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2015/05/09

渋谷区の同性パートナー条例が成立しました。

その後の反応について、当事者の皆さんから様々な意見をお聞きしましたので、そのご紹介です。

・条例ができたことは嬉しい。これを機会に、LGBTの権利が拡大していくことを望む。

・まるで同性婚が認められたかのような誤った反応をする人が増えている事に懸念を覚える。公正証書による手続が必要など、かなりハードルの高い条例で、当事者には使いにくく、使ったところで(証明書を発行してもらったところで)その効果は大したものではない。実用的ではない。

・LGBTに関心が集まっているが、嫌悪感をあからさまに露わにする人もいて、ちょっと怖い。そっとしておいてくれてもいいのでは?

・渋谷区だけでなく、全国的に類似の条例が制定され、やがて国会でも法律として制定して欲しい。

・制度自体には賛成だが、個人的には利用することはない。ハードルが高すぎる。

・パートナーのいないゲイやビアンの肩身が狭くなる。

・既婚でゲイの僕らには、かなり背徳心を煽られます。

・まだパートナーはいないけど、人生の目標が出来ました。

・双方の夫公認のビアンカップルだけど、既婚者でも利用できるのかな?

・良い事だと思う。でも、自分は一生無縁だと思う。制度があっても利用する予定なし。

・法的な権利を与えられるものでないので、無意味だ。

ここ2ヵ月ほどで私が接した皆さんの反応は、概ねこんな感じでした。

実際に利用するという人には、私自身はまだお会いした事がありません。

今回の条例自体には賛同するが、自分自身が利用する予定は今のところないという人がほとんどでした。

同性でパートナーを探すこと自体が大変であるのと、そのパートナーと結婚に近いような関係を公正証書で手続しないといけないので、そこまでのハードルをクリアするという当事者がまだ少ないのが現状でしょう。

この条例が、LGBTの権利擁護に関する本格的な議論の発端になったのは事実です。

今、地方議会や国会において、議員たちの超党派の勉強会や研究会が出来つつあります。

同性パートナーシップ制度が法制化される日は、案外そう遠くない未来なのかもしれません。

2014/07/11

7月になり、レインボーサポートネットには、遺言書に関する問い合わせが増えてきました。

毎年、夏が近づいてくるにつれ、相談件数自体が増える傾向にありますが、近年はパートナーとの関係を法的な婚姻関係(結婚)に近づけるための手段として、遺言書の作成をされるカップルが増えてきました。

数年前までは、「同性婚のような法律的な関係を築くにはどうしたら良いですか?」というご相談が大半でしたが、昨年あたりからは、具体的に遺言書の作成をしたいので手続きをお願いしたいという問い合わせが増えています。

これは、同性カップルの多くが、どちらかの死後に、自分の財産をパートナーに安全に遺すには、遺言書の作成が必須であるということをきちんと認識してくれた結果だと思います。

国内で活発になってきた同性カップルの権利擁護運動や啓発活動の結果が、当事者の皆さんに確実に浸透してきたのでしょう。

同性カップルが、マンションや一戸建てを購入する際、共同でローンが組めないので、片方の名義&ローンで購入し、その方が不慮の事故や病気で死亡した場合に備えて、パートナーの住居を守るために、遺言書でその不動産などを遺贈(遺産を与えること)するように書いておくのです。

遺言書は全て自筆で作成する自筆証書遺言という方法もありますが、死後に家庭裁判所で手続が必要であったりと、遺されたパートナーに負担をかける部分が大きいので、公正証書で遺言を遺し(公正証書遺言)、死後の手続がスムーズかつ迅速にできるようにしておくのです。

遺言書は『最後のラブレター』と呼ばれています。

大切な人の余生を守ってあげるために。。同性カップルには必須の手続です。

同性婚制度や同性パートナーシップ制度によって、同性パートナーに遺産相続の権利が認められる日が来るまで、レインボーサポートネットの遺言書作成支援は続きます。

2014/06/27

ある日、レインボーサポートネットの相談所に、中学生の子を伴った母親が相談に来られました。

相談の内容は、「子供が同性愛者である事を母親にカミングアウトし、母親としてはどうして良いかわからない。子供が大人になった後、同性愛者がどのような人生を送ることになるのかを、教えてほしい」というものでした。

話を良く聞いてみると、母親としては、同性愛者が悲惨な人生を送ることを子供に教えて、改心して欲しいという意図があることがわかりました。

子供の行く末を心配する親心なのでしょうが、あまりにも短絡的で無知な決め付けです。

まだ中学生という年齢ですから、セクシュアリティを決めつけるようなことはせず、子供からのカミングアウトに対しては、包容力をもって接してあげることが重要なはずです。

この母親と子供には、様々なセクシュアリティの人たちの話をし、その分類自体を気にする必要はなく、自分を型にはめようとする必要はないのだということを説明しました。

子供なりに悩み、決断して母親にカミングアウトしたのでしょうから、まずは、それを受け入れてあげなければいけません。その上で、年齢的にまだ若いので、自分のセクシュアリティを決めつけたりせず、自分の心に素直に生きていくことの大切さを説くべきではないでしょうか。

LGBT当事者の皆さんのお話を伺うと、小学生とかそれ以前から、恋愛対象や性的興味が同性に向いていたという方が多いのも事実です。

ということは、この子供も、大人になったらやはり同性愛者になるかもしれません。

しかし、まだまだ精神的に未熟な年齢の時に、自分自身を型にはめるような意識を植え付けることは、自我の形成に悪い影響を与える気がしてなりません。

特に母親の愛というのは、どこまでも寛容な包容力であるべきです。

実は、この相談は今から約5年ほど前のものです。先日、この母親からお手紙を頂きました。

当時中学生だった子は、大学生になったそうで、先日、異性の恋人を母親に紹介したそうです。

「もし、あの時、子供のセクシュアリティを決めつけるような対応をしていたら、子供はその型にはまってしまい、かえって、自由な心をを奪われていたかもしれません」とのことでした。

もちろん、異性の恋人を連れて来たからといって、セクシュアルマイノリティでないとは限りません。

この母親は安堵の気持ちでお手紙を寄せられたのだと思いますが、この先も寛容な包容力を持ち続けて欲しいと思います。

2014/06/13

今回は、中橋とゲイの田中さん(仮名・40歳)との対談です。

中「田中さんは、交際して20年になる彼氏さんがおられるそうですが、長いお付き合いですね」

田「はい。今思うと、長いなぁという感じですが、最初からこうなると思っていたわけではなく、結果的にたまたま長い付き合いになりました」

中「同棲しているのですか?」

田「はい。付き合い始めた当初はお互いに学生だったので同棲していませんでしたが、お互いに社会人になってからは、同棲しました。同棲して15年くらいになります」

中「もう夫婦のような感じですかね?」

田「夫婦がどのようなものか実感が無いのでわかりませんが、家族であることは間違いありませんね」

中「なるほど。田中さんの彼氏さんは、田中さんと同じと歳ですか?」

田「彼氏は、1歳年下です。でも、私よりしっかりしているかもしれません。年下と付き合っている感覚は全然ありません(笑)」

中「そうなんですか。ケンカとかしますか?」

田「些細なことがきっかけでしますね。でも、シコリは残さないようにしています。お互いに言いたい事を吐き出して、変な意味でストレスをためないようにはしていますよ」

中「長続きの秘訣はソレですかね?」

田「う~ん、どうなんでしょう。私が思うに、私たちは、この世界(LGBTの世界)を知ってすぐに付き合って、お互いに他の人と付き合った経験が無いので、そういう何も知らない二人だから、ここまで続いたような気がするのですよ」

中「へぇ、そうなんですね。私の偏見かもしれませんが、ゲイの方たちは、恋多きというか、経験数が多い方ばかりのように思うのですが、田中さんカップルは希少なゲイの部類に入るのではないでしょうか」

田「はい。天然記念物並みかもしれません」

中「何だか、純愛っぽいですね」

田「恥ずかしぃ~(笑)」

中「交際期間が20年を経過して、家族同然のお二人と言う事ですが、もし、同性婚制度が日本に導入されたら結婚しますか?」

田「彼が望むのなら、私はOKしようと思います。でも、彼の両親が生きておられるうちには無理でしょう」

中「それは、なぜですか?」

田「私は両親にカミングアウトをしていますが、彼は彼の両親にカミングアウトしていません。彼の両親はとても厳格な方で、LGBTについて理解してくれる可能性は皆無なんです。今でも、彼が独身であることを普段から責めていて、彼はいつも悩んでいます。本当は、ありのままの自分を受け入れてもらいたいという気持ちがあるのに、その実現可能性はなくて、このまま、カミングアウトしないでいた方が良いのではないかと今のところは考えています」

中「難しい問題ですね。そうした問題を、カップルで真剣に考えるということからも、良いお付き合いを重ねてこられたお二人だと思います。どうそ、末長くお幸せに」

田「ありがとうございます」

2014/05/30

「レズビアンである彼女にとって、女の幸せとは何でしょうか?」

ある会社の社長から、このような相談が寄せられました。

この女性は、相談者である社長の秘書だそうで、業務上の付き合いは5年に及び、大変良い働きぶりだそうで、とても社長が気に入っているとのことでした。

社長は、その女性が未婚であるので『とても良い条件の男性』を紹介したところ、その女性は自分がレズビアンであることを社長にカミングアウトしてお見合いを固辞したというのです。

社長は、ショックを受けたそうですが、その女性の今後の女としての幸せを危ぶみ、レインボーサポートネットへ相談を寄せられたのでした。

セクシャルマイノリティを考える時、「男として…」とか「女として…」という観点に立つと、セクシャリティの分類的理解や議論しかできず、個人の幸福を考えるという視点に欠けることがあります。

社長は自分なりに、レズビアンを理解しようとしたのでしょうが、そこには「レズビアンで女の幸せを手に入れる事ができるのか?」という壁があったようです。

そもそも『女の幸せ』を、「男性と結婚して、出産して、子育てをすること」に限定してしまう考え方が、この社長をはじめ、多くの人が持っています。

確かに、妊娠・出産は女性にしかできないことであり、そういう意味では女性であることの特権と言っても過言ではないでしょう。

大切なのは、女性が人生において、子供を産む事が、本人にとって重要な意味を持つかという事です。

子供を持つ事が幸せと思うかどうかは、人それぞれなので、この社長のように、一般的な価値観を絶対的に捉えてしまうと、勝手に不幸な女性を作り上げてしまう事になります。

幸福か不幸かは他人が決める事ではありません。

そういう基本的な事を理解できていない人が多いのは、とても残念なことです。

幸せの価値観が多様化しないと、あらゆるマイノリティに関する理解は進まないと思います。

2014/04/18

高校を卒業して10年以上経った同窓会で、久しぶりに旧友に再会し、またつるむ様になったという「ひとみ」さん(仮名・アラサー)の悩みは、その旧友からの思わぬ告白でした。

その旧友(「あい」さん・仮名)は、高校卒業後、地元を離れて都会の大学に進学し、大学時代に知り合った留学生の外国人と結婚。その後、夫と外国に移住して生活をし、最近になって日本に戻ってきました。

不便な国で暮らしていたという、あいさんは、最近になってSNSを始め、同窓会の情報をキャッチ。久しぶりに、同級生たちと合流できたのでした。

一方、相談者のひとみさんは、高校を卒業後、地元の短大へ進学。そして、地元の会社へ就職し、会社で知り合った男性と婚約中の身です。

ひとみさんとあいさんは、離れ離れになっていた期間を感じさせないほど打ちとけ合い、同窓会後にもわざわざあいさんが新幹線に乗って、ひとみさんに会いに来るほどの親密さになっていました。

二人で会った際には、お互いの男性パートナーの話をし、ひとみさんはあいさんから結婚生活のい・ろ・はを教えてもらう等、友人としての付き合いを深めていきました。

ひとみさんが恋人と正式に結納を交わして婚約をし、結婚披露宴の日取りも決まって、いよいよ結婚の日が近づいて来た日の事でした。

ひとみさんは、あいさんから、愛の告白をされました。

戸惑うひとみさんに、あいさんは「一方的な気持ちだから、ただ伝える事ができただけで幸せ。これまでと変わらぬ付き合いをして欲しい。できれば好きになって欲しいが、無理強いはしない。でも、あなたが結婚してしまうのは悲しい。もし、自分の気持ちを受け入れてくれるのなら、夫と離婚してもいい」と伝えたのでした。

突然の予想外の告白にショックを受けたひとみさんは、レインボーサポートネットに相談を寄せられたのでした。

メール相談を何度も重ねるうちに、ひとみさんの気持ちは徐々に整理されていきました。

あいさんのことをどのように思っているのかを、自分の気持ちに問いかけ、混乱した思いを整理して、まず、自分の気持ちに正直になりました。

ひとみさんは、あいさんの事は友人として大好きだが、恋人になれるわけではないし、性的関係を築くつもりもない。あいさんは、夫がいるのに、その人を裏切ろうとしている。そのことは軽蔑に値する。あいさんには、夫を大切にするように伝えたい。と考えるようになりました。

ひとみさんは結婚披露宴の直前、あいさんに電話をして、自分の正直な気持ちを伝えました。

これから結婚しようとしている女性として、妻として女としてどうあるべきかを、今度はあいさんにわかって欲しかったからでした。

あいさんは、短く「わかった。ありがとう」と言って、電話を切ったそうです。

それから、間もなく、あいさんが夫と共にまた外国へ旅立ったとのことでした。

ひとみさんが結婚して1年、子供が誕生し、育児に日々めまぐるしく過ごしている時でした。

海外のあいさんから出産祝いが届きました。ひとみさんとは連絡を全く取っていませんでしたが、共通の友人とは連絡を取っており、ひとみさんの出産の情報が伝わったそうです。

お祝いの品に手紙が添えられていました。「あいさん、出産おめでとう。私ももうすぐ母になります」

ひとみさんは、あの時、あいさんに正直な自分の気持ちを話した事を、本当によかったなと実感しました。あいさんが日本を離れた事を知ってから、ひとみさんは自分自身の事を責めていましたが、この手紙で救われた気持ちになりました。

そしてまた二人の日本と海外の遠距離での交流は再開し、高校時代の仲の良い『友達』に戻ったのでした。

大切なものを失うのか、それとも新たに手に入れるのか、ターニングポイントにおいて考えるべきは、その時に課されている責任を全うできるのかという観点なのかもしれません。

2014/02/21

まだまだ寒い日が続いていますが、この時期は、春からの新生活の様相が決まり始める重要な時期でもあります。

つまり、進学・就職・転勤・・・など、春の移動が明らかになってくる時期です。

距離的に離れ離れになってしまうカップルの関係の危機が、まさにこの時期に訪れはじめるのです。

毎年この時期、レインボーサポートネットには「彼氏が転勤で遠方に行くのですが、遠距離恋愛を始めるべきでしょうか?」とか「進学で彼女が他府県に一人暮らしを始めるのですが、付いていくべきでしょうか?」といった内容の相談が寄せられます。

二人のつながりが強ければ、多少の遠距離恋愛には耐えられるかもしれません。

しかし、距離のために、面と向かって会うこと、一定程度の長期間にわたり難しいという場合には、心の距離にまで影響を与えてしまいます。

恋愛における距離というのは、お互いを信じる心のバロメーターだと思います。

物理的な距離が遠くても、お互いを信じる心があれば、心の距離は開きません。

現実問題として、物理的な距離は、心の距離に影響を与えてしまうということは否定できません。

付き合ってきた期間の長さや、お互いの関わりあい方の度合い、貞操観念や信頼度など、カップルごとに違う条件においては、絶対にどうだということは言い切れません。

これから春にかけては、出会いと別れの季節。

物理的距離の発生を「縁が無かったんだな」と潔く諦めるのも、大人の決断と言えるでしょう。

何事にしても、居心地の良い現場を変化させるのは、相当なストレスです。

でもその変化が必ず発生してしまうような境遇となった場合には、ある意味での諦めも必要なのです。

そもそも迷いが生じるという時点で、結論が出ているような気がします。

勇気を持って、新しい世界に飛び出し、居心地の良かった過去を、新天地でも形成していくだけのモチベーションを持ち続けたいものです。

だらだらと結論を長引かせることだけは、時間の無駄です。絶対にやめましょう。

2013/11/15

夫と離婚して、子供を引き取り、女性パートナーとお付き合いしているというビアンさんたちがいらっしゃいます。

中には、子持ちのビアン同士(カップルを含む)で、同居している場合もあります。

どうして男性との結婚歴があるのにビアンなのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、結婚をせざるを得なかったビアンの女性は多くいますし、厳密にはバイセクシャル的な要素を多く持っているビアンさんがいるのが現実です。

子持ちのビアンさんの相談で多いのが、子供の養育費に関して、別れた夫に払わせたいというものです。

離婚する際は、とにかく離婚届に印鑑を押してもらうのが精いっぱいで、養育費などの諸条件については決めていなかったというのです。

離婚した事後に、養育費や慰謝料、財産分与などの諸条件を話し合うことは可能ですが、やはり離婚する際に事前に取り決めておくことが重要です。

手順的には、離婚条件を協議する⇒協議で決めた内容を書面にする(離婚協議書の作成)・公正証書で作成するなら、なお良し⇒離婚届を提出⇒離婚成立 という流れがベストでしょう。

調停や裁判にせずに、話し合い(協議)で離婚をするなら、上記の手順を踏むと、後から養育費を元夫に支払ってもらうために苦労する必要はないのです。

養育費は、例え離婚していても、親として子供の養育のために負担しなければならないものです。「最後のパンの1切れまで」というように、親子関係の断ちえない強い絆を根本理念としています。

離婚をスムーズにするために、養育費の請求等を最初からあきらめている女性が多くいるのに驚かされます。

養育費の請求は、子供の権利であると言えます。堂々と、我が子の権利を主張して欲しいのです。

離婚当初は、養育費がなくてもやっていけると思っていても、子供が成長するにつれて、経済的に困窮するケースも見受けられます。

子供を持つセクシャルマイノリティが、親としての責任をきちんと果たして、子供に必要以上の経済的・精神的負担をかけることなく、健全な育成ができるように願って止みません。

2013/11/01

バイセクシャルの男性Kさん(31歳)と、バイセクシャルの女性Rさん(30歳)は、結婚して2年になる、まだまだ新婚カップルです。

二人の出会いは、まだそれぞれが同性の恋人と交際している時でした。お互いの恋人が友人同士だったことで知り合い、時折4人で食事や旅行に行くうちに、友人としての親交を深めていきました。

やがて、Kさんが恋人と別れ、Rさんカップルとの付き合いも途切れたのでしたが、Rさんが転職した職場で再開するという偶然が起きました。

それ以来、職場の同僚としての付き合いが始まり、Rさんが恋人と別れた際には、その過程の相談役も務めました。

二人の距離は友人以上に縮まり、職場で再開してから1年半でのゴールインとなりました。

結婚前、「バイセクシャル同士が結婚することのデメリットを教えて下さい」という相談をRSNに寄せられ、バイセクシャルゆえの不安や苦悩を整理して、出来る限りのリスクを回避しようという行動をされたのでした。

実際に面談してお話をする中で、バイセクシャルの二人には共通の悩みがある事がわかりました。

それは「惚れっぽい」事です。

異性、同性に限らず、相手の事を魅力的だと思う範囲が広いのです。

惚れっぽいおまけにバイセクシャルときたら、これはもう大変です。

自分自身で自覚しているから、それを相談することで少しでも気持ちを楽にさせようとしているように見えました。

結婚するのだから、相手の事だけを見て、他人を意識しなければ良いじゃないかと思われるかもしれませんが、「惚れっぽい」という心理は、意図して湧き上がるものではなく、本能的にというか無意識にというか、制御不能な心の動きなわけです。

だからこそ、これは厄介です。

最初は浮気でも、それが本気になったらどうしよう? 今、目の前にいる大好きな人を、いつか傷つけることになったらどうしよう? そういう不安をお互いが持っているという特殊な状態でした。

相互により魅力的な自分を保たなければならないという関係は、やがて疲れてしまうでしょう。

そんなお二人に、お子さんが誕生されたそうです。

二人の惚れっぽさは、今は、二人の愛の結晶に向かって一直線だそうです。

誰かを愛おしく思う気持ちが、自分の子供に最大限に向かうなら、これはとても幸せなことでしょう。

理性のある人間だからこそ、性的衝動を、愛をもって、精神的愛情に変換させる事ができるのかもしれません。

愛を忘れない生き方を、もっと多くのLGBTの皆さんが実践すれば、幸せなLGBTの割合もきっと増えるだろうと思います。

2013/10/04

10月になり、ようやく朝晩は秋らしい気候となってきました。

まだまだ日中は暑い日も多くありますが、昼夜の寒暖の差に、体調を崩してしまったという方もおられるかもしれません。

さて、暑い季節が終了すると、レインボーサポートネットへの相談数は、気温の低下と共に減少していきます。クリスマス~お正月にかけては、相談数が一時的に回復しますが、その後は春まで低調で推移していきます。

今年の夏に寄せられた相談の特徴としては、SNSやLINEといったコミュニケーションツールを介したトラブルの相談が多く寄せられました。しかも、相談者の年齢層は、10代後半から20代の若年層の皆さんでした。

LGBTのコミュニケーションツールとして、早くからインターネットは使用されてきましたが、最近は、若年層のLGBTとそれ以上の年齢層のLGBTで、インターネットを利用したサイトやツール、アプリケーションの使用媒体が異なってきているような気がします。

相談内容として多いのは、相談者に関する醜聞を、こうしたツールを使用して特定の集団に流布され、その集団の中の一人が、最初の醜聞の書き込みをさらに拡散していくという構図になっています。

その結果として、事実無根な醜聞や、一部の人にしか告白していないような秘密が、自分の知らないところで、無尽蔵に拡散してしまい、友人や知人が離れていってしまったというのです。

インターネット上のLGBTのコミュニティ内でこうした事件は頻発しているわけですが、現状では効果的な打開策は見当たりません。

匿名性を排したツールでも、事実でない醜聞が拡散する危険性が指摘され始めた今日、もはやそれらを使用しないようにするしか、安全策はないのかもしれませんが、それは同時に重要なコミュニケーションツールを失うことにもなるので、麻薬のように使い続けてしまい抜けられなくなるのです。

夏の出会いが、今では仇になってしまっている人が、少なくないのかもしれません。

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