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2013/11/17

マイ・ブルーベリー・ナイツ
【My Blueberry Nights】2007年

日本では2社目、アメリカを入れると3社目、に転職してすぐの頃。
ポスターの構図と、ビビッドな緑と赤の配色が良くて見に行った。

帰国して丸5年目、スクリーンの中のもの、
カフェだったり、バーだったり、金属音を鳴らして通りすぎる電車の
何もかもが懐かしく、帰りたいとは思わなかったけれど、
その時いた日本が異国に感じるほど馴染みのある空間だった。

今見るとそれはもう逆になっていて、ハイウェイや黒人のマスターや、
それこそブルーベリーパイまでもが外国のものに見えるようになっていて、
あれから随分たったのだなぁと思わされる。

セリフがシンプルで、英語も分かりやすく、でもひとつひとつが選ばれた言葉の塊で
ざらっとした画面が時折入り、あれ、こんな雰囲気ある映画だっけ?
と思ったら、ウァン・カーウァイ【Wong Kar Wai】の映画。

特に大ファンではないけれど、『ブエノスアイレス』ではなく、
『花様年華【In the Mood for Love】(2000年)』で初めて彼の名前を覚えた。

失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)が、以前恋人と行ったカフェにやって来て
今度彼を見たら返して、と店の経営者のジェイミー(ジュード・ロウ)に合鍵を預ける。

それからエリザベスは何度も鍵の様子を見に閉店間際のお店にやってくる。
ずっと置き去りの鍵、でも本当は誰かと話がしたいから。

何が理由でダメになったのか知りたがるエリザベスに
理由がないことだってあるさ、とジェイミー。

それでもすべてに理由があるはずと訴えるエリザベスに言う。

カフェでは毎日、何故かブルーベリーパイが売れ残る。
チーズケーキとアップルパイはいつも売り切れ。
ピーチ・コブラー(って初めて聞いた!Cobbleからくる、クッキーの塊が寄せ集まった
ザクザクしたコブケーキらしい!)とチョコレート・ムースもほぼ完売。
でもブルーベリーパイはいつも手付かずで残ってしまう。

理由なんてなにも
パイのせいじゃなく 注文がない

It’s nothing wrong with blueberry pie. Just people make up choices.
You can’t blame blueberry pie, but no one wants it.

そして捨てられそうになったパイを、私が食べる!とエリザベス。
これがブルーベリー・ナイツの始まり。

『You can’t blame blueberry pie』、ブルーベリーパイを責めることはできないよ、
=パイのせいじゃない、っていう表現がどうにもこうにも可愛らしい。

ブルーベリーがどう頑張ってもアップルやチーズになれないように
本質的な自分の美味しいところ、持ち味、は変わらないし変えられない。

ブルーベリーだからブルーベリーパイになった訳で、
それを責めたってしょうがない。

とつまりはジェイミーはエリザベスを慰める。
ここが一番ラブ・ストーリーっぽいけれど、すごく本質でもあるなぁと。

それからエリザベスは傷心旅行へと飛び出す。
道中カフェやバーで働き、数々の“傷つく人”に出会う。
知らずにそれは心に負った傷を癒していき、そして自分の自信を取り戻していく。
個人的には癒す、というより、気持ちに慣れる、に近い気がする。

時は流れていても、気持ちの時間が止まっていることってあるよね、と思い
それを動かすのは結局自分次第なのね、と辛くなる。

その描き方がなかなか良くて
久しぶりにDVDで見直したら、5年前に見た気持ちとは
また違う気持ちで心に響いてしまった。

悲しくても、悔しくても、傷ついても、
嬉しくても、伝えたい人には声に出して伝えないと、進まないのね、と思う。

2013/11/17 01:35 | movies | 1 Comment

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