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2010/06/07

マディソン郡の橋
【The Bridges of Madison County】1995年。

この映画も、1995年の映画だったコトに驚く。
印象に残っている映画を思いつくままに書いているだけなのに、1995年はこれで4つ目。

アウトブレイククルーレスユージュアル・サスペクツ
95年は大学を卒業した年で、映画を観る物理的な時間があった、ということもあるけれど
いろんなものを真っ正面から受け止めていた時期で、だからよく覚えているのだとも思う。

私にとってこの映画は『クリント・イーストウッド【Clint Eastwood】が監督の映画』の
それ以上でもなく、それ以下でもなかった。
それどころか、メリル・ストリープ【Meryl Streep】が
主演のフランチェスカ【Francesca】だたことも気がつかなかったぐらい。

短絡的に語ってしまえば、ストーリーはごく簡単なラブロマンス。
結婚してイタリアからアイオワ州マディソン群の片田舎に移り住んだ主婦が、ある日、
夫と子供達の留守中に、ワシントン州からやってきたカメラマンのロバート【Robert】に出会う。
わずか4日の間に 『生涯に一度の確かな愛』 に遭遇し、葛藤したものの駆け落ちはせず、
その後死ぬまでの24年間、家族にも秘密にし彼を愛し続けたことを、息子と娘が知る。

夫と子供達が帰って来る前日、家族を去ることができないと言うフランチェスカにロバートが言う。

+++
I’ll only say this once.
I’ve never said it before.
But this kind of certainty comes just once in a lifetime.

一度だけ言う
初めて言う言葉だ
これは生涯に一度の確かな愛だ
+++

ロバートは“this kind of certainty”と言っているが愛【love】という言葉は使っていない。

ヒトは、今ある現実の先にある未来と、変化によって新しくできあがる未来の選択に
多々葛藤し、錯覚であれ本物であれ、時に “kind of certainty” 必然的瞬間が来たと感じる。
異性間(今や同性間もあるけれど)の愛情限定ではなく、仕事や趣味の選択な場合もある。

不安に思うことは共通で、今を捨てたことを後悔せずに新しい未来に進むことができるほど、
その新しいコトは価値あることなのだろうかと。

隣の芝生が青く見えるというのは、常に比較する『今』があるから。
けれどその青さは時に、本当に『今』より青いことがあり、
そして反面、今の青さは離れてみると、思っていたより青いこともある。

フランチェスカの場合、ロバートがロバートであったからこそ愛したのか、
今の生活に不満だったから、ロバートが救世主に見え恋に落ちたのか。

昔この映画を観た時は、『クリント・イーストウッドの映画だから』、
意味は分からないけれど、『イイ感じ』の『上手な』映画で片付けた。

15年たった今観ると、まどろっこしいともとれるフランチェスカの自問自答が
決断する前に 『今の芝生の青さ』 をちゃんと知る為の、取るべき段取りなんだとそう思う。

私は、このふたりが『愛』に巡りあったというより、生きる『理由』にあったのだと思える。

別の映画で『きみに読む物語【The Notebook】』という映画を思い出す。
似たような2つの愛に悩む主人公の女性が、葛藤の末、変化による未来に進むことを選ぶ。
 
大切なのは、どちらが進むべき道なのかではなくて、進むべき道と決めたその決断に
どれだけ考え自分を納得させられるのか、だ。

そしてその葛藤は、時間と共に風化され美化され、いい具合にヒトの過去へと馴染んでいく。

ストーリー前半、フランチェスカとロバートが家で初めてお互いの人生について話すシーン、
昔思い描いた今じゃないというフランチェスカにロバートが語る。

+++
昔の夢は、よい夢
かなわなかったが いい思い出

The old dreams were good dreams.
They didn’t work out, but I’m glad I had them
+++

風化する思い出の為に、今葛藤することにたくさんの意味があるのだから、ヒトとはややこしい。

2010/06/07 03:09 | movies | 1 Comment

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