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2011/11/17

つい最近劇場公開したスティーヴン・ソダーバーグ【Steven Soderbergh】の
コンテイジョン【Contagion】

(以下主要ストーリーのネタばれはありません)

ソダーバーグの話題作『オーシャンズ』シリーズや『トラフィック』に関しては
それほど絶賛する感じではなく、『チェ』シリーズも『インソムニア』も見ていない。

ただ、以前コラムに書いた『エリン・ブロコビッチ』がソダーバーグ監督作品と知り、ほぅ、と思う。

そしてこの『コンテイジョン』はかなり良かった。

マット・デイモン【Matt Damon】、グウィネス・パルトロー【Gwyneth Paltrow】、
ローレンス・フィッシュバーン 【Laurence Fishburne】、ジュード・ロウ【Jude Law】、
ケイト・ウィンスレット【Kate Winslet】と、文字通りの豪華俳優人である。

それをどうするんだろー、なんて心配は無用で、
緻密に組み立てられたストーリーが淡々と進んでゆく。

結果は何であるのか、何をこの映画から感じ取るべきなのか、は
多くのヒトにとって、結果不明であると思う。

+++

ストーリー前半、ある感染患者が死亡し、原因が何かと親族が医者に問いただす。
医者は脳系だと思うが、まだまただ不明なことが多く、
正確な原因が分からない可能性があると伝える。

その時に『不明』に対して発した言葉が “Dark” だった。
残念ながら、DVDと違って、劇場では巻き戻すわけにもいかず、
それでいて一文丸ごと覚えていられる素敵な記憶力がある訳でもなく
記憶の片隅に残っているのは “Most parts of human brain are still in dark side.”みたいな
意味合いのセリフ。

“Dark”と言われると、一般的に『悪』のイメージが強い。

でも元々は『闇』であり、見えないから分からない、
そして悪いことは突如として予期せぬ形で闇から飛び出てくる。
だから段々闇は悪しきモノになっていく。

答えのないものは全て闇の中にあり、一旦そこから出てくると
それらのモノには名前が付くのだろう。

それば0と1の関係に近いなと。
闇が0ならば、名前があるモノは全て1である。

主語がはっきりしている英語でも
やはり誰に、何に言及していいかわからないような未知の世界は
やっぱりあって、それを、割り切るようにdarkの中に放り込む医者と
理由があってほしいと思う故、理解できない家族。

けれど、darkは不明なだけで、悪しきと言い切れない。
こういうのをやるせない、というのだろう。
不明なモノを不明なママで抱え続けるコトは本当に難しい。

+++

ソダーバーグ監督の何気ないヒトのヒトらしさを伝える力はすごい、と思った。

好き嫌いがあるだろうけれど、特に日々が世の中に忙殺されがちと思うなら
ぜひ劇場で、そしてこのストーリーだけに没頭して見て欲しい。
自分にとって、何が、誰が大切か、その大切さをキープすると、
他で何が起こってしまうのか、が見えてくると、ヒトらしさを思い出すと思う。

2011/11/17 06:02 | movies | 3 Comments

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