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2012/10/19

今回は、マリさん(バイセクシャル・40歳)と中橋の対談です。

中「マリさんはバイセクシャルということですが、今は恋人はいるのですか?いるとしたら性別は?」

マリ「今は恋人はいません。次に狙う性別も決めていません(笑)」

中「そうですか。確かにあらかじめ決めるものではないのでしょうね。好きになった人を好きになるだけですね」

マリ「でも、偏りはありますよ。私の場合はビアン寄りのバイセクシャルだと思います。同性を好きになることの方が多いですね」

中「バイセクシャルの人には、ゲイ寄りとかビアン寄りとかいうことを仰る方が多い気がします。全くイーブンということの方が珍しいのでしょうね」

マリ「そうですね。私の感覚だと、基本はビアンなんだけど、一部の男性はストライクゾーンに入るみたいな感じです」

中「ゲイ寄りのバイセクシャルの方も同じようなことを言っておられました。ストライクゾーンが男性側に広いか女性側に広いかの問題のようなことを」

マリ「ストライクゾーンがやたら広いのがバイセクシャルだと思われそうですね(苦笑) でもそれは、男側か女側かの偏りで調整されているから、そんなにストライクゾーンが広いわけではないのですよ」

中「相手が誰でもいいのがバイセクだ!みたいな誤解があると?」

マリ「そうそう。嫌われますからね~。例えば同性と付き合っていても、いずれは異性と結婚して家庭を作って、社会の中で幸せに暮らしていくんだろう~みたいな皮肉を言われたり。いいなぁと思っていた女性から、そういう嫌味を言われてゲンナリしたことも多々ありますよ。そういう度に、あぁバイセクはモテないなぁと思いましたね」

中「ゲイやビアンにとって、バイセクは脅威だということですね」

マリ「実際にバイセクに傷つけられたという人もいるから、そういう批判を全否定はできないですが、バイセク全体がいい加減な人の集まりとか、性的に乱れているイメージとかで語られるのは納得できません」

中「どうしても、美味しいとこ取りのようなイメージがするのでしょうね」

マリ「私のことを『あの人は危険人物だから近付かないように』とまで言う人もいました。そういうことがあったので、自分がバイセクだということを伏せていた時期もありました。それから、バイセクだと性的に乱れていると勘違いするのか、やたら都合のいい関係を求めようとする変態男に付きまとわれたこともありました(泣)」

中「いろいろなご苦労があるのですね(焦)」

マリ「理解されることは少ないですけど、バイセクは決して良い立ち位置ではないということは知って頂きたいです」

中「以前に対談をした方も同じような話をされていましたが、同性愛者にも異性愛者にも受け入れられない危機感があるように思いました」

マリ「ゲイやビアンは、存在を大きくアピールできる場があったり、社会的に取り上げられることが多いですが、バイセクにはそういう場面がありません。LGBTの中に組み込まれてはいるけど、日陰な存在になっているような気がします」

中「実際のバイセクの姿を多くの人々に知ってもらう機会が訪れるといいですね」

マリ「はい。少しでも誤解が解ければ幸いです」

中「今日はありがとうございました」

マリ「こちらこそ」

2012/06/15

今回は中橋と元ゲイバーオーナーの小林さん(仮名・48歳)の対談です。

中「小林さんは、ゲイバーのオーナーを10年以上されて、このほどお店を閉店されましたが、これまでのお店の歴史を振り返ってみてどのような感慨をお持ちですか?」

小「あっという間でしたね。お客さん、スタッフ、何人もの人が私の前を通り過ぎて行きました。それを毎日同じ場所で出迎え見送るという日々が、私の日常でした。開店当初から閉店時まで通い続けてくれたお客様もおられますし、一度来て忘れたころにやって来るというお客さまもいたり、一時期毎日のように通い詰めていたのに、ある時パタッと来なくなったお客さん、私が密かに恋心を抱いたお客さん、お客さん同士やスタッフ同士の色恋沙汰など、本当に色々な人や出来事が私の店で発生していました(笑)」

中「なかなか語りつくせない思い出がいっぱいといったところでしょうか?」

小「そうですね。当時は嫌な思いもたくさんしましたが、今となっては良い思い出で、私の財産でもあります」

中「その一つ一つの思い出をお聞きしたいところですが、今日は、ゲイバーの経営という観点でのお話しを中心にお聞きします」

小「ゲイバー経営学ですか? 私は失敗した人間ですので、教えられることは何もないですが、まあ反面教師ならかって出ましょうか(笑)」

中「失敗だなんて、とんでもない。小林さんのお店の経営状態は決して悪いわけじゃなかったでしょう?」

小「う~ん、しかし良くもないですよ。日々回してくのはいいですけど、将来的な展望はありませんでしたね。オーナー業に専念した時期も一時期ありましたが、結局、オーナー店長に戻りましたし、体力的にもボロボロでしたよ」

中「そもそもなぜゲイバーを始めたのですか?」

小「私は飲食業に興味があって、高卒後すぐに一般の飲食業界に飛び込みました。その後、一度社会人を辞めて、専門学校に入って調理師の免許を取り、自分のお店を持つことを目標に修業をしていたのですが、たまたま地元の近くの繁華街にあるゲイバーの多い一角に空き店舗が出たことを知り、若干安易にですが、そこで最初の自分の店を持つことにしました」

中「料理の修業を本格的にしていた調理師さんにとっては、ゲイバーというのはちょっと趣旨が違うような気がしますが…(焦)」

小「若気の至りです(爆)料理のおいしいゲイバーがあってもいいかなと」

中「面白いとは思いますが、それで当初の客入りはどうでしたか?」

小「ゲイ業界の友人知人などの応援もあって、客入りは良かったですよ。平日でも小さいカウンターと少ないボックス席だけの我が店は満員御礼になりました」

中「良いスタートだったわけですね」

小「はい。でも売り上げにはなかなか反映しないわけです」

中「よく聞く話ですが、客単価が安いおまけに、長居するので回転率が悪く、客でごった返しているのに利益が上がらないということでしょうか?」

小「そうです。凝った料理メニューもあったのですが、うちの店でそれを注文する人は希でした。望まれているのは、軽食とアルコールとカラオケですからね。お客のニーズを履き違えていたわけです」

中「それに気付いたとき、お店の将来をどう考えましたか?」

小「うっ、厳しい質問ですね。若干悲観的にはなりましたが、今さら後には引けないという思いで、私の料理人としてのポリシーよりも、ゲイバー経営者としてゲイのお客様のニーズに応える方を選びました」

中「お客のニーズに応えるように努力をされた後はどうなりました?」

小「無駄なメニューを無くしたおかげで、食材のロスなども減り、無駄な経費節減になりましたが、結局、どこにでもあるゲイバーと大差ない個性のないお店になった感がありました」

中「ウリであった料理を廃したせいで、お店の個性まで失った感じがしたわけですね。その後はどうなりました?」

小「周囲に新規のゲイバーの出店などもあり、固定客を奪われてしまったり、スタッフ不足で私がてんてこ舞いで働いたり、大御所への挨拶を怠って大目玉を食らったり、不幸というか不運というか、そういうこともありました」

中「ゲイバーには業界の横のつながりはあるのですか?」

小「地域によって多少はあるとは思いますが、横というより、その地元で古くから営業しているお店には礼を尽くさなければならないみたいな縦のつながりの方が強いかもしれません。でも、協力するとかいうより、どちらかといえば、潰し合いですかね(爆)」

中「その話は聞いたことがあります。結束が強いように思えて、実はそうでないのですね」

小「はい。個性豊かすぎる人が多いから、まとまらないですよ絶対に。どの店も必死に営業しているので、余所に協力する余裕なんて無いんじゃないですか?」

中「小林さんがお店を閉店することにした最も大きな理由は何ですか?」

小「体力的な問題です。自分がお店に出なければならないような経営状態が悪いのでしょうが、それにしても体力、精神力共に擦り減らしてしまいました」

中「でも、まだお若いと思いますが?」

小「今はまだ頑張れますが、将来もずっとこのままだと思うと、もう無理でした。いずれは店を譲りたいと思えるような人を育成できなかったのも自分の責任です」

中「事業承継ですね。難しい問題です」

小「はい。誰かにお店を任せるということをやってみた時期もありましたが、上手くいかなかったんです。どうしても売り上げが伸びない。景気のせいもあるかもしれませんが、ゲイバーが出会いの場として新鮮なものでなくなってしまっていますし、ゲイバーも潰れる店があれば、新規に開業する店もそれなりにあります。お客様にとっては、ゲイバーの選択肢はけっこうあって、その中での競争ですから、気が休まりません」

中「これからどうするのですか?」

小「原点に立ち戻って、料理人としての人生に転換していきたいと考えています。少ないですけど、新しい夢にチャレンジする資金もできましたので、第2の人生に向けて頑張ります」

中「チャレンジする心、素晴らしいですね。是非、頑張って下さい。成功を心からお祈りします」

小「ありがとうございます」

中「こちらこそ、ありがとうございました」

2012/02/24

今回は、ゲイのノブさん(41歳・仮名)と中橋の対談です。

中「ノブさんは、海外でゲイリブ活動に携わっておられるそうですが、具体的にどのような活動をされているのですか?」

ノブ「私はアメリカの某都市で暮らしているのですが、その街にあるゲイコミュニティのスタッフとしてボランティア活動をしながら、セクシャルマイノリティの権利向上のための政治的なアクションに加わったりしています。具体的には、政治家や役所に対する陳情や請願などの取りまとめとか、各種のアンケート調査の実施、会合のセッティングなどです」

中「忙しく活動されているようですが、そういう活動をするきっかけは何だったのですか?」

ノブ「きっかけは大した事ないので恥ずかしいのですが、彼氏がそういう活動をしている人で、その活動を手伝っているうちに、のめり込んでいくようになりました(笑)」

中「日本ではゲイリブ活動に参加したことはあるのですか?」

ノブ「ありません。私は大学生の時からアメリカで過ごしていまして、19歳から現在まで基本的にアメリカ生活です。日本へは年に1回帰国すればよい方ですから(焦) 日本のゲイリブについてはよく知りません」

中「日本でも、パレードが行われたり、LGBTについて啓発するようなイベントが行われたりはしていますが、ノブさんの話に出てくるような、強力に組織立った感じではまだないような気がします。政治でも、国政レベルではまだまだでしょうね」

ノブ「アメリカは、宗教上の理由もあって、ゲイはバッシングされやすい立場にあります。だから、自分たちできちんと集団を作っていないと、身が持たないというか、仲間意識が強いような気がします」

中「意外ですね。アメリカでは、セクシャルマイノリティに対する世間の受入れは良いのではないかと思っていましたが…」

ノブ「もちろん、偏見のない人もいます。でも、アンチが非常に多いのも特徴です。徹底して嫌ってきますね。いくら説明しても理解を求めても、宗教上の理由だとか言われたらお手上げですしね」

中「確かに日本では、あまり宗教上の理由でセクシャルマイノリティが差別される事は少ない気がします」

ノブ「日本のLGBTの皆さんは、それは差別を受けることも多々あるのかもしれませんが、ある意味で欧米よりも過ごしやすい環境にいるのではないでしょうか?」

中「バッシングの程度でいうと、欧米の過激なバッシングや宗教的な疎外度で比べれば、日本はLGBTに寛容な国かもしれませんね。意外な再発見ですが。。」

ノブ「ぬる~い感じですかね。だから現状でもイイヤっていう当事者も多いのではないですか?それが結局、日本でゲイリブが活発にならない理由かもしれません」

中「いわゆる抵抗とか反発とか、そういうニュアンスが根底にあって、権利擁護運動というのは発生するものだと思います。だとしたら、その抵抗や反発のさらに根底にある疎外感や孤独感といった負の感情がさほど強くなければ、ゲイリブの行動へと駆り立てる原動力自体が弱くなってしまうわけですね」

ノブ「そうでしょうね。人は皆、平等だから、LGBTを差別してはいけませんよ。といった教科書的な理論の理解だけでは、ゲイリブを大きく展開していくのは無理でしょう。感情的に込み上げてくるものを共有できるほどの過激な心理状態が、権利擁護運動の大きな原動力となるはずです。その点では、日本のLGBTの皆さんは、幸か不幸か恵まれた環境にいるのではないでしょうか?」

中「アメリカには、過激なゲイリブ活動の歴史がありますよね。映画MILKで描いていたような」

ノブ「そうですね。一種の闘争だったわけで、今でもその精神は続いています。日本には日本的な権利擁護運動のやり方があるのかもしれませんが、静かなる闘争に火が着く火が来ればいいですね」

中「当事者の方にも色々な意見があるので、それを集約していくのは難しいでしょうが、問題意識の共有や解決に向けたアクションを期待します」

ノブ「当事者からの社会への働きかけの方法も色々あると思いますので、日本式でそれを着実に実行していけば、きっと良い結果が期待できると思います」

中「そうですね。貴重なご意見をありがとうございました。また帰国された際には、是非お話をお聞かせ下さい」

ノブ「こちらこそ、よろしくお願いします」

2011/11/04

今回はゲイカルチャーを追い続けて20年、元ゲイ雑誌編集部員でフリーライターのシャングリラさん(40歳男性・仮名)と中橋との対談です。

中「今回はディープな世界に迫る対談ということで期待しています(笑)」

シ「下品な方向には行かないように気をつけます(笑)」

中「昨今のゲイアダルトカルチャーの動向を教えて下さい」

シ「アダルトですか!?まぁ、私に期待される話題といったらそれしかないのかもしれませんが(焦)」

中「ゲイカルチャー=ゲイアダルトカルチャーと言っても過言ではない気がしますが?」

シ「それが全てではないでしょうけど、ニアイコール(≒)くらいかもですね」

中「そもそもゲイアダルトというのは、どういうものがあるのですか?固有のものはあるのですか?」

シ「ビデオとか雑誌や風俗店は一般のアダルトにもあるでしょうが、ゲイ固有のものとしては、ハッテン場というのがあります」

中「ハッテンというのは、行為が発展するという意味なんですよね?」

シ「諸説あるんですよ。行為が発展とか、出会いが恋愛に発展とか、発達した場所(都会的な出会い)とか、外国語説とか(笑)」

中「ハッテン場の話を聞いたことはありますが、一応法律家としては、違法性の強い場所だと思うのですが?」

シ「ハッテン場にも色々あります。確かに、全裸でウロウロしてて、あちらこちらで性交に及んでいるようなお店はヤバイかもしれませんね」

中「お店ということは、有料なんですね?」

シ「はい。基本的に有料です。入館料を払って入館します。でも、若い子だったり、ジムの会員だったりすると割引があるなど、料金体系はお店によって色々あったり、様々なイベントがあるなど、お店の特色がたくさんあって面白いですよ」

中「私のイメージでは、純粋な出会いの場というより、単にHするために行く場所の様な気がしますが?」

シ「そうですね。そのとおりだと思います。中には、ハッテン場で出会ってカップルになったような例もあります(笑)」

中「無料のハッテン場って、どういうシステムなんですか?」

シ「これは、公園とか浜辺とか、そういう特定の場所にゲイが集まっているんです。夜な夜な繰り広げられる秘密の集会みたいな(笑)」

中「かなり危険な感じがしますね」

シ「そうですね。ゲイ狩りの被害もありますし、そういう公共の場所で行為が発展すると捕まってしまいますね」

中「そのスリルが味わいたいのかもしれませんが、お勧めできませんね」

シ「ハッテン場と無縁なゲイもいるでしょうが、私の感覚だと、大多数のゲイはハッテン場通いの時期を経験していると思います」

中「シャングリラさんは卒業できたのですか?」

シ「はい。性欲の減退と共に… 歳のせいです(泣)」

中「そうですか(焦)でも、私としては、若いゲイの子たちのことを考えると、ハッテン場は根絶するべきだと思います」

シ「厳しいご意見ですね。不道徳だということですか?」

中「いえ、健康的な問題です。性病やHIVの温床になっているのではないですか? ハッテン場通いをして、後悔をしながら亡くなった若い方の死後事務をして、これは世の中から無くさなければならないと強く思いました」

シ「確かにそのリスクは多くあります。でも、本人の問題でしょう?自己責任ってやつ。危険性をわかって行くわけだから、そこはハッテン場の責任ではないでしょう」

中「基本的には自己責任です。でも、若い子の場合、若さゆえの欲望に負けて、つい通いつめてしまうケースもあると思います。年齢確認が不十分な場合には、未成年者でも行ってしまう可能性もあります。ゲイの仲間を守るためだという発想には至らないのでしょうか?」

シ「う~ん、でもハッテン場を無くしても、今は出会い系サイトなどで、簡単に相手を見つけることができます。そういうものも危険なものだと思いますよ。結局、未成年者の被害は止まらないのでは?」

中「少しでもリスクを少なくするという点では、ハッテン場を無くしていくことは重要です。それに、私としては、いつ摘発されてもおかしくない違法な場所だと思っています」

シ「違法っていうのは、風俗営業の許可を取っていないハッテン場が多いという意味ですか?」

中「そうではなくて、そもそも、お金を払えば誰でも入れるような場所で、周りに見えるように性行為を行うことは、お客さんは公然わいせつ罪に問われるでしょうし、お店はそれをわかって営業しているのですから、公然わいせつの幇助罪に該当する可能性があります。健康被害のリスクだけではなく、犯罪者になってしまう可能性すらあるのです」

シ「お金を払って、店の中で行為に及んでも違法なんですか!?」

中「そうですよ。当たり前のようにゲイアダルトカルチャーの中にはハッテン場が存在するかもしれませんが、これからは、排除していく動きをしないと、ゲイのLGBTの権利擁護運動にも悪影響を与えると思いますよ」

シ「厳しいですね。何だか差別されている気分になります」

中「差別ではないですよ。むしろ、ゲイの皆さんの健康を守り、最低限必要な道徳倫理を守るためじゃないですか。こういうハッテン場の存在が、ゲイが単なる変態扱いされる一因にもなっているのではないでしょうか?」

シ「なるほど。でも、なかなか難しいでしょうね。ハッテン場をこよなく愛するゲイが多いのは事実です。ビジネスとしても、全国各地に有料ハッテン場は多く存在しますし、ゲイメディアに広告を多く載せているお得意様である以上、ゲイの世論構成をリードするようなゲイメディアがハッテン場を否定するような記事を掲載することは考えられません」

中「ゲイメディアがアダルト系に偏っているのも残念ですね。いわゆる大人の事情で、ゲイにとって本当に有益な情報が発信されないとしたら、それは非常に罪深い事です」

シ「ビデオ会社やハッテン場が摘発されるたびに、どちらかというと不当な弾圧だというスタンスで捉えている人の方が多いと思います」

中「私としては、少なくとも法に反するようなゲイアダルトカルチャーは、どんどん摘発されてしかるべきだと思います」

シ「その結果、何も残らなかったら怖いですが(焦)」

中「そんな事はないでしょう。現に摘発は始っています」

シ「えっ!そうなんですか!?」

中「LGBTの権利擁護運動を推進していくためには、まずはそれに見合った義務を履行していく必要があります。ゲイ風俗業界と言えども、ヘテロセクシャル(両性愛者)風俗業界と同じレベルでの規制を受ける必要があります。LGBTの権利擁護運動を推進している人達は、ようやくそれに気付き始めたようです。これは、政治レベルでのステージに話が進展し始めた証拠でもあります」

シ「襟を正せってことなんですね」

中「そうですね。もうそろそろ、野放しとはいかなくなってくると思いますよ」

シ「ハッテン場を経営する夢は諦めます(焦)」

中「夢を潰してごめんなさい。でも、もっと大きな夢を持って下さいね。シャングリラさんの大切な仲間たちのために、正しいゲイカルチャーの発信をしていって下さい。期待しています」

シ「ありがとうございます。頑張ります!!」

2011/03/11

今回は、中橋とLGBT当事者(ミホさん・仮名18歳)との対談を掲載します。

中「高校の卒業式を終えたばかりだそうですね。まずは、卒業おめでとうございます」

ミホ「ありがとうございます。やっと集団生活から抜け出すことが出来ました(笑)」

中「高校生活を振り返ってみてどうでしたか?」

ミホ「辛いこともたくさんあったけど、友達や良い先生にも恵まれて、楽しい3年間だったと思います」

中「ミホさんは、レズビアンであると自覚しているんですよね?」

ミホ「はい(笑) 小学校の高学年の頃から、何となくそう思っていました。高校に入るころには、確定的に自分は同性しか好きになれないと悟りました」

中「なるほど。高校に入って、仲の良い友達にカミングアウトしたんですよね?」

ミホ「はい。ごく親しい友達だけにカムアウトしました」

中「なぜカミングアウトしようと思ったの?」

ミホ「クラスでも部活でも一緒にいる友達だったので、恋愛話とかでどうしても自分を偽ることが息苦しくなる時があって、信頼している友達だから、きっと理解してくれるだろうと思ってカムアウトしました」

中「それで上手くいきましたか?」

ミホ「驚くほど上手くいきました(笑) 気持ちはわかる!!とか言われて(爆笑)」

中「気持ちはわかる??」

ミホ「友達は、男に愛想が尽きるような出来ごとに遭遇していた最中らしくて、男なんてもう好きになれないと思っていたとかで。。」

中「その友達もレズビアンに?」

ミホ「そんなことにはならないですよ(笑) 友達は彼氏に少しだけ嫌気がさしていた最中だっただけです。でも、そういう気持ちと、私のレズビアンであるということは別次元の感覚だと思うので、そういうことについて話し合ったり、話を聞いてもらったり、友達としてさらに友情が深まりました。これからもずっと大切な友達です」

中「カミングアウトしたのは一人だけですか?」

ミホ「友達数人と、保健室の先生です」

中「カミングアウトした友達は、みんなすんなり受け入れてくれたの?」

ミホ「戸惑った子もいたけど、最終的には受け入れてくれたというか、普段と変わらずに接してくれました」

中「それは良かったですね。保健室の先生にはどうしてカミングアウトしたの?」

ミホ「好きになったから(爆笑)」

中「あっ、そう(焦) その恋、どうなりました?」

ミホ「撃沈しました。でも、それ以来、ちょくちょく放課後とかに保健室に行って、私の話をいっぱい聞いてもらいました。先生も同性愛とか性同一性障害のこととかを勉強していたみたいで、私の事をとても心配してくれていました。卒業後も時々遊びに行くと思います」

中「恋は実らなかったようだけど、良い先生に巡り合えて良かったですね。それでは逆に嫌なことってありましたか?」

ミホ「うちの学校、今時、体育祭でフォークダンスやるんですね。それで、男子とペアを組まされて手をつないで踊るんだけど、これは嫌だった」

中「なるほど。ミホさんは男嫌い?」

ミホ「男嫌いってわけじゃないですよ。あっ、もちろん、恋愛対象ではないですけどね。ただ、フォークダンスの練習の時とか、教室の中とかでも、いやらしい目線で見てくる男子とかいるわけですよ。男子のそういう『性的』な目線っていうのが耐えられないんです。はっきりいって気持ち悪い。私と仲良くなれる男子がいるとしたら、それはゲイの男子かもしれませんね(笑)」

中「確かに、ミホさんは男子から人気がありそうなルックスですもんね。ある意味男子に同情してしまいますが、そういう集団生活からようやく解き放たれたわけですね」

ミホ「はい。これからは自分らしく生きていかれるように、まずは自立を目指して頑張ります」

中「ミホさんの今後の進路はどうなっているのですか?」

ミホ「私は美容師を目指しているので、春から美容師になるための専門学校に通います」

中「手に職をつけて自立をめざすのですね」

ミホ「はい。都会の専門学校に行くので、一人暮らしも始める予定です♪」

中「生活でも自立の準備をするのですね。でも、初めての一人暮らし、羽目をはずし過ぎないように気をつけて下さいね」

ミホ「わかってますよ。一人暮らしはしますが、彼女の住んでいる街に引っ越すことになるので、ある意味安心なんです」

中「そうだったんですか。彼女はもしかして年上?」

ミホ「はい。大学生です。高校の部活の先輩。付き合って2年目です♪」

中「そうですか。新生活はもうすぐですね。自分の夢に向かって頑張って下さい。今日はありがとうございました」

ミホ「こちらこそ」

2010/07/16

今回は、中橋と会社経営者のAさん(52歳・ゲイ)の対談です。

中「Aさんは社内でカミングアウトをしているのですか?」

A「いいえ、していません。過去に結婚歴がありますので、まさか私がゲイだとは誰も思っていないでしょう(笑)」

中「会社経営に、ご自身のセクシャリティが何か影響することはありますか?」

A「経営自体においては特にないと思います。ただ、私がオーナー社長であるわけですので、私の次の代への事業承継についてそろそろ悩み始めました」

中「事業承継については、セクシャリティの別を問わず、昨今の経営者たちの共通の悩みと言えますね。誰にどのように経営を引き継いでいくのかということは、大変重要なことですね。」

A「私としては、私のセクシャリティは会社の経営には無関係な事柄ではありますが、事業を引き継いでくれる人には、私のセクシャリティを知っておいて欲しいと思っています。」

中「それはなぜですか?」

A「私は創業者として会社を大きくしてきました。私の会社は私にとっては『私そのもの』であり、その事業を引き継ぐということは、私の魂を引き継いでくれることだと思っているからです。」

中「なるほど。創業者の魂をずっと引き継いで欲しいというわけですか。しかし、そうだとしても、セクシャリティを明らかにする必要性まではないような気がしますが?(焦)」

A「重要なのは、私がゲイであるということ自体ではないのです。創業者が実はマイノリティであるにもかかわらず、その逆境を乗り越えて社会に貢献するために事業を興したこと、我が社のモットーである『あらゆる人を大切にする会社』という理念が、マイノリティの立場に立った視点から考え出されたものであるということを理解し、今後も実践して欲しいのです。」

中「なるほど。その理念の根源に共鳴してくれる人に事業を託したいわけですね。」

A「そうです。私には子供がいませんから、いずれは他人に事業を譲ることになります。他人様だからこそ、正確に創業者である私の意思をきちんと理解して引き継いでもらいたいのです。」

中「事業承継に向けた具体的な動きはあるのですか?」

A「具体的にはまだです。ただ、人材を育てるという側面について強く意識し始めました。」

中「事業承継は社内の人材で考えておられるのですか?」

A「そうです。私が元気なうちに承継を終わらせたいです(笑)」

中「いずれは社内でカミングアウトする時が来るというわけですね。」

A「大々的にではなく、後継ぎに対してだけですけどね。」

中「事業承継というと、財務や税務に関する側面を念頭に考えがちですが、今日のお話はとても参考になりました。Aさんの会社の事業承継が成功することをお祈りしております。」

A「こちらこそ、ありがとうございました。」

2010/03/12

今回は、中橋とセクシャルマイノリティの方の対談を掲載します。
第5回目の今回は、トランスジェンダーの佳子さん(仮名・30歳)です。

中「トランスジェンダーについて、佳子さんの解釈で結構ですから教えて下さい」

佳子「簡単にいえば、生まれた時の性別とは異なった性別で生きる人のことかな」

中「佳子さんは、生まれた時の性別は男性で、今は女性として生きているということですね」

佳子「ニューハーフを例に出すとわかりやすいのかな」

中「佳子さんは、いつ頃、女性として生きたいと思ったのですか?」

佳子「男であることに違和感を覚えたのは小学校の高学年くらいね。それより幼い頃は、男とか女とかいう意識じゃなくて、女の子が興味を持つようなことに興味があって、男の子が興味を持つようなことに全く関心が無かった。服装もズボンじゃなくてスカートをはきたいとか、髪を長くしたいとか」

中「幼い頃の佳子さんは、男の子として育ったのですか?」

佳子「自分で何かを決めて実行できる年齢ではないから、周りは当たり前のように男の子として扱うわけで。だから、自然と男の子として育ちました(笑)」

中「でも、内心は違和感があったと?」

佳子「そう。でも、自分でもその違和感自体に抵抗感があって、『女の子』になりたい自分はおかしいんじゃないかというような葛藤というか、思春期のモヤモヤとごっちゃになって大変でした」

中「割り切ったというか、トランスジェンダーとしての自分を受け入れたのはいつですか?」

佳子「私の場合は遅くて、大学を卒業する頃かな。それまでは、迷いの連続というか、本当の自分自身を受け入れることから逃げていた感じかな」

中「何かきっかけがあったのですか?」

佳子「仲の良い友人(女性)に、自分の悩みを打ち明けたら、その子が親身になって相談に乗ってくれたのがきっかけだったの」

中「それまでは自分一人で悩みを抱えていたのですか?」

佳子「そう。ずっと一人で悩んでいて誰にも相談できなかった。両親が厳格なせいもあって、そもそも『性』も話題を出すこと自体がタブーだったから」

中「良いお友達が居てよかったですね。その方に相談してからは、どうしたのですか?」

佳子「その子は私と一緒にトランスジェンダーに関する相談機関や医療機関を探してくれたの。そして、そういう所に通う時も一緒に付き添ってくれて。後から聞いた話だけど、この悩みを告白する前は、私のことを男性として好きだったんだって。何か悪いことしちゃったなって、、今では笑い話(笑)」

中「そうでしたか(焦) 今では佳子さんは見た目も女性そのものですが、ご両親にはカミングアウトしたのですか?」

佳子「はい。かなり泣かれましたが、母親は受け入れてくれました。父親は受け入れてくれてはないですが、諦めているというか、直視できていないというか、微妙な距離感がありますが、普通に接してくれています」

中「佳子さんは性適合手術は受けるのですか?」

佳子「今のところ考えてないです。体に対する違和感はありますが、見た目はこの通り女の子ですから、今はこれで満足しています」

中「トランスジェンダーの方が全て性適合手術を望んでいるわけではないですからね」

佳子「そうです。私の場合、手術までするのには抵抗があります」

中「しかし、このままでは戸籍上の性別は変えることができませんが、不都合はありませんか?」

佳子「確かに戸籍では『男』ですから、自分自身では嫌な気がします。でも、それは紙きれの話ですから、自分が内面的に女性として生きていければいいと割り切っています」

中「今はそうかもしれませんが、将来的に男性との結婚をしたいと思ったら不都合が生じますよ?」

佳子「確かに、そういう人が現れたら法的な性別変更のために性適合手術を受けようと考えるかもしれませんね。でも今は、仕事が面白くて、恋愛は考えていません(笑)」

中「佳子さんは、芸術系のお仕事ですよね」

佳子「芸術家としてはまだまだです。道は長いかなぁ…」

中「セクシャリティは人の生き方に大きく影響を与えるものですが、佳子さんは『枠』に囚われることなく、自由に生きておられる様な気がします。生き方として羨ましいです」

佳子「ありがとうございます。日々悩んでいた頃に、結局、ネガティブは何も生み出さないと自分で結論付けて、無理矢理でもポジティブに生きていくように決意しました。こういう自分だから、周囲に理解してもらうのは難しいけど、それを気にしていても、何も始まらないと」

中「現実を受け入れる覚悟を決めたわけですね」

佳子「ある意味、やぶれかぶれだけど(笑)」

中「何事も前向きに考えて乗り越えていく佳子さんは凄いと思いますよ。お仕事の方も花開くといいですね」

佳子「ありがとうございます(笑)」

中「今日はありがとうございました」

2010/01/01

明けましておめでとうございます。図らずも元旦の記事となりました。
今年も隔週金曜日の更新で記事を掲載して参りますので、よろしくお願い申し上げます。
さて今回は、前回に引き続き、レズビアンの涼子さん(仮名・32歳)が中橋にインタビューします。

中「色々ありますよ。例えば、カップルであれば、それぞれの将来のために、任意後見契約書の作成や遺言書の作成に関する仕事があります。LGBT向けのお店を始めたいというような場合には、必要な許認可をとったり、会社を設立したりする仕事をします」

涼子「後見だとか遺言書だとかいうと、かなり遠い将来の課題であるように思うのですが?」

中「確かに若い人にとってはそうかもしれません。でも、いつ何が起きるかわかりません。添い遂げたいと思うようなパートナーと出会えば、お互いのために不測の事態に備えようとするのは自然な感情だと思いますよ」

涼子「具体的には、後見や遺言書で何をどうするのですか?」

中「後見制度は、身体や精神の自由が利かなくなった場合に、後見人に財産管理などをしてもらう制度です。任意後見では、後見人を任意に選んで(パートナーや私達のような手続の専門家)万が一に備えます。遺言書では、法律上は相続権が無いパートナーに対して、相続と同様の法的権利を発生させたりします」

涼子「永久の愛を誓い合ったカップル向けの手続というわけですか?」

中「いえいえ、そうとは限りませんよ。身近な親族に世話を焼いて欲しくないとか、自分の財産を相続させたくないといった場合にも、任意後見や遺言書作成の手続は有効な手段です」

涼子「なるほど。自分の人生と真剣に向き合ったら、そういう事も考えなくてはならないでしょうね。私はまだそこまで性根が座っていません(焦)」

中「LGBTに限らず、人は誰でもいつかはこういうことを考える時が来ますよ。遅いか早いかは人によって違います」

涼子「私はまず永久の愛を誓い合う相手探しから始めます(笑) お店を始めるときの手続というのはどんなものがありますか?」

中「会社として始めるならば、まず会社設立の手続からですね。許認可が必要な業種の場合にはそれも取得しなければなりません」

涼子「中橋さんは、LGBT関係のお店ではどういう分野の手続をされることが多いですか?」

中「レインボーサポートネットには4人の行政書士が居ますが、私の担当は風俗営業関係が多いです」

涼子「フウゾク!?ん~、淫靡な響きですね。嫌いではないです(爆)具体的に教えて下さい」

中「風俗といっても、色々な分野があるのですよ。厳密な意味では、風俗営業法に規定されている業種のことを言います。バーやスナックの他にボーリング場やゲームセンターだって風俗営業の範囲なんですよ」

涼子「そうなんですか。Hな分野限定かと思っていました(笑)」

中「もちろんそれも含まれます。営業形態によって規制の内容が違いますし、地域の条例によっても規制されるものもあり、なかなかややこしいんです」

涼子「LGBT向けの風俗営業といったら、ゲイバーやビアンバーが代表的なんでしょうね。他に面白いどころはありませんか?(笑)」

中「う~ん、面白いというか、変わったところでは、ゲイビデオ会社の顧問業務でしょうか」

涼子「まさか、演技指導ですか!?」

中「…んなわけありませんが、許認可はもちろん、著作権に関する問題や対警察との問題など、コンサルティングする内容は非常に多いです」

涼子「ゲイビデオ業界って存在するのは知っていましたが、活況なんですか?」

中「需要は非常に多いようですね。しかし、ビデオテープやDVDといったメディアから、インターネットを使った動画配信へとその業態が急激に変化しつつあります。また業界の寡占化も進み、ゲイビデオ会社が母体となって、ビデオ以外のLGBT関連事業を行っていたりします」

涼子「小銭を元手に始めようと思っても難しそうですね」

中「撮影技術と良質なモデルの確保さえできれば、大手に販売委託するという方法もありますし、現に流行っていますよ」

涼子「へぇ~、ゲイの友達が失業したら勧めてみます(笑)」

中「風俗営業は、きちんと法の規制の枠内でビジネスを行えば何ら問題はありません。ただ、LGBTの風俗営業の実態に関して、風俗営業法という法律では律しきれていない部分もあるんです。私は中途半端になっている規制の部分に関しては、早急に見直して、LGBTの皆さんが安心して利用できるような業態にしていくべきだと願っています」

涼子「法の抜け穴というと得した気分になりますが、それは本来禁じ手であるべきものだから、危険も多いというわけですね」

中「そのとおりです。規制するのは守るべきものがあるから規制するのです。LGBTの存在は「守るべきもの」と認識されていないから、法の抜け穴は埋まらないままなのです」

涼子「犠牲になるのは、緩い規制を喜んでいるLGBT自身というわけですね」

中「そうです。その中でも特に危惧しているのは若い人達です。中には未成年もいるでしょう。大人は自己責任ですから構いませんが、10代や20代の若い世代のLGBT、特にゲイの子たちが危険にさらされているといってもいいでしょう」

涼子「レインボーノートにはそういう若い子の悲惨なお話も掲載されていましたね」

中「はい。私が関わるような事案は、ほんの少しです。今の日本の世の中では、多くの若いLGBTの身が欲望の世界の危険にさらされています」

涼子「具体的にはどうしたらいいのですか?」

中「私が唱えているのは二つのことだけです。①同性間の売春も禁止する。②ハッテン場という同性間の性行為の場を提供する業態を禁止する。以上です」

涼子「なるほど。でも、ゲイの内部からはあまり賛同は得られないかもしれませんね」

中「そうですね。永遠に無理かもしれません。でも私はこの二つが風俗営業法に追加されない限り、LGBTの権利の真の保証には程遠いと思いますよ」

涼子「権利って、広がっていくだけではなくて、規制という側面から得られる場合もあるのですね」

中「そうです。物事は内と外、表と裏、両方向から見ることが出来てはじめて本質を知ることが出来ます」

涼子「なるほど。いい勉強になりました。今日はありがとうございました」

中「最後は説教くさくなってすみませんでした。これからもレインボーノートをよろしくお願いします」

2009/12/18

今回は、中橋とセクシャルマイノリティの方の対談を掲載します。
第3回目の今回は、レズビアンの涼子さん(仮名・32歳)が中橋にインタビューします。

涼子「今回は攻守交代というわけですね(笑)」

中「当初はいつものように私がインタビューするはずだったのですが…(焦)」

涼子「中橋さん自身について色々知りたいと思っている読者の方もいるかもしれませんよ。今年最後の記事になるそうなのでちょうどいいじゃないですか」

中「JunkStageの記事では、結構自分をさらけ出してるつもりですけどね。書きたい放題書いてますよ(笑)」

涼子「読者的視点でツッコミますよ。覚悟して下さい」

中「はい。。怖いなぁ~」

涼子「まず、中橋さんがLGBTを対象に仕事をはじめたのは、ビアンカップルからの養子縁組相談がきっかけだそうですが、戸惑いはなかったですか?」

中「もちろん最初は戸惑いました。僕の頭の中では想定外でしたからね」

涼子「レズビアンとかゲイが同じ戸籍に入ろうとすることに抵抗はなかったのですか?」

中「そういうのもアリかなと思いました。手続上可能であれば、あとは本人たち次第ですから」

涼子「養子縁組は結婚とは違うということをいつも強調されていますが、同じ戸籍に入るということ自体では同じ意味ではないですか?」

中「養子縁組というのは、あくまで法律上の親子関係を構築するのだという意思が必要なんです。ですから、結婚したい意味で養子縁組しますというのはダメです。結果的には似ていても、最初の取っ掛かりのところで親子関係構築の意思がないといけないんです。これを法律学では「縁組意思」と言ったりします。縁組意思が欠けていた場合には、その養子縁組自体が無効になります」

涼子「う~ん、意味はわかりますが、戸籍って堅苦しいですね」

中「養子縁組関しては慎重にして欲しいので、縁組意思の確認にしても、その他のリスクにしてもよく知ってもらった上で考えてもらいたいです」

涼子「でも、縁組が嫌だと思えば離婚、、じゃなくて離縁できるのでしょ?」

中「できますよ。離婚と同じような様式です。届を役所に出すだけです」

涼子「それなら、お互いが家族になりたい!たとえ親子としてでも!と思えば、どんどん養子縁組すればいいじゃないですか」

中「同じ戸籍に入るということは、扶養の義務や相続関係など権利・義務の問題が多く付きまといます。簡単な気持ちでしては絶対にダメですよ」

涼子「なるほど(焦)」

中「それにLGBTの養子縁組には大きな問題が一つあります」

涼子「何ですか?」

中「民法では、一度でも養子縁組した者同士は結婚できないことになっています。つまり、もし将来、同性婚制度が出来た場合に、養子縁組をしているカップルは結婚できないという事態が生じるのです。これは性同一性障害の方には今大きな問題になっています」

涼子「そうなんですか!?知らなかったです。性同一性障害の方にとってはどうして大きな問題なんですか?」

中「性同一性障害の方は、性適合手術を受けた後、裁判所の許可が下りれば性別変更が可能となり、元同性と結婚が出来るようになったのはご存知ですね?」

涼子「はい、知ってますよ。元男性(今は性別変更して女性)と男性が結婚できるということですよね」

中「そうです。でも、性別変更前に養子縁組していたら、性別変更したとしても結婚できないんですよ」

涼子「え~!!これはえらいこっちゃないですか!」

中「養子縁組という手続は便利なようで、非常に厄介な側面があるんです。だから、安易にしてはダメですよ」

涼子「こういう戸籍制度の問題点は変えられないんですか?」

中「戸籍制度というのは国の基本構成単位である『家族』を規律しているものなので、変更には慎重な姿勢がとられています。変更するには大きな壁がいくつもあるでしょう」

涼子「私は戸籍なんて無くしてしまって、外国のように個人単位での管理に変えれば良いと思うのですが」

中「私もその意見に賛成です。しかし、個人単位の住民票などで管理したとしても、婚姻や縁組の制度は維持されるでしょうから、やはり抜本的に民法の家族法という部分を見直す必要があるでしょう」

涼子「同性婚やパートナー制度が創設される日は来るのでしょうか?」

中「う~ん、何とも言えないですね。ただ、日本は、宗教的なしがらみで政治が左右されることは少ないので、機運が高まれば、意外とすんなりいくかもしれません」

涼子「宗教によっては、同性愛を固く禁じているものもありますね」

中「そうですね。同性愛が違法であるとされている国もあります。逆に寛容な国や、トランスジェンダーを神格化するような地域もあったりします」

涼子「ところ変われば…ですね。日本に生きるレズビアンとしては、やはり日本はそういう個性にも寛容な国になって欲しいです」

中「権利は主張しなければ保護されません。やはり当事者から声を上げてもらうことが重要なんです」

涼子「そうですね。自分ができることを考えてみようと思います」

中「大それたことでなくてもいいんです。自分の周りの人がLGBTに対して誤った理解をしていたら、それを正してあげるくらいのことでもいいんですよ」

涼子「それくらいなら出来そうです。ところで、中橋さんはLGBTの方を対象にどのようなお仕事をされているのですか?具体的に教えて下さい」

(次回に続く)

2009/10/23

今回は、中橋とセクシャルマイノリティの方との対談を掲載します。
記念すべき初回は、Webデザインの会社を経営しておられるバイセクシャルのAさん(33歳)との対談です。

中「Aさんは、ご自分のセクシャリティをどのようにお考えですか?」

A「ゲイ寄りのバイセクシャルだと思います」

中「ゲイ寄り?どういう意味ですか?」

A「私の恋愛的ストライクゾーンは、男性側が広くて、女性側が狭いんです」

中「女性より男性を好きになることの方が多いというわけですか?」

A「結果的にはそうなるかもしれませんが、男性の好みはかなり広範囲なんですが、女性の好みは狭い範囲というか限定的というか理想とする確固たる女性像があってですね(笑)」

中「なるほど。バイセクシャルではあるけれども、男性も女性も均等に好きになるわけではなくて、好みの女性のタイプにピッタリ合致した時にだけその女性を好きになるというわけですね」

A「そうですね。理屈で考えるとそういうことになります」

中「Aさんは今お付き合いをされている方はおられるのですか?」

A「はい。付き合って1年になる彼女がいます。近い将来の結婚を考えています」

中「彼女さんはAさんがバイセクシャルだということをご存知なのですか?」

A「はい。私の元カレと一緒に3人で飲みに行ったりしますよ」

中「理解のある彼女さんですね」

A「私は自分のセクシャリティを恋人に隠すことをしたくはありません。隠してバレた時が怖いですから」

中「わかります。バレて大変なことになって、レインボーサポートネットに相談してこられる方も多いですから」

A「昔は隠していたんですよ。でもバレてしまって。。大変でした。もう修羅場!!だからもう隠すまいと」

中「経験に基づいていたんですね(笑)」

A「彼女に男も好きになれるとカミングアウトしたとしても、男との浮気を認めてくれっていうわけじゃないですからね」

中「では、過去の自分について告白する意味で彼女さんにカミングアウトするのですか?」

A「いえ、そうではないですよ。例えば、イケてる男性に街中ですれ違った時に、思わずその人を目で追ってしまうとか、好きな俳優が出ているテレビドラマを録画している事とか、そういう私の行動について、予めカミングアウトをしておけば、彼女としても理解しやすいじゃないですか。私もコソコソしなくてすみますし(笑)」

中「なるほど。でも、彼女さんは全面的に受け入れてくれているのですか?」

A「街中で、「あの人、あなたのタイプでしょ?」とか「あなたの好きな俳優がテレビに出てるよ」とかいう会話をして楽しんでいますから、基本的には受け入れてくれているのだと思います」

中「いい彼女さんですね」

A「ありがとうございます。こういう彼女だからこそ、結婚も考えられるのだと思います」

中「今後、もう男性と関係を持たない自信はお有りですか?」

A「鋭いツッコミですね(笑)でも、その質問は、ノーマルなセクシャリティの人に「今の恋人しか愛さないことを誓いますか?」と聞いているのと同じですよね」

中「確かにそうですね。バイセクシャルだから同時に両性を愛することが許されるわけではないですね」

A「そうです。恋愛関係は1対1のものですから。その時の相手が男性か女性かというだけの話です」

中「バイセクシャルの人は、何だか浮気性なイメージがありましたが、Aさんのお話を聞いていて私の認識が改まりました」

A「バイセクシャルはゲイからもヘテロからも攻撃対象になりやすいんです。ご都合主義の浮気性人間だと。でも、そう思われてしまうことがバイセクシャルの苦悩でもあるわけです」

中「浮気性というのはセクシャリティとは無関係ですよね」

A「そうです。バイセクシャルには独特の苦悩と苦労があることをもっと知って欲しいですね」

中「わかりました。今日はありがとうございました。また近々続きをお願いします」

A「ありがとうございました。続編の取材をを楽しみにしています」

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