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2014/06/13

今回は、中橋とゲイの田中さん(仮名・40歳)との対談です。

中「田中さんは、交際して20年になる彼氏さんがおられるそうですが、長いお付き合いですね」

田「はい。今思うと、長いなぁという感じですが、最初からこうなると思っていたわけではなく、結果的にたまたま長い付き合いになりました」

中「同棲しているのですか?」

田「はい。付き合い始めた当初はお互いに学生だったので同棲していませんでしたが、お互いに社会人になってからは、同棲しました。同棲して15年くらいになります」

中「もう夫婦のような感じですかね?」

田「夫婦がどのようなものか実感が無いのでわかりませんが、家族であることは間違いありませんね」

中「なるほど。田中さんの彼氏さんは、田中さんと同じと歳ですか?」

田「彼氏は、1歳年下です。でも、私よりしっかりしているかもしれません。年下と付き合っている感覚は全然ありません(笑)」

中「そうなんですか。ケンカとかしますか?」

田「些細なことがきっかけでしますね。でも、シコリは残さないようにしています。お互いに言いたい事を吐き出して、変な意味でストレスをためないようにはしていますよ」

中「長続きの秘訣はソレですかね?」

田「う~ん、どうなんでしょう。私が思うに、私たちは、この世界(LGBTの世界)を知ってすぐに付き合って、お互いに他の人と付き合った経験が無いので、そういう何も知らない二人だから、ここまで続いたような気がするのですよ」

中「へぇ、そうなんですね。私の偏見かもしれませんが、ゲイの方たちは、恋多きというか、経験数が多い方ばかりのように思うのですが、田中さんカップルは希少なゲイの部類に入るのではないでしょうか」

田「はい。天然記念物並みかもしれません」

中「何だか、純愛っぽいですね」

田「恥ずかしぃ~(笑)」

中「交際期間が20年を経過して、家族同然のお二人と言う事ですが、もし、同性婚制度が日本に導入されたら結婚しますか?」

田「彼が望むのなら、私はOKしようと思います。でも、彼の両親が生きておられるうちには無理でしょう」

中「それは、なぜですか?」

田「私は両親にカミングアウトをしていますが、彼は彼の両親にカミングアウトしていません。彼の両親はとても厳格な方で、LGBTについて理解してくれる可能性は皆無なんです。今でも、彼が独身であることを普段から責めていて、彼はいつも悩んでいます。本当は、ありのままの自分を受け入れてもらいたいという気持ちがあるのに、その実現可能性はなくて、このまま、カミングアウトしないでいた方が良いのではないかと今のところは考えています」

中「難しい問題ですね。そうした問題を、カップルで真剣に考えるということからも、良いお付き合いを重ねてこられたお二人だと思います。どうそ、末長くお幸せに」

田「ありがとうございます」

2014/05/02

今回は、中橋とFTMのリキさん(仮名・33歳)との対談です。

中「リキさんは、子供が欲しいと真剣に願っているそうですが、そのための具体的な行動は計画しているのですか?」

リキ「はい。時間的にのんびりしてはいられないので、パートナーとも話し合って、実際に行動しようと情報を集めています。そのためのお金も、パートナーと頑張って稼ぎまくってます!(笑)」

中「逞しいですね。リキさんはFTMですから、産むのはパートナーさんということでよろしいですか?」

リキ「はい。でも卵子は私のを使ってもらいます」

中「リキさんは、性別適合手術を受けていないという事ですね」

リキ「そうです。子供が無事に産まれたら、性別適合手術を受けたいと思っています」

中「つまり、卵子はリキさんのものを使って、それを精子と受精させた後に、パートナーさんのお腹に移し、出産してもらうということですね」

リキ「そうそう。私のパートナーが代理母みたいになります。戸籍上も母親となるでしょうけど、遺伝子的には私が親です。この繋がりで家族を作りたいと切に願っています」

中「精子はどう調達するのですか?」

リキ「精子バンクでもいいし、協力者もいないわけではないですし、それはけっこうどうでもなるんです(笑)」

中「そうなんですか!精子の価値、何だか低いですね(焦)」

リキ「そんなことはないですよ(爆) でも、海外に行けば、かなり選べます。そこは、パートナーと色々検討しています」

中「やはり海外でないと難しいのですか?」

リキ「日本でも色々と動きはあるようですが、現実的には海外に行った方が早くて確実ですね」

中「同じようなことをされた方は多いのでしょうか?」

リキ「実際にはどれくらいいるのかわかりませんが、今は結構いるんじゃないですかね」

中「そんなにまでして子供が欲しいと思う理由は何ですか?」

リキ「そりゃあ、男の本能でしょう!自分の子供を孕ませたいですもん(爆)」

中「あぁ、なるほど。男性的発想ですね、確かに。。」

リキ「だから、一刻も早く性別適合手術を受けて、戸籍上も性別変更をしたいけれども我慢しているんですよ。子供ができるまでは!って」

中「確かに、現行の制度だと、戸籍上の性別変更には、性別適合手術を受けて、生殖機能を失う必要がありますね」

リキ「酷い制度だと思いますよ。性別変更させてあげるから、生殖機能を失えっていう拷問じゃないですか? LGBTだって、子供が欲しいと思いますよ。今は医学も発達していることだし、そういう手段で子供を持てるなら、LGBTのカップルだって子供を持ち、育てていきたいですよ」

中「確かに、自分の遺伝子を後の世代に受け継がせたいと思うのは、性別云々ではなくて、人間的な本能かもしれませんね」

リキ「自然じゃない妊娠・出産をすべきではないという人がいますが、ヘテロセクシャルの夫婦でも不妊治療で妊娠・出産する人たちが多くいますよね。こういう人たちも自然な妊娠・出産ではないじゃないですか。それと区別する意味がわかりません」

中「確かに、差別的な取り扱いだということもできると思います」

リキ「子供はもちろん大切に育てていきます。普通の家庭ではないのは確かだけど、そういうマイノリティの家庭に生まれ育ったことを恥じる事がないような育て方をしていきたいと二人で誓っているんです」

中「様々なハードルがあると思いますが、お二人の夢が叶うように頑張って下さいね」

リキ「はい!頑張ります」

2013/11/29

今回は、中橋とハウスメーカーにお勤めのWさん(ゲイ・仮名・38歳)との対談です。

中「ちょうど私と同級生ですね。お仕事はハウスメーカーでの営業職だそうですが、年齢的にも多忙なのでは?」

W「そうですね。同級生ですね。この歳になると、仕事もある程度は慣れたものの、部下の指導もしなければならないし、上司や会社には神経使うし、毎日がキツイですね。営業自体は得意というか好きなので、そんなに苦にはなりません」

中「営業、好きなのですか?」

W「ハウスメーカーの営業職は天職だと思っていますよ。お客様のマイホームの夢を叶えるお手伝いができるというのは、とてもやりがいがあります。時間をかけて、お客様との信頼関係を築いて、最終的にお客様の満足される家を建てていくのですから、この工程には、いろいろなドラマがあります。そして、自分が頑張れば頑張るほど、給料に反映される職種でもあるので、仕事の達成感はハンパないですよ!(笑)」

中「いいですね~。とても前向きで。私も見習わなければなりません(苦笑)」

W「自分自身はゲイなので、子供をつくって、家族で暮らせる新しい家を創るっていうのは縁遠いと思うのですが、その果たせぬ夢を、お客様に託しているという感じですかね。ちょっとキザかも(笑)」

中「なるほど。自分の夢をお客様に託す…ですか」

W「家を建てるってのは、やはり、そこに若い親子で住み始めるというケースが多いじゃないですか。まさに新生活というか、結婚したからとか、子供が生まれたからとか、そういう家族安住の場所を確保するという行動であるわけで、それは、ノンケの家庭の代名詞というか、昔ながらの家族像なんだと思います」

中「LGBTで一戸建てを買う人はいない?」

W「そんなことは無いと思いますが、ケースとしては少ないでしょうね。僕のゲイの友達は、ほとんどマンション暮らしですね。自己所有にしても賃貸にしても」

中「住宅を新規に購入する人のほとんどは、住宅ローンを利用していると思いますが、LGBTだと住宅ローンの利用に何か影響はありますか?」

W「LGBTだからローンを組めないということはないですが、ノンケの夫婦なら、夫婦で収入合算をして住宅ローンを組むというケースが多くあります。でも、ゲイやビアンのカップルでは、法的な夫婦ではないので、収入合算はできないでしょうね。そうした意味では、LGBTは1人できちんとした資力がないと、一戸建てにしろ、マンションにしろ、ローンでの購入は厳しいという事になります」

中「現代は共働きの夫婦が多いので、収入合算して、連帯してローンを返済していくわけですね」

W「そうです。そうすれば、借り入れの上限が上がり、よりグレードの高い不動産を購入できるわけです」

中「その点では、LGBTのカップルは優遇されませんね」

W[はい。法的に同性婚制度などが整備されないと無理でしょうね」

中「Wさんが、仕事で知り合ったLGBTの方はおられますか?」

W「お客様のセクシャリティをいちいちお聞きするわけではないので、遭遇していても気付かないケースもあると思います。でも、あるお客様からは、私がゲイだということを何故か見抜かれていて、こっそり、そっちの人ですよね?みたいなことを言われた事があります」

中「そのお客さんというのは、1人暮らしで家を建てる方ですか?」

W「はい。その方の職場の近くに新たに開発された新興住宅地で、平屋の一戸建てを建てられました」

中「その方を営業として担当されたのですね?」

W「はい。無事に引き渡しが終わって、お礼にと新築記念パーティに誘われ、お宅にお邪魔したら、ゲストが私一人で、口説かれました(笑)」

中「それで?(笑)」

W「今の職場に転勤するまでの1年半付き合いました(爆笑)」

中「転勤になって別れたのですか?」

W「はい。円満に別れました。私の仕事はハードなので、物理的な距離は致命傷ですからね。よく話し合って決めました。今では良い友人ですよ」

中「そうでしたか。最後に、マイホームを購入しようとしているLGBTの皆さんに、何かアドバイスはありませんか?」

W「最近、ローンの返済がきつくなって、せっかく買ったマンションを手放した友人がいましたので、そのことをふまえてのアドバイスです。今の時代、金融機関は、かなり無理のある金額でも、信用に傷の無い人になら比較的容易に貸し付けをします。借りられるからといって、無茶な金額を借りるのではなく、まず、頭金など自己資金を作ってから、借入をしましょう。借入総額の目安は、年収の5倍を超えない事。借りる金額が少ないに越したことはありません。計画性を持って、マイホームを手に入れて下さい」

中「とても現実的な問題ですね。大変参考になりました、ありがとうございました」

W「こちらこそ、ありがとうございました」

12:01 | 対談 | No Comments
2013/10/18

今回は、中橋とゲイの川村さん(仮名・47歳)の対談です。

中「川村さんは、葬儀社にお勤めだそうですが、LGBTの方が自分自身の葬儀を考える際に、注意すべき点などありますか?」

川「まず、葬儀の形式と規模については、ご自分がどのような宗教を信仰されているかという点と、参列者がどの程度の人数見込まれるかという事に注意しなくてはなりません。LGBTだからといって、特別な葬儀形式があるわけではありませんので(苦笑)」

中「確かにそうですね(焦)」

川「ただ、LGBTの方の場合、例えば親族と疎遠になってしまっていて、葬儀の主催者、つまり喪主が同性のパートナーだったり、ご友人だったりする場合があります。参列者も少ない場合には、家族葬的な形式でアットホームに葬儀を執り行う場合もありますし、無宗教方式で執り行う場合もあります」

中「葬儀というと、祭壇があって、お坊さんがお経を唱えて、弔辞があって、焼香して・・・とお決まりのパターンがあるように思いますが、必ずしもそうではないということですね」

川「確かにそのような旧来の方式で行う方がほとんどではありますが、必ずしもそれでなくてはならないというわけではありません。たいていの葬儀社では、葬儀の形式に関して柔軟に対応することが可能です。心配であれば、ご自身で事前に葬儀社に相談されるのもいいと思いますよ」

中「事前に相談ですか?」

川「はい。ほとんどの葬儀社では、互助会加入制度というのがあって、生前から積み立てを行うことによって、実際の葬儀の際に様々な特典を受けることができます。そうした互助会に加入されている場合、生前にご自身の葬儀の見積もりを出してもらうことも可能ですので、葬儀の形式や規模に関してもある程度想定しておくことができるのです」

中「葬儀の形式も時代と共に柔軟に変化しているのですね」

川「都心部では、直葬も流行ですね」

中「直葬というのは、葬儀を行わずに、死後24時間以上安置した後に、火葬場に運ぶというものですね」

川「はい。儀式的・宗教的なものを極力排して、火葬に進みます」

中「葬儀としては味気ない気がしますが?」

川「そもそも参列者を想定しない形式ですから、近親者などの近しい人、LGBTの場合はパートナーやごく限られた友人などだけで行います。中には、葬儀は生前葬として、ご本人がお元気なうちに、親しい仲間を招いてどんちゃん騒ぎをして、実際の死後は直葬でという方もいらっしゃいますよ」

中「なるほど。それだと本人にとっては、楽しいですね」

川「今は葬儀に関するサービスが多様化しています。自分自身で自分の葬儀をデザインすることが可能な時代になりました。大切なことは早めに自分の葬儀についての意向を誰かに伝えておくことです」

中「生前葬で、自分を送ってくれる仲間と別れの儀式を楽しくしておいて、実際の死後は、簡素な家族葬もしくは直葬で行うというスタイル、これから増えそうな気がします。葬儀や供養に関する価値観も変化しているのですね」

川「はい。最後まで自分らしくいられるというというのは、とても幸せなことだと思います。個々のスタイルに合わせて、葬儀もバリエーション豊かに行うことができるというのを多くの方に知って欲しいです」

中「大変参考になるお話をありがとうござました」

川「こちらこそ、ありがとうござました」

2013/06/14

今回は中橋とレイラさん(仮名・26歳)の対談です。

中「レイラさんのセクシャリティは、トランスジェンダーということで間違いないですか?」

レ「はい。以前は、体は男で、心は女の子でした。今は、身も心も女の子です。戸籍上の性別も変更したので」

中「どう見ても女性にしか見えませんね。失礼な発言かもしれないですけど、顔の整形はしてる?」

レ「ちょっとイジってます。でも、プチ整形レベルですよ。目を少しね。あとは化粧です(笑)」

中「戸籍も女性になって、今は完全に女性としての人生を歩んでおられると思いますが、これからの人生の抱負は何でしょう?」

レ「う~ん、難しい質問ですね。私は、10代の初めの頃から、女の子になるのが夢でした。だから、その夢が実現した今としては、この先の事は未知数ですね。毎日がワクワクです」

中「ということは、女性としての幸せを追求して、結婚ですか?」

レ「私は結婚しても子供は産めませんからね。結婚が幸せとは、あまり思えないです。もちろん、こんな私でも結婚したいと思ってくれるような男性が現れたら、話は別でしょうけど、結婚はハードル高いですし、正直、避けて通りたいかもしれません」

中「そうですね。結婚が女性にとっての幸せとは限りませんね。すいません。子供が産めないという言葉、とても重い言葉ですね」

レ「はい。戸籍上は女性になったと言っても、生物学的には、完全な女じゃないんですよ。わかってますけど、やはり虚しさはあります。子供が産める女性は、母性を持ってるじゃないですか。私なんか、見た目だけの女で、やはりニセモノなのかなぁと」

中「女性の本質とは何か?という問題にも聞こえますね。ただ、子供を産む事が女性であるための条件だとは思いませんよ。確かに妊娠や出産といった過程は、女性をダイナミックに母親に変身させる、ある意味、神秘的な変化だと思いますが、そういう事を望まないからといって女性でないわけではありません」

レ「自分は母性を持つことには興味はなくて、女としての性に執着があります。結局それが仕事になっちゃってるわけですが…」

中「レイラさんが、風俗業で働いているのは、女としての性に執着した結果ということ?」

レ「かっこよく言い過ぎですかね。もちろん、ニューハーフが普通の仕事に就くのは難しいという理由で、楽な業界に流れてしまったということもありますけど、でも、女としての性を、自分の女としての価値を常に試してみたいという気持ちで、風俗で働き始めたことは間違いありません」

中「つまり、男性に女性として、性的な視線で見られたいということですか?」

レ「はい。それが自分の価値のように思えるんです」

中「そもそもの疑問ですが、レイラさんは、勤務先でお客さんにニューハーフであることは秘密にしてるのですか?」

レ「秘密にしてないですよ。そもそも、ニューハーフだけの風俗店ですから」

中「えっ、それだと、女性としての価値を試すことにはならないのでは?ニューハーフとしての価値は試すことはできるのかもしれませんが」

レ「それでもいいんです。だって、ニューハーフは、天然の女性とはどうしても違うものだから、真っ向から競うのはちょっと変でしょ」

中「でも、風俗嬢としての人気が高まったからといって、女性の価値が高まったとは思いませんよ。あるいは、ニューハーフとしての価値が高まっているとも思いません。セクシャリティとセックス自体は区別して考えるべきです」

レ「私の心が病んでるのかもしれませんが、自分への風俗嬢としての評価が高まれば高まるほど、心が満たされるんです」

中「もし、その評価が低下していったらどうします?」

レ「それ、ヤバイですね。整形しまくるかも(爆)」

中「人は歳をとります。いつまでも若くて綺麗でいられるはずはありません。整形したとしても、いずれ限界は来ますよ。今の考え方では、将来、精神的に追い詰められてしまいませんか?」

レ「自堕落で、その場限りな思考回路は、LGBTにありがちなものですよ。将来をハッピーに描けない事情が我々にはあるんです。宿命みたいなものですよ」

中「LGBTの皆さんが、生きづらさを感じているのは理解できますが、だからといって将来を悲観したり、自堕落に生きることを肯定することにはならないですよ。それぞれの努力で自分の人生を切り開いていくのは、セクシャリティを問わず、人としての宿命です。セクシャリティのせいにして逃げているだけではないですか?」

レ「そうですねぇ。逃げ、かもしれないですね。将来を考えるのがただ怖いだけかもしれません。でも、今で精一杯なんですよ」

中「レイラさんには、もっと自分を大切にしてほしいです。風俗の仕事を否定するわけではありませんが、そこで人気が出たとしても、それはあなたの本当の価値を高めるものではありません。あなたのことを本当に大切に思う人に早く出会って欲しいです」

レ「性転換した事や風俗という仕事で女を前面に出していることが、自分にとって全部仮面であるような気はしていました。本当の自分は、もっと別の所にあるのではないかって」

中「レイラさんの心の闇は、とても深いようですね。でも、それを少しずつでも直視して、極端な方法で葬り去ってしまうような行動は控えた方がいいでしょう。自分を傷つけ続けてしまうことになるような気がして心配です」

レ「ありがとうございます。こういう生き方しかできないのが自分の悪いところだとはわかっています。真面目に色々考えてみますね」

中「自分を大切にして下さいね。そして、本当に大切にしてくれる人と出会って幸せになって下さい」

2013/03/08

今回は、中橋とゲイの佐々木さん(仮名・70歳代)の対談です。

中「佐々木さんは、現在はどういう生活を送っておられるのですか?」

佐「この歳だからね。もう現役は引退。老人ホームで暮らしてますよ」

中「現役時代は何をされていたのですか?」

佐「一応、銀行員。職場では閑職だったけどね(苦笑) 定年で辞めた後、70歳まで第二の就職で不動産関係の会社に勤めた後、今はもう完全にリタイヤ」

中「老人ホームで生活されているとのことですが、ホームの生活で、セクシャリティ的に不便を感じたりすることはありますか?」

佐「そうだねぇ。僕はワカセン(※若い人が好みということ)だから、ホームの介護士や相談員にポ~としてしまうことかなぁ(笑) 他は特にないよ。そもそもホームでカミングアウトしているわけじゃないし、男の入所者は、認知症が酷い人以外は、そもそも独身とか、嫁さんに先立たれたとか、そういう人ばかりだから、男やもめの巣窟なんで、気をつかう事なんてほとんどないからね」

中「佐々木さんの暮らしておられる老人ホームは、どういう感じのホームなのですか?」

佐「老人ホームという表現が適切かどうかわからないけども、元気なうちはワンルームマンションに住んでいるような感じで、介護が必要になったらケアをしてくれる棟に移るという所で、退職金はたいて入所しました(笑)」

中「う~ん、かなり高級そうなホームですね。やはり、終の棲家として意識されたのですか?」

佐「もちろん、そう。ゲイの最期は孤独なもんだよ。ずっとそう思って、自分の死に場所をどうするかを考えていたね。こういう老人ホームも何件も見学や説明会に出席して、自分なりに納得する所をようやく見つけたんだよ」

中「ゲイの最期は孤独…というのは、どういう意味ですか?」

佐「ゲイ全体を指すような言い方は悪かったかね。ただ、私の周りでは、孤独に死んでいく人が多かった。恋人と言えども、最期の瞬間に立ち会えなかったり、そもそも、立ち会ってくれなかったり、そういう人生の末期まで恋人を持つ事すら出来ない人も多かった。家族といっても、兄弟とは疎遠になる人がほとんどで、結局、年老いて自分ひとりなんだよね。せめて、自分の終の棲家は、そういう自分の周辺の事情をもってしても、安心してその時を迎えることのできる環境が欲しかったんだよ。私たちの世代は、器用な人は、女性と結婚して子を持ち、密かにゲイの活動をしている人がほとんどなんだ。そういった意味では、私は不器用だったね。自分自身に対しては正直だったのかもしれないけれど、今の若い人たちとは社会も家庭も環境がまるで違ったんだね。そういう世代だよ」

中「世代の高いゲイの方々は、結婚している人が多いということは、私も業界事情をよく知る方からお聞きしたことがあります。そういう方は、いわば普通に家族に看取られて亡くなっていくのでしょうね」

佐「うん、そういうことだろうね。でも、男が最期に取り残されるっていう場合もあるわけだよ。例えば、私のホームの住人で男世帯の人は、奥さんに先立たれた人が多いわけ。そういう人は、結局のところ、最期は独身者と変わらない状況になってるということだね」

中「誰しもが家族に看取られて亡くなるわけではないですね」

佐「そうだよ。人は、孤独に死んでいくものなんだよ。本来は。家族に看取られて死ぬ人って、案外少ないんじゃないかと思うね」

中「自分の死に場所は自分で考えるということですかね」

佐「究極的にはそうだろうね。しかし、いきなり死ぬわけではないからね。老後の衰えが頭と体に来る。大病しなくても、色々な意味で衰弱していくんだよ。それが老いだから、避けることはできない。終の棲家探しは、死そのものよりも、そこに到る過程を快適に過ごせるかどうかが大切なんだ」

中「今、終活ブームと言われていますが、若い世代のLGBTの皆さんに、これからの終活を考える上で、何かアドバイスはありませんか?」

佐「そうだねぇ。とにかく、金を貯めなさい!と言いたいね。自分の最期を自分の思い通りにするには、金がかかる。終の棲家もそう。金で人の愛や心は買えないけれど、老後の安心を買うことは正直できるんだよ。今の時代はね。だから、家族縁の薄い状況に陥りやすい我々は、お金でそこを補うしかない。老後に困らないように、まずは貯金して欲しいね」

中「非常に説得力のあるお話で、とても勉強になりました。ありがとうございました」

佐「こちらこそ。言いたい放題言いました(笑)」

12:01 | 対談 | No Comments
2012/09/07

今回は中橋と、政治家志望のRさん(26歳・ゲイ)の対談です。

中「ここのところ、政治の動きが慌しくなってきましたが、そろそろRさんの出番ですか?」

R「はい。今度の衆院選に出馬を…と言いたいところですが、僕はまだそのステージには立てないです」

中「どうしてですか?」

R「僕は政治家志望ではありますが、今はまだ勉強中です」

中「どういうタイミングで選挙に出るおつもりですか?」

R「出るからには当選したいので、まずは裏方の実務を経験してみようと思っています」

中「裏方というのは、ウグイス嬢みたいな?」

R「それも裏方ですが、秘書とかです」

中「あてはあるのですか?」

R「具体的には無いですが、意外と求人してたりするそうです」

中「Rさんは、既成政党からの出馬を目指しているのですか?」

R「はい。できれば」

中「自分でLGBTの政党を作ってみては?」

R「それも考えたことはありますが、LGBTの皆さんの中にも様々な政治的考えがあり、セクシャルマイノリティであることだけをもって政治的に団結できるわけではないと思うのです。僕は既成政党の内側から、LGBTに対する様々な政策を考えていきたいのです」

中「確かに、LGBTであることだけをもって、全てのLGBTの支持が得られるわけではないでしょうし、LGBTでない人の支持も得ることができなければ、どんな選挙でも勝てないでしょうね」

R「同性婚制度にしても、全てのLGBTが団結して是としているわけではないと思いますし、セクシャルマイノリティの内部でも意見が分かれる事柄が多くあります」

中「Rさんは、どうして政治家を目指そうとしているのですか?」

R「最初は法律家を目指していました。でも、大学で法律を学ぶうちに、LGBTである自分にとって最もやりたいことは、LGBTとして生きていくことがストレスにならない社会を作っていくことだと気がついたのです。法律を使う側じゃなくて、作る側に回りたいと」

中「なるほど。では、Rさんは、自分がゲイであることを公にカミングアウトして選挙に出るのですか?」

R「それはわかりません」

中「なぜ?」

R「仮に、選挙に出る条件が整い、出馬できたとします。この時点でかなり恵まれていると思うのですが、敢えてカミングアウトすることで、得られる支持が得られなくなるのは正直怖いです」

中「では、有権者を欺いて立候補するつもりですか?」

R「セクシャリティについて触れなければ、欺いたことにはならないでしょう」

中「そして当選したとして、実際に政治家になった後はどうするんですか?カミングアウトするの?」

R「ある程度、力のある政治家になれたら、カミングアウトしようと思います」

中「何だかちょっと合点がいかないのですが… セクシャルマイノリティのために政治家になりたいと願うのに、その動機や自分自身がゲイであることは隠し続けるということですよね。それって、有権者にも自分自身にも嘘をついているように聞こえてしまいます」

R「卑怯なのはわかっています。でも信じて欲しいのです。政治家になった暁には、LGBTのための政策を必ずや進めていき、しかるべき時期にカミングアウトします」

中「今の日本では、LGBTであるということをカミングアウトするのは、社会的にはとても不利になるということなんですね」

R「残念ながら、それが現実だと思います」

中「でももしかしたら、既に国会の中にも、セクシャルマイノリティの先生は存在するかもしれませんよ?」

R「本当ですか!?」

中「その人が、セクシャルマイノリティのために活動しているかどうかはわかりませんけど、存在していても不思議ではないでしょう」

R「確かにそうですね」

中「LGBTのための政治家を目指すRさんに是非やって頂きたいのは、LGBTの皆さんの声を集めるという仕事です。LGBT当事者が、政治に何を求めているのかということを、しっかり把握して欲しいのです。そういう調査こそが、今、Rさんのすべきことではないでしょうか?」

R「わかりました。やってみます」

中「総理大臣目指して頑張って下さい」

R「ありがとうございます。がんばります!」

2012/01/13

今回は、中橋とゲイのヨシノブさん(仮名・35歳)との対談です。

中「明けましておめでとうございます。ヨシノブさんとの対談が新年1発目ですよ。今年の抱負を教えて下さい」

ヨシ「いきなりプレッシャーですね(笑) 今年は、ゲイの親友を作ろうかなと思います。。かな(笑)」

中「ゲイの世界に親友はいないのですか?」

ヨシ「仲の良い友達はいますよ。でも、親友とはちょっと違いますね。どうしてもウワベの付き合いになってしまって、楽しくは過ごせるんだけれども、どこかで境界線を引いているというか、心を完全には許せないんです。自分を守る最低限のラインを引いてしまうんですよ」

中「自分を守る最低限のラインとは何ですか?」

ヨシ「例えば、本名を名乗らないとか、実家の住所までは教えないとか、職場を教えないとか、ですね。個人情報の核心的な部分を隠してしまうんです。いわゆる源氏名で交流出来てしまう世界なんですよ。ゲイの友達って」

中「まあ、無理に本名や住所などを教える必要はないとは思いますが、そんなに警戒する理由は何ですか?」

ヨシ「ゲイって、信用できないんですよ。以前に仲良くなった友達に、住所や職場の事を教えたら、勝手に言いふらして、行きつけのゲイバーに行ったら、私の個人情報がトークのネタにされていました(焦) それでいて、その友達は、自分自身の個人情報は嘘ばかり言っていたんです。皆に全然違うプロフィールを教えていたので、何が本当なのかわからない奴でした」

中「嫌な思いをされたのですね。でも、それはたまたまの出来事ではないのですか?相手が悪かったというか…」

ヨシ「確かにそうかもしれませんが、ゲイの世界では、源氏名で友人付き合いをする事が普通ですし、最初から一定の壁を作って人づきあいを始めるんです。そういう独特の文化というか慣習に、抵抗感を覚えるんです。でもそれは、ゲイの世界で活動するには、自分を守るためにしなくてはならない最低限の防御策でもあるんです」

中「敵は味方にあり。みたいな感じですかね?」

ヨシ「大げさに言うとそうかもしれません。ゲイであるという事を世間的に大ぴらっけには出来ないので、その秘密を守るためには、同じゲイ同士であっても、個人的な情報は伏せて付き合っていきたいんです。恋愛関係になれば別ですけどね」

中「なるほど。カミングアウトをするのが容易な世の中になれば、ヨシノブさんの抱いているゲイの世界への不信感も払拭されるのかもしれませんね」

ヨシ「現実的にはなかなか難しいと思いますが、本当に心を許せる友達をゲイの世界で見つけたいと思います」

中「おそらくそれはとても大切な事だと思います。当事者の心境は、当事者しか理解できないことが多くあると思います。共に悩み、支えあえる友人を見つけて下さいね」

ヨシ「これでも少しはマシになったんですよ。以前は、自分自身がゲイであること自体を受け入れていなかったので、ゲイ自体が嫌いだったんです。ゲイのゲイ嫌いですよ(笑)」

中「それは複雑な心理状態ですね。ゲイなのにゲイが嫌いっていうことは、恋愛出来なかったのではないですか?」

ヨシ「それが、恋愛はできました。でも友達は作りたくなかったんです。自分勝手な青春時代でした(焦)」

中「その心境はどう変化したのですか?」

ヨシ「年齢を重ねると、自分自身のことが客観的に見えてきます。私も少しずつ、ゲイである自分を自分自身で受け入れることができるようになりました」

中「なるほど。人間的に成長されたのですね」

ヨシ「そんなにたいそうなものではないかもしれませんが、私はゲイの世界で生きていくんだという覚悟ができました」

中「他者との関わりを考える上で、自分自身の人間的な成長は重要な要素かもしれません。親友と呼べる人が現れる2012年であって欲しいですね」

ヨシ「はい。ありがとうございます。出来たら恋人もね(爆)」

中「ヨシノブさんにとって、幸せな2012年になるといいですね。今日はありがとうございました」

12:35 | 対談 | No Comments
2011/12/02

今回はレズビアンのアヤさん(33歳・仮名)と中橋との対談です。

中「生粋のレズビアンだと自負しているアヤさん、よろしくお願いします」

ア「はい。生粋のレズビアンのアヤです。よろしくお願いします(笑)」

中「生粋のレズビアンってどういうことですか?」

ア「私は、ほぼ生まれた時から同性が好きで、異性に全く関心がありませんし、異性と性的関係を持ったことはありません。私の周りのビアンたちは、結構、男性との交際経験があったりする人が多いんですよ。だから、私は生粋のレズビアンを名乗っています(笑)」

中「生粋だと、モテるんですか?(笑)」

ア「あまり関係ないですね(焦) でも、バイセクシャル的なビアンも数多いる中で、私の存在は正統派といえるでしょう」

中「そうですか。アヤさんの中で、正統派とそうでない派があって、それを区別しながら人間関係を築いているのですね」

ア「そうです。やはり、恋人も生粋のレズビアンがいいですね。だって、男に取られて失恋するなんて嫌ですから」

中「そういう話は時々ありますね。彼女(彼氏)に彼氏(彼女)が出来たので別れを告げられたという話。同じセクシャリティの同士的な立場が一転して、裏切り者的な感覚に陥ってしまうわけですね」

ア「同じレズビアンに乗り換えられたなら、まだ救われますが、異性だと太刀打ちできませんからね。歯がゆさ倍増ですよ」

中「そういう経験をしたのですか?」

ア「まぁ・・・、そういうこともあったりしましたかね(焦)」

中「そうでしたか。それは何というかご愁傷さまでした」

ア「ずっと過去の話です(笑) 人間は傷ついて成長しますから大丈夫です」

中「前向きですね。ところで、恋人はいるのですか?」

ア「いますよ。出会って7年、交際して5年、同居して3年になる彼女がいます」

中「生粋な方ですか?」

ア「ほぼ生粋ですよ(笑)」

中「よかったですね。彼女さんとは上手くいっているのですか?」

ア「喧嘩もしますが、基本的にはラブラブですよ。でも、男女のカップルのように子供がいないのがちょっと残念です。二人とも子供好きなので」

中「子供を育てたいというゲイやレズビアンの方は多くいらっしゃいますね。でも、普通なら子供を持つ事自体が無理なので、諦めている人がほとんどでしょう」

ア「自分がお腹を痛めて産んだ新生児を、どこかに放置して捨てるような事件が時々報道されますが、ああいうニュースを見て、子供をそんな目に遭わせるのなら、私たちに預けてもらえればちゃんと育てるのにと思います」

中「そういう事件、時々ありますね。子供を欲しい人にとっては、歯がゆい事件でしょうね。皮肉なものです」

ア「自然な形で子供を持つ事が出来ないレズビアンやゲイのカップルは、やはり子供を持つ事は諦めた方がいいのでしょうか?」

中「現実的には諦めた方がよいでしょう。現在の日本では、レズビアンやゲイのカップルが子供をもつことは色々な意味で困難です。以前に異性と結婚していて、子連れで同性のパートナーと新しい生活を送っているというような事例はありましたが、特殊な例です」

ア「自然には同性同士では子供は作れませんしね。クローン技術に期待してます!」

中「生命倫理の議論はまた別の回でしましょう。今回はこの辺で。ありがとうございました」

ア「ありがとうございました」

12:05 | 対談 | No Comments
2011/09/09

今回は、中橋とマスコミ関係者の瀬田さん(仮名・年齢性別秘密)の対談です。

中「今回の対談は、マスコミ関係者の方との対談をしたいという私の願望から実現したものですが、最初に何か注意点はありますか?(笑)」

瀬田「まず、氏名年齢性別やどういった種類のマスコミ関係者かは秘密にしてもらって、万が一、発言の中で実在の会社名や人名が出た場合には、ピーを入れてもらいたいです(苦笑)」

中「記事なので、ピーは入れらませんが、墨塗りみたいにしますね」

瀬田「あぁ、そうか。ピーは意味無いですね(笑)」

中「瀬田さんは、ピーを入れるのに慣れているかもしれませんが、私は慣れていませんよ」

瀬田「そういうツッコミは止めましょう(焦) あぁ、取材されるのに慣れてないなぁ私」

中「ちょっと意地悪でしたね。さて、話題を変えて、私がマスコミの方と対談をしたかったのは、取材をする側の人達が、LGBTについてどういう問題意識をもっているのかとか、マスコミの内部でのLGBTに対する認識を伺ってみたかったのです」

瀬田「それは、大半のマスコミの内部の人間は、一般の方と何ら認識は変わらないと思いますよ。もちろん、社会的な問題に対して意識を研ぎ澄ましているような記者は、LGBTが抱える問題に関してもよく勉強をして正しい認識を持っているかもしれませんが、それはやはり一部の人間であって、正直言って、ただ単にセンセーショナルな話題を作り易い分野のことであるとしか思っていない人が多いと思います」

中「センセーショナルな話題を作り易いとは?」

瀬田「マイノリティとして生きていくことは、多くの困難にぶつかるわけですよね。仕事や家庭で、そういった困難をどう乗り越えていくのかとか、乗り越えられずに挫折してしまうとか、そういう姿そのものがセンセーショナルに映ると思うんです」

中「それを報道することが、話題になると?」

瀬田「そうですね。一般人にとっては、非日常な話なわけですよ。確かに、一定の割合でLGBTの方々が存在するというのはわかります。しかし、仕事や家庭に身近にいるという人はまだまだ少ないでしょうし、自分の知らない世界の話として、ある意味、好奇心の刺激的な要素もあると思うんです。また、大変申し訳ないですけど、一種の不幸話に耳を傾けたいという人は多くいます」

中「確かに、身近にLGBTの人がいない方にとっては、全くの他人事に過ぎないでしょうね。でも、不幸話というのは、あんまりかと…」

瀬田「LGBTであるということ自体が不幸であるというのは偏見だと思いますから、それは倫理的にいけないのでしょうが、LGBTの方が困難に遭遇しているという状況自体を不幸話として興味をそそられるのかもしれません」

中「幸せなLGBTの話はウケが良くないわけですか!?」

瀬田「う~ん、現状ではそうでしょうね」

中「そもそもマスコミが、LGBTを取り上げる意味は何ですか?」

瀬田「結局のところ非日常だと思うんですね。その非日常さからくる独自の視点や所作そのもの等、時には滑稽に映るでしょうが、ある意味新鮮なんです。報道にせよ、バラエティーにせよ、そういうマイノリティの姿を映し出したり、記事にすることは、大衆の興味をひくのです。LGBTのことを、好きとか嫌いとか、そういう意識を持ってもらうこと自体、ある意味、マスコミの術中にハマってもらったということなのかもしれません」

中「報道にせよ、バラエティーにせよ、LGBTの人やその話題が登場することは日常的になってきました。そのことで、存在の認知度は上がっていますが、彼らの権利については何ら制度的な進展はありませんし、むしろ、誤解や偏見を助長しているような場面も見受けられます。私が危惧しているのは、結局、見世物にさせられて終わっているのではないかということです」

瀬田「そういう解釈も成り立つと思います。ただ、タレントは、見世物になることを自ら志願して出演しているわけですから、それを悪だとすると、彼らの仕事が無くなりますよ」

中「確かにそうですね。どうも彼らはあまり、LGBTの権利擁護云々については、きちんとした発言をしていないように感じます。そういう趣旨で出演しているわけではないからでしょうが…」

瀬田「LGBTと思わしきタレントさんが、必ずしもLGBTの権利擁護運動の旗を振っているわけではありません。そうした意識について、詳しく擦り合わせた上で、報道や出演しているわけではないでしょう」

中「LGBTに関する社会問題、例えば、同性婚やパートナーシップ制度について、大々的に報道するということはあまりないような気がしますが? というか、報道されても、一時的で長続きしませんよね?」

瀬田「そうですね。この問題は非常に微妙な問題なんです。私自身、こうした問題を取り上げるにあたって、上司から激しく反対されたり、同僚から好奇の目で見られたりしました。一人のマスコミ人として、確固たる信念が無いと取り組みにくい問題なんです」

中「同じようなお話しは、他のマスコミ関係者からも聞いたことがあります」

瀬田「マスコミも一般の会社と変わりません。LGBTを毛嫌いするような人が上の立場にいたら、真面目な報道として扱うことは難しいでしょう。バラエティーなら別でしょうけど」

中「なるほど。やはりそうでしたか」

瀬田「LGBTの権利擁護運動は、マスコミが主導することは、絶対にあり得ません。当事者の皆さんが団結して取り組むことが一番大切でしょう」

中「そうですね。日本でもいつかそういう動きが活発になる時が来ると思います。その時には、正しい報道をして下さいね」

瀬田「私ごときが全マスコミを代表するのもなんですけど、しっかり勉強して報道しようと思います」

中「今日はありがとうございました」

瀬田「こちらこそ」

12:01 | 対談 | No Comments

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