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2008/11/22

今回は、おパリの学校に入学したときに発生したある疑問の話をしたいと思います。

私がおパリの学校でついていた先生は、おホモの紳士?淑女?ようわからんけど素敵な壮年のレバノン人でした。ピアノ科というと普通9割以上が女の人なんですが、うちの門下は9割が男の子でした。しかも各種美少年揃い…!鼻息!!ハリポタ系とか、頭ツンツンでズボンちょっとずらして穿いてるような子とか、神聖ローマ帝国とか(彫像のようなお顔の背の高い青年です)ナヨっとしていつもシャツの二つめのボタンくらいまで留めてないくせに何故かいつも赤い襟巻き巻いてる子とか、清楚な丸メガネのベトナム系とか…いやもちろんみんなピアノの腕もなかなかですが。とにかく彼らと先生の織り成すレッスンを傍から、オバサン眼福よぉ~と思わずじゅるじゅる涎をすすってしまいそうに…基本私ってニ次元しか萌えへん筈なのに、ヨーロッパ人やと三次元おっけーですかソーデスカ…とか思いながら見てますた。そして、先生はあまり女性の門下生はお取りにならないらしいのに、どうして見ず知らずの私を生徒に取ったのかを不思議に思っていました。

しばらくして、入学試験のときの服装が功を奏したのではないかと思い当りました。
日本では音大や芸大の受験というと、けっこう綺麗な、そして少し黒っぽい格好をしていくのが普通です。審査する先生方の目や記憶にとまるようにあえて色ものを着ていく人もいますが、学校の制服以外ではサテンとかそういうテロンとした黒のワンピや膝より下まで丈のあるスカートが一般的だと思います。が、ここは自由の都パリ。いち外国人である東洋系の小娘がどんな格好で受験に行こうが誰もかまわないだろうと思い、ていうか実は日本から送った船便が届くのが思ったより遅れて黒っぽい服に他に選択肢が無かったのが事実だったような気もするのですが、とにかく私はリラックス出来る何の変哲もない某衣服量販店の黒いジーパンと一週間ほど前にノミの市で買ったえらく暖かい紺色のとっくり(巷ではタートルネックというのでしょうか)を着て、黒の皮靴を履いて音楽院に向かいました。それが後の私の運命をだいぶ変える要因になる(?)とも知らず…。
なんというか、まぁ要するに、受験の演奏のとき、先生は、私を…男の子だと…思ったのではないかと…あ、ちょっときゃわゆい(ヒー!!)東洋人の男の子キター!みたいな…。
東洋人の名前なんて男か女か分からんし、ズボン履いてるし、髪短いし、うちの家系は悲しいかな胸ナイン(ボインの反対)やし、腕は異様に筋肉質やし、妙に爆音やし…あああ事実を並べていくうちに悲しくなってくる自分がいる…。

先生はとても親切で人間的にとても温かみの有る方で、英語サッパリ仏語もイマイチの私に簡単なフランス語で奥の深いレッスンをしてくださり、とても感謝しています。けど、あまりの語学の才能の無さに言葉によるコミュニケーションを最低限に留めていたために先生が何故私を門下に入れたのかは二年半ずっと訊けずじまいでした。ほんまに男の子と思われてたんやったらちょっと…微妙ですわ…。

2008/11/22 02:03 | ピアニストが出来るまで | No Comments

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