« | Home | »

2009/11/15

ボビー・フィッシャーを探して
【SEARCHING FOR BOBBY FISCHER】1993
2年間の教養課程を経て、デザイン科に進路を決めたJunior Year大学3年生の年。

7歳の息子ジョシュJoshに、チェスの天才的才能があることに気がついた父親が
悩みながらも共にプロのチェスプレーヤーの世界へと進んでいく実話をベースとした作品。

決して劇的な内容でも展開でもないのだけれど、この10数年、繰り返し観る度にその都度
その時自分に何が大切なのかを再認識させてくれる、噛めば噛むほど・・・な味のある映画。
登場人物それぞれが、まわりへの思いやりと自分の事情の狭間で、
迷い悩みながら道を見つけていく様がシンプルに描かれているからだろう。

息子のチェスプレーヤーとしての将来を思う父親。
大人の勝手な思いに流される息子を守ろうとする母親。

ジョシュに天才プレーヤーボビー・フィッシャーBobby Fischerを重ね
プロの世界の厳しさを分かる故に厳しく指導する師匠ブルースBruce。
本来のチェスの楽しさを失っていくジョシュを心配する公園の宿無しプレーヤー・ヴィニーVinnie。

そんなヴィニーVinnieの宿を心配するジョシュ。

“天才”少年もやっぱり親やまわりの大人の庇護の元にある普通の7歳の子供であり、
だからと言って子供は決して大人の、特に親の“持ち物”のように扱われるべきではないし、
そしてそんな大人も常に“正しいことが何なのか”分からず迷い進んでいるという普通のコト。

ストーリー前半、チェスのコーチを頼まれたブルースが父親フレッド・ウェイツキンFred Waitzkinを
ある公開試合に招き、プレーヤーとしての将来が決して輝かしいばかりではないことを見せ
それでもジョシュにプレイさせるか否かの決断を迫る。

+++

ブルース 『決めるのはあなただ』
Bruce 『You’re his father. It’s your decision.』

+++

決めるのは “ジョシュの父親としての” ウェイツキン氏だ。

更にストーリー中盤、今まで通っていた公立の小学校から
チェス設備のある私立の学校に移らないかと勧める父親にジョシュが答える。

+++

ジョシュ 『パパがいいと思うなら決めてよ』
Josh 『If you say it’s great, then it has to be.』

+++

パパがいいと思うなら “いいに違いないのだから” 決めてよい、という息子。

父親ウェイツキン氏が書いた原作には以下の副題が付いている。
“The Father of a Prodigy Observes the World of Chess”
父親としての立場を過小も過大もしないありのままの葛藤を感じる。

エンディングにも出てくるが、その後ジョシュはチェスだけでなく、
普通に釣りやスポーツを楽しみながら少年時代を過ごし、
そして米国チャンピオンを含むいくつものタイトルを勝ち取っていく。

更に、の、その後を調べてみた。
大学時代には心理学を学び、20代で始めた太極拳Tai Chi Chuanでは世界チャンピオンになり
2008年には子供達の教育の為の財団JW Foundationを立ち上げている。
人は彼のこの成功を “天才”だから、というかもしれないけれど、
遠い昔、彼の為に葛藤した大人タチがいなかったならば、今ある形になっていたのだろうか?

+++

たまたま数日後にシリーズで観た“ボーン”の2、3作目(ボーン・スプレマシー/
ボーン・アルティメイタム)でCIAのパメラ・ランディPam Landy役が素敵、と思ったら
ナント、ジョシュの母親役のジョーン・アレンJoan Allenという女優さんだった。
こんなたまたまって、なんか嬉しい。

2009/11/15 05:20 | movies | 2 Comments

Trackback URL
Comment & Trackback

[…] *** びっくりしたのは監督のシドニー・ポラック【Sydney Pollack】が 『ボビー・フィッシャーを探して』の製作総指揮としてかかわっていること。 好みというモノは、やっぱりどこか深い […]

[…] 1993_ボビー・フィッシャーを探して【SEARCHING FOR BOBBY FISCHER】 […]

Comment




XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">