップは東京(というか都営地下鉄線内)と香港の映像がいっぱい出てきます。僕の姉はこの撮影の夜、他のバンドのライブに行っていて、都営浅草線でのスティングのゲリラ撮影をニアミスで見られなかったと、当時悔しがっていました。

それから“デ・ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ”のビデオクリップだったか、月ロケットの映像があって、僕の中では当時開かれていた「宇宙博」(今は船の科学館のにっているところで1978年から1979年にかけて開催されていました。)と、やたらとカブってしまいます。

スティングは最近ではパヴァロッティの追悼コンサートでイタリア語のオペラを歌っていましたが、今回のフランスのライブではちょっとだけフランス語で話します。(パヴァロッティの追悼コンサート、2010/12/9(木)午前5:00-@WOWOW)http://www.wowow.co.jp/pg/detail/051237001/

スティングは寡黙なお兄さんからおじさんになっていったイメージがありますが、素顔はお茶目なんじゃないかと勝手に思っています。(ユアン・マクレガーみたいな。)実際どうなんだろう…。

一方、プリテンダーズのクリッシー・ハインド。こちらは知的なジョーン・ジェット(と言ったらファンの人は怒る気がするけれど)のイメージ(今回も比較対象自体が古・・・汗)。姉御っぽいキャラですが、これも考えてみるとルックスとファッションから来ているだけで、実際はどうだったのかな…。(彼女の場合は実際にも姉御肌って感じがする)

プリテンダーズでは“トーク・オブ・ザ・タウン”が僕は大好きですが、この曲は今回のライブに入っています。どちらも色々な意味で貴重なヴィンテージライブです。
プリテンダーズは過去2本、ソフトを翻訳しています。

アイル・オブ・ヴュー~アコースティック・ライヴ
DVD発売日: 2004/01/28

ルース・イン・L.A.~ベスト・ヒッツ・ライヴ
DVD発売日: 2008/05/21

2010/04/21

メアリー・シェリーの原作は1818年に発表されていますが、映像作品としては今年、2010年が生誕100年になります。一番有名なフランケンシュタインの怪物は1931年のユニバーサル映画のボリス・カーロフだと思いますが、初の映像作品は1910年(明治43年)に作られています。

 エジソン・スタジオで撮影された16分の短編で、少し短い12分41秒版として今も残っています。
 Frankenstein (1910) @YouTube

タイトルカードと本編中の手紙を訳してみたので参照して下さい。 (windowを2つにして、それぞれの大きさを工夫すると動画を見ながら訳も読めると思います。BGMはオフの方がいいかも。)

1 (A LIBERAL-)
シェリー夫人の有名な物語の翻案
          エジソン・スタジオ製作

2 (FRANKENSTEIN-)
フランケンシュタイン青年 大学へ

3 (TWO YEARS-)
2年後 フランケンシュタイン青年は
           生命の謎を発見する

4 (JUST BEFORE-)
実験を始める直前

5 (Sweetheart-)
愛しい君へ
 今夜 僕は夢を実現させる

生と死の秘密を発見したんだ

       これから数時間で 僕は
誰も知らない完璧な人間を創る

この素晴らしい研究が完成したら
            僕と結婚してほしい

フランケンシュタインより

6 (INSTEAD OF-)
生まれたのは完璧な人間ではなく
彼の野心を具現化した怪物だった

7 (FRANKENSTEIN-)
         己の邪悪な創造物を見て
呆然とするフランケンシュタイン青年

8 (THE RETURNー)
帰郷

9 (HAUNTING-)
創造主への忠節 そして恋人への嫉妬心
    この時 怪物は初めて己の姿を知る

10 (ON THE BRIDAL-)
婚礼の夜 善良な心を取り戻す
     フランケンシュタイン青年

11 (THE CREATION-)
愛に負けて姿を消す
   邪悪な心の産物

12 (CREDITSー)
1910年当時のエンドクレジットには
 製作スタッフの名前は出ていない

フランケンシュタインの怪物関連の作品は色々あります。パロディ作品ならやはり「ヤング・フランケンシュタイン」でしょう。そして元祖が1931年製作の「フランケンシュタイン」。この作品を撮ったジェームス・ホエール監督の後生を描いた作品が「ゴッドandモンスター」。怪物を演じたボリス・カーロフがフランケンシュタイン男爵を演じたのが「フランケンシュタイン1970」。東宝版では「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」と「フランケンシュタインの怪物 サンダとガイラ」があります。

 と、こう書くだけでも色々出てきます。デ・ニーロも怪物を演じていますし。とにかく、フランケンシュタインの映画を訳していて調べていたら面白くて、1回でまとめて書くには色々ありすぎるので、1つカテゴリーを追加して今後も書き足していきたいと思います。

それにしても、この映像をコンピュータのモニターではなく、「活動小屋」で見た人達はどんな気がしたんだろう。

2010/04/18

bonanza.jpg ボナンザ(1959-1973)BONANZA

何年か前に他で紹介した事がある作品ですが、最近、ホームドラマチャンネルで放送されています。アメリカの西部のホームドラマ。「西部劇版“水戸黄門”」とも言える作品です。(黄門様のように漫遊はしませんが。)

もともとはブロードウェイという会社から発売されたDVDボックス用に訳したものです。この作品は複数の会社からDVDが出ていますが、今回のOAでは僕が作った字幕版が使われています。(テーマ曲も本物のオリジナルです。)<訳者のクレジットは無し>

アメリカでの放送は1959年から1973年までの長寿番組でしたが、このDVDには1960年1月23日アメリカ放送のシーズン1の19話目から1961年1月14日放送のシーズン2の17話目まで31話が収録されていて、OAでも全て放送されるようです。(字幕は全体で2万枚少しでした。)

「ボナンザ」は日本では1960年7月に日本テレビで放送され始めました。当時唯一のカラー西部劇だったようで、それこそ新鮮だったのでしょう。物語の舞台は1860年代のゴールドラッシュで発展したネバダ州ヴァージニアシティの東南の街ポンデローサ。大牧場を営むカートライト一家が、一獲千金を夢見てやってくる無法者達から森林や牧場を守り抜いていく。利口な長男アダム(パーネル・ロバーツ)、心優しくそれほど頭がよくない次男ホス(ダン・ブロッカー)、のんびり屋で男前の三男ジョー(「大草原の小さな家」のマイケル・ランドン)。この3人の異母兄弟と頑固な父ベン(「宇宙空母ギャラクティカ」のローン・グリーン)のカートライト一家が、力を合わせて西部の辺境の地を守る。(ボナンザとは金・銀などの大鉱脈のこと。)

といった概要になりますが、面白いのは、この西部劇はかなり「ホームドラマ」している割りに母親がいません。メインの3兄弟も異母兄弟です。舞台の背景になっている19世紀の大西部ではこういう家族構成も多かったのかも…。

それにしても当時(製作当時)の西部劇ではよく人が死にます。(「13日の金曜日」と比較できそうなくらい、じゃんじゃん死んじゃいます。)主人公であるカートライト一家の4人も、31話の中でそれぞれ何回か人を殺してしまいます。ある意味ではリアルなドラマと言えます。

ホームドラマチャンネルでの今後の放送では:

カーン(スタートレックのキャラ)になる前のリカルド・モンタルバン
<エピソードタイトル“報いの日”(Day of Reckoning)アメリカ放映1960/10/22>

ミスター・スポック(こちらももちろんスタートレックのキャラ)になる前のレナード・ニモイ
<エピソードタイトル“大男の孤独”(The Ape)アメリカ放映1960/12/17>

リー・ヴァン・クリーフ
<エピソードタイトル“血統”(The Blood Line)1960/12/31>

などがゲスト出演する回が控えています。

ロバート・アルトマン監督が演出した回もあります。
<エピソードタイトル“音のない少女”(Silent Thunder)アメリカ放映1960/12/10>

そういった面も見どころかな。(放送エピソードのタイトルはホームドラマチャンネルのHPでチェックできます)

ボナンザ ~カートライト兄弟~ Season1
DVD発売日: 2006/11/03

ボナンザ ~カートライト兄弟~ Season2
DVD発売日: 2006/12/08

2010/04/12

エレクトリック・ライト・オーケストラ ライブ・アット・ウェンブリー 1978
2010/4/13(火)深夜1:20 (再)5/31(月)午後4:50 @WOWOW

最近ではキャメロン・ディアスが出た携帯電話のCMで“ザナドゥ”、「電車男」のテレビ版のオープニングテーマに“トワイライト”などが耳慣れた曲になっていたエレクトリック・ライト・オーケストラ。彼らが1977年に発表した2枚組アルバム“アウト・オブ・ザ・ブルー”を発表した後のワールド・ツアーからのライブです。当時の彼らは大人気で、このライブにはイギリスの王室からグロスター公爵夫妻も来ていて、本編の最初と最後に少しずつ彼らが夫妻に挨拶する様子も出てきます。

彼らのライブなんて見ると、僕としてはTVKのファンキートマトを思い出します。(遠い目)

彼らの曲で僕が一番好きなのは“サナドゥ”です。(これはオリヴィア・ニュートン=ジョンがメインヴォーカルなので、彼女の曲のイメージが強いですが。)中学から高校の頃に通っていたローラースケートリンクで、しょっちゅうかけていた曲の1つです。(運動神経は並以下なのに高校時代はフィギュアローラースケートの選手だったので、思い出深い曲なのです。)それから、ジェフ・リンが参加している映画「エレクトリック・ドリーム」のサントラがまた好きなアルバムだったりもします。

あと、1978年って日本航空が“COME TO AMERICA”というキャンペーンをやっていたのですが、「これってコメとアメリカって読めるねぇ~。ELOもイー・エル・オーじゃなくてエロだね~」なんて思っていた子供でした…。

 という事で、(どういう事?)お勧めのライブです。

2010/04/07

senkanspee.jpg

ホフマン物語」、「血を吸うカメラ」に続き、これもマイケル・パウエル(とエメリック・プレスバーガーの共同)監督作品です。前の2本は最新リリースの訳者が誰か分からないのですが、こちらは最新リリース版が僕の作った字幕です。以前、東北新社からリリースされていたDVDソフトがあり、今回のリリースでも旧版の字幕を使う予定でした。しかし最終的には全面リニューアル版になりました。

全面リニューアルになっていった理由としては、まず、軍隊の上下関係にメリハリをつけ直す事。そして戦艦名のカタカナ表記の修正。それから人名表記、と、修正していくうちに、全体的に新訳になってしまったわけです。

変更点を何点か書き出しておきます。

まず冒頭の英文テロップに対する字幕が
旧版では↓

                    この映画の製作にあたり
                    多くの人々の協力を頂いた

                    特に次の方々には 名を
                    挙げて感謝の意を表したい

の2枚でした。

新訳では↓

                    映画製作には多くの人の
                    協力が不可欠だが――

                    本作は特に多くの人達の
                    協力を得て完成した

                    全員に謝意を表するには
                    本編以上の時間がかかる

                    しかし次の人々には特に
                    謝意を表したい

の4枚になりました。(全体として20秒ほど表示できるので、4枚になってもムリなく読めます。)

次に艦船名の表記の変更(左が新訳で右が旧訳)
エイジャックス  (エジャックス)
エクセター  (エクシター)
アドミラル・シェーア (アドミラル・シーア)
ドイッチェラント (ドイッチェランド)
アルトマルク  (アルトマーク)
商船タコマ  (商船)
これは主観の問題もありますし、新訳自体もwikipediaに見られる表記とは違います。

以下は表記は1種類ですが、字幕として出る回数が変わりました。
アシュリー  (0→2)
タイロア  (0→2)
ニュートン・ビーチ (1→3)
ハンツマン  (1→3)
トレバニオン  (2→5)
ドリック・スター (3→4)
アキリーズ  (8→11)
アフリカ・シェル (8→10)
カンバーランド  (5→5)
クレメント  (3→2)
ほとんどが艦船の名前です。これは事実に基づいた映画で、人名も多く出てきます。捕虜となりドイツの戦艦に収容される連合国側の兵士達が多いのですが、彼らは「どの船に乗っていた誰々」と自己紹介する事が多く、それを活かせたので、活かしました。

そして語句の修正。
「救護班 ブリッジに」 → 「救護班 艦橋に」
「デッキに火災が」 → 「甲板に火災が」
「B隊は?」 → 「B班は?」
「船尾司令塔を見てくる」 → 「後部指揮所を見てくる」
「副長を船尾に」 → 「副長を艦尾に」
「全速を出せ」 → 「最大戦速だ」
「徹底砲撃だ」 → 「砲撃を絶やすな」
「弾薬用昇降機から火が」 → 「揚弾筒から火が」
「船尾を向けろ」 → 「艦尾を向けろ」
この部分は僕自身、最初から意識できるのは「船」と「艦」、「ブリッジ」と「デッキ」程度なので、詳しい人に監修してもらいました。専門用語が多いと何でも難しい表現になるかというと、そうでもないものです。

それから人名ではラジオのアナウンサーと商船の船長。(旧→新)
マイク(3回)→マイク・ファウラー(マイク=7回+マイク・ファウラー=5回)
ドーブ船長→ダブ船長(Captain Dove)

最後に、戦艦シュペーの動きをラジオ中継するアナウンサー、ファウラーの言葉。

(旧版)                      (新版)
モンテビデオから               モンテビデオの
お送りしてます                 マイク・ファウラーです

戦艦シュペー  停泊延長許可        シュペーは停泊延長を
との噂もあります                認められたのでしょうか

(中略)

街中の一人残らずが               全市民が――
戦いを見んと

海辺のリングサイドへ            海辺のリングサイドに
                           集まったようです

浜辺も屋根の上も                浜辺も屋根の上も
観客でびっしりです              群衆でびっしりです

(中略)

不気味だ  何が始まるのか          戦艦が止まりました 不気味です

夕陽をあびて                   夕陽を浴びて
ランチが戦艦を離れ               ランチが戦艦を離れ

商船へ向かっています             タコマに向かいます

人がいっぱい乗ってる               人が大勢乗っています

動きは逐一追えるが              動きは見えますが
何が起こるかは分かりません        この先は分かりません

マイク・ファウラーはアメリカのラジオ局の特派員。テレビ中継がなかった時代に「現場からマイク・ファウラーがお送りします」的なラジオ中継をしている状態ですし、さすがに港に集まった群衆を「観客」にすると、ちょっとマズいです。(「見物人」ならよかったのに)いずれにせよ、何となく「リングサイド」の中継色が強かったので、アナウンサーによる中継ふうに微調整しました。

そして最後の最後(に近い部分)の1枚です。

(旧版)                (新版)
1939年12月17日 日曜日    1939年12月17日
夜9時39分            日曜日の夜遅く

これは1939年の数字が転移して時間に変化してしまったようです。原語を聞く限り、「夜9時39分」という情報はどこにもありませんでした。

この作品の場合、最初から旧版の字幕を使い回すという前提だったので、データが新旧あるため比較が楽で、こうして書き出してみました。これらの修正から分かる事は無数にありますが、「太陽の怪物」やバーブラ・ストライサンドの件からも分かるように、僕自身が間違いのない仕事をする事が、自分にとって一番大事な事だとつくづく思います。

「それなら、こんなにコラム書いてるんじゃねぇよ!」と言われるはずですが、字幕翻訳をしている人間の言葉って、それほどネットで見つからないし、紙媒体でもそれほど多くありません。

僕としては「字幕翻訳といっても色々あって、こうした作業もあるんですよ」という事を一般に伝えておきたいのです。というのも、字幕翻訳というのは減点評価をされやすいものです。それ自体は仕方がない事なのですが、「評価」をする側も、ただ減点して終わりたくないと思っている事が多いわけです。建設的な議論をする場合も「字幕には文字数の制限があってね」から始めないと会話にならない状態で話すより、「こういう場合はこういう例がある」とか「こういう場合は要注意」みたいなデータがあればあるほど字幕の質が上がると思うのです。それが「字幕.com」の目標の1つでもあるので、こうしてコラムを書くのであった。(語尾が変。)

DVD発売日: 2009/08/21
販売元:ジェネオン・ユニバーサル

DVD発売日: 2002/12/20(旧版)
販売元:東北新社

補足:本編も特典も映像の内容はどちらも同じで、特典部分の字幕も新訳になっています。

それから本作の基になった史実の概要は→wikipediaを見てみて下さい。

2010/04/05

DVD発売日: 2005/04/27 

「クラシック・アルバムズ」シリーズの1本です。ニルヴァーナのヴォーカルだったカート・コバーンがこの世を去ったのは16年前の今日でした。彼の曲は思春期の戸惑いがよく出ていて、若い世代が共感しやすいものが多いですが、思春期というものを経験した人なら誰でも共感できるのではないかと思ったりもします。

前にも書いた事があるのですが、僕はニルヴァーナの一番のファンでもなく、周辺情報に詳しいわけでもありません。でもカート・コバーンが「レベルポイント」が好きだったという事から彼に強く親近感を抱きます。クラシック・アルバムズの「ネヴァーマインド」の中の本編と特典映像で語られますが、“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”のビデオクリップは、まさに「レベルポイント」をモチーフにした作品になっています。ビデオの監督サム・ベイヤーによると「高校の体育館で行なわれた撮影には大勢のエキストラが集められ、誰もが30分もあれば撮影終了だと思っていた」そうです。それが12時間もかかり、バンドもエキストラも「早く帰らせろ」と怒り出したとか。結局、ビデオの最後の30秒は、彼らの本物の怒りの爆発になったという事です。ベイヤー自身、「彼らが僕を雇ったのは、僕の作品集がひどかったからだ。下手な監督を使えばパンクに仕上がると彼らは考えた」と言っていますが、確かにパンクなビデオに仕上がっています。

カート・コバーンは1967年2月生まれ。僕は12月生まれ。世代も同じなので共感する映画が「レベルポイント」で一致するのでしょう。僕達の世代は高度経済成長が一段落して、物質的に満たされた最初の子供達だったのかと思います。社会的な運動に飛び込む必要もなく、思春期の戸惑い自体を一番の大問題にして生きられた最初の世代といえる面もあると思います。

アルバム「ネヴァーマインド」のジャケットは1ドル札をエサにした釣り針に手を伸ばそうと泳ぐ裸の赤ん坊です。(この赤ん坊はスペンサー君という名前で、特典映像の中で成長した本人も登場します。)このジャケットは飽和状態の物質社会を生きるヒトという生き物を象徴しているように、僕には見えます。

カート・コバーンは生きる事に疲れてしまったようですが、彼の曲を聞けば聞くほど、その気持ちは分かります。ビートルズが好きでパンクが好きだったそうですが、僕も好みが同じです。幸い、僕の場合は「生きる事に疲れた」と思いはしても、「生きてるだけで幸せ」だとか、「下手でも仕事があるだけ幸せ」だとか、目の前の毎日に追われつつ、無心に黙々とキーボードを打ちながら、人と話す機会があると嬉々として喋り続ける俗っぽい人間なので自殺はしませんが。(「人ってそんなもの」、「人生ってそんなもの」と、思い切り都合よく生きられる性格なんです。我ながら便利な性格だ。汗。)

どうやって書いても全くうまくまとめられませんが、ニルヴァーナの音楽は混沌そのものを曲という形で完結させる事に成功していると思います。その「感覚」は、本当に万人が共感できるもので、世代を問わず多くの人に知ってもらいたい音楽です。

そして、いくら疲れても、カート・コバーンには生きてほしかったです。

このソフト、クラシック・アルバムズの「ネヴァーマインド」はニルヴァーナの入門編としてお勧めです。

2010/04/03

先日書いた「ホフマン物語」はマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーの2人が連名で監督でしたが、こちらの作品はその1人、マイケル・パウエルの監督作です。

この作品の字幕を僕が作ったのは2003年の春。

 peepingtom.jpg

現在は廃盤になっていますが、販売元:スティングレイ・DVD発売日: 2003/06/21のバージョンです。

この作品が昨日、DVDで再発売になりました。販売元:ジェネオン・ユニバーサル・DVD発売日: 2010/04/02です。

このソフトは高くなかったので購入してみました。まず2005年に新たに製作された関係者が語る20分ほどの特典映像が字幕つきで収録されています。本編を訳す時にそれなりにリサーチした僕には、そこで語られる事の大半は新鮮味のないものでしたが、この作品に興味を持って見る人にとっては興味深い短編ドキュメントでしょう。

日本語字幕は、時々海外で作られる事があります。このソフトがそうなる可能性を僕は少し感じていて不安でしたが、幸い、最初の15分ほどを見た限りでは字幕は問題なさそうです。海外で作られた日本語字幕は、書体も変、レイアウトも変、タイミングも変みたいな、たとえるなら、どこか異国のホテルで見かける日本語の案内文のようなものなのです。その場合、意味がどうこうではなく字幕が破壊的な存在感を発揮してしまい、まさに誰にとっても邪魔なだけの字幕と化してしまう。もしくは、変な字幕に突っ込むのが楽しくなってしまう。意味や話を追うのではなく、映像を追うのでもなく、作品鑑賞というより字幕鑑賞になってしまいます。このソフトの場合、セリフが終わって何秒か字幕が消えないという部分もあったりしますが、その程度では「破壊力」なんてインパクトになりませんから安心です。今回発売になったソフトが海外産の日本語字幕なのなら、素晴らしい進歩を遂げています。非常に喜ばしい事です。(ちなみに訳者は不明です。)

ところで、この作品は忌み嫌われるようなテーマを扱った、悲しく救いのない話です。たとえば「シンドラーのリスト」や「黒い雨」もやり切れない、悲しく救いのない話です。でも後者の2本は「悲惨な戦争の惨禍を繰り返さないようにしよう」というメッセージがあります。この作品にはそうしたメッセージがない。主人公に同情する余地はあっても、命を軽く扱う者である以上、どうしても共感できない。「こういう人、実際にいるかもしれない」と不安になるだけなのです。引き合いに出す作品がどれもこれも古いですが、その意味で、「危険な情事」を思い出します。

主人公の異常さは、21世紀の今こそより存在感を増すもので、その意味でこの作品は50年早すぎた傑作だと思います。こういう人物像を、あの手法で、あの時代に描けたのはすごいと思います。ただ、メッセージはなく、救いもない悲しい話です。

2010/04/01

落合寿和から落合和寿になりました!

というのはウソです。

というのもウソです。本当に改名しました。以前書いた「ザ・クレイジーズ」と「センチネル」は同じスティングレイからの発売ですが、そこから先日、連絡がありました。「すみません!改名してください!」。「え?そんな無茶な」。「いや、もうしちゃいました!しましょう!」。「は?」。

 という事で、改名しました。パッケージの翻訳者の表記が誤植で、寿和ではなく和寿になっているのです。そう言われて、手元にあるサンプルのパッケージを見ると、あら本当に間違ってます。スティングレイの方でも、「いずれ何か機会があったらネット上で訂正するけれど、作っちゃった分は訂正不可能。ごめ~ん!」という事でした。なので本当は改名していませんが強制改名になってしまった作品が2つになりました~。

「それにしても、名前を間違えるってさ~」と思ってはみたものの、思い出しました。以前、僕自身が「英語字幕」と入れるべきところに「日本語字幕」と入れてしまった事があります。「さすがにこんなの誰でも気づくでしょ?」と思うでしょうし、自分でもそう思いますが、その時は誰も気づかず、最後の最後になって、少なくとも5人か6人くらいが見た後に、僕自身が気づいて訂正できました。こうしたクレジットって翻訳する文章とは違う上に最後に来るので、気が抜けていて見ないんですよね…。自分の名前なのに。

 それにしても、こんなレベルの間違いをしていると、「お前の翻訳大丈夫なのか?」と突っ込まれそう(笑)