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2014/09/30

9月下旬、国際スケート連盟がIOCにシンクロナイズドスケーティングを
2018年冬季オリンピック競技に追加するよう申請したとのニュースが流れました。

人数の問題はあるものの、16人構成の10チームがショートプログラムをすべり、上位6チームがフリーに進む、
といった提案内容のようで、一時期噂されたような少人数制シンクロへのドラスティックな変更ではなく、
なんだか安心しましたね。

■NBCオリンピックトーク

■シカゴ トリビューン

日本チームの順位は12位(国順で7位)。このまま行けば出場は圏内、フリー進出の怪しいところ。
お隣の韓国チームや、中国なども力を入れてくることでしょう。うかうかしていられません。

2013/07/26

こんにちは!元シンクロスケータのみわです。
前回に引き続き、競技者としてのシンクロのおもしろさを解説しましょう!
(※もちろん、個人の体験に基づくので人により異なります。)

■16人の一体感
カップル競技(アイスダンスやペア)では、「ユニゾン」という表現で
ふたりの一体感や同調具合を評価することがありますが、
シンクロはその8倍のユニゾンをみせるというのをお題目に頑張っているわけです。
速度や歩幅はもちろん、膝や足首の使い方一つ、ダウンアップの呼吸、
踏み込みの速度、といったことも気を遣います。
各自シングル選手としての癖もあるわけで、チームで意識しないと、なかなか揃いません。
シーズン初旬は、新たなメンバーが加わったり古株が抜けたりで、
チームの一体感は、まだまだ。1シーズンかけて醸成していきます。
全日本に挑む頃には、例えばブロック(ビデオクリップ参照)の最初の踏み込みで、
16人の息があっていることを滑りながら感じることができるようになります。

■競技紹介
シンクロナイズドスケーティング PART3 by 神宮シンクロナイズドスケーティングチーム  「ブロックとサークル」

2013/07/15

先月末で現役引退したので、選手目線でのおもしろさは、日が経つにつれ忘れてしまいそうです。

ちょっと寂しいですが、10年続けてきた今だから書ける競技のおもしろさをお伝えしたいと思います。

 

今日はまず1点目、「思いがけず頭を使う競技」というのを説明します。

泳ぐシンクロに比べ、体すべてが見えてしまうので、すべてのボディーパーツの動きがシンクロする必要があります。

踏むステップ、腕のつなぎ方はもちろん、手の平や腕の上げ下ろしのニュアンス、顔の向き、表情、肩や腰の向き、

歩幅、フリーレッグの使い方といったものが、曲の細かいテンポまで定められた上、

16人の隊形の中での自分の位置、リンクの中における隊形のあるべき位置・速度、といったものを

演技の理想を皆と共有しながら、常に同じではない16人の滑り・氷の具合を意識した上で、

対応しながら滑るという、なかなか頭を使う競技なのです。

■予測力

他人の滑る方向やスピードを予測する力も必要です。何せ足元は滑っていますから、足前の上手さが

コントロール可能範囲を決めるとはいえ、限界があります。

例えば、スピードを落とすことなく、スムーズな隊形変化を実現するには、

3列の先頭のずれがどうであって、リンクに対してどういう角度で、どの曲のタイミングで

リンクのどこら辺にいなければいけない、といった調整をして、全員がまず理解に努めます。

さらに、あっと思った瞬間には次の隊形になっている、というスムーズさを見せつけたいのです。

隊形変化の瞬間には、難しいステップや回転動作が加わるため、「次はあの子の隣ー!」と

ずっと「あの子」を見つめているわけにも、いかないのです。「理想の動作を考えると、あの子は

これぐらいのスピードでこう動いてくるはずだから、私はこれぐらいのスピードでこの辺を狙って

入り込もう」、とか考えながら滑っているわけです。

■数学や物理のセンスも。。。

風車のように回転するウィール(Wheel)という技では、すべての羽(列)が均等な幅で滑っている必要があります。

隊形の中にいて、外から綺麗に均等に並べているかというのは、結構分かりにくいものです。

この辺は訓練と俯瞰力が問われます。

もう一つのキーワードは、遠心力。上手な遠心力の利用が、一番外周を滑る人のスピードを助け、スムーズな滑りを実現します。

この「張り」を習得するには、言語に尽くせぬ経験が必要です。

そして、ウィールには「移動する」という技があります。隊形を崩さず回転しながら、移動します。

移動の法則は、やもすると数学と物理の授業です。これも理屈を習得して体現できるようになるには、

結構時間がかかります。でも、一人が理解しただけではできないので、チームとしてできるようになるには、

年単位での取り組みが必要です。練習中は、思わぬ遠心力で転んでフェンスまで吹っ飛ぶということも

時折見かけます。。。

 

■競技紹介ビデオ 誰か一人になったつもりでビデオを追いかけるなんてイメトレもあります。

シンクロナイズドスケーティング 予告編

シンクロナイズドスケーティング PART1 by 神宮シンクロナイズドスケーティングチーム

シンクロナイズドスケーティング PART2 by 神宮シンクロナイズドスケーティングチーム

 

 

 

 

2013/04/27

シンクロナイズド・スケーティングという、日本ではまだまだマイナーな競技があります。

氷上のチアリーディングやアイスダンスが8ペア同時に滑るようなのをイメージしていただければ。
隊列変化の美しさやフィギュアスケートとして滑りの美しさを競います。

浅田真央ちゃんや高橋大輔さんたちは競技カテゴリとしては、シングルと呼ばれるわけですが、
シンクロは同じスケート連盟が束ねる競技の一つ、シンクロナイズドスケーティングとして、 カテゴリが確立されています。

アメリカでは競技人口9000人・600チーム、フィンランドではヘルシンキ市内の子供たちが
日本人がピアノをおけいこ事として習うぐらいの頻度でシンクロ教室に入るようです。
カナダ、ロシア、スウェーデン、ドイツが強豪国です。

世界選手権は2000年から開催され、世界ジュニアが2012年から2年に1回開催される運びとなり、
ユニバーシアードは2007年公開競技、2009年から正式競技となりました。
残念ながらオリンピック競技ではありませんが、多くのシンクロ関係者が実現に向けて活動している最中です。

日本チームは世界選手権第1回目から先日ボストンで開催された13回目まで、
出場し続けてきています。成績は10位から17位を行ったり来たり。
日本には世界で活躍するチームが東京に2チームあります。

■神宮シンクロナイズドスケーティングチーム
https://ja-jp.facebook.com/JINGUSYNCHRO

■東京シンクロナイズドスケーティングクラブ
http://ameblo.jp/sys/

神宮チーム 2013 世界選手権 フリー

2010/08/19

2010年世界選手権優勝チームは、フィンランドチーム。
愛称は”ロケッツ”。2005年の夏だったか、ハンガリーで行われた発展途上チーム育成キャンプで、指導コーチを務めていたのが、
ロケッツのコーチ、カイザ。出身は優勝常連チーム、スウェーデンのサプライズ。

若いながらも、ジャッジングシステムが新しくなったシンクロをリードしてきた一人。

滑りのスムーズさ、展開の速さ、動きの滑らかさ、ユニゾンが見所。

細かいステップを乱れず、ブロックが滑らかにスルスルっと移動していく様は、シンクロ経験者にしてみるとため息が出ます。

来年の世界選手権の開催地はフィンランド。ジュニアチームも世界選手権の優勝常連国というシンクロ大国。

どんな試合になるか、今から楽しみです。

2009/08/28

 

冒頭からノリノリのダンスで始まる、スウェーデンチームの2007年フリープログラム。
今まで10回以上開催されてきた世界選手権で半数以上のゴールドメダルを持つ強豪チームです。
愛称は Team Surprise。 その名の通り、観客がびっくりするようなプログラムを毎年毎年みせてくれます。
ハンガリー出身のアイスダンサー、アンドレア コーチが率いる、スウェーデンチームです。

このビデオクリップは、シンクロのビデオの中で最も視聴されているもので、私の大好きな演技のひとつです。
見所を順番に解説してみたいと思います。

最初の要素は、3列以上の列からなるブロック。16人のスケーターが、一糸乱れずに
素早いステップを確実なエッジ裁きでこなしていきます。
リンクの端でアップで写る際に、彼女らの体の面、衣装の見える様子がシンクロしていて
惚れ惚れしてしまいます。

ブロック要素の次は、3角形のインターセクション。3つのラインが互いに通り抜ける要素です。
互いに後ろ向きの状態から通り抜ける準備をして、回転動作をしながら通り抜けています。
一瞬一瞬で場所を把握しているんですね。

2列の要素はラインで、最も難しいレベルのラインの必須事項
・互いに至近距離にいて
・2本の列とも回転動作をしていて(ピボティング)
・互いの関係が常に90度
といったポイントを全てクリアしている演技です。

ラインの位置関係だけではありません。
位置を保ちながら、全員同じステップをこなしているんです。
同じ動きに見せかけて、少しずつ違うカーブを描いたり力の具合を
調節することで、出来上がるんですね。

さて、その次はムーブメント・イン・アイソレーションと呼ばれる最も派手な要素のひとつ。
4人で行われるグループリフトとペアリフトが、ぶつかりそうでぶつからない、スリル満点に
繰り広げられます。グループリフトのあげ方にご注目ください!1回転させてあげていますよね。

3文字の形をしたウィールという回転する要素では、回転しながら移動をしています。
端の選手にはかなりの遠心力がかかり、時折吹っ飛ばされることも。息が合わなければ出来ない要素です。

その後はサークル。円の形を保ちながら、移動したり、ステップを踏みます。

こうしてどんどんフォーメーションを換えながら様々なスケーティング動作をこなしていくのが、
シンクロナイズドスケーティングなのです。

Team Surprise は、高いスケーティングスキルと一瞬のうちに隊形変化を行ってしまうトランジションの素早さが
特長とも言えます。

その強豪チームに日本人選手が在籍していました。
今彼女は日本に帰国して、日本のシンクロチーム育成に励んでいます。
彼女のことはこちらから