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2010/12/13

UNDER GREAT WHITE NORTHERN LIGHTS
アンダー・グレイト・ホワイト・ノーザン・ライツ [CD+DVD]

年末です。1年の総決算が色々な所から聞こえてきます。アメリカでは映画ならアカデミー賞、テレビならエミー賞、音楽ならグラミー賞でしょう。先日はグラミー賞の候補が発表されましたが、驚いたのがグラミー賞は部門数が100以上もあるという事でした。

そして今年の最後は109番目。カテゴリーはベスト・ロング・フォーム・ミュージック・ビデオ賞。

カテゴリーの概要など詳しい事はグラミーの公式サイトで見てもらうとして、とにかく多いです。「グラミー賞の全カテゴリーの正式名を覚える」なんて宿題出されたら、お父さん大変です。

その中にザ・ホワイト・ストライプスの「アンダー・グレイト・ホワイト・ノーザン・ライツ」がノミネートされていました。彼らのカナダでのツアーを追ったドキュメンタリーです。(グラミーのサイトへのリンクの一番下!)

 

90分ほどの作品で、字幕は400枚少し。彼らのファンには興味深い映像作品。それだけでなく、ホワイトホース、イエローナイフ、イカルイト、ハリファックスなどカナダ各地、それも小さな町をたくさん訪ねるので、彼らの音楽とは別に旅気分にも浸れる一編です。学生時代、僕がモントリオールに留学していたせいもあり、寒々とした土地での暖かい交流には親近感を覚えました。イヌイットの人達の昔話を聞いたり、小さな町の路線バスの車内で歌ったり、1音だけのショウをやったり、ツアー先の人達との交流を優先させた彼らにも親しみを感じる作品です。

という事で、グラミー賞の109番目のカテゴリーにノミネートされた作品ですが、受賞するのかな?

CD+DVD発売日:2010/3/24

2010/12/09

スウィート・トロント
2010/12/12(日)午後5:00@WOWOW (リピート:2011/2/11(金)午前6:15)

ジョン・レノンの数少ないライブの1つ。これもソフト既発売ですがOA用に改めて訳しました。(1時間弱で50枚もありません。)ライブの最後の方でジョンがヨーコの耳元に囁く部分が2回あるのですが、さすがにそれは聞き取れませんでした。(まあ、元からオフの音で、聞かせようと思って言った事ではないので、そこまで聞くべきでもないですし。)

ここでもまたエリック・クラプトンが出ています。「クリーム」、「クロスロード2010」、「クラプトン&ウィンウッド」と、この3ヵ月の間に4タイトル目かな。映像で見ているだけですが、若くなったり老けたり面白いというか、ルックスの変容だけ見ると不思議です。

それからリトル・リチャードも歌います。彼は先日書いた「リズム・カントリー&ブルース」にも参加しています。チャック・ベリーも出ています。彼のタイトルでは「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」を訳していますが、何年か前にもライブを訳していて、「おお!オヤジ、元気そうじゃん!」と思ったりしたのを思い出しますが、ここでは若いです。(当たり前ですが、皆若いです。)

でも、また年を取った人の話にしちゃいますが、このOAでは冒頭に、当時このライブを撮った監督のインタビューが入ります。今回のOAのために独自に取材した素材です。

D.A.ペネベイカー監督ですが、彼は今も現役です。「モンタレー・ポップ」やボブ・ディランの「ドント・ルック・バック」、そして前に書いた「ウッドストック・ダイアリー」も撮っている人。1925年生まれなので今年で85歳。インタビューを見ると、この人も驚くほど若々しいです。60年代に音楽ドキュメンタリーの基本を作った人と言えるでしょう。最新作はフランスのシェフのコンテストを追ったドキュメンタリー「King Of Pastry」。

startup.jpg

Startup.com」(2001)
彼は↑のプロデューサーでもあります。この作品は彼の奥さんが監督を務めたドキュメンタリーで、僕が字幕を作ったのですが、結局、日本ではお蔵入りしてしまいました。年明けに公開になる「ソーシャル・ネットワーク」に近い話です。ネット起業をしたのはよかったけど、仲間の裏切りなどがあり…。という話で、こちらは完全に実話(というか、ドキュメンタリーですから)です。これも「ソーシャル・ネットワーク」の公開やDVDリリースに合わせて誰か出さない?字幕は完成してますよ~。

話が逸れましたが、今回の監督インタビュー素材は、久しぶりにこちらで切りました。「抜く」とも言いますが、40分近くあったインタビューからOAで使いそうな部分を抜き出し、音の繋がりが自然になるようにタイミングを切る事です。これは言っている事を編集するという結果にはなりますが、要点をおさえて話をまとめるだけで、言っている事を変えたりはしません。(言い淀んでいる部分を削る事も多いし。)そして、その音の繋がりで自然になるように訳します。普通はディレクターがやる作業ですが、自分自身、テレビディレクターと翻訳家を兼任で長年やっていたので、この作業も守備範囲内。もちろん信頼関係がなければ始まらない進め方ですが、正直言って40分近い素材全てを訳すより作業時間を短縮できていいです。(収入は減るけどね。)結局、40分弱から5、6分ほど抜き出し、OAでは3分くらいになるのかな。

と、いうことでジョン・レノンの話は全然していないな。“ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ”は昔、OA用に訳しましたが、今は見られないと思うので、見ようと思ったら見られるものを…。

johnlennontribute_.jpg

ジョン・レノン・トリビュート~カム・トゥゲザー~
これは911/同時多発テロの3週間後にニューヨークで開かれたコンサート。
DVD発売日: 2003/12/25

ここでもジョン・レノン本人はステージに立ちませんねぇ…。

そうか、先日書いた「ビートルズ@エド・サリヴァン・ショー」で元気な彼に会えますね。

そして、キザだけど、彼の平和への祈りは、今も元気です(よね?)

2010/12/07

polycddvd.jpg Polysics

eee-P!!!(初回生産限定盤)(DVD付) [CD+DVD, Limited Edition]

ポリシックス。日本の元気印のテクノポップバンド。(こういう死語ばかりの説明のセンスが、なんか、こう自分の年を感じるわけですが…。)DEVOの影響を大きく受けて生まれたバンド、代表曲の1つは“カジャカジャグー”。今回、この仕事を頼まれるまで知らなかったのですが、日本以上に世界で評価が高いバンドです。

そこで今回のソフトの特典のインタビューは英語字幕付きです。ちなみにウィキペディアの彼らの項目の最終更新は10月。wikipediaの最終更新は、12月4日になっています。これだけでも、海外での注目度の高さが分かります。

英語字幕は日本に住んでいる知り合いのアメリカ人(ミュージシャン)が日本語から英語の字幕を作り、こちらで原稿をチェックして仕上げたものなので、海外のファンにも十分内容が伝わるものになっていると思います。

日本では映画の字幕離れがよく話題になりますが、海外では母国語以外の情報をその国の言葉のままで聞きたいという需要がむしろ増えている気がします。映画も音楽もこの点では同じですが、これらは単なる情報ではないので、そのままの音、そのままの映像で楽しみたいという欲求があるのは自然です。そうした需要に応えようとした結果、字幕というのは生まれてきたので、こうした動きは素晴らしいと思います。

ところで、彼らが影響を受けたというDEVOですが、彼らの集大成のようなDVDの翻訳を以前やりました。ライヴあり、彼らのコンセプトの説明あり、ビデオクリップありの3時間強のソフトで、字幕も1500枚くらい。彼らを知らない人が見ても、その魅力にハマる可能性が高いタイトルです。

devo.jpg

DVD発売日: 2006/09/06

このDEVOの「ビデオ・コレクション+ライヴ1996」を訳した時に知り合った人から「Polysicsのインタビュー素材に英語の字幕を入れられませんか?」と頼まれたのが、今回の「eee-P!!!」の特典でした。

翻訳作業中、ポリシックスとマルコシアス・バンプとの関係も知るに至り、急に懐かしくなったりもしました。これは昔、「いかすバンド天国」という番組に僕が裏方として関わっていたためで、彼らと「たま」の対決の放送回の時も日比谷シャンテの地下で裏方をやっていたものです。

ここで大きく話が逸れますが、音楽と映画は1970年代に1つの頂点に達したと思います。映画はカラーが基本になり、人間の眼が感じるリアリティを記録するのが当然になった。音楽も電子楽器が市民権を得た。それは(語弊もありますが)「ある意味」で映画と音楽が成熟したとも言えると思います。映画で言うと、それまでは「映画って何?」というか、映画の力を皆で探っている面が残っていて、基本的な技術や演出や表現技法の中で、どこまでできるのか手探りの部分があった。そこから職人芸、職人技がたくさん生まれたわけですが、そうした過去の作品を見て育った世代が70年代以降、現場にどんどん登場してきます。その中で目立つ映画オタク系監督がジョー・ダンテだったり、映画をたくさん見た結果、監督になっていったマーティン・スコセッシやピーター・ボグダノビッチだったりします。それ以前の世代では不可能だったとも言える事です。作品の数も、見られる機会も限られていたわけですから。そうした人達の最近の代表格がクエンティン・タランティーノでしょうか。彼らの共通点の1つに自分の国以外の作品にも詳しいという事があります。

ここでやっとポリシックスの話に戻りますが、言語を越えた情報伝達は結果的にアーティストの創作力を高めるし、情報力の高さは創作能力を高めると僕は思います。

英語字幕1つで海外で大ブレイクとはいかなくても、情報発信の1つとして役に立ったらいいなと思います。(大げさだけど、頑張ってね)

CD発売日:2010/12/8

2010/12/05

パヴァロッティ追悼1周忌~パヴァロッティ&フレンズ
Salute Petra
2010/12/9(木)午前5:00@WOWOW(初回放送2008年12月)

僕がパヴァロッティを知ったのは1991年のセントラル・パークでのチャリティの取材の時でした。TBSの「ニュースコール」での外信ディレクターをやっていた時にニューヨークからの中継で、このイベントを紹介しました。ルーシー・シーハムのレポートで、彼女がパヴァロッティを取材した素材があり、そこに彼女がラフに構成をつけてナレーション原稿も作り、それはニューヨーク支局がチェックして録音し、衛星回線を使って赤坂の報道局で素材とナレーションの音を受け取り、それをこちらのセンスで編集し、BGMを選び、字幕を入れ、OA時には調整室でニューヨーク支局に電話で指示(東京のOA画面でどんな画像が映っているかを伝える事です)を出し、コーナーをOA中は自分で仕込んだVTRとニューヨークの中継画面の切り替えなどをピッチャーに指示する係をやり…。という事をしていた時期です。この「ニュースコール」での仕事はディレクターとしてのデビューにもなったので、今でも思い出深いです。

とにかく、その時期に知ったパヴァロッティですが、今回は追悼1周忌(収録日:2008年10月12日)のコンサートです。ステージに立つ顔ぶれも有名どころ(オペラはあんまり詳しくないですけど)で、3大テノールの他の2人、ホセ・カレーラスとプラシド・ドミンゴも当然登場します。スティングもズッケロも登場します。アンドレア・ボチェッリも登場します。

音楽に魂を感じるステージです。オペラが苦手という人も聴いているだけで感動すると思います。番組の冒頭でコンサートの指揮をしたユージン・コーンが言います。「このコンサートをパヴァロッティは天国から微笑んで見ていると思う。」本当にそう思いました。

ヨルダンのペトラ遺跡という、会場となった場所も荘厳です。人が人である事を越えられるんだと、なんか思っちゃいます。音に魂を乗せて飛ばす。人ってすごい。って。

ところで、この作品は歌詞にも全部字幕を入れてあります。英語とイタリア語で、英語の部分は自分だけでも完結できますが、イタリア語はムリなので、この時もイタリア語の翻訳家の方と組んで作業しました。イタリア語の翻訳の第一稿をもらい、それを字幕的に調整して返して、意見をもらって再調整、といった具合のメールのキャッチボールで、全体に歌詞も付いているので、さっきも言ったように「オペラは苦手」とか「オペラには興味ない」という人も見やすい番組になっています。
以下は曲名とアーティスト名のリストです。本当に感動的なコンサートです。

ローマのギター : ホセ・カレーラス
恋人よ、我が命よ : プラシド・ドミンゴ
忘れな草 : カレーラス&ドミンゴ
かの川のほとりに : シェリル・ミルネス
歌に生き、恋に生き : シンシア・ローレンス
ガブリエルのオーボエ : アンドレア・グリミネッリ
あなたは見たのか、輝く百合を : スティング
ごらん、なんて月だ : ジョヴァノッティ
行け、我が想いよ、金色の翼にのって : ズッケロ
グラナダ : アンジェラ・ゲオルギュー
朝の歌 : アンドレア・ボチェッリ
ミゼレーレ : ズッケロ&パヴァロッティ
私の好きな世界 : ラウラ・パウジーニ
さあ手を取り合って : ゲオルギュー&スティング
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 : グリミネッリ&アリーム・カンドー
生きる~Dare to live~ : パウジーニ&ボチェッリ
カルーソー : パウジーニ&ジョヴァノッティ
それでは、ほんとうにおしまいなんだな : ゲオルギュー、ボチェッリ、ローレンス&ミルネス
誰も寝てはならぬ : ルチアーノ・パヴァロッティ

2010/12/03

xroad2010.jpg 

クロスロード・ギター・フェスティヴァル2010

21世紀に入って3年に1回開かれているエリック・クラプトン主催のギター・フェスです。今回は2010年6月26日にシカゴのトヨタ・パークで行なわれました。先日の「クリーム」と比べて、当然ですがクラプトンも老けました。司会は今回もビル・マーレイ。彼のジョークを訳すのが、すごく大変でした。彼の代表作は「ゴーストバスターズ」なわけで、それを踏まえて「後でゴーストが出てくる」と言います。これは彼が主演した「3人のゴースト」(「クリスマス・キャロル」の現代版)も連想させるコメントで、後で彼は今は亡き大物ミュージシャンに変装してステージに出きます。これくらいは字幕でも理解可能でしょう。でも、この司会がビル・マーレイで、彼の代表作が…という事を知らない人が見ているとワケが分からないというか、特に微笑ましくもなくなってしまいます。そしてクラプトンを紹介する時「シカゴの顔 エリック・クラプトン」なんて言いますが、クラプトンはシカゴの顔ではないどころかイギリス人です。だから「シカゴ(このフェスの会場)の顔」と言う的外れな紹介が会場の笑い(爆笑ではないですが)を誘う。こうした字幕がジョークとして通じるかというと…。ムリでしょう。

他にもビル・マーレイはノリノリでジョークを連発しますが、こうしたステージでの司会なので基本的な情報を伝えるのが字幕的には精一杯。残念です。それでも彼の七変化(誰に変装するかは見てのお楽しみという事で)も楽しいし、字幕でも通じるジョークもかなりあります。(っていうか、ビルビル書かなくても、本題のギター・フェスティヴァルを楽しめれば、それでいいわけですが、字幕も4時間半の中で700枚くらいはあるので。)

という事で、字幕.com的にはこのソフトの本来の見どころとは違う話ばかりですが、他に訳していて印象に残ったのは、先日書いた「リズム・カントリー&ブルース」にも参加していたヴィンス・ギルがデカい事。ビル・マーレイも「自分が小さくなった気がする」「出演者の中で一番の長身」と彼を紹介します。それから、ローリング・ストーンズのギタリスト、ロニー・ウッドがメチャクチャ庶民的です。いい意味でオーラゼロ。ジョン・メイヤーと握手してニコニコ。本当に人のいいオジさんって感じで親近感が湧きます。それから“ラ・バンバ”を80年代後半に大ヒットさせたロス・ロボスのセサル・ロサス(Cesar Rosas)が「燃えよドラゴン」の悪の首領ハンみたい。いや、よく見てるとロニー・ウッドもハンみたい。

今回はジェフ・ベックのステージもソフトに収録されています。「誰も寝てはならぬ」も弾きます。この曲はWOWOWで12月9日(木)午前5:00に放送される「パヴァロッティ追悼1周忌~パヴァロッティ&フレンズ」でパヴァロッティ本人の歌も聴けたりします。(これは2年前のイヴェントで、WOWOWでもリピートですが12/9までに書けないかもしれないので、ここでも書いておこう、と。)

DVD&Blu-ray発売日: 2010/12/08

以下はエリック・クラプトン関係で、ひとまず「クロスロード」がタイトルに付くソフトで自分で担当した分の備忘録。

xroad2007.jpg 

クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2007
こちらは字幕全体を担当。
DVD発売日: 2010/12/08

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クロスロード – ギター・フェスティヴァル(2004年)
これは字幕は部分的に担当し、ライナー等は訳しました。
DVD発売日: 2010/12/08

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スタンディング・アット・クロスロード
翻訳は2001年10月でした。
DVD発売日: 2008/03/05

2010/11/29

Cream : Farewell Concert From The Royal Albert Hall London

2010/11/30(火)深夜1:00@WOWOW

1966年に結成し68年に解散したバンド、クリームの解散コンサートです。彼らの存在感からして、当時の彼らの年齢には驚きます。ジャック・ブルースが25歳、エリック・クラプトンが23歳、ジンジャー・ベイカーが29歳でした。

このライブは、いい状態のフィルムが見つからないのか画質が悪いのですが、それも手伝ってか、3人ともかなりオジさんに見えます。

今回のOA用に新しく字幕を入れましたが、ソフト化もされている作品で、そちらの訳は誰が作ったものかは分かりません。

音もMC部分がクリアではなく、聞き取り困難でしたが、なんとか判明したので、それにも字幕を入れました。幸いにして、どれも曲紹介だけの短いものだったので間違いはないと思います。他のナレーションやインタビュー部分は音がクリアでした。こうしたナレーションやインタビュー部分の訳もソフトのものとは全面的に変わっているので、ソフトを持っている人も、改めて見ても悪くないと思います。

余談ですが、曲間の短いインタビューの中で、クラプトンが「怒りをギターで発散できる僕は幸運だ」「もちろんギターを乱暴に扱うわけじゃないよ」「ギターを壊すのはザ・フーだ」と言って笑います。ピート・タウンゼントのギター破壊パフォーマンスは当時から有名だったんですね。

2010/11/22

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カントリーとソウルのベテランがデュエットする企画ものの録音風景を捉えたドキュメンタリーです。CDも大好きですが、ベテラン達が顔を揃える映像版も見ごたえがありお勧めです。ただCDも再発売されていないし、そのため当然ですがDVDも発売されていません。それでもネットで中古で時々出回るようですし、チャンスがあったら是非ゲットしてみて下さい。

僕はこのドキュメンタリーの字幕を担当しました。さすがに当時のデータは簡単に出てこなくて、記憶を頼りに書いていますが、字幕の枚数は500枚くらいだったんじゃないかと思います。

以下はドキュメンタリー版のアーティストの登場順ですが、「名前は聞いた事があるけど、どういう人か知らない」という人が多いかもしれません。そうしたアーティストの顔と歌声を一致させるにはピッタリの好企画。CDで歌も楽しむといいと思います。ちょっと乱暴ですが、カントリーは白人の演歌でブルースは黒人の演歌。演歌は人の心にしみ入る力があると思います。

イントロダクション
INTRODUCTION

「ザ・ウェイト」
ザ・ステイプル・シンガーズ・アンド・マーティ・スチュアート
THE WEIGHT/The Staple Singers and Marty Stuart

「シンス・アイ・フェル・フォー・ユー」
ナタリー・コール・アンド・リーバ・マッキンタイア
SINCE I FELL FOR YOU/Natalie Cole and Reba McEntire

「パッチズ」
ジョージ・ジョーンズ・アンド・B.B.キング
PATCHES/George Jones and B.B. King

「アイ・フォール・トゥ・ピーセズ」
アーロン・ネヴィル・アンド・トリーシャ・イヤウッド
I FALL TO PIECES/Aaron Neville and Trisha Yearwood

「サムシン・エルス」
リトル・リチャード・アンド・タニヤ・タッカー
SOMETHIN’ ELSE/Little Richard and Tanya Tucker

「サザン・ナイツ」
チェット・アトキンズ・アンド・アラン・トゥーサン
SOUTHERN NIGHTS/Chet Atkins and Allen Toussaint

「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」
サム・ムーア・アンド・コンウェイ・トウィッティ
RAINY NIGHT IN GEORGIA/Sam Moore and Conway Twitty

「僕のベイビーに何か?」
パティ・ラベル・アンド・トラヴィス・トリット
WHEN OMETHING IS WRONG WITH MY BABY/Patti LaBelle and Travis Tritt

「ファニー・ハウ・タイム・スリップス・アウェイ」
アル・グリーン・アンド・ライル・ラヴェット
FUNNY HOW TIME SLIPS AWAY/Al Green and Lyle Lovett

「チェイン・オブ・フールズ」
クリント・ブラック・アンド・ポインター・シスターズ
CHAIN OF FOOLS/Clint Black and Pointer Sisters

「エイント・ナッシング・ライク・ザ・リアル・シング」
ヴィンス・ギル・アンド・グラディス・ナイト
AIN’T NOTHING LIKE THE REAL THING/Vince Gill & Gladys Knight

エンディング
ENDING

色々な意味でアメリカの音が詰まったアルバムです。ぜひ機会があったら見て、聴いて下さい。どの音も今も新鮮です。

VHS&LD発売日: 1994/05/21

2010/11/13

また爆音の季節がやってまいりました。(というとしたら、たいてい夏のような…)

今度は吉祥寺のバウスシアターです。

この中で字幕を担当したのは2本。(昔の作業です)

(1)スタンピング・グラウンド
2010/12/2(木)
2010/12/4(土)
2010/12/7(火)
各夜21:00~

(2)Apocalypse : A Requiem For The Sixties
2010/12/11(土)のオールナイト上映のうちの1本

スタンピング・グラウンド
stampingground.jpg @allcinema

Love And Music @IMDB

1本目は1970年6月オランダのロッテルダム郊外で35万人が集まったコンサートフィルムです。登場するアーティストはサンタナ、ピンク・フロイド、ジェファーソン・エアプレイン他多数、モンタレーやウッドストック並みの強力メンバーです。

ちなみに冒頭は:

19世紀初頭

新しい国を作る決意で
旅に出た開拓者達

彼らは苦難を乗り越え
長い旅を続けた

旅に疲れた彼らが休む場所

幌馬車を円形に
並べて作る休息の広場

彼らはここで 歌い踊り

愛する者と過ごした

広場の呼び名は
“スタンピング・グラウンド”

というナレーションから始まり、一気に音楽祭本番です。

DVD発売日: 2002/08/21

それから「Apocalypse : A Requiem For The Sixties」の方は60年代のロンドンの文化を切り取ったドキュメンタリーです。エリック・バードン・アンド・ジ・アニマルズの“ホエン・アイ・ウォズ・ヤング(When I Was Young)”がとても印象的です。(メッセージ性が強いので確か歌詞にも字幕を入れてあります。)

apocalypse51z3mjrvp7l__sl500_aa300_.jpg @allcinema

DVD発売日: 2003/05/23

爆音上映は、先日の横浜で少し体験してきましたが、ただ音がデカいというだけではなく、確かにすごいです。爆音リミックスバリバリで、ただものじゃありませんでした。何だか70年代に何本かあったセンサラウンド方式の「ミッドウェイ」や「宇宙空母ギャラクティカ」なんかを思い出しました。ところで、このオールナイトの方は「地獄の黙示録」も爆音で体験できるようなので、かなり貴重かも。

2010/10/31

TOMMY & Quadrophenia 1989 & 1996

2010/11/9(火)深夜1:00 @wowow

ザ・フーのコンセプト・アルバムの代表作2作のダイジェスト的な番組です。本タイトルはDVDでも“ライヴ・コレクション:四重人格&トミー”としてリリースされていて、そちらは7時間近く映像が収録されています。今回のOAは1時間弱ですから、どこを取っても残念ながら中途半端としか言えません。ザ・フーの事を知っている人が、「ああ、やってるから見てみるか」くらいの気楽な気持ちでBGMとして流す程度に見るのが正しいかもしれません。

少なくとも“ピンボールの魔術師”を熱唱するエルトン・ジョンは見られます。彼らを知らない人が見た場合、コンセプトアルバム2作のごく一部だけですから、何が何だかストーリーは全然分からないかもしれません。僕自身は2作とも好きだし、「トミー」に関しては映画版本編と怒涛のてんこ盛り特典全体を訳したので、一部だろうと何だろうと頭の中に音と映像が立体的に浮かんできますが。

という消化不良のプログラムですが、いわゆるロックオペラのさきがけでもある彼らに触れた事がない人でも、1時間ですから、見ても悪くないかと思います。

映画はさきほど書いたようにTOMMYは「トミー/TOMMY」。Quadropheniaはアルバムの邦題は“四重人格”で、映画は「さらば青春の光」です。

ザ・フーというバンドは知らない人には入りずらいバンドという印象があるかもしれません。でも、そういう場合、どういう事が多いかというと…。奥が深い。「一見さんお断り」(漢字合ってるかな?というより、ここで使うのが違うか…。まあいいや。)的な面がある気がします。要するに彼らの懐に入ってしまうと、とても心地よく、幻想の世界を旅する事ができる。と、僕は思います。知らない人にぜひ知ってほしいバンドの1つ。できれば、のめり込むほどに聴いてほしいバンドです。

彼らの作品では↓なども字幕を付けています。
ライヴ・イン・ボストン
DVD発売日: 2004/09/23

★↓それからWOWOWでの過去作のリピート情報↓★
ニーナ・シモン ライブ イン ’65 & ’68
2010/11/1(月)深夜2:10

マーヴィン・ゲイ ライブ・アット・モントルー 1980
2010/11/2(火)午前7:00

ロックン・ロール・ホール・オブ・フェイム25周年記念コンサート
ロックの創造者たちの音楽祭
2010/11/2(火)午後4:45

リチャード・マークス ライブ・イン LA 1987
2010/11/2(火)夜11:50

ライオネル・ハンプトン ライブ・イン ’58
2010/11/4(木)午前9:40

リック・スプリングフィールド ライブ・イン LA 1982
2010/11/4(木)午前10:55

ティナ・ターナー ライブ・イン・リオ 1988
2010/11/8(月)午前9:20

ジェームズ・ブラウン ライブ・フロム・ハウス・オブ・ブルース 1999
2010/11/8(月)午前10:40

クインシー・ジョーンズ 75歳記念コンサート
2010/11/9(火)午後4:50

エレクトリック・ライト・オーケストラ ライブ・アット・ウェンブリー 1978
2010/11/10(水)午後4:40

R.E.M. レトロスペクティブ 1984-2004 at BBC
2010/11/12(金)午後0:50

ビヨンセ ライブ・イン・ヴェガス
2010/11/18(木)午前6:10

シン・リジィ Live and Dangerous 1978
2010/11/20(土)深夜2:20

ブライアン・アダムス ライブ・アット・スレイン・キャッスル 2000
2010/11/26(金)午前11:35

2010/10/26

BON JOVI:WHEN WE WERE BEAUTIFUL @IMDB

2010/11/04(木) 22:00-23:30@フジテレビNext
2010/11/12(金) 20:30-21:55

ニューヨークのトライベッカ映画祭で2009年4月にプレミア上映されたドキュメンタリーです(約80分で字幕1000枚弱)。去年の今頃リリースされた彼らの11枚目のオリジナル・アルバム“サ・サークル”のCD+DVD版にも収録されていますが、今回のOA版の字幕は全面的にリマスターしてあります。というか、厳密に言うと発売ソフトの字幕はOA用の字幕をほとんど完成させてから見たので、ゼロから全部訳した字幕になっています。

これを訳していて、僕は改めて彼らの魅力を発見した気がします。彼らは25年以上バンド活動をしています。ジョン・ボン・ジョヴィ(イタリア系)、デヴィッド・ブライアン(ユダヤ系)、リッチー・サンボラ(ポーランド&イタリア系)、ティコ・トーレス(キューバ系)。彼らの絆の強さ。そして「成功」という怪物との闘い方。バンド内でのいざこざもあったようですが、メンバーチェンジ自体は少なく、元メンバーも円満に脱退しています。最近、“ゴッドファーザー”を見直したり、去年は“バラキ”の翻訳をしたせいか、なんだか彼らは素晴らしいファミリーだと感じました。

ここからは字幕の話になりますが、まず発売版の字幕。残念ながらこれは海外産の日本語字幕で、2秒で15文字出てきたり、それが10秒のうちに5枚も出入りしたり、逆に1枚の字幕が10秒近く出っ放しになったり、すごい事になっていました。(とは言っても、全編の字幕がそうであるというわけでもなく、この字幕があるおかげで話は分かるようになっている、くらいにはなっています。)

ちなみに、この発売版のCD+DVDソフトのスリーブの裏面には、こう書かれています。「本ボーナスDVDは、日本語字幕も含め、全てオリジナル・マスターに基づいています。一部、誤表記及び不適切な表現等がございますが、あらかじめご了承下さい。」

難解な文章です。【全てオリジナル・マスターに基づいている】と、なぜ誤表記があるのか?なぜ不適切な表現等があるのか?日本語字幕に対する理解の余りない人が海外で作っているからなのですが、それにしたって【不適切な表現】くらいチェックできるだろ?と思ったり…。

そもそも海外産の日本語字幕がどうして生まれるのか。という事を疑問に思う人も多いでしょう。大手のレーベルやスタジオは世界を1つの市場と捉え、世界共通のマスターを1つ作って、それを各国のパッケージに包んで売る場合があります。日本では12月発売なのにアメリカでは10月発売だったりもします。マスターを1つ作る場合、一番早い発売日に間に合うように全ての「部品」の制作スケジュールが組まれます。制作開始から日本の発売日まで半年あっても、実際の現場では1ヵ月しか作業期間がない場合もあります。

その結果、世界共通のマスターを作っている地域の近辺で日本語字幕をチャチャッと作って、それをそのまま「部品」の1つとして収録する。という流れになっていきます。世界共通のマスターには日本語だけでなく、フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語、タイ語…とかたくさんの言語の字幕が入ります。

この「部品」の1つとしての日本語字幕が作られるプロセスは、おそらく、文字通り「部品」の扱いです。その根拠の1つが、英語のテロップが画面に出ている時の日本語字幕の出し方です。日本で日本語字幕を作る場合は右タテか左タテの字幕を出して、その英語のテロップを避けます。これが技術的にも物理的にも可能なのに、海外産の日本語字幕に「タテ」は少ないです。(僕自身は、見た事がなく、もしかして、実際にないかもしれません。)タテ書きで表記できる言語は少ないので、英語のテロップを避ける出し方として、通常は画面の一番上辺りに字幕を出すのです。要するに日本語字幕は海外での制作の場合、特別扱いされる事なく、タテに出すような加工は行なわれません。「部品」の1つとして他の言語と平等に同列です。

それにしても、「不適切な表現」はチェックできないわけ?と思う人もいるでしょう。制作期間もそれなりにあるだろうし、いくら時間がなくても、それくらいメールでのやり取りでもチェックできるでしょ?と。

1秒で10文字読ませようとする字幕がジャンジャン出てきたり、句読点が普通に入っていたり、どこの国の漢字か分からないような漢字が入っていたり、直さなければならない要素が多すぎて手が回らない事も考えられます。

海外のスタッフが時間切れになるまで原稿を見せず、そのまま収録されてしまう事もあるのかもしれません。

僕の経験と知識から想像できるパターンは、それなりに色々ありますが、いわゆる「普通」の字幕を見慣れている人が見ると違和感を感じる事ばかりの海外産の日本語字幕が多い事は確かです。

問題の1つは、英語からフランス語やドイツ語やイタリア語への翻訳と、日本語への翻訳が同列に扱われている事ですが、日本語字幕を頼りに作品を見る人にとって、これは不幸な事です。

音楽ソフトの場合、いわゆる輸入盤に対して国内盤は歌詞カードや対訳や解説が追加されるものです。字幕も同じレベルで、しっかりしたものが入っていると、買う側は思うでしょう。それが上記のような事情から違和感がありまくる字幕が収録される事があるわけです。(歌詞カード、対訳、解説などは全て紙で、字幕は映像です。)

日本の発売側の人達も、「これではいかん」と思っている人が多いようですが、それでもそのまま出てしまう字幕が多いようです。結局、これは字幕の制作費よりも制作スケジュールの都合が大きく影響している気がしますが、とにかく国内盤を買う日本のユーザーを失望させる結果になる事が多いわけです。

こんな事情をこうして書くと、僕の仕事が減るでしょうが、それでも割高の国内盤を買う日本のユーザーには、知る権利がある事だと思います。そして実際問題として、僕のような自由な立場の人間しか、こういう事は書けないので、書いておきます。

ここで、ボン・ジョヴィの“ザ・サークル~デラックス・エディション~”のスリーブ裏面の文章に戻ります。「本ボーナスDVDは、日本語字幕も含め、全てオリジナル・マスターに基づいています。一部、誤表記及び不適切な表現等がございますが、あらかじめご了承下さい。」これは日本側の関係者の良心だと僕は思います。簡単に直せるような違和感のある日本語が入っていても、それを直す事ができない立場にいるジレンマ。ユーザーから見れば、彼らは同じ発売元の人間です。できる事といえば、「この状況で出すしかなくて申し訳ない」と、購入者に詫びる事だけでしょう。でも、いわゆる「お詫び」や「訂正」を最初から入れて出すと「それなら最初から直せ」と言われるので、それもできず…。という結果の苦肉の策なのではないかと推察します。

日本語というのは本当に特殊な言語です。ルビを付けられる言語は多くありません。無知なのか、僕は他には知りません。ひらがな、カタカナ、漢字、ロ-マを混在させても字幕が成立するという意味でも、他の言語の字幕と比べてはるかに奥深いものがあります。「字幕は文化だ」と言うと大げさでしょうが、日本語字幕には日本語という言語固有の細やかな工夫が凝縮されます。海外で日本語字幕を作る時、他の「部品」よりも丁寧に作る必要があるのだと、海外で日本語字幕を作っている人に認識してもらいたいものです。

「こう言うのは簡単で、実際にそれをやるのは大変なんだ」という反論も聞こえてくる気がします。でも、大変だからと言って黙っていると、いつまでも状況は改善しないから書いちゃいます。

現場でジレンマを抱えている人には、この文章は不愉快かもしれませんが、少しでも突破口を作らないと、「悪貨は良貨を駆逐する」という事になる気がして、僕は不安です。

…また長くなりましたが、ボン・ジョヴィのドキュメンタリー。ファンではない人も、よかったら見て下さい。スターの「人」としての側面を垣間見られる作品です。

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