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2016/04/20

こんにちは。根本齒科室の根本です。
今日は飼い犬のことを少し話してみようと思います。

 今回の内容は、飼い犬への接し方については
 個人的な主観が多々混じっておりますので、
 あまり参考にしないでください。
 また飼育法や躾には多種多様の理論が存在し
 各人が自由に選択しているのが実際です。

テオ(トイプードル♂ 2015年7月生)を飼ってみて半年になります。
振り返ってみると、おみちょりと違って、すごく手がかかります。
恥ずかしながら、その分いらいらしたり、腹が立ったりすることが結構多かったですね。
(こんなに面倒くさい奴だとは)
(こんなはずではなかったのに)
と思うことが本当にしょっちゅうでした。

私たちはたいてい、ペットショップで子犬を見て、かわいさだけを基準に買ってしまいます。
飼育未経験者で、犬の長所短所、飼育方法のポイントなど確たるところを理解したうえで購入、という方はほぼ皆無でしょう。

犬を飼った経験のない人だとたぶんご存じないかと思いますが、じつは購入して店を出た瞬間からやるべきことがあるんです。

それは何かというと


トイレトレーニングです。

◇知らなかったこと~トイレトレーニング

犬のトイレトレーニングは、とてつもないほど大変です。
しかも最初数日が肝心ときてます・・・

まず買って帰るときに、子犬が入った箱の中を見張っている必要があるのです。
で、中でおしっこをした場合はその時間が何時何分か記録します。
しなかった場合は店を出た時間を記録します。

そして、諸説ありますが、まず家にお迎えしたら

 ①記録した時間を0分として
 ②そこから3時間後の時間になるまで
 ③あらかじめ自宅に用意したクレートに犬を入れておきます。

腹部を地面に着けた姿勢では犬は排尿しないからです。
3時間たったら、犬をトイレ専用サークルの中(ないしはトイレトレーの上)に置き、おしっこをするのを待ちます。したら大げさにほめます。

・・・だそうです(いっしょにハッピー トイ・プードル(西川文二監修 新星出版社))。

排泄をするときは、『床を嗅ぎまわったり』『クルクル回る』のが兆候のようですが、個体差も大きく、ほとんど兆候を示さない個体もいるので、そんな犬だと難易度は格段に上がります。
飼い主様はお気の毒な限りです。
また大のときは「カエルの逆立ち」のような姿勢で数秒踏ん張るので少しだけ時間の猶予があります。
その体勢を確認した後でもぱっと移動させればぎりぎり間に合うことも多いですが、小のときにはその数秒がないので、後ろ足が屈んだ瞬間にもうアウトです。

そんなことを知らなかった私は、段ボール箱から出して、自分のベッドの上に乗せたとたんに大小を一撃づつ食らうはめになりました。

・・・
今、笑った人も多いかもしれません。
でもこれは笑っては済まされないんです。
じつは最初の1回を失敗してしまうと、その瞬間に犬に

ージの外はどこでもトイレ」

という間違った先入観が刷り込まれてしまい、今後トイレのしつけに大変苦労する羽目になるんです([『ケ』に点々なし。『ゲ』ージ(=目盛り)ではないので間違えないように)。
現にウチも半年かかって、まだ完璧とは言えません。
最初にうまくトイレトレーの上でさせることができると、今後が非常にスムーズで、早ければ数日でトイレが完璧になるのもいるようです。

そこで、最初の3日は一日中犬を見張っていないとだめなようです。

「そのために有給くらいとるべきだ」

Yahoo知恵袋などの愛犬家の方はいいます。
私とはまったく価値観が違うようで、そのような方の意見はなかなか素直に入ってきません。

その3日間は、おしっこやうんこをしそうになったらトイレトレーの上に移動させて、排泄させてほめる、というのをひたすらやりつづけなければならないそうです。

その際大事なのは、犬が排泄するときに必ずコマンド(掛け声)をかけ続けることです。

小のときは(例)「シッコ、シッコ・・・」
大のときは(例)「ワンツー、ワンツー・・・」

なかには、小と大を同じ掛け声でやるという流派もあります。

いずれにしても、排泄中は声をかけ続けて条件反射を強化することが必要です。
そして、排泄が終わったら犬をたくさんほめなければならない。

「ほめる?ふざけるな!」

おもわず天を仰ぎます。単に排泄しただけなのに?ほめる?
「ネコを見習えネコを、バカ!」と怒鳴りつけたくなるというものです。

しかしこれを繰り返すと、行き着く先は、人間がおもむろに「シッコ、シッコ・・・」
と声をかけ続けると犬がその場で排尿を行い、「ワンツー、ワンツー・・・」
と声をかけ続けると、犬がその場で脱糞をはじめるようになるんだそうな。

最初は(それは面白い!)と思って、おみちょりに一生懸命教えたものです。
「おみちょり、
『テオ、ワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツー…』
『テオ、ワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツー…』
『テオ、ワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツーワンツー…』」

ついに覚えませんでした、はい。
(『テオいい子』 『犬…コラ!』は覚えたのに)

もちろん室内フリーのお留守番なんて、夢もまた夢です。
人がいないときはケージ([『ケ』に点々なし。『ゲ』ージ(=目盛り)ではないので間違えないように)の中なのは仕方ないです。

で、さらに恐ろしいのにほとんど知られていないのが、あろうことか

『犬はウンコを食べる』

という性質です。

通常食糞は、飼い主に隠れて行うことが一般的です。
たとえば午前中出勤して、昼休みに戻って覗いて見ると、トイレトレーのメッシュに少しウンチをこすり付けたような痕があるので判明します。
しかし最初はそれが何なのか理解できてませんでした。

最初はまったく気がつきませんでした。
権勢本能とか何も知らなかったので、私は毎日テオを腿の上に乗せて顔を舐めさせて癒されていました。
(やっぱり子犬ってかわいいなあ!幸せ幸せ)

しかしあるとき私は決して悟ってはいけないことを悟ってしまったわけです。。
全身の力が抜け、腰から砕け落ち、生活する気力が萎えてしまいました。。
(・・・やりやがったな、テオめ!)

それ以降ただちに中止したのはいうまでもありません。
こいつがそんなクソ野郎だったなんて、まったく知らなんだ。

食糞はなかなか治りません。たまに糞がトレーの上に置きっぱなしになっていることもあるのですが、放置しておくとたいていは食べてしまいます。
ひどいときには隣の部屋で10分くらい調べ物をしている間に、なんてこともありました。

これをごらんいただきたい。(クリック)
効かないことで有名な食糞防止シロップ(画像検索)です。
犬の食糞には本当に多くの人が悩んでいるようです。成犬になると落ち着くこともあるようですが、続いてしまうことも決して少なくありません。

私が非常に大きな問題だと思うのは、犬を飼わない人達の間に、このような恐ろしいことが一切伝わっていないことです。

私は大学院のときに実験動物のマウスを一括で管理していた経験があり、またハムスターを同時期に飼っていた経験から、齧歯(げっし)目の動物が食物繊維の補充のために食糞をすることは知っていました。
ちなみにマウスやハムスターは、尿は臭いけど糞は無臭です。
しかし尿はケージ内のきまった隅の一箇所でしてくれます(糞はどこでもしてしまいますが)。
とはいっても米粒くらいのザラザラした顆粒のような糞で、管理はインコ以上に楽ですが。

ところが犬ときたら、自分のだけでなく、散歩中に他犬の糞も食べたがるから気が抜けません。
私の自宅でも、数回現行犯で見つけて、まるで剣道の試合開始直後のような気合で怒鳴りつけた(私は剣道部出身です)ことがあります。
テオの奴ったら、フセの態勢のままでこそこそガニ股でクレートに逃げ込んだものです。

で、ネットで引いたら、出るわ出るわ、全国各地の食糞犬どもorz
対策は、どうも、犬が糞をするところを見逃さないようにして、糞をしたら「ほめて」即座に糞を片付ける、などという、ひたすら回りくどいもののようです。

この、いちいち「ほめる」のが納得いかない。
「ほめる?ふざけるな!」

おもわず天を仰ぎます。単に排泄しただけなのに?ほめる?

「ネコを見習えネコを、バカ!」と怒鳴りつけたくなるというものです。

だいたい人間が人前で立ちションや野グソをしてほめられるか?
ありえない。絶対にありえない。
犬尊人卑もここにきわまれり。
それを「失敗」「粗相」などという中性的かつ抽象的な言葉で美化しようとする風潮がまたいただけない。
単なるお漏らしに過ぎない。
あまり犬に甘いと、自分の倫理観も犬に近づきそうで・・・

だいたい犬にイラついているときなど、こんな妄想が頭の中を駆け巡ってしまいます。
まだまだ飼い主初心者な根本です。

◇知らなかったこと~ワクチン待ちと「社会化期」「恐怖期」

今まで書いてきたように、まず子犬というだけで飼育の負担が大変です。
しつけの入った成犬から飼うのが理屈上は一番楽なんだろうと思いますが、やっぱり子犬のかわいい顔を見たいというのが人情なんでしょうね。
(トイレのことは気がつかないかもしれないけど)

あと、子犬から買ったほうが懐きやすいと思うのかもしれませんが。。
ところがその件で失敗しやすい点ですが、3回のワクチン終了待ちの間に、貴重な『社会化期』を無駄に逃してしまうミスを犯しやすいのです。

子犬は法律で生後4ヶ月までに3回ワクチンを打つことが決められています。
その間は散『』をさせてはいけないと獣医さんは言います。
(そのほかに狂犬病の予防接種もあるが今回は省略)

通常ペットショップ(イオンペットなど)に行くと、陳列されているのは2ヶ月前後の子犬で、とてもかわいらしいですね。
しかし、だっこさせてもらおうとすると、手に消毒スプレーを吹き付けてからということになります。
これは上記の理由により感染予防のためです。

そして悩ましことに、この生後2ヵ月~遅くとも3ヵ月の時期は『社会化期』とよばれる大事な時期で、この時期に親しんだ対象に対しては終生親愛の情を失わない、とされる時期です。
ぜひ飼い主さんはこの時期に自分自身も含めて犬にさまざまなものに触れさせたいのはやまやまです。

また、親兄弟と遊ぶことによって他者との距離感や手加減を知ったり、環境になじんだりする時期でもあります。

いっぽう4ヶ月を過ぎると今度は『恐怖期』というデリケートな時期に入るんだそうです。
この時期には逆に、他の犬にほえられたり、人間に叩かれたりすると、今後ずっと先入観として恐怖心が残り、散歩を嫌がったり人間をおびえるようになってしまう、ある意味逆説的に大事な時期です。

この時期はなるべく当たらず触らず、犬に八つ当たりとかもせず、不必要な刺激は避けて、穏やかに日々をすごしたいところです。

しかし私も後になって知って後悔したわけですが、3回のワクチン終了待ちを待っている間に、『社会化期』が過ぎてしまい、『恐怖期』に入ってしまうジレンマは、失敗したと思いました。

正解は、この間については

 △他の犬と触れさせる
 △地面に触れさせる

ことをしなければ、屋外に出しても良いので

 ○抱っこして散歩
 ○自転車のかごなどに乗せて散策

などはまったく問題なく、積極的に外に出すということだったんですね。

(早く散歩に連れて行きたい!)
毎日忸怩たる思いでじれながら、私はずっと犬を屋内に置きっぱなしにしてしまいました。
せっかく自転車があったのに、大変もったいないことをしたものです。

もっと言うと、その後の6~7ヵ月以降は『反抗期』といって、急に命令に従わなくなったりトイレの失敗が増えたりするようになるようです。
これは、群れの中で自分がどのくらいまで許されるかを測る意味もあるようなので、ダメなものはダメなラインは堅持しますが、あまりこちらも意固地にならないことが重要なようです。

犬は大脳新皮質は貧弱ですが、旧皮質の感情をつかさどる部分は発達しているので、感情的な喜怒哀楽はすぐに把握されてしまいます。
ここでかっとなって虐待や折檻などしてしまうと、今後長い年月にわたって、臆病の裏返しとしての攻撃性の高い犬や噛みグセのある犬などになってしまうようです。

◇知らなかったこと~犬の権勢本能

子犬、とりわけトイプードルの子犬はかわいいですよ。
あのテディベアになりきらない”子犬カット”。誰だって思わず抱きしめたくなります。
しかし、犬に対していきなり抱きしめるのはご法度なのをご存知ですか?

犬には、人間と違って、民主的とか平等とか和という概念が皆無です。
自分が所属する「群れ」の中での上下関係しかないんです。
そして常に下克上、隙あらばリーダーの座を狙っています。

犬には弱いとやさしいの区別がつかない。
犬には強いと悪いと凶暴の区別がつかない。

まるでどこかの国の人のようです。

ちょっとしたことでも、たとえば「おすわり」「ふせ」「まて」などをさせて、あくまでも指示の励行に対する報酬として抱き上げるような体裁が大事なようです。
そうしないと、お犬様が人間のことを自分の家来だと思ってしまうようです。
何もしないで抱き上げたりすると、飼い主がお犬様にご機嫌伺いしたり魅力に負けたりしてだっこしたとか思うんですね。

なんと面倒なんでしょう。

基本的に、犬に対して、人間が人間に対するようなほめ方、かわいがり方、気遣いとかをすると、たいていの場合、人間が犬に対してご機嫌伺いをしているように見えたり、人間が下位であり自分が上位だと思ってしまうようです。

それは、他のことでもそうなのですが、犬は旧皮質の感情が豊かな割には、大脳新皮質が非常に貧弱だからだそうです。
大脳新皮質は、人間が論理的に思考したり、筋立てて考えたりするところです。
しかる、ほめる、かわいがる、などの人間的な行為は、大脳新皮質の働きです。
犬にはこれが貧弱なので、これらのことを理解できないんだそうです。
「民主的」とか「平等」とか「和」など、さらに無理な話です。

だから犬の本能の中に残っている、感情の起伏の利用と、リーダーっぽい「受け入れる」的な接し方で接するしかない、と、確か森田誠さんが動画で言っていたと思います。

うまく言えないのですが、中高の体育会系の先輩後輩を軽くした感じかな?とか、AUのCMではありませんが、桃太郎が連れているキジやサルなどの子分的な感覚とかで接するといいのかな???

 いきなり抱き上げる、
 胸より上でだきしめる、
 ソファやベッドで一緒に横になる

この辺全部だめです。
これらをしてかわいがりたいから飼った、もとい買ったのに、接し方やかわいがり方に大きな制約があり、守らないと問題行動犬になってしまう。。

思い切り抱きしめ倒すことが夢だったのに・・・大きなストレスだ。

 トイレを決められたところでしない
 室内 マーキング 放尿が増える
 他人に対して吠え掛かる、とびかかる
 指示を聞かない
 指示に対して歯を見せて唸ったり、あまつさえ噛み付く

リビングの壁紙のあちこちに向かって犬が足を上げて放尿・・・
想像しただけで卒倒しそうです。

そんな犬にキレて体罰を、などということになると、先ほど述べたように犬は「叱る」という概念を理解できる脳を持っていないので、ただただ恐怖なんだそうです。
でさらに犬が臆病になり、防衛本能が悪い方向に出て、人に対して逆に唸ったり噛み付いたりする犬になってしまう。

また犬にとっての放尿には謝罪の意味をもつこともあり、恐れるあまり嬉ションならぬビビリション、謝罪ションなどというものもあります。
これらは犬にとっては誠意のつもりなんだそうですが、想像するだけで阿鼻叫喚です。

なんと人間にとって都合の悪い論理体系なのでしょう

でも犬は抱っこしたい。

最近は、妥協案として、犬をソファに仰向けに押さえつけて、その上にのしかかって頬ずりしたりとか、
ホールドスチールをさらに進めて、正座した股間に犬を収めて伏せさせて、上からお辞儀して頬ずりとかするように気を使っています。
これなら犬よりも下に見られることはないと思いますが。。

 でもお行儀の悪い日は

  犬4の字
  犬三角
  犬ひしぎ逆十字
  ワンコワルスキー
  ワンコブラツイスト
  etc
  (最近は控えています)

 などで犬がキャインというまでお仕置き?!

そうそう、食事がまたやっかいなんです!

必ず人間が先に食べないといけません。
犬のえさやりはその後です。
これは犬の群れの中でリーダーより早く食事を食べる犬はいないという本能の行動規範からです。
でないと犬が人間のことを家来扱いするんだそうです。

これが本当に大変なんですよ。

こっちも夜はあまり食欲がないので、食べない日も多いんです。
夜にちょっとお菓子をつまむ程度の日も多いです。
でも、犬がいる以上、何か食べているふりをしないといけない。
仕方がないので、少しもおなかがすいていないのに、小粒のあられやビスケットを少量、さも勿体つけて食べているようなしぐさで見せつけたくもないのに犬に見せつけ、それからようやく犬のエサやりです。

はぁ~(‘a ) aaマンドクセ

これは散歩でもそうです。散歩にも

犬に先を歩かせない
犬は左につかせる
コースは人間が決める
コースは固定化せずランダムに変える
拾い食いや電柱のにおい嗅ぎはさせない

などなど、犬に下位と思われないようなさまざまな細かい注意点があったのはご存知ですか?

また、行動全般の改善効果を持つしつけ方のなかに、
散歩の練習のような「リーダーウォーク」という面倒なトレーニング法があります。
YouTubeの動画を見ていると、いちいちこんなことまでしないといけないのか、と思い、ひたすら萎えてきます。

◆なんでも丸投げ、日本の悪習癖

これらはたいていの場合、飼って初めて(こんなに大変なんだ)と気づくことが多い。
ペットショップやホームセンターでかわいい子犬を見ている中で購入に踏み切った10人中9人がほぼなにも考えていないでしょう。

いっぽうスイスやドイツなどのヨーロッパでは、飼い主の講習受講義務もしっかりしていて、1匹17万近い高額な

『犬税』

と並んで、購入の必要条件となっている国も少なくありません。

犬とはこのようなものだ、
このように飼え、
このようにしつけろ、
このようにトイレをしつけろ
etc

社会的に犬(というより飼い主)の(標準的な)教育と積極的な管理を行うことで、犬に対する共通認識(一定の理解と秩序)が生まれます。

その前提があるからこそ、鉄道や食堂を含め公的な場所で犬が許容されやすい。
犬好き、犬嫌いであるなどにかかわらず、飼い主でない人が社会的に犬とはこういうものだという共通認識がしっかりあるんでしょう。

もちろんに犬に対する不理解からの殺処分はゼロかまたきわめて少数です。
「ティアハイム」と呼ばれる保護センターもあって、初心者はそこで犬を探すことも多いようです。

もちろんこれらは行政がしっかり予算をつけて行うべき仕事なのはいうまでもありません。
とうぜん国を挙げてなので、地方自治体というより国家事業として厚労省か文科省か分かりませんが、腰をすえて行ってほしいと考えています。

いっぽう日本では、かわいいかわいいのキュートレスポンスだけで購入させようとするので、ペットショップの展示販売におけるストレス蓄積や社会化期の逸失、犬を犬とも思わない悪質なパピーミルの問題などが絶えません。

で、後々「こんなだとは知らなかった」「だまされた」と飼い主が嘆くトラブルが多い。
最近の安易な室内犬ブームも、深く考えると疑問も多いです。

室内犬の世話といえば、正直そのうち9割がウンチおしっこの世話(食糞含む)で、のこりがイタズラ対策です。
ウチのテオも、とにかくティッシュを食べたがります。
先輩のおみちょりが遺した中の数少ない悪い教訓のひとつです。

で、甘噛み、飛びつき、マーキング、トイレ失敗などなど問題行動の頻発を招き、結果として割合安易に保健所に、となる。

この辺のトラブル解決のキーは制度設計、しかも自治体ではなくて国家単位の制度にあると考えます。
世の中、安易に民間に投げてはいけないものもあります。
このトラブルを誰が責任を取るのかが不明確になるからです。

現状のような状態での安易な「殺処分ゼロの取り組み」は、ともすれば飼い主が気の毒な面もある。
飼い主の自己責任を問う前に、保護犬制度とか事前の飼い主講習とか行政がやるべきことがあるように思うのです。

私がもっとも違和感を感じるのは

「問題のある犬はいない。
 問題のある飼い主がいるだけだ」

という一見俗耳に入り易いレトリックです。まったく納得がいかない。

このようなレトリック、というかウソにころっとだまされるのが戦後日本人の悪い点です。
だから「戦争中にアジアの国々に迷惑をかけたから謝罪し続けなければいけない」
などという嘘八百にもころっとだまされてしまう。
なんでも自分がウケに回ってしまえば、とりあえず波風は立たないだろう、と。
そのような態度は、ひとつうは裏を返せば自分の万能感から出ているものなので、むしろ傲慢です。

もうひとつは戦後占領政策におけるWGIP(War Guilt Information Program)の中での日本弱体化教育の一環でそのような思考が自然と身についてしまっている面もあるかもしれません。

「問題のある犬もいない、
 問題のある飼い主もいない、
 問題のある制度があるだけだ」

まあ、私はそう素直に思うのですが、どうでしょう。

行政がしっかり犬と飼い主に対する積極的なコミットを負うようになって初めて、社会が(犬を飼っていない人も含めて)犬を信用するようになり、犬がレストランや鉄道など公共の場から締め出されることが激減し、ドッグランも増えて、悪質なパピーミルもなくなる方向に動くのではないでしょうか。

◆予防歯科も丸投げ、日本の悪習癖

こういうことがつい気になってしまうのは、私が歯科医師だからというのも大きいかもしれないですね。

普通の人は、でもやっぱり
「問題のある犬はいない、
 問題のある飼い主がいるだけだ」
で止まるんでしょうね。

私は「なぜ飼い主がそんな問題を抱え込むのか」にまず目が行きます。
仕事柄ですかね?
日常「なぜこの患者様がそんな問題を抱え込むのか」ばかり考えているんです。

 なぜ歯を磨けないのか
 なぜ甘党が収まらないのか
 なぜ無断キャンセルばかりなのか

歯のことよりも、そんな患者様のバックグラウンドにばかり意識が集中します。
表面の歯ばっかり見ていても、埒が明かないのが歯科医療です。
食習慣や生活習慣などがばっちり出るのが歯です。

こう考えていくと、国を挙げて予防中心などに振ってもらえれば、多くの人のむし歯や歯周病も未然に防げるのに。
いつも思います。

でもそれには、予防面での予算拡充と引き換えに、治療面での予算を圧縮する必要があります。
もちろん税金の無駄遣いを防ぐという面もあります。
しかし一番重要なのは、「事前的モラルハザード」の問題です。
保健の治療面の予算を拡充して、あれもこれも保険が利くようにしておくと、国民がそれに甘えてしまうんです。

予防努力を怠るようになってしまい、定期検診には行かないとか歯医者は痛くなってから慌てて駆け込むとか、犬ではありませんが問題行動が制度設計のせいで顕在化してしまうんです。

移行期間などの十分な配慮は当然必要ですが、将来の国民の口腔健康を考えたら、思い切って予防中心に移行していくことで国民の行動の方向を変えていくべきだと思います。
それでやっと歯科の有病率の上昇が大きく抑止されるのではないでしょうか。

現在も、厚労省は保険治療利権があるので、予防歯科が大事だという姿勢を取れません。
だから予防歯科は全部民間に丸投げです。
幸いなことに、理解のある保護者の方も多く、最近はカリエスフリーの子も増えてきましたが、幼児検診などをしていると、むし歯が「ある子に集中してある」んです。

まあ、第一義的には親の管理不行き届きでしょうね
で、そこで止まるのが一般の方とか増すゴミの視点です。
「なぜその親が管理不行き届きになるのか?」
その親の管理が甘くならないような行動に誘導するのが政治だと思います。

今のような保険治療万歳の制度の下では、予防が大事だといっても、耳に入りません。

「治療のほうが安上がりなんだから、いいじゃん」
「日本は自由で民主主義の国だから、へんな強制されたくない」

制度が悪いと、こんな感じで愚行権を拡大解釈されて「危険な安全地帯」に逃げられてしまいます。
こんな逆境の中で、予防の大切さのような、患者様が予見していないような事柄をしっかり耳に入れるのは、至難の業です。

私は、福祉の基本単位は国民国家だと考えています。
ですから、行き過ぎた自由も、時には問題だと思います。

犬でも予防歯科でも、欧州は日本とは違います。
社会全体で小さいころから(メンテナンス)定期健診に通い、口腔衛生レベルを下げない努力がなされている。
行政が積極的にコミットしているので、結果メンテは安く、治療は高いことになっています。
必然的にみんな治療サイドに落ちないように一生懸命です。
だから子供のころからプロによるコーチングが行き届いていて、エラーが少ない。

アメリカはまた特殊で、企業~政府~国民という3つ巴の分裂社会になってしまっているのがヨーロッパと違うところです。
企業が規制を嫌いますので、どうしてもオバマケアなどのボトムアップ的な国民福祉がおろそかになりやすい。

犬もそうで、やっぱり売らんかなのところがあるようです。
そのあとに訓練士などの商売で儲けるのがさかんなのがお国柄でしょうか、シーザーミランの顔などを見ていると、そんな気がします。
また都市部で、ドッグウォーカーという散歩代行業があるのには驚きました。

さて、テオですが、この間本当に久しぶりに粗相(小)をしました。
しかも1日2度も。
ちょうど五七日に当たる日です。。

おみちょりがいなくなったとたんに、突然おりこうさんになって、
(これはおみちょりの霊訓にちがいない)
などとひとりごちていたのですが、室内に出しっぱなしのままあまり構わなすぎもよくないみたいですね。

私にこんなことを言う資格は全くないのですが、それでも、五七日にもなったのですが、玄関にたどり着いただけで聞こえてくる「お迎えのさえずり」が聞こえてこないのは、やっぱりさみしいです。

【今回のまとめ】

制度設計を事前予防型にすることで、犬も予防歯科も良い結果が出る


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