2009.01.06
某市民病院で迎えた誕生日
あけましておめでとうございます。
8月末からJunkStageに1ライターとして参加させていただいていますが、早いもので今回で18個目の記事となります。支えてくださったスタッフの方々、私の文を読んでくださっている方々、どうもありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
実は、新年の最初の記事は1月6日に書こうと最初から決めていました。
何故って?
1月6日は私の誕生日なんです。
××回目の誕生日、これだけ誕生日を重ねるとさまざまな誕生日を迎えてきました。
高校を卒業するまでは、母の手料理で祖母、両親、妹弟がともに祝ってくれた誕生日が多かったですね。一度だけ、小学校で誕生日に招待するのがはやっていて、私も同級生を招いて誕生日会をやった記憶があります。
一人暮らしになってからは、自室で誕生日を迎えた感想や抱負を一人黙々日記につづったことが多かったですね。一度私の熱心なファンの男の子から誕生日カードが送られてきて、しかも帰省先まで訪ねてこられて困惑したこともありました。
正直言ってどうしても好きになれない人だったのですが、弟からは、
「真理ちゃんがあれ以上望むのは贅沢だよ、結婚してあげたら?」
とからかわれたものでした。
結婚してからは、自らレストランに予約を入れ「今日が私の誕生日だよ」と半ば強制的に誕生日をお祝いさせてましたね。
医学部に入って、解剖実習や試験で大学の近くに住む必要ができて別居してからは、内省的な誕生日に逆もどり。若い大学生が誕生日プレゼントを交換している環境にあって、自虐的にドミノピザを注文したものでした。ドミノピザは誕生日プレゼントをつけてくれるからね。そんな中で4年生のときに、若いクラスメートが誕生会をしてくれたのには感激したものです。フルーツゼリートッピングの誕生ケーキも持ってきてくれて、しかも2匹の子牛のシューキーパーを誕生日プレゼントにいただきました。
様々な年代の人が学ぶ医学生でもやはり40代以上は少数派。誕生日を祝えてもらったのは私だけかもしれないと、ありがたく思っております。
そして2年前の2007年の1月6日、私は誕生日を某市民病院の寮で迎えたのでした。
医学生は、「マッチングシステム」 http://www.junkstage.com/mari/?p=4
で書いたように、行きたい病院を順位を付けてコンピューターに登録して、10月半ばのコンピューターによる発表を待つわけですが、その際多くの医学生は 病院見学→採用試験を受ける→マッチングに登録する、という手順をとります。
いいといわれる病院でも自分にあっている病院かどうかを見極める必要があるというこちら側の理由と、見学にくることが採用試験を受ける条件だったり、見学に行くことで採用にあたって大きなプラス材料になることが多いという病院側の理由もあって、病院見学は不可欠なわけです。
小さな病院だとすぐに見学に行けますが、人気の高い病院だと1ヶ月、2週間以上前に申し込む必要があるので、学生は定期試験の合間に見学を申し込み長期休暇を利用して見学に行くことが多いのです。
ところが、知っている病院すべてを見学することは不可能なので見学する病院を絞るわけですが、そのための事前情報はかなり乏しく、口コミ、宣伝、有名病院だけネット等でさぐったり、レジナビフェアのような合同説明会(真夏にスーツでゆりかもめに乗る 参照)を利用したりするが、これというシステマチックなものはないので、ゆきあたりばったりになりがちなのです。面倒になって、「母校でいいや」という学生も少なくありません。筆者は「ゆううつな木曜日」や「あっ名前がない」の記事で書いたようなことがあり、どうしても母校を脱出したくて、なんと総計20個の病院見学をしたのでした。(就職活動と別に訪問した病院を入れると26個になります。) それなのに研修先が母校の付属病院に決まってしまったのだから、皮肉なものです。
もしかしたらJunkStageに執筆するための神様のご配剤でしょうか。
話題を戻すと、某市民病院へはドクターズマガジン の宣伝文句、
「駆け出しの頃に必要なのは手技を含めてできるだけ経験を積む事だと思いますが、ここではたくさんの手技が経験できます。」
に惹かれてのことだったのです。
40の手習いならず、39歳のときに運転免許を取ったあと、1年間で1万8千キロ走りました。
高速、山道、都心の幹線、人通りの多い細い道、と困難なところに挑戦して走りました。
そのときの体験で、免許は取った後が大事で、最初の頃に自分の手で出来るだけいろいろなことを体験する必要があるのではないかと思ったのでした。
風邪、怪我、慢性病、救急処置等、何でも一通りできる所謂便利な町医者さんを目指している自分にとって研修医時代に色々な体験を積ませてくれる病院に行きたいと思っていました。
たくさんの手技が経験できるという 某市民病院こそ、求めている病院かも知れないとわくわくする思いでした。さっそく電話をし、1月5日、6日見学を予約したのでした。
新幹線に乗って、ローカル線に乗り換えて、更にバスに乗ってやっとたどり着いたのですが、所要時間は3時間ちょっとでした。
思ったほど遠くない、しかも病院はぴかぴかで綺麗、初任給37万円、寮費2万円で寮は病院の敷地内にあり、綺麗である。
しかも、研修医達はフレンドリーで親子ほど年が違う私に対して貯め口を利くほど。
一瞬、ここに決めた!
と思ったのですが、結局は行きませんでした。
その理由は 、研修医でも経験できる≒誰もやれない とわかったからです。
例えば、研修担当のトップのお医者さんが、マニュアルを見ながら看護師さんに教えてもらいながら、内視鏡検査をしていたのです。それを見てちょっとぞっとしてしまったのでした。
一方、これを書きながら、学生実習とたいして変わりない研修医生活、25万の給与で寮費5万3千円、という母校の付属病院を思うと、某市民病院でもよかったかな、という気持ちもちらりとわいているのです。

