« | Home | »

2013/01/24

さて、今ではネイルをしていることは普通です。
「キレイにしているね」という褒め言葉をもらえる時代です。
ネイルサロンに通っている、と聞いてもさして珍しいことではなく
定期的に美容院に通っている、と同じ印象ではないでしょうか。

そんなネイルも、私が趣味として意識し始めた20年ほど前はまったく様子が違っていました。
ネイルといえば、マニキュア。
国内産のものは色も限られました。
ピンクやベージュ、透明と真っ赤。
ベースコートやトップコートの必要性は特に一般には知られていなく
爪に色を塗っているだけでも相当に目立つお洒落でした。
輸入雑貨店にある外国産もメーカーは2~3に限られました。
そちらの方だと色味も豊富になりました。
真っ白や青、はっきりしたピンクなど。
お値段も当時としてはそこそこしたので、1本を買えば何年も何年も使いました。

遊び盛りの年齢だった私は、真っ白など当時としてはちょっと目立つ色を好んでつけました。
そのたびに「派手な爪して!」と周囲に言われたものです。

庶民にとって当時、ネイルは自分でするものでした。
ネイルサロンの存在は知っていましたが、高価であることを知っていたし
地元である横浜にすら近所では見かけませんでした。
東京の一等地でお金持ちの方が行くところ、という認識です。

そのうち輸入品のネイルグッズの種類が増えました。
ネイルシールやネイルチップです。
爪を強化する専用の保護剤も登場し、少しでも長い爪に憧れていた私には魅力でした。
ファッション誌では、好きだったモデルが人工爪を披露し始めました。
自爪では有り得ない長さの爪に、真っ赤なベースカラー、白い水玉模様のアートでした。「なにこれ!」と食い入るように見たのを覚えています。
読み進めると、彼女のお母様が当時としては珍しかったネイリストであることがわかり
プロの技術を初めて目にしたことになります。
その感動が、今思い返せば私のネイルのきっかけかもしれません。

ネイルサロンにも興味が湧いてきました。
調べてみると、その値段の高さに驚愕。
お手入れをして色を塗ってもらうだけで6000円ほど。
モデルのしていた人工爪を扱うサロンはほとんどないものの、
聞くところによると、すれば10本で30000円以上ということでした。
品質も今とは雲泥の差で、1週間から2週間の寿命とのことでした。

とてもとても手の出せる代物ではなく、
私はデザインされたネイルチップを買うことにしました。
両面テープで爪に貼り付け、いそいそと夜遊びに繰り出しました。
会う人に「それ自爪?!」と驚かれるのが嬉しくて、得意になったものです。

アートのデザインも限られていて、ハートとかお花などでした。
それでも満足して楽しかったものです。
今ではマニキュアが黒くてもさほど驚かれませんが、
当時のアートは本当に限られたものだったのです。

それから数年後、徐々に浸透し始めたネイルの世界にいよいよ足を踏み入れるわけですがその頃には横浜にもネイルサロンが登場していました。
雑貨店でのネイルコーナーも種類が豊富になり、
チップではない人工爪(アクリルスカルプチュア)をセルフで作るキットも手に入れました。

憧れだった長い人工爪を初めて作って見ました。
所要時間、おおよそ6時間。
今思えば形なんてあってないものといったお粗末な出来栄えだったに違いないのですが
当時の私は大の大の自己満足。
遊びに繰り出す前にほくほく顔でシャワーを浴びました。
すると、今思い出しても残酷なほどに、ぽろぽろあっという間に取れてしまったのでした。
ますます人工爪に対する憧憬の念が強まったわけです。

ネイルレッスンを習い始めた頃、その材料道具類のほとんどは輸入品でした。
もちろん値段も高く、ひと揃えするのを少し躊躇したほどです。
この頃になるとカリスマネイリストが次々に登場します。
今と違い、外国人が目立っていた記憶があります。
そして黒崎えりこさんという現在でもカリスマ中のカリスマ、日本を代表するネイリストが登場します。
アメリカでの技術であった人工爪を得意とする方でした。
彼女の登場によって日本のネイルの幅が広がりました。
美しく持ちも良い人工爪を作る可能性を与えてくれたのです。

私もその頃には一生懸命人工爪のお勉強をしました。
大手のスクールもすでにあり、入学はキャンセル待ちとの噂も聞きました。
検定試験も開催されていて、受けておいた方が今後のためになるのでは、と
当時指導してくれた先生に薦められていました。

私はマイペース過ぎるほとマイペースでしたし
今でもそれは変わらずただのいちネイリストですが、
当時順調に頑張られていた方々は、現在のネイル業界の中心で活躍されています。

30000円もした人工爪も、今では10000円~20000円。
当時では考えられないような高度なアートを施して、です。
検定試験の普及や技術指導の発展により、持ちも格段に良くなっています。
国産メーカーも増え、今では人気の商品ほとんどが良質な国内産でしょう。
そして、2週間以上は持つことが前提です。

現在主流のジェルネイルに関しては、まったくその市場が今とは異なっています。
当時、ジェルネイルを扱っているサロンはほとんど見かけなかったのです。
そのお話は次回にしようと思います。

2013/01/24 08:00 | ネイル | 1 Comment

Trackback URL
Comment & Trackback
Comments are closed.

[…] かトップネイリストの星野さんにも似たような経験があったなんて、と驚かされたコラムがこちら。 国産のメーカーは僅か数社、ほとんどが輸入品という状況の中でご本人いわく「遊び盛 […]