« | Home | »

2015/03/11

こんにちは。根本齒科室の根本です。

どうも仰々しくてすみません。
そういえば、すっかり当院のおなじみになってきた「心霊?!治療」

 (一応)隠しメニュー
 少なからぬ患者様には好評が多い
 同業者の目に留まると批判が多い

どうみても「いかがわしさ」そのものにしか見えませんw

そこで一応どんなことをしているのか、備忘録として手順書を書いてみます。
「納品技工物」ではなく「口腔外CR(コンポジットレジン)充填」という位置づけなので、大幅な省力化が可能です。
咬合器も南加大もダウエルピンも要りません。
(画像合計8.3Mです。少し重いです)

◆ まとめ

◇ メリット

 保険で白く詰めることができる
 自分で技工するので納期に束縛されない
 自分で技工するので技工料金がかからない
 治療時間(チェアタイム)の短縮
 重合収縮による歯髄反応の回避

◇ デメリット(と思われるもの)

 強度にやや難あり。まれに欠けることもある
 詰め物との境界線が長期的には見えてくる
 技工にハマると、帰宅が遅くなる
 点数が低い(安い)ので技工所に出すと赤字

◇ 必要と思われるもの

 松風プロビマスター
 PKT1番
 エバンス
 パラフィンワックス・ワセリン
 コンポジットレジン(多いのはGCユニフィルローフロープラスのA2とE、その他)
 ケルヒャーなどのスチームクリーナー
 DualCure typeレジンセメント(Gルーティング、パナビアetc)

◆ 実際の手順

形成はナイフエッジマージンを作らないようにすれば、大まかで結構ですし、アンダーカットにも神経質にならなくても大丈夫です。
(もちろんスライスカットはダメダメです。基本ボックス方向)

ただし、印象直前に、窩洞内ボンディングは忘れないでください。
私は、3Mのスコッチボンドユニバーサルアドヒーシブのユニドース(1回使用)タイプを使用しています。

仮封は、ワセリン→デュラシール(硬すぎるから不可)以外のシール材を使用します。

モデルトリマーで模型をトリミングします。
シャープペンでマージンくらいは書き込みます。

松風プロビマスターで割をぎりぎりまで入れます。
割は、(お口の)頬側(外面)、舌側(内面)、模型基底面の3方向から入れます。
石膏残存部が5~6ミリ四方くらいになるようなイメージで割を入れると操作しやすいです。

このように全部割を入れたら、指でぽきっと折ります。
対合?そんなものありません。
これはインレーではなく口腔外CRだからです。

マージンラインに沿って、ラウンドバーで通法通り軽くマージン出しをします。

窩洞内面とマージン部分に薄く薄くスペーサーを塗布します。
マテリアルがメタルではなくレジンなので、パラフィンワックスがいちばん楽です。

ただしアンダーカット(下掘れ部分)はしっかりリリーフ(埋め立て)します。

コンタクトですが、現在は個人的にエバンスで軽く10回程度なでるのが一番合っている感じがしています。
全くなでないと、少しコンタクトが緩めにできてしまいます。

あとは部分部分で何回かに分けて『積層充填』ならぬ『分割重合』をしていきます。

1回目の分割重合が終わった段階です。

こちらは重合部分を外して見た所です。
かならず重合ごとに着脱を確認します。

コンタクト以外の重合が終わりました。

着脱を確認します。

模型の窩洞にセットして、隣接面と合わせます。
コンタクトはまだ盛っていないので接していません。
模型の「割」面があるので、割面同士でぴったり合います。
(接着していません)

コンタクトを作ります。
絶対に隣接面に触るように、少し多めにレジンを盛ります。
(接点部だけ未重合状態です)

その状態で隣接面との割面を合わせると、おおっぴらに隣接面に未重合レジンが触れています。
(気持ち悪い人はこの直前に隣接面にワセリンを少し塗っておきます)

そのまま照射してしまいます。
コンタクト下部の深い所が未重合で残ることがありますので、咬合面側からだけでなく頬舌側からも照射します。
このとき絶対に割面を合わせたところが動かないように注意してください。

お互いをぺりっと剥がします。
当然、このような形になっています。

残したいコンタクトをマーキングします。

側面からです。

大雑把にレジンを成形します。
大きめのカーボランダムとビッグシリコンポイント茶が使いやすいです。
何かショートマージンっぽい感じもします…

…しますがとりあえずケルヒャー(流蝋(るろう))します。
これは撮影用にピンセットを置いてありますが、当然ですが必ずピンセットで本体や模型を持って、取り残しのないようにしっかり流蝋してください。

やっぱりショートマージンがありましたね。
でもあわてないあわてない。

窩洞内面の当該部位にワセリンを塗って、

その場で補修しちゃいます。なおりましたw

修復物を模型に嵌めたら、模型の割面同士が合う所を、ずれないようにして少量の瞬間接着剤で固定します。
割面の片面に少量ゼリー状の瞬間接着剤を塗布し、慎重に割面同士を合わせます。
すかさず頬舌側と基底面側からアルテコ(瞬間接着剤硬化促進剤)スプレーを塗布します。

瞬間接着剤は、もともと水ばんそうこうと言われていただけあって、人間の指は異常に早く接着しますが、石膏など指以外の物は、硬化が結構遅いのです。ものによっては1分くらいかかります。
ですから、そこを瞬時に硬化させるためには、アルテコが必要なのです。

はい、終了!
慣れると15~20分くらいでできます。

◆ Set時

通法のインレーSetと同様ですが、咬合調整がSet後という所だけが違います。
着脱でコンタクトだけ見たらすぐにSetですが、最大限慎重にやってください。
雑にやると、イスムスがポキッと逝きます。
あと、アヤシイ内面の凸部は思い切ってカーボランダムで平滑化してしまうのもコツです。
また当然ですが、絶対に患者様がこの段階で咬まないようにしてください!

セメントは、デュアルキュア(光ー化学 両重合型)レジンセメントは絶対です。
パナビアやリンクマックスなどがあれば安心です。
私はG-ルーティングを使っています。

セメントは、修復物内面にも窩洞内面にもしっかり塗ってください。

硬化にコツがあるのですが、最初にLEDでコンタクト部を頬舌それぞれ5秒づつ仮硬化して、コンタクト周囲だけ余剰セメントをとります。
その状態で1回フロスを上から下に通して横にぬきます(下から上には絶対通さない)
抜けたら、LEDで頬側~咬合面~舌側を15秒づつ本硬化します。

うがいをしてもらったら、おもむろに咬合調整です。

咬合調整もマージン部研磨もやりながら裂溝も掘ってしまいます。
保険だし、ホワイトポイントの先で十分でしょう。。
ここはCRの咬合調整・研磨の要領でやるのがイイです。

◆ おわりに

これを本職の技工士さんがご覧になると、なんという手抜きなんだ!と思われるかもしれません。また、歯科医師の方でも「これで入れていいのかよ?」と思われるかもしれません。

しかし、これは意見が分かれるところだとは思いますが、「保険」で「2級CR(接点を含むレジン充填)」を入れることを考えたら、はるかにましだと思います。
曲率を読めないコンタクト下マージンについて「模型上で作成できる」ということが、付形上の最大の強みです。

たとえば、Kerr社のアダプトセクショナル マトリックスという、接点の仕切り板フィルムみたいなものがあります。
しかし、「緩」「急」2種類の曲率しかないので、直接法でトライして合わなかったらおしまいです。。
また、昔は、トッフルマイヤーのリテーナーなどという、今から考えたら噴飯ものとしか思えない(乳歯は別)もので隣接麺を仕切って「光」重合で充填していました時代もありました。
私もさんざんこれらで2級重点を行ってきましたが、はっきりいって平均的な信頼度は「心霊?!(CRインレー)治療」の足元にも及びません。

もうひとつの非常に大きな強みは、直接法(従来法)に比べて術後疼痛や歯髄反応が顕著に少ないことです。これは大幅に国民のQOLや福祉の増進に資する点だと考えています。
その他、臨床的趣旨については、前掲コラムをご参照ください。

【今回のまとめ】

これ、一番書きたくなかったかもしれないものだが、ついに書いてしまった。
恥ずかしいw 手が汚い(‘A`)


Trackback URL
Comment & Trackback
Comments are closed.
No comments.