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ここ数年、なぜだが映画館へ行くのがおっくう。
DVDではなくて映画館で映画を観ることは、ストレス解消のひとつとなっていて、
選ぶ映画もエンターテイメント満載の、仕事終わりにふらりとひとり立ち寄り、
どーん、ばーん、ばんざーい!的に見れるものが多いし、それを好む。
ならば、今やそれほど解消するストレスが少なくなった、と喜ぶべきかもしれない。
そんな訳で2014の映画館の映画タチも2013に引き続き印象が薄く、
年が明けてもぐずぐずしていたけれど、それでもやっぱり振り返るコトにする
ゼロ・グラビティ【Gravity】
90分と短い映画に、宇宙という未知の広い空間、その広さに対比するような
宇宙船という狭い空間に閉じこまれた、孤独と恐怖の長い闘い。
酸素が減り機材が使用できなくなり、と物理的な要素が削ぎ落とされるように
主人公ライアンの人生の悩み、わだかまり、邪念もそぎ落ち、
生きることへの欲望と希望へ、とシンプ化される。
過去をリリースするコトは多大なエネルギーがいるのだな、とコラムも書いた。
マイティ・ソー/ダークワールド【Thor: The Dark World】
マーベル原作、1作目が良くて見たけれど、まぁ2作目、という感想。
原作を知らず個人的な意見だが、ヒロイン役のナタリー・ポートマンが
それまでの主人公のソー(クリス・ヘムズワース)の人柄とうまくシンクロできず、
しっくりこなかった。同じキャストなら次を見るのを躊躇しそう。
エンダーのゲーム【Ender’s Game】
2014年のベスト1の映画。LIFE!とどちらが良かったか、と迷う。
ドラマが普遍的な人生の意味や今ある社会的な課題を反映するとしたら、
SFというのは近未来をすごくリサーチして作られ、
その未来に対しての期待と警告が色濃く盛り込まれていると思い、そこが好きなところ。
宇宙の敵に打ち勝つ為、シミュレーションで戦闘訓練を受ける地球人の少年少女。
ゲームと現実の戦いの境目をいつか超えてしまう、現代の課題とも言える。
そんな怖くも考える意義のある印象的な映画だった。
鑑定士と顔のない依頼人【La Migliore Offerta/The Best Offer】
この映画の結末に対してまわりで賛否両論があり、私はすごく好きだった。
堅物の美術鑑定士が、ある日顧客の若いミステリアスな女性にはまる。
身を滅ぼしていく様が、緩やかに、けれど彼の心は激動的で、と進行する。
モノに固執すること、お金の価値、自分の行動への納得、信じること、希望をもつこと
愛を知らないこと、一度知った愛するということを失うこと、許すこと恨むこと、
幸せか否かを決めることは客観的な他人の“ものさし”でしかない。
見る人の気持ちによってだいぶ解釈が異なってくる映画、と思う。
大統領の執事の涙【Lee Daniels’ The Butler】
昔見て良かった「マンデラの名もなき看守【Goodbye Bafana】」を
勝手にイメージして見たせいか、ストーリーにモノ足りなさを感じる。
執事役のフォレスト・ウティカーは割と好きな俳優なので、余計残念だった。
映画ドラえもん 新・のび太の大魔境
ドラえもんを初めて映画館で見る。子供の時に見た大魔境をそのままリメイクで、
長編シリーズすらもコミックでしか読んだことがなかったので、懐かしく、楽しめた。
LIFE!【The Secret Life of Walter Mitty】
「エンダーのゲーム」がSF部門ベスト1ならドラマ部門でのベスト1。
ちょっとブラックなコミカルさと誠実さを合わせ持つベン・ステラーの良さが出ていて、
映像も美しく、何よりもその映像に合う音楽の選曲が良かった。
フィルムからデジタルへ移行するフォトの世界は、
そのまま手作りから機械生産に移行する今を象徴しているようで、
そこに今、ヒトの気持ちをどう置いていくのか、と思わされる。
毎日頑張る私タチにも活力を与えるけれど、同時に経営するヒトタチに見てもらいたい。
当たり前のことだが、ヒトに与えるモノを生産している限り、
働くヒトもそのひとり、綺麗ごとだけれど、大事にするべき、と思う。
アメイジング・スパイダーマン2【The Amaging Spider-man 2】
トランスフォーマーシリーズと一緒で、とりあえず出たら見るシリーズ。
安定感のあるThe エンターテイメントな映像に、見た後の爽快さがいい。
アナと雪の女王【Frozen】
とにかく子供受けが良かったというこの映画、普通に好きでした。
吹き替え版と字幕版の両方を見たけれど、吹き替え版の精度はかなりのもの。
さすがディズニー。
オール・ユー・ニード・イズ・キル【Edge Of Tomorrow】
「オブリビオン」的なトム・クルーズの映画。
彼のSFモノは思考がクリストファー・ノーランと似てテーマが割とサイコなのだけれど
クルーズの俳優歴の長さか、その課題をそれほど難しくなくすごく一般的に噛み砕き、
楽しめ、ラストにちゃんとハリウッド的なハッピーエンドを持ってくる。
ほどよい緊張感もあって、見ていて楽しい。原作は日本人、桜坂洋(さくらざかひろし)。
トランスフォーマー/ロストエイジ【Transformer: Age of Extinction】
このシリーズは、とにかく出たら見る。オプティマスの声が良く、TVシリーズも演じる
ピーター・カレン【Peter Cullen】。調べると他にもアニメ多数に出てる年季ある声優。
毎回ながらトランスフォーマーたちがトランスフォームする映像の緻密さがすごい。
主人公がシャイア・ラブーフからマーク・ウォールバーグに、
テーマ曲がLINKIN PARKからImagine Dragonsに変わり、と。
インターステラー【Interstellar】
仕事で、行き詰まるほどではなかったけれど、考えてもしょうがないよね、
と思うタイミングに、息抜きに見る。
クリストファー・ノーランは大好きな監督で、前半の勢いに比べ、
全貌が見えてからの後半の流れがやや説明的で野暮な時も多々あるけれど、
ただのSFで終わらせない、話の細部まで埋め尽くす徹底さと、人情をあわせ持つ。
今回もパラドックスな、アインシュタイン的な物理に親子愛を交え、いい話だった。
妖怪ウォッチ
噂のこの映画、子供タチと見る。やっぱりほろりと。
グラント・ブタペスタ・ホテル【Grand Budapest Hotel】
旅先の飛行機の中で見る。大画面で見たかった!と思うほど各シーンが色鮮やか。
つながりがないような、あるようなシーンが積み重なり、童話を読むように話が進む。
イギリス/ドイツ製作映画、普段見るアメリカ映画にないシュールさに
ヨーロッパの文化を感じる。
—
映画館だけでなく、DVDでも映画は見ている。
2014年に初めて出会った映画タチから、いつかコラム書きたいと思ったものを。
縞模様のパジャマの少年【The Boy in Striped Pyajamas】
製作はイギリス・アメリカ。
ナチスとユダヤ人を題材とし、友情を深めた境遇が異なる少年達の悲劇的な末路を
容赦なく、けれど彼らの純粋な心揺さぶる友情物語として紡いでいく。
感動、というより切ない気持ちになる。
非情な過去とは、起こってしまったものとは変えられないから、伝えるしかないのだろう。
主人公の少年エイサ・バターフィールドが、「エンダーのゲーム」の主人公、
タイミングとは面白い。
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日【Life of Pi】
映画で見ようと思っていて見逃した映画。
もっと子供向けと思っていたら、とんでもなく深い話だった。
印象深い結末に、どこまでが事実で、どこまでが物語なのか困惑する。
けれど少年だったパイが大人になって語る、その長い物語の意味の深さが素晴らしい。
「鑑定士と顔のない依頼人」のように意味の解釈を観客に任された、そういう話。
—
2015年、さて今年は何を見よう、と言うよりどう見ようか、と思う。
数年前から、「縞模様のパジャマの少年」のような作品を映画館で観たいと思っている。
けれど難しく考えさせる映画を見に、とは、なかなか足が運ばない。
それはふらりと見るには打撃が強すぎで、見終わった後に立ち上がれないかもしれないから。
ならばヒトと一緒に観ようと思う。
今年はまずは一緒に映画に行ってくれる人を探そう、かと。
年末になると、1年間どんな映画を映画館で見たかを振り返る。
今年はびっくりするぐらいに映画館に行かなかった、という印象だったけれど
単に前半に偏っていて、後半に行ってないだけの、印象の問題だった。
テッド【Ted】
馬鹿馬鹿しくて、でもちょっと芯がある映画は
単なる時間つぶしだけじゃない娯楽の良さを感じる。
無責任と楽しむことは違うけど、毎日気持ちをリフレッシュして
そして周りの有象無象も昇華してしまえるパワー、面白すぎた。
LOOPER/ルーパー【LOOPER】
時間の歪みの話は個人的に大好きです。
現実的ではないけれど、科学の進歩と一緒に出てくる疑問は
映画や小説に描かれ、いつか実現化される、という可能性を秘めているので。
アウトロー【Jack Reacher】
トム・クルーズかブラッド・ピットか、と言われると
演技的、と言うより作品の色的にトム・クルーズの方が好きです。
これはこれで、まぁ、うん、ハリウッドの流行り?という感想だったので、
ジャッキー・コーガンは見なかった。
フライト【Flight】
“ザ・ウォーカー”から私の中で印象がガラリと変わったデンゼル・ワシントン、
この映画も良かった。
社会のルールの“善”と自分の個性の社会的な基準で言うところの“悪”
ただのアル中の話なのに、この折り合いの付け方が豪快です。
ジャックと天空の巨人【Jack The Giant Slayer】
CG、の進歩を確認。ジャックと豆の木がこんな風に実写されるのも科学の進歩。
今が子供時代の世代にとってこれが普通になるんだろうなぁ、
でも、後の楽しみがない気がしてもったいない気もする。
オブリビオン【Oblivion】
2013年のベスト3です。ベスト2は前述の“フライト”。
コラムにも書いたけれど“月に囚われた男”があって
このオブリビオンがあって、という順番で良かったかも。
エンターテイメントってこういうモノだなぁ、というぐらい、映像も綺麗で
映画館で見ている間、どこにいるのかを忘れてしまった。
スクリーンで見て良かった映画。
31年目の夫婦喧嘩【Hope Springs】
今、老夫婦のセックスライフがテーマの映画を見るのもどうかと思うけど、
メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズだからねぇ、見てしまった。
歳とった、いわゆる往年の二人がそのままな感じで素敵でした。
風立ちぬ
宮崎県監督の若かりし思い出かな、とか、
いろいろな作品での空を飛ぶことへの表現の原点かな、とか、緩やかに見た。
生きた記憶は、人の生き死にと共に長くて100年、そんな過程を感じた。
きっとうまくいく【3 Idiots】
2013年のベスト1。ロングランで絶大な人気で、それだけの評判の訳がある。
この映画を見て、“グッド・ウィル・ハンティング“を思い出し、コラムも書いた。
教育、知識欲、人間性。
尊敬される人になることは、ただ素直でいればいいだけかもしれないです。
クロニクル【Chronicle】
ベスト3に入れるには暴力的すぎるので、番外編特別賞、的に衝撃的でした。
“フライト”が大人の社会の善悪の話なら、子供の、高校生の社会が学校の中にしかない
その人間的な悪が剥き出しで、本当に怖く、もろく、悪だとしても純粋な悲しい話です。
これはすごすぎる。
ウルバリン:SAMURAI【The Wolverine】
外国人が好みそうな日本の描き方がベタベタで、気が散ってしまった。
ヒュー・ジャックマンファンじゃないと、乗り越えられない演出だなぁ。
ただ、真田広之はうまかった。
英語も、発音も、ちゃんと演技レッスンしてるんだろうな、と思う。
クラウド・アトラス【Cloud Atlas】
見る前の期待が大きすぎたのか、
私的には、何かボタンをかけ違った映画に思えてしっくりこなかった。
ソンミの話も、都度表現される人間的な葛藤もとても興味深く面白かったのに
トム・ハンクスとハル・ベリーで締めくくる必要があったのか、とか。
並べてみると、自分の関心がどこにあるのかが分かって面白い。
今年は社会の中の自分と、個性としての自分の戦いだったようです。
その結果はあるようでないようで。しばらく映画館とは離れていたので、
来年の初映画館で何を見るのか、それが楽しみです。
私事ながら先日、junkStageアワード2012で賞をいただいた。
新しいライターさんが次々と受賞される中、光栄にも2度目の受賞。
正直予想をしていなかったのでとても驚いた。
2010年のアワードではスタッフ特別賞をいただき『初心』を思い出した。
今回の受賞では、『継続』ということを思う。
私の更新は決して多くない。
コラムを開始した当初、タイトル通りに毎回映画のことを書きたい、と思ったけれど、
書き始めてすぐに、次々と書いて行ったら、
私の映画の倉庫はすぐに空っぽになってしまうと気がついた。
何とない映画の感想は書けるけれど、
意味のあると感じる言葉を含めた映画に出会うことは少なく、
更にそれを自分の身体の一部として書きモノにするスピードが
思うより時間がかかると分かった。
面倒であるけれど、自分の納得いくペースなのだから付き合うしかない。
それからは映画のことと、昔アメリカで生活したことを織り交ぜて書くことにした。
意外にそのペースが自分に合い、更に昔の生活を思い出すことで
以前見た映画の記憶が呼び覚まされ、思い出と共に次の映画へ繋がったり、と
今日ここまで続けることができた、と思う。
月1回の更新もままならない時期もあり、
それでも励ましここにいる場所を作ってくれたJunkStageスタッフの方に感謝したい。
先日、ひょんなところで村上春樹訳マーク・ストランドの言葉に再会した。
In a field
I am the absence of field
…………. 野原の中で僕の分だけ野原が欠けている。
This is always the case
…………. いつだってそうなんだ。
Wherever I am
I am what is missing.
…………. どこにいても僕はその欠けた部分
(Keeping Things Whole (物事を崩さぬために) 全文こちら)
『I am what is missing.』
欠けている、といことは自分の居場所があるということ。
そしてその居場所はずっと、という継続の賜物であり
不思議なコトに ‘継続’ と ‘同じ’ はイコールではない。
keep going、とよく言うけれど
変化をし続け、前へ前へと進むからこそ継続が生まれる。
自分が『欠けたもの』になれるよう、
少しばかりの誰かが読むのを楽しみにしてくれるよう、
引き続き色々な映画を自分の感じる言葉で書き綴っていきたいと思う。
最近映画館へ見に行く映画の自分の選択が、
振り返るとあまりに何も残ってないものばかりで唖然とする。
一昨年の年末に『2011年の映画館』のコラムを書いた時は
もう少しマシだったように思う。
ジョン・カーター【John Carter】
期待してなかっただけに割と好きでした。
さすがディズニー、良質。ぱっと華やかではなかったけれど話が上手にできてた。
タイタンの逆襲【Wrath of The Titans】
前作があまりに良くなかったのをすっかり忘れて見てしまう。
これは久々の“しまった”でした。このあたりから迷走。
バトルシップ【Battleship】
歌手リアーナが出演していて、おぉ、と思ったものの、まあ普通でした。
CGは見事だったけど、話にもう少し重みが欲しかった。
幸せの教室【Larry Crowne】
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツ、という組み合わせですでに不安感があった。
中年男性の第2の人生として大学に通いスキルアップする、という題材がすごく良いのに
何故か恋愛話で終わらせ、しかもおさまりが悪かったのは、役者の組み合わせだと思う。
ダーク・シャドウ【Dark Shadows】
いつも通りクレージーで楽しかったけれど
ティム・バートンとジョニー・ディップのコンビの限界を感じてきたなぁ。
メン・イン・ブラック3【Men in Black III】
これはもう、安定感ある展開。シリーズ3でも飽きさせない動きと
意外なストーリーの展開も。
そして友よ、静かに死ね【LES LYONNAIS/A GANG STORY】
フランス映画。ふらりと見ただけなのに、役者の日本来日舞台挨拶に遭遇。
仁義、なストーリーに安定感と共感。
アーティスト【Artist】
2012年で観た映画ナンバーワン。無声、白黒、なのに新しい。
コラムも書きました。
ワンデイ【One Day】
ラブストーリーとしてはありきたりだけれど、
アン・ハサウェイの女優としての着々とした成長を感じる映画。
スノーホワイト【SNOW WHITE AND THE HUNTSMAN】
コラムにも書きましたが、とにかくシャーリーズ・セロンがうまい!
主演のクリステンの演技にもっと幅があれば傑作になっていたのにと、残念。
アメイジング・スパイダーマン【THE AMAZING SPIDER-MAN】
今までの3部作が全くなかったかのような新シリーズ。でもありだと思うな。
トビー・マグワイアとはまた違う味があって、今っぽい面白さで。
崖っぷちの男【MAN ON A LEDGE】
発想は良かったけれど、もう少しひねりが欲しかった。
マダガスカル3【MADAGASCAR 3: EUROPE’S MOST WANTED】
久々に、というより初めてキッズ映画をキッズと一緒に日本語吹き替え版で観たけれど、
意外に楽しめるもの。見方が変わりそう!
プロメテウス【PROMETHEUS】
前半が良い感じだったのに、後半すっかりエイリアンに。
ルーツは感じさせても、話はちゃんと組み立てて欲しかったなぁ。
着眼点がいいだけに残念。
ダークナイト ライジング【THE DARK KNIGHT RISES】
クリストファー・ノーランのバットマン。美しい映像、綺麗だった。
いろんな演出が派手すぎでもっとアンダーグラウンド的なバットマンが好きですが、
これはこれで。
ロラックスおじさんの秘密の種【DR. SEUSS’ THE LORAX】
これも吹き替え版で。まあまあでしたが子供達は楽しんだよう。
リンカーン/秘密の書【ABRAHAM LINCOLN: VAMPIRE HUNTER】
リンカーンとヴァンパイアという接点になんの脈絡もなく、
果たしてリンカーンである必要があったのか?
映像的なエンターテイメント性は抜群でした。
砂漠でサーモン・フィッシング【SALMON FISHING IN THE YEMEN】
アーティストに次ぐ今年のいい映画!
馬鹿馬鹿しさの中にある真実。イギリス映画っぽいです。
カラスの親指
なかなか面白かった、が最後のどんでんからがちょっと長かった。
阿部 寛が日本映画界の役所広司や中井貴一的なポジションに
近づきつつあるのかなと思う。
シルク・ドゥ・ソレイユ 彼方からの物語【CIRQUE DU SOLEIL: WORLDS AWAY】
実際のシルク・ドゥ・ソレイユが見たくなった。
映像ならではの美しさもありつつ、映像では見せ切れない部分もあるのだろうけれど、
芸術とはこういうものかと、ぼんやり思う。
さて、こう並べてみると、そんな悪くなかったのでは?
とは思うものの、コラムに書きたくなるほど良質、という意味では
やはりパンチに欠ける一年でした。
若干『何も考えなくても“楽しく”観れる』映画に偏りすぎたなぁ、と。
今年は少し頑張って、ストレス解消だけじゃない映画も数多く見ねば、と。
コラムに書く映画は、基本映画館で見て、良かったのでDVDで何度も見る、
またはレンタルDVDして、あまりに良くて購入し、これまた何度も見る、
そういう大好きな映画タチ。
更にその映画が好きな理由が、監督だったり、
そのストーリーの中にいる“ある”役者が演じる“人物像”に胸打たれて、
と掛け合わせだったりする。
そしてDVDでみれば異なるが、その映画がいつ頃作られたのか、というのも
自分の人生のタイムラインと照らし合わせると面白い。
そんな理由から、コラムリストを製作年順に作成してみた。
気がついたら更新していこう。
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2013_ゼロ・グラビティ【Gravity】
2011_コンテイジョン【Contagion】_スティーヴン・ソダーバーグ【Steven Soderbergh】
2011_ものすごくうるさくて、ありえないほど近い【Extremely Loud and Incredibly Close】_The 9/11 in 2001
2010_トイレット_もたいまさこ
2010_ザ・ウォーカー【The Book of Eli】_デンゼル・ワシントン【Denzel Washington】
2010_プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂【Prince of Persia: The sands of time】_ディズニー映画
2009_月に囚われた男【MOON】_ダンカン・ジョーンズ【Duncan Jones】
2009_マイケル・ジャクソン THIS IS IT【THIS IS IT】_マイケル・ジャクソン【Michael Jackson】
2008_幸せになるための27のドレス【27 Dresses】_キャサリン・ハイグル【KATHERINE HEIGL1】
2008_ハンコック【HANCOCK】_ウィル・スミス【Will Smith】
2007_マイ・ブルーベリー・ナイツ【My Blueberry Nights】_ジュード・ロウ【Jude Law】
2007_その土曜日、7時58分【Before the devil knows you’re dead】_フィリップ・シーモア・ホフマン【Philip Seymour Hoffman】
2007_ライラの冒険 黄金の羅針盤【THE GOLDEN COMPASS】
2007_アイム・ノット・ゼア【I’M NOT THERE】_ボブ・ディラン【Bob Dylan】
2007_ブレイブ ワン【THE BRAVE ONE】_ジョディーフォスター【Jodie Foster】
2006_レディ・イン・ザ・ウォーター【LADY IN THE WATER】】_ナイト・シャマラン【M. Night Shyamalan 】
2006_ペネロピ【PENELOPE】_クリスティーナ・リッチ【Christina Ricci】
2006_タロットカード殺人事件【SCOOP】_スカーレット・ヨハンソン【Scarlett Johansson】
2001_モンスターズ・インク【MONSTERS, INC.】
2001_バニラ・スカイ【VANILLA SKY】_アレハンドロ・アメナーバル【Alejandro Amenabar】
2001_アザーズ【the Others】_ニコール・キッドマン【Nicole Kidman】
2000_グラディエーター【GLADIATOR】_リドリー・スコット監督【Ridley Scott 】
2000_メメント【MEMENT】_クリストファー・ノーラン【Christopher Nolan】
2000_エリン・ブロコビッチ【ERIN BROCKOVICH】_ジュリア・ロバーツ【Julia Roberts】
1999_サイダーハウス・ルール【THE CIDER HOUSE RULES】_トビー・マグワイア【Tobey Maguire】
1999_ギター弾きの恋【Sweet and Lowdown】_ウッディ・アレン監督【Woody Allen】
1999_2002_ロズウェル ー星の恋人たち【ROSWELL】_海外ドラマ
1998_ユー・ガット・メール【YOU’VE GOT MAIL】_メグ・ライアン【Meg Ryan】&トム・ハンクス【Tom Hanks】
1997_ボルケーノ【VOLCANO】_トミリー・ジョーンズ【Tommy Lee Jones】
1997_フィフスエレメント【The Fifth Element】_ブルース・ウィルス【Bruce Willis】
1997_タイタニック【Taitanic】_ジェームズ・キャメロン【James Cameron】
1997_グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち【GOOD WILL HUNTING】_マット・デイモン【Matt Damon】& ベン・アフレック【Ben Affleck】
_天才であること
_50年後のオリジナルティ
1997_ミミック【Mimic】
1996_素晴らしき日【ONE FINE DAY】_ミシェル・ファイファー 【Michelle Pfeiffer】&ジョージ・クルーニー【George Clooney】
1996_ザ・エージェント【JERRY MAGUIRE】_トム・クルーズ【Tom Cruise】
1995_ユージュアル・サスペクツ【the Usual Suspects】
1995_クルーレス【CLUELESS】_アリシア・シルヴァーストーン【Alicia Silverstone】
1995_アウトブレイク【OUTBREAK】】_ダスティン・ホフマン【Dustin Hoffman】
1995_マディソン郡の橋【The Bridges of Madison County】_クリント・イーストウッド【Clint Eastwood】
1994_ショーシャンクの空に【The Shawshank Redemption】_スティーヴン・キング【Stephen King】
1993_ボビー・フィッシャーを探して【SEARCHING FOR BOBBY FISCHER】
1993_ザ・シークレット・サービス【IN THE LINE OF FIRE】_クリント・イーストウッド【Clint Eastwood】
1993_めぐり逢えたら【Sleepless in Seattle】_トム・ハンクス【Tom Hanks】&メグ・ライアン【Meg Ryan】
1992_セント・オブ・ウーマン【SCENT OF A WOMAN】_アル・パチーノ【Al Pacino】
1989_魔女の宅急便【KIKI’S DELIVERY SERVICE】_日本の映画を英語字幕で鑑賞
1988_ワーキング・ガール【Working Girl】 私の中のNY
1985_セント・エルモス・ファイアー【ST. ELMO’S FIRE】_大学時代
1982_E.T.【E.T. THE EXTRA-TERRESTRIAL】_スティーヴン・スピルバーグ【Steven Allan Spielberg】
1982_トッツィー【tootsie】_ダスティン・ホフマン【Dustin Hoffman】
1982_トロン【TRON】
仕事が忙しいのは毎年のことだけれど、
今年は出張が多く、拘束時間がプライベートに浸食がちで
映画館に足を運べず本当に残念だった。
21時台のラストショーも諦めがちで、家で2時間ビデオを見る気力がなく
もっぱら1時間ものの海外TVドラマが活躍。
2年越しで『ザ・ソプラノズ』シーズン5で終了、
それからちょっと『ヒーローズ』に寄り道したものの、
あまりしっくりこず、『バーン・ノーティス』シーズン3を押さえ、
途中打ち切りになった『カイルXY』の尻切れトンボな終わりにびっくりし、
大望の『ホワイト・カラー』へ。
その合間に地上波でCSIマイアミと、NY、
コールド・ケースにライ・トゥ・ミーと、本当にドラマ三昧。
気晴らしとしてはドラマはいいけれど、
2時間完結で起承転結が1回でおさまる映画が、やっぱり一番いい。
振り返ってみると、たくさん見れない時は割と厳選しているもの。
『バーレスク』は出来すぎたありきたりストーリーだったけれど
ダンスと歌はエンターテイメント性抜群だった。
『ソーシャル・ネットワーク』のストーリー展開のテンポは
今の情報社会の世の中を象徴しているんだろうなと思え、
『ブラック・スワン』のある1点を目指す凄まじいエネルギーに圧倒されつつ
芸術が目に見えるまでの努力を観客が思い出したのでは、と思う。
何しろ私たちは、お金を払えばエンターテイメントが手に入ることに
慣れすぎてしまっている。
もちろんハズレだってある。
『グリーン・ホーネット』には全く新しいことを見出せないばかりか
どうにもこうにも、面白さを見つけられず、お金はしょうがないが、
久々に時間を返して欲しいと思った。
『スーパーエイト』は少しましだったけど、スピールバーグ製作、というのに
期待しすぎたのか、映像は綺麗だったけど、
あまりストーリーにいかされてなく、これまた残念だった。
同時期に似てるのかなと思いつつ観た『アイ・アム・ナンバー4』は
期待してなかったせいか、割と話が良くできていて、
次作があってもいいと思う。
夏は比較的時間があって、他にもいろいろ見た。
『マイティ・ソー』もこれまた話がちぐはぐなのに、
ナタリー・ポートマンが出演してたり、浅野忠信のセリフの少なさや、
カイルXYのジェシー役のジェイミー・アレクサンダーのやや演技のなさに
冷や冷やしながら見る、別の楽しみがあった。
役者がキャリアを積んでいく作品を見るのは楽しい。
『トランスフォーマー/ダークサイドムーン』は安定感があり、
あれこそ映画館で見る楽しみがあるというもの。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を見逃したのは痛かったけど
ギリギリ機内映画で鑑賞。
人気アメコミながらの原作がある、シリーズなのに
矛盾の少ないストーリーに、すごくテーマ性を感じおもしろい。
コラムにも書いた『コンテイジョン』は通常私が好んで見る
いわゆるエンターテイメント映画とは異なる。
けれど意外に、テーマは重いのにそれを感じさせず2時間を淡々と進行した。
本当はこういう映画をもっとたくさん観たいとは思うが、
残念ながら考えなくてはならないことは日々の生活で間に合っているので、
映画ぐらい”ほうけて”観たい、というのが本音である。
そして今年ラストは『リアル・スティール』だった。
観た時はもちろんラストとは思っていなかったけれど。
これまたドラマロストのケイト役エヴァンジェリン・リリーが出演していて、
いい役柄だった。
マルコビッチ主演の『AFTERWARDS(邦題:メッセージ そして、愛が残る)』
では、ドラマから映画へうまくキャリアシフトできるんだろうかと、
余計な心配をしてしまったが、今後が楽しみ。
もちろん、脚本が丁寧で、映画自体が良かった。
その『リアル・スティール』のキーワードが
“Your secret is safe with me.”
単純に『大丈夫、秘密にするよ』、というコトだけど
“with me”があるから、信頼、の要素が入る。
言いすぎかもしれないけれど、一度知ったことが、with meではなくなる時が、
死んでしまう時であるならば、秘密とは墓場まで持っていくモノ、に近い。
今、自分に信頼できる人がどれだけいるんだろうか、
今、自分を信頼してくれる人がどれだけいるんだろうか
と、少し考えさせられた。
もう少しで年が明ける。
2012年の映画からどんなコトバ出てくるのか、本当に楽しみだ。
先日光栄にも『JunkStageアワード2010 スタッフ部門ベストコラム賞』をいただいた。
私のブログは、隔週更新が精一杯の趣味的ブログのひとつにすぎず
劇的な社会的テーマを持っているわけでもなく、
『世界一』や『日本一』、『初めての』や『唯一の』なんて肩書きがつく
特殊な技能を持っているわけでもない。
よって、驚くほどのアクセス数があるわけでもないし、
ファンがいて山のようなコメントをいただくというわけでもない。
そんな私のコラムにJunkStage創立メンバーのひとりである須藤優さんがくれた言葉。
- – –
- – – 理紀さんのコラムからはまさに、「人の体温」を感じます。
- – – それこそがまさにJunkStageのめざした『情熱メディア』でした。
- – –
この断言された言葉に、とても驚いた。
自分の中で何かがひとつ積み上げられた音がした。
開始するにあたって書いた初回コラム 『FIRST STEP』 を読み返す。
- – –
- – – そしてその内、字幕からこぼれたセリフがあることに気がつく
- – – 訳が間違っているワケでは決してなく、訳さなくてもどちらでも良いもの
- – –
- – – 少しつきつめたら、こぼれたセリフにちゃんと意味があり
- – – 新発見的で時に感動的なコトだったりすると、誰かに伝えたくなる
- – –
- – – 日本語にない表現だったり、文化的にない慣習だったり
- – – そんなセリフをちゃんと言葉にしていったら、
- – – これからの日本の新しい慣習や文化になったりするかもしれない
- – –
『人の体温』
私がコラムを開始する時には明確に書き記すことができず、
そして意識して区別をつけられなかった大事な要素に、名前が付けられ現れたよう。
全ての国が変わり続けているように、日本という国も例外なく変わり続けていく。
けれど、『ヒトの体温』にふれている限り、『ヒトの本質』はそうそう変わることはなく、
慣習や文化という表現方法が多様に変化しているにすぎない、のだと思う。
たまたま私は日本語と英語の言語の『違い』が分かることから、
英語圏と日本の慣習や文化の『違い』を語ることができる。
それを伝えた先に何があるのか、それはまた次の課題と思うけれど
このコラムを書き続けるという意味が一歩前進した思いだった。
須藤さんをはじめとする、JunkStageスタッフ皆様に
これまで執筆させていただいたことを改めて感謝したい。
音楽フリークってわけではないけれど
時々音がないと生活できなくなる時、ありません?
映画の観過ぎでしょうか、自分の人生にもBGMが欲しくなる。
社会人として仕事をして、そして生活をしていると、結果として淡々した生活になる。
感情を一定に保ち、早寝早起きの毎日を目指す。
別に不満はないけれどいつの間にか単調になっていて、そして思う。
『音が足りない。』
私にとっての好きな曲のキーポイントは『音が』『足りてる』こと
『足りてる』と体がビリビリ震える
生演奏でも『足りてる』とか『足りてない』とか思うから
収録方法の違いとか、楽器の数、とかではないと思う。
海外生活が長いから、やっぱり洋楽が好きなんですよね、と言われるがそんなことはなく
でも私の『音が』『足りてる』モノに洋楽が多く、結果洋楽好きになっている。
今好きな音は Timbaland feat. One Republic の 『 Apologize 』
一番好きなのは最初のフレーズ『 off 』の箇所
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I’m holding on your rope,
Got me ten feet off the ground
I’m hearin’ what you say but I just can’t make a sound
地上3mのところで君のロープにしがみついてる
君の言うことは聞こえるけれど何も言えない
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on と off の対比、Got と but、ground と sound の韻。
ちゃんと聴けば、響きは設計されているんだなー、と。
更に歌詞を見ると、強い決断からくるセリフだから、余計深く響くコトも分かる。
『off』 the groud=とにかく空中の足が地についてない緊迫した状態で
『your』 rope=ただのロープじゃない、君が運命を握るロープに僕はぶら下がり
can’t make a 『sound』=だけど僕は慌て動き音を立てることもしない
その後曲は『too late apologize』に続く。謝っても遅いのだ。
だって私はもう、決断してしまっているから。
人間の五感は認識するよりもとても能力が良く
例えば意識をしてなくても、聴いたり見たりした瞬間に
作り手のメッセージをちゃんと受け取っていて、
それを自分のモノがそうじゃないか振り分けているのだと思う。
だから響きが好きならば、歌詞の意味を理解しそして共感を実感することも
言語が何かにこだわらずとても大事なこと。
私の『音が』『足りてる』っていうのは、好きな音とセリフの意味と
そして歌い手の気持ちが全部合わさって、自分に響く時なのかなと。
声も音の一種で受け止めているから、ホントは好きな曲でも全く歌詞は聴いてない。
でも折角英語が理解できるのならば、これからちょっと気にしてみようかと、そう思う。
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Apologize
I’m holding on your rope,
Got me ten feet off the ground
I’m hearin’ what you say but I just can’t make a sound
You tell me that you need me
Then you go and cut me down, but wait
You tell me that you’re sorry
Didn’t think I’d turn around, and say…
It’s too late to apologize, it’s too late
I said it’s too late to apologize, it’s too late
I’d take another chance, take a fall
Take a shot for you
And I need you like a heart needs a beat
But it’s nothin new – yeah yeah
I loved you with a fire red-
Now it’s turning blue, and you say…
“Sorry” like the angel heaven let me think was you
But I’m afraid…
It’s too late to apologize, it’s too late
I said it’s too late to apologize, it’s too late
はじめまして、皆様
少し前置きを
高校を卒業した歳にアメリカに渡り
大学に4年、就職浪人で1年、デザイナーとして6年
つまりバイリンガル歴11年
その後2002年に帰国
最初の職場は、朝から社訓十訓を朝礼で読み上げる純日本な会社
次の職場も、英語を使うことなくお得意様は日本企業
なんでこんなところで働いてるの=外資で働けばいいのに
と散々言われるけれど
英語で仕事をしている自分を想像するとピンとこない
もともと英語が格別好きなワケでもなく
第2外国語なのでいつまでたっても分からないことだらけと知っていて
日本語でコト足りる今のビジネスライフを、
どうしてわざわざ英語を使ってまでややこしくする必要があるのか、
というのが私の理由
でもそれじゃぁなんでアメリカまで行ったんだ?
それは私も自分に聞きたい
今だ答え出ず
でも最近少し思うことがある
米国生活10年が過ぎ去ったある日、
突然英語を『肌で感じる』瞬間が訪れた
それまでずっと頭の片隅で、英和辞典を引っ張り出しては、
単語を引き引き理解していた言葉が、すんなり頭に入って行く
それはきっと、10年という月日の成せる技に違いない、
その時そう理解した
帰国しても、一度体得したその感覚は、薄れるものの無くなることはないようで
もともと好きだった映画を、
英語圏のものならば原語で楽しめるという趣味となった
そしてその内、字幕からこぼれたセリフがあることに気がつく
訳が間違っているワケでは決してなく、訳さなくてもどちらでも良いもの
少しつきつめたら、こぼれたセリフにちゃんと意味があり
新発見的で時に感動的なコトだったりすると、誰かに伝えたくなる
日本語にない表現だったり、文化的にない慣習だったり
そんなセリフをちゃんと言葉にしていったら、
これからの日本の新しい慣習や文化になったりするかもしれない
アメリカに行かなければ
気がつかずに生きていた言葉タチかもしれない
と、いうコトを確かめるべく、
字幕にない英語タチをここに書き集める