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2008/08/15

ブレイブ ワン
【THE BRAVE ONE】

2007年。最近のジョディーフォスターの映画は、どこで、どう見ようか迷う作品が多い。
劇場なのか、DVDなのか。

結局この作品も迷った末に、DVDで、という結論に達し映画館に足を運ぶことはなかった。
約1年後のつい先日、レンタルビデオ店で何気なく見た棚にあり、思い出して手に取った。

NY在住のラジオDJエリカ、恋人と結婚を間近に控え幸せいっぱい。
そんなある日のこと、二人の日課セントラルパークでの犬の散歩中に悲劇は起こる。

3人組の暴漢に襲われエリカは意識不明に、
数週間後病院で目が覚めると恋人の葬式が終わっていた。

襲われたトラウマと恋人を失ったショックとで外出することに恐怖を覚えるエリカ、
そんな彼女が向かった先は拳銃販売店。
けれど申請してから登録完了した1ヶ月後じゃないと銃が手に入らないと知り、
それでは遅すぎると店を出た彼女に、中国人の男が違法銃を売りつける。

少なくとも心の安定を手にいれたエリカ、訪れたコンビニ(NYではデリと呼ぶ)で
不幸にも痴話喧嘩のもつれで女を撃ち殺す男に遭遇し、その男を撃ち殺してしまう。
そこからは転がるように2回、3回といわゆる『社会の悪』を殺していく。
悪を成敗してなぜ悪い、という彼女の心と罪の葛藤、そして恋人を殺されたやるせなさ。

そんな彼女の元に襲った3人組の手がかりが舞い込む。
どうやら恋人を殺したのはそのキーとなる女性のボーイフレンド、
男の居場所を教えてくれと詰め寄るエリカ。
女性は以前ボーイブレンドから見せられた暴漢シーンの録画映像を思い出し
エリカがその被害者と知る。

+++

エリカ 『彼はどこ』 『教えて』
女性 『襲われた女ね』 『二の舞はいや』
エリカ 『住所か電話番号を』
女性 『いや!』 『帰ってよ!』

Erica 『Tell me where he is!』
Lady 『No.』 『I saw what they did to you.』 『That shit can’t happen to me.』
Erica 『I wanna know where he is.』 『Can you tell me where he is?』 『I..』
Lady 『No, No.』
Erica 『I need an address, phone number, anything』
Lady 『No!』

+++

女性はなんでエリカが被害者って分かったんだろう?
もちろん私たち観客はエリカが被害者なのは知っていて、
知っているからこそスルーしてしまうところだ。

この映画の冒頭で3人組の男の1人が暴漢シーンをムービーで撮っている。
そのカットは随分長く、そしてとても象徴的で印象深い。

原語のセリフを見ると『I saw what they did to you.』と、
『saw=見た』と女性が言っている。彼女はビデオを見たのだ。
だからエリカが被害者と気がついた。

セリフは『That shit can’t happen to me.』と続く。
『そんなこと自分には決して起こりえない=教えたらボーイフレンドに同じ目に遭わされる』
鮮明な映像を見ているからこそ、二の舞の恐怖は計り知れない。

もちろんセリフのアクセントや2人の表情でただならぬ雰囲気が伝わってくるけれど
原語からは、更に字幕にはない緊迫感が伝わってくる。
エリカだけじゃない、瞬間的にその女性のドラマがものすごい緊張と共に浮かびあがる。

映画の楽しみ方は映画館に行くことだけではないと思う。
特にヒューマンドラマは、何かに行き詰まったり、落ち込んだりした時に見ると、
感動し、考え、世界は広い、明日も頑張ろう、って思わせてくれる時がある。
そんな映画タチのセリフの1つ1つは丁寧に作られ、そして紡がれている。
それが分かると、真剣すぎてつまらないようなヒューマンドラマ映画がとても身近なモノになる。

1997年の『コンタクト【CONTACT】』あたりから、
ジョディーフォスターの映画はそんな感じだなと思っていたら
1994年に自分で設立した映画会社の1作目を制作していた。

なるほど、きっとここが彼女の転機で、そして今、セリフのひとつひとつが
彼女の人間としての素朴なメッセージとなっているのだろう。

2008/08/15 05:07 | movies | 1 Comment

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