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2015/07/09

先日、アメリカ連邦最高裁において「同性婚を禁止する事は、違憲(アメリカ合衆国憲法に違反する)である」とする判決が出ました。
この事は、アメリカ全土で同性婚を可とする事を意味しており、日本でも大きく報道されました。

レインボーサポートネットにも、気が早い方々から、結婚手続の問い合わせが相次ぎました。

『結婚すること』は権利であり、誰にでも等しく備わっている基本的な人権であるとするこの立場は、結婚を「制度」として見がちな我々日本人にとって、ある意味、新鮮なものに映るかもしれません。

そして、結婚することが基本的人権であるなら、同性愛者は、当然に同性と結婚し得るということになるわけです。

制度として、結婚という枠にハマることで、様々な権利義務を発生させるという『戸籍制度』的な発想ではなく、愛する人を人生の伴侶とすることのできる権利としての結婚は、常に一人一人の個人の幸福追求を目的とした権利を保証するものとして考える事ができます。

だとするなら、結婚する相手を選ぶ事は、それぞれの自由であり、例え同性を結婚相手としようとも、それを制限する事は許されないという論法が成り立ちます。

意地悪な人…、いや、先進的な人?は、結婚が個人の権利であるなら、①子供(幼少者)との結婚 ②一夫多妻制or多夫一妻制 ③動物との結婚 ④二次元の相手との結婚 なども認められるべきではないかという主張をすることが考えられます。

これに対しては、結婚は双方で有効に合意する事が必要であるので、①・③・④はその要件を満たしません。そもそも結婚とは何かということを、当事者同士が理解する必要があるからです。

②に関しては、人権の観点からすると、アリですね。もちろん、政策的観点で否定する国は多いでしょう。

我が国でも結婚に対する考え方が、個人の『権利』として捉えられるようになれば、同性婚が認められるようになるでしょう。

個人主義・契約主義に根付く欧米の結婚観は、我が国の結婚観の根本とは相容れないと考える人も少なくありません。

そうした結婚観の違いが、いわゆる多様性として受け入れ始められているのが、現在の日本の状況であると思います。

昨今『嫌婚』という言葉が登場し、そもそも結婚を嫌って、独身の人生を送ることを好む人が増えているといいます。
このことには、様々な背景があるのでしょうが、人生を共に過ごしたいと思うパートナーが出来たのに、結婚しようとは思わないというのは、何だか寂しい気もします。

セクシュアリティに関係なく、我が国の『結婚』をめぐる人々の価値観・考え方は、大きく変化しつつあるようです。

結婚が、嫌で面倒な制度といった捉え方ではなく、権利として誰もが自分の幸せのために持つ権利だということを、肌身で感じる事が出来るような時が来ることを願うばかりです。

2014/05/16

福岡では、この5月にLGBTに関するイベントが多数開催されます。

今回は、そのご案内です。

福岡で活動するLGBT支援団体が、ユニークな企画を提供しています。

気候も良いこの時期、是非、出かけてみませんか?

▶5/17 警固公園街頭アクション(主催:FRENS)
▶5/24 チャリティLIVE & 撮影会(主催:Rainbow Soup)
▶5/31 映画「Call Me Kuchu ウガンダで、生きる」上映&トークイベント(共催:Rainbow Soup / FRENS / やっぱ愛ダホ!idaho-net / 西南学院大学 学内GP「ことばの力養成講座」

特に5/31の映画&トークイベントはおすすめです!
特設サイトもご覧ください。
https://sites.google.com/site/callmekuchufukuoka0531/

2013/09/06

病気療養のため、前回の更新をお休みさせて頂きました。
事後報告になりまして、読者の皆様にはご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

さて、この間のHOTなニュースとしては、有名人のカミングアウトがありましたね。
ドラマ「プリズン・ブレイク」で主役のマイケル・スコフィールド役を演じた俳優ウェントワース・ミラー氏が、ロシアでの同性愛宣伝行為禁止法への反対意思表明の際に、ゲイであることをカミングアウトしたということです。

この俳優さんについては、ゲイではないか?という噂はありましたが、この度はっきりとカミングアウトして、しかも、最近のロシアの同性愛者に対する権利抑制姿勢に苦言を呈したという何とも男前なカミングアウトとなりました。

欧米ではこういうことが度々ありますね。有名人が、何らかの機会に自分がセクシャルマイノリティであることを公にカミングアウトするという行為。日本ではまだまだ考えられません。よほど有名な人が口火を切ってくれれば、後に続く人が出るかもしれませんが、まだまだ今の日本は、欧米のように公にカミングアウトする土壌が整っていないのが現状でしょう。

しかし、欧米でのこうした動きは、日本のセクシャルマイノリティにとっても大きな刺激になるはずです。いつかは、堂々と公にカミングアウトしてみたいと思う人も増えるのではないでしょうか?

もちろん、カミングアウトする人が、しない人よりも人間的に偉いというわけではありませんし、カミングアウトするかしないかは自由な選択だと思います。

ただ、社会に対して一定の影響力をもっている有名人・著名人が、自身のセクシャリティを公表することで、社会全体のセクシャルマイノリティに対する評価の向上に役立つことは間違いないでしょう。

カミングアウトすることで、その個人の評価が下がるような時代とならないように、社会全体が個人の個性を尊重できるような状態にならなければなりません。

欧米の有名人のカミングアウトを、ただ「へぇ~」と感じているだけでは、何も変わらないのです。

2011/07/01

米国ニューヨーク州議会は、6月24日に同性同士の結婚を認める法案を可決し、近々同州において同性婚が可能となりました。

これにより米国では、ニューヨーク州、バーモント州、ニュー・ハンプシャー州、コネティカット州、マサチューセッツ州、アイオワ州、ワシントンD.C.が、同性婚可能な地域となりました。

次期大統領選挙では、米国全体(米連邦全体)で同性婚を容認するか否かが争点の一つになるそうで、今後の世論の動向などが注目されます。

さて、今回のニューヨーク州での同性婚法制化の決定に、米国の様々な著名人たちが喜びや賞賛のメッセージを寄せていました。

ちょうど来日中のレディー・ガガをはじめ、世界中で名の知れた著名人たちが、自身のセクシャリティーに関係なくポジティブなコメントを発表しています。日頃からゲイコミュニティに対してフレンドリーな態度を取り、時にはそのテイストを生かしたビジュアルを取り入れるなどしている彼らにとって、おそらく身近な存在であるLGBTの人々の喜ばしい出来事は歓迎すべきことだったのだろうと推測されます。リップサービスもあるかもしれませんが、心底それを喜んでいると思われるような方も多くいて、人間としての自由や平等の観念を強く持っていることがうかがわれました。

映画「MILK」にあったように、米国でもLGBTに対する差別や偏見は激烈な時代がありました。当事者が団結し努力して、徐々に権利を勝ち取り、現在の同性婚制度の法制化までこぎつけていると言えるでしょう。

米国のLGBTの権利擁護運動は、長い歴史と数々の衝突と闘争の軌跡があります。それゆえに、今現在勝ち取られている彼らの権利には相当な重みがあります。

それでは我が国日本ではどうでしょうか?

LGBT当事者のよる大規模な権利擁護運動が恒常的に行われているということは聞きません。年に数回行われる都市部でのパレードや、NPOや学生団体が主催するLGBTの権利擁護のための学習会やセミナーなど、散発的に、方々で行われています。

権利擁護運動に関して「受け身」的な当事者がほとんどの場合、おそらく将来にわたっても何も変わらないのではないでしょうか?

また、一部の旗振り役の人が、ずっと旗を振っていても、それはやがて疲れ果てて、ボロボロになってしまいます。時々交代する人や、力強く支えてあげる人が必要になります。また、大勢で大きな旗を振る必要もあります。

結局のところ、当事者の努力なしに、権利を勝ち取ることはできません。

外国から入ってくるLGBT当事者の権利獲得のニュースが、日本のLGBT当事者の胸にどのように響いているのか、私はとても興味があります。

何かにつけて欧米追随型の我が国ですが、LGBTの権利の法制化について、今後数十年のうちに劇的な変化が起こるのでしょうか?