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2010/06/04

今回は、恋愛カテゴリーの話題からは逸れますが、コアな経済情報を掲載します。

LGBT産業の中でも突出して市場の大きいゲイポルノ業界。
ここ数年は、その中でもインターネットを使った動画配信によるゲイポルノ産業が急成長しています。

こうした動画配信事業を開始するには、風俗営業法に従って都道府県公安委員会に届け出る必要があり、地域によっては条例により更なる規制がなされている場合があります。
私は行政書士として、こうした手続についてのご依頼を受けることも多くなってきました。

既存のゲイビデオメーカーが新たに動画配信事業を開始する場合もありますが、アダルトビデオ制作の経験のない法人や個人事業主が動画配信事業に乗り出す場合もあります。
後者の場合は、既存のゲイビデオメーカーなどから販売委託を受けるような形式での動画配信を行っています。

このような状況は、DVDやビデオといった『記録媒体』を販売する業態に大きな打撃を与えています。
若者がCDを買わず、インターネットでダウンロードした楽曲ばかり買っているという状況と似ています。

インターネットを通じて、欲しい情報を直接自分のパソコンの中のハードディスクに取り込むという便利さは、ゲイポルノ業界にも大きな影響を与えています。
とするならば、全ての既存のゲイビデオ会社が動画配信システムを取り入れれば良いではないかと思われるかもしれませんが、そこには設備投資や技術的な壁といった障害が立ちはだかります。
そのため、販売委託を行っている動画配信会社に委託して、自社のメディアを売ってもらうという形式がメジャーになってきました。
また、この販売委託という形式は、極めて小規模のアダルト映像製作事業を活況にさせています。
つまり、個人で撮影したアダルト映像を、こうした動画配信会社に販売委託することで、ヒットすれば大きな儲けになるというものです。
編集やモザイクかけも、動画配信会社が行ってくれる場合が多く、モデルの確保と撮影の労力さえ自分で何とかすれば、他の初期投資が無くても、作品を世に出せるというものです。
これは、動画配信会社にとっても、多くのコンテンツを顧客に提供できるという点でメリットが多く、売れた分だけ映像制作者に支払うという契約であるので、在庫を抱えるようなこともありません(そもそもデータという形式ですし)。
最近は、家庭用のビデオカメラの性能も良くなっており、必ずしも大掛かりな設備が無くても、商品化できるほどの画質を持った映像を撮影することが可能になっています。
加えて、アダルト映像の制作に関しては、許認可は必要ではありませんので、「よし!俺も!」といって参入する個人事業主が増えています。
ただこうした委託販売に関しては、著作権に関する事項や、モデルの年齢確認など、コンプライアンスの観点から注意する項目も多く、そうした契約書の作成や各種確認書類の作成依頼に関して非常に神経を使う分野でもあります。

また、動画配信はそれで留まることはなく、ヒットした作品を今度はDVDにして販売することがあります。
「なぜ、わざわざ売れにくいDVDにするのか?」と思われるかもしれませんが、実はDVDの購買層と動画配信の購買層は異なるという事実があります。
DVDやビデオは昔ほど売れなくなっているのは事実ですが、全く売れないわけではありません。
動画配信でのみ世に出ていた映像を、DVD化することによって、新たな購買層にもアプローチするということが可能なのです。
そしてまた、このことは反対のことも可能にします。つまり、DVDの映像を動画配信するというものです。
この両方の販売形式を上手に両立していくことは、ゲイポルノ業界で生き残っていく強い武器であると言えるでしょう。

ただ、動画配信はいいことずくめではありません。
インターネットによる動画配信という手軽な方法は、データの受け渡しを容易にしている半面、それを不法にコピーして転売するという輩の餌食になってしまっています。
DVDやビデオであっても、そうしたコピー物による著作権侵害の被害は多くあったと思いますが、動画配信においては、映像データの劣化を防いだ形でそれがなされるため、中には正規の販売業者から買っていると錯誤させて売られているような場合もあります。
動画配信業者の中には、顧客の利便性のために、ハードディスクに取り込んだ映像データをDVDなどに焼き付けることに制限をかけていないものもあり、それが違法なコピー犯に好都合となっている場合があります。
動画配信会社もこうした現状に手をこまねいているわけではなく、顧客からの通報や独自の調査で被害が判明した場合には、然るべき措置を取っています。
著作権侵害は立派な犯罪です。犯行がバレてしまった時の代償は大きなものです。

インターネットの発達により、ゲイポルノ業界の市場規模は大きくなったと言われています。
しかしそれは、古くからあった店舗でのゲイポルノ販売には逆の効果をもたらしているのかもしれません。
つい最近、『ipad』が発売されましたね。電子書籍が注目を集めています。
情報の媒体がコンパクトになり、発信元からダイレクトに情報を入手するという流れは、情報の内容がどういう分野のものであれ、変わらないのかもしれません。
そして、人々が欲望を駆り立てられる分野のものほど、先進的に発展を遂げるスピードは速いのかもしれません。
金融、株式、ギャンブル、アダルト、etc…

2010/06/04 12:01 | LGBTビジネス | No Comments

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