2008.11.13
こんにちは、皆様。
すっかり秋めいている今日この頃ですが、先日JunkStageの編集部より下記のようなメールを頂きました。
TO:真砂さん
本文:
こんばんは。最近は、お買い物をなさっていないのですか?
たまにははっちゃけている真砂さんのお姿がみたいです!
……。
JunkStageの編集部の方、ひいては読者のみなさまはわたくしの散財模様を楽しみにしていらっしゃるのですね。こんばんは、などど悠長にご挨拶をしているバヤイではないようです。
が、無い袖は振れない……!!!
なぜかと申しますと、最近わたくしまたお仕立てをしてしまったからでございます。
それにつきましては出来上がってから書きたいと思いますので、今回は今までのお仕立てのその後について、100%ノンフィクションにてお伝えいたします。
さて、着物のお仕立てをしたことがない方はピンと来ないかもしれない今回のコラムタイトル。
「ハギレっていったって、使い道なんかないんじゃないの?どーせ余り布でしょ??」とお考えになる方も多いのではないでしょうか。
実は、着物に限らず和装モノのお仕立てには多種多数の反物を使います。
たとえば着物であれば一番簡単な単衣で1反、袷の着物ですと表と裏で柄を変えればそれぞれ1反、さらには八掛にも1反買って仕立てなければなりません。
が、当然のことながらよほど大柄の方でもなければ1反まるまる使うことはありえない。
1反は約46m前後ですから、普通は余る布が出てくるわけです。
多くの呉服屋さんでは当り前と言えば当たり前ですが、この余り布もきちんと包んで届けてくれます。

▲わたくしの自宅にいるハギレちゃんたち。
でも、わたくしは超ド級の不器用です。
自分で針を持つのも衿付けや取れたボタンをくっつけるためぐらいで、雑巾や小袋なんぞ縫おうものなら血で汚すことは間違いありません。怖いもの知らずだったその昔、お気に入りの(しかもよりにもよって)コットンリネンで香り袋を作ったこともありますが、友人には「梅の模様なんて風流ね」と言われたのはわたくしの血の染みでございました。
そんなわけで、わたくしいつもこのハギレを頂くたびに「どーしたもんか……」を頭を悩ましていたのでございます。
ところでそんなわたくしに救いの手が!
いつも着物を買っているお店で相談したところ、和装バッグに仕立ててくださるというのです。和装バッグとは旅行のときなどに着物着用に必要な道具一式を納めておける鞄のことで、着物好きならひとつは持っていたいアイテム。しかしながら市販のものはどれもダサい(失礼)デザインでいまいちグッとくるものがなかったのでした。
大和田:い、いくらくらいで作れるんですか?
店 長:そうですねえ、小さいものなら2000円くらいから作れますよ!
なんですかそのアバウトな数字……。
でもド肝を抜かれるほど高いわけではないということなので、小振りなものをひとつお願いすることにいたしました。
昔の方は繰りまわしと言って、ハギレも帯に使ったりと大変上手に使っていたようですが、わたくしにはこれが精一杯。出来上がりが今からとても楽しみです!
2008.11.06
こんにちはみなさま。
久しぶりのこのコーナー、本日は半衿のお話でございます。
半衿。
着物をお召しにならない方だとぴんとこないかもしれませんが、着物を着たときに襦袢になにか白いものがピローンとついていたのをご記憶のお嬢様も多いのではないでしょうか。
半衿とはそもそも、首周りの汚れを直接着物につけないようにと考案された変え衿です。
とはいえ気軽に付け外しができ、首周りの印象を変える秀逸なコーディネイトアイテムでありながらお手頃価格(なにしろ元は着物の端切れや余り布です)で求めることができるとあれば、使わない手はないでしょう。
使い方としては、襦袢に縫い付ける方法が一般的です。
きちんとお召しになっている方は三河芯と呼ばれるものと併用して襦袢に直接縫いつけて使用しますが、わたくしのように毎日着るわけじゃないしとっかえひっかえ着たいし襦袢もそんなに枚数持ってないし、ってお嬢様方にはプラスチック衿芯(大体200円くらいです)を使う方法やファスナータイプの取り外しの利く衿のある襦袢を使う方法もございます。さらに針なんぞもったこともねえよ、というぶきっちょさんなお嬢様には両面テープを使って貼りつけるという荒技もございますので、お好きな方法でご利用ください。
ちなみにわたくしの場合は、絹の襦袢にはプリント柄の半衿、ポリエステルの襦袢には白半衿(もしくは白に近い色の地の刺繍衿)を使うことにしております。生得の性格がかなり面倒くさがりなこともあり、汚れが目立つ白半衿は両面テープでぺりぺり貼り付け、汚れが目立ちにくいプリントの柄半衿はきちんと針で縫いつける。こうすれば着物の色を選ばずにしょっちゅう着る半衿は簡単に取り換えて洗うこともできますし、プリントの半衿は季節によって柄や素材の違いを楽しむことができるからです。さらに乱暴な事情を申し上げますと、絹素材の襦袢は風を通せば不潔感が激減しますが、ポリエステルはマメに洗濯しないとなんとなくごわつくので、よく着る襦袢にはよく使う白半衿と一緒にネットに入れて洗濯機に放り込むことができるというメリットもございます。
注)基本的に女性の場合、化粧品などで半衿はものすごく汚れます。したがって2・3回で取り換えるのが必要かと思います。わたくし自身は横着なのでひと月に1回取り換える程度ですが、お心映えが試される部分でもありますのでぜひ積極的にお針子をなさることをお勧めします。
さてこの半衿、季節によって色や柄がかなりがらっと変わります。
着物からちらっとしか覗かない部分ではありますが、だからこそでしょうか、夏はレースや白を基調としたものが多く、冬はプリント柄やファー素材のものが揃い、店先で小さな布を眺めているだけで楽しいものです。
▲ 今年の半衿ちゃんたち。
(画像をクリックすると、販売元のサイト様に飛びます。)
今年の半衿業界には目立った流行はありませんが、プリントものの襟が充実してきました。
写真のようにワンポイントのモチーフものをはじめ、古典模様の総柄、レースを用いた厚みのあるタイプなどコーディネイトの幅を広げてくれそうなアイテムばかり。
わたくしは基本的に地味めな着物には総柄など着こなしのアクセントになりそうなもの、華やかな着物には同色を入れたワンポイントか白衿を選んでいます。すこししか見えない部分だからこそ、おべべ好きとしては凝り甲斐があるというもの。
お嬢様方も、ぜひお気に入りの一枚にあわせて半衿を選んでみてくださいね。
2008.10.30
こんにちは、みなさま。
キモノの着用に関する意識の変遷を図版とともにめぐる集中連載も遂に最終回となりました。
今回は、明治から現在にかけての集合写真からその着用変遷を見ていきたいと思います。
まずはこの写真をご覧ください。
▲料理を作る女たち
(写真提供:長崎大学付属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース)
この写真は、明治中期に撮影されたものです。
前回、着物は実用重視の場合は袂を短くするなどの変化があった反面、遊女ファッションに代表されるお洒落な着方としてゆったり着つけていた、というお話をさせていただきましたが、この写真を見ると料理という極めて日常的な場面において、袂の部分の扱いについては人それぞれであったことがわかります。とはいえ、着つけに関してはかなりきっちりされている感じ。

▲人物の集合写真
(写真提供:長崎大学付属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース)
また、撮影されることを意識していると思われるこちらの集合写真をご覧ください。
この写真は日常そのままではなく、“撮影される”ことが前提で撮られたものが視線が中央に集まっていることから推察されますが、こちらはゆったりした着付けになっていることがわかります。明治期に撮影されたものと思われますが、特に男性の着物の着用方法がかなり適当、もといおおらかなことにご注目ください。ゆったりした着付けはすなわち、お洒落着の着方だったわけです。
その流れは大正時代も続きましたが、昭和に入ると戦争の影響もあって女性の日常着も次第に着物から洋服に変化していきます。

▲歩道に面した食堂
(写真提供:OLD PHOTO of JAPAN)
これは昭和時代に撮影されたものですが、店員の女性の服装は着物と洋服と二通り。また、通りを歩く女性は着物です。着物から洋服へと移行する、まさに過渡期に撮影されたものなのでしょう。こうして制服や仕事着から徐々に浸透していった着物は、平成に入って完全に日常着として定着したのです。
翻って、現在。
日常着ではなくなった着物は、お洒落着としてゆったり着るという方はすくなくなりました。それはおそらく、着物を着続けた方々は比較的裕福なご家庭の方だったからではないかと思います。戦争中、着物を質として米や野菜に変えたという話はわたしも祖母から聞いたことがありますが、そういうことをしなかった方々というのはそれをする必要のなかった農家の方か、もしくはする必要がないくらい裕福なご家庭、つまり上流階級の方だったのではないでしょうか。そして洋化していく中で、軍服に代表されるかっちりきっちりした服装が上品とされるようになり、びしっと一分の隙なく着物を着ることが品のあることとされるようになった。日常着でなくなったからこそ、着物を着ることに品が必要になったのではないかと思うのです。
今、着物を日常着として着る方は非常に少ない。
私も大好きですが、さすがに毎日着るわけにはいきません。日常着にするにはあまりに着物は高価でめんどくさいものになってしまった。それはこの、「着物はきちんと着るべきだ」という意識のせいだろうと思うのです。だから、着崩れても気にしないほど、着物を着る人が増えればいいな、と思います。そうしたら、もう少し堂々と街をあるけるのではないかな、と思うのです。
2008.10.23
こんにちは皆様。
前回に引き続き、着物モードの時代ごとの移り変わりを画像と共に考証する無謀な連載の第二段、今回はまず江戸時代までさかのぼってみましょう。
まずは下の画像をご覧ください。

▲鳥居清長「当世遊裡美人合・たち花」
(画像提供:東京国立博物館画像アーカイヴ)
これは江戸時代の浮世絵画家からみた、遊廓の美女図です。
江戸時代における着物のトップモードは芸能界こと歌舞伎・文楽の世界であったという話は以前も書かせていただきましたが、それと同じくらい、女性たちに注目されたモードの発信地は遊廓でした。現在も「小悪魔★ageha」などキャバクラ嬢のメイク・ファッションが注目を集めていますが、それと同様の感覚で遊女たち(特に、大夫職につく高級遊女たち)のファッションセンスは女性たちにとって真似をしたいと思わせる対象だったのです。
理由としては、芝居の中で遊女を美人が演じて注目を集めたこと、役者絵に次いで多く出版された遊女の格付け本や遊女絵の流通に伴ってその華やかな意匠をこらした服装が高嶺の花として印象付けられたことが考えられます。
その遊女たちの着こなしは、画像を見ていただければわかるとおりかなりゆったり着つけられています。これは付け文といわれるラブレター兼督促状を隠したり、ちょっとしたお金だの簪だのを手早くしまったり直したりする必要から発達したとも言われていますが、ともあれこういう着こなしがオシャレなことだと考えされていたわけです。
そもそも、着物は日本人にとって日常着でした。
中世の風俗を知る上で貴重な資料である「職人尽歌合」を見ますと、女性は動きやすさを重視した丈の短い筒袖を考案して着用していることがわかりますし、時代劇などを見ても江戸時代の庶民の女性のたもとは短くされています。
つまり、上記のゆったりした着物モードは憧れとしての着付け方であり、時代を追ってその着用方法がゆるやかに取り入れられていったことが考えられます。

▲職人尽歌合(部分)
(画像提供:東京国立博物館画像アーカイヴ)
上記を踏まえまして、次回は集中連載最終回、明治から現在にいたる着物モードの着用変遷について考えていきたいと思います。
よろしければ、お付き合いくださいね。
参考図書:
遊女の知恵(中野栄三著、雄仙閣)
吉原という異界(塩見鮮一郎著、現代書館)
お江戸の意外な生活事情―衣食住から商売・教育・遊びまで(中江克己著、PHP出版)
2008.10.16
こんにちは、皆様。
先週は突然一週間お休みしてしまいまして、大変申し訳ございませんでした。お休みしていた間は秋の花粉症に悩まされたり着物のお仕立てをしていたりしていた(お仕立てについては後日ご報告させていただきますv)のですが、ぼちぼちこのコラムもリニューアルしなければ!ってことで今週から数回にわけまして、着物をめぐる乙女たちの美意識について迫ってみようと思います。
で、今回と次回で着物における着用意識の変遷のお話をさせていただこうかと思います。
まずは下記の写真をご覧ください。

▲ 雨傘をさす女性たち
(写真提供:長崎大学付属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース)
こちらは明治時代の女性の写真です。カメラを意識したのか赤を効果的に用いた一枚ですが、その着方はどこかゆったりとしていて、今の着物モードから見るとだらしなくさえ思えます。ただし写真は当時非常に貴重なものでしたから、これは当時の基準で“きちんと”した着付けだったのでしょう。
着つけに関するこの意識のずれ、いったいいつから始まったのでしょうか。
先日、朝日新聞日曜版(12日、be_s7面)にて武蔵野大学の矢田部英正先生が「日本人の身体」と題したコラムを発表なさっていました。ざっくり要約すると、下記のような趣旨の文章であったと思います。
「キモノは窮屈なのか」
平成生まれの学生の着物へのイメージは男女ともに良好で、「かわいい」「自分で着られるようになりたい」というものが大半。その一方、成人式を境に「窮屈」「動きにくい」というイメージを抱く女性もいる。しかし過去の着用事例を見れば、必ずしも着物は窮屈なものではない。かつてはゆったりと柔らかく着つけて、それに応じた立ち居振る舞いをしていた。
この記事から見えてくること。
それは平成の世において着物が日常着ではなくなっていること(着物=晴れ着)という図式です。
洋服でもそうですが、普段着つけないものを身に付けると窮屈なのは当たり前の話です。燕尾服しかり、ドレスしかり、着物しかり。けれど、昭和くらいまでは毎日普段着として着物を着る習慣が日本にはありました。わたくしは先日、大正生まれの祖母の家族写真を見る機会があったのですが、そこに映っていた女子は全員着物姿でした。各種制服に洋装が取り入れられた結果、男子は女子よりも可及的速度で着物を脱いでいったのでしたが、そういった制度に属さない女性にとって普段着は長く着物であったのです。
ひるがえってジーンズに馴れた平成女子にとって、足を開いて歩くことが困難な着物は確かに窮屈でありましょう。
洋服の定着は、わたくしたちの歩き方まで変えてしまったのです。
別段それ自体は単純なモードの変化であって、進歩でも退行でもないと思いますが、現代において着物はきちんと着るのがよい、とされている。
でも、いつから着物はきちんと着なければいけないものになってしまったのでしょうか?
次回は江戸時代までさかのぼって、着物の着用変遷について考えてみたいと思います。
よろしければ、お付き合いくださいませ。
2008.10.02
早いもので、もう10月になりました。
暑さ寒さも彼岸まで、と昔の方はほんとうによく言ったものだと思います。
わたくしは現在絶賛電気毛布愛用中です……。
朝夕がすっかり冷え込む時期となりました。
さて着物モード的には、10月からは袷に衣替えの時期になります。
ファッション誌などではすでにファーコートやニットジャケットの特集も組まれ、すっかり秋冬もののお洋服が紙面を飾ることが多くなりました。洋服の流行りも雑誌によってさまざまですが、和服もそれは同じこと。20~30代の原宿系と思われる女性が主な読者層である「KIMONO姫」(季刊)で提案しているのはハラコ素材など洋服感覚のPOPなコーディネイト、25~35代のきちんと派の女性が主な読者層である「七緒」では紬を中心としたカジュアルかつ清楚なコーディネイトを推しているようです。
わたくしもご案内をいただきまして、今期の展示会なども何社か拝見させていただきましたが、特に目立った流行はなく、強いて言えば色襟や刺繍襟を使用したコーディネイトの提案例が増えたことと柄やアイテムの幅が広がったかな、という感想でした。
現代社会においては着物を着ることがやや特別な感があり、わたくしのように「暇さえあれば毎日着たいです」という人は増えていることは増えてるんですが、やはり少数であることは間違いないでしょう。ですから、洋服の流行のようにたとえば合コンなどで「やだ!あの人とガチで被ってる!!」といった事態は発生しにくいのが現状です。そしてわたくしのような着物普段着派はやはり着まわし重視になりますので紬や木綿の着物を着るため、基本的にコーディネイトは帯での勝負。しかしお茶の席などにでも行かない限り、帯がかぶって「ヤダー!かぶっちゃった!!」という事態にはなりにくいですし、実際被ったことも被ってしまった不幸な女性を見たこともありません。
と、いうことは、着物におけるスタンダードな流行はないのでしょうか?
こたえはイエスであり、ノーでもあります。
イエス、という意味では現時点で洋服のようにわかりやすい流行がまだ見られないため。
そしてノー、という意味では、着物の流行は徐々に定着していく場合が多いためです。
着物モード界での爆発的流行発信地は常に芸能界でした。
例えば江戸時代に「恋娘昔八丈」という浄瑠璃芝居の娘役の衣装に用いられたことで一躍人気を博した黄八丈は、もともと平安時代からあった柄だったのにも関わらず、あらゆる浮世絵に描かれる普遍的な柄となって定着、現在でも人気を得ています。
また、現在舞妓さんの帯結びのかたちで見かけられる「だらり結び」は、もともと歌舞伎俳優の水木辰之助が考案し、若い娘さんの間で大流行したことで知られています。

▲黄八丈を着た芸者が描かれている「名所江戸百景」のひとつ。
(画像提供元:solmare. Com)
ただし、現在において着物流行発信の主体はメーカーです。
理由としては単純に着物を着る人口が減り、メーカーが主体的になったという点が考えられますが、その半面着物好きの工夫によって作られる流行も増えてきました。
ビーズ襟や柄足袋のバリエーションが増え、羽織の丈は長羽織(ひざ丈程度の長さの羽織)で定着しつつあり、これは新たな流行といっても過言ではないかもしれません。
着物好きが、着物好きのコーディネイトを真似して、取り入れること。
メディアの力に踊らされない、古くてあたらしい流行のかたちがここにあります。
その一端を担うべく、わたくしもリボンの帯締めなどあしらって、町に出てみようと思いますv
2008.09.25
ごきげんよう皆様。
突然ですが、足袋って何て読むかご存知ですか?
このコラムを読んでくださっているお嬢様方はもちろんご存じだと思いますが、
今日はこの足袋(たび)のお話をさせていただきたいと思います。
たかが足袋、されど足袋。
まず足袋とはなんぞや、といえば着物を着るときに素足にはくものだと皆さんピンとくると思われます。あの真っ白くて、親指と人差し指のところで又割れている和装靴下。あれが足袋です。
現代日本においては和装自体イコール礼装なことが多いので、足袋といえば白、というイメージが強いのではないでしょうか。
この足袋、実は昨今ではかなりいろいろバリエーションが出てきました。オシャレ魂を直撃するこんな足袋がわりと簡単に手に入るようになってきたのです。

▲レース足袋、ワンポイント、柄足袋などかわいいものがたくさん増えてきました!
(画像をクリックすると販売元へ飛びます。)
最近では浴衣にレース足袋というのはオシャレ女子の定番コーディネイトになりつつありますが、着物に合わせていろいろとコーディネイトする楽しみが増えてきました。
足袋も進化しているのです。
例えばレース足袋はちょっと前まで一重のものが多く、したがって地肌が透けるのが難点でしたが、最近では二重のものが主流になってきました。また足袋ソックスがかなり一般的になってきたこともあり、柄のバリエーションもいかにもおっさんくさかった一時期と比べると格段にかわいいものが増えているのもポイントです。
足袋は下着ということもあり、和装小物のなかではかなり安く手に入れることができます。まっしろな足袋も心が改まってとても素敵ですが、気心が知れた友達とのお付き合いならこんな可愛い足袋で遊び心を主張してみるのも一興ではないでしょうか。
余談ですが、新品の足袋はとても糊が利いていて堅いのが定石。
そのまま履くと足が擦れたりしてちょっと痛いので、わたしはいつも木綿の足袋を買ったら一度お風呂で履くことにしています。さら湯を張った湯船の中に、足袋を履いたまま足を入れ、そしてそのままそーっと脱ぐ。それを乾かすと、糊がとれていい感じに足にフィットします。
多少皺があっても履いているうちに体温でピンと布が張りますし、歩きやすくなります。
この裏ワザ、ぜひ一度お試しくださいね!
2008.09.18
雷や雨が続く今日この頃、すっかり秋めいてまいりましたね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
わたくしは先日、10年来の腐れ縁である友人と一緒に鎌倉に旅行に行ってまいりました。
鎌倉、といえば日本におけるモスト・フェイマス・観光地のひとつ。
都心からのアクセスの良さもあってか、わたくしたちが訪れた日も大変にぎわっておりました。鎌倉と言えば、の鶴岡八幡宮にいたっては諸外国のお客様も大変多かったように思います。そんな伝統あるスポットにいかにも~な着物で訪れたわたくしたち。
(まだ)若いおなごの着物二人連れはいかにも声がかけやすいらしく、随所でビデオカメラを回され一緒に写真を撮ってくださいとお声を掛けていただく機会が多かったです。

▲ちなみに当日のわたくしと友人のコーディネイト。
二人とも単衣の着物に私は白麻帯で銀座結び、友人は半幅帯で可愛らしく着つけてみました。
実はこの友人、目立つことがあまり好きでなく、したがってカメラを向けられることも苦手な控え目美人。今回はわたくしが「どーしても着物で行きたい!!」とごねまして着てもらったのですが、当然そんな事情はカメラを向けてくる方はご存じありません。
キモノを着ている=ゲイシャ、的な図式なのでしょうか、本当にカタコトの日本語で「シャシンプリーズ」と言われてはむげに断ることもできない。
わたくしは基本的に目立ちたがりですし、今の日本で着物を着るということは一種のアピールだと思っていますので、海外からのお客様から写真などを撮られることにも慣れています。盗撮まがいの撮り方をする方も多いのはちょっと問題だと思いますが、「撮らせてほしい」とおっしゃった方には快く了承することにしているのです。
それはなぜか。
答えは簡単で、英語を話すこともできなければ自国文化を流暢にご説明できるほどスキルもないわたくしができる、唯一の国際親善だと思っているからです。
旅慣れた旅行者の方が多いせいでしょうか、英語圏の方は基本的にクールで間違っても撮らせてほしいなんておっしゃいません。なぜなら、普段着の着物と芸者・舞妓さんがたプロの方の着物が違うということはきっとご存じだからです。洋行帰りの娘さんに「今の日本は芸者じゃない、ニンジャだ」と指摘を受けたことはありますが、基本的には「ゲイシャ・フジヤマ・ニンジャ」が海外から見た日本の印象であることには違いないでしょう。
だからこそ、着物を見たらきっと「これぞニホン!!」と思われるのかもしれない。
着物は日本の伝統衣装。
わたくしのように普段着で着ていると伝統もへったくれもございませんが、それでも「プリーズ」と旅行先で求められればわたくしはにっこり笑ってファインダーに収まることにしております。
たかが写真、されど写真。悪用される懸念はもちろんございますが、それよりはよい記憶として芸者ガールと写真を撮った、と思っていただきたい。ニセモノであることは彼らにとって、おそらく関係のないことなのでしょうし、だったら日本にいい感情をもって去っていただきたい、とわたくしは思うのです。
前述の友人も、最初こそ嫌がっていましたが最後はちゃんとわらって写真に収まっていました。着物を着ればもはや一般人ではない、というのはいかにも自意識過剰でしょうが、それでもスマイル0円の気持ちで笑顔をふりまいていきたいと思います。
だって、着物を着ているだけで国際親善なんて、すごくお得だと思いませんか?
全国の着物女子のみなさま、ぜひ胸を張って大和撫子魂を見せてくださいませ!
2008.09.11
こんばんは皆様。
九月もそろそろ半ばに差し掛かってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
キモノ業界ではそろそろ「在庫一掃セール」や「反物から袷お仕立て」などのDMが届きはじめるシーズンです。お仕立てにつきましては以前も書かせていただきましたので割愛いたしますが、店頭で見かける襦袢や半襟にもポップな柄が増えてきました。
初夏から残暑の厳しい時期は、とにかく着物美人=涼しげ、が鉄則。
したがいまして、半襟や襦袢の色も寒色系が多くなります。白や浅葱、グレー、生成り色などが豊富に出そろうのが夏ならではの色といえましょう。
翻って袷の時期は、着る枚数が増加するに従って色も鮮やかに変化します。特に劇的に変化するのは半襟・帯揚げ、そしてなんといっても八掛!!
今回は、そのマストアイテム・八掛(はっかけ)についてお話させていただこうと思います。
では、八掛とは何ぞや?
着物を良く着る、という方でもお仕立て経験がない方は意外とご存じないのが八掛ですが、袷の着物の裏地のことです。膝~裾に貼るものなので、歩くときにちらりちらりと見えたりするセクシーアイテム。よく花魁を題材とした映画では赤が用いられていて、花魁の色の白さを強調するために用いられたりもします。
襦袢と同じで目立たない部分ではありますが、ここに凝れるのは本物の着物好きの第一歩。だからこそ粋なものとして通人に好まれている部分と申せましょう。
さて、八掛は着物を誂える際に一緒に選ぶのが基本です。
一般的には着物の色地と同色のもので揃えるかグラデーションをつけるのが無難ですが(無地八掛・ぼかし八掛など)、昨今は下記の通り単独でも可愛らしい八掛のバリエーションも豊富になってきました。
▲花柄、ドット柄など、遊び心のある可愛らしい八掛たちvv
(画像をクリックすると販売元HPへ飛びます)
わたくしもお店で反物を見せてもらうとき、八掛選びにはいつも頭を抱えます。
定番で品よく作るか、それとも思い切り遊び心を爆発させるか。
乙女心の選択肢、ぜひプレタものをお買い求めの際も注意してご覧になってみてくださいね。
2008.09.04
ボア・タルデ皆様。
最近この挨拶もネタが尽きてきまして、今回はポルトガル語であいさつしてみました。
まあカタカナ表記ですのでこれでほんとにポルトガルで通用するのかというのはまた別な問題ではありますが、気持ちの問題でやりたかったんだ、とご理解くださいませ。
気持ちと言えば、9月に入ってキモノ界では衣替えのシーズンになりました。
とはいえ単衣はまだ暑いこの時期、正直今年は10月も残暑が続くと聞いて気のめいっていらっしゃるお嬢様方も多いかと存じます。
しかも着物モードでは季節の先取りがオシャレとされている。
ということはまだ暑さのバリバリ残るこの時期にも、秋を意識したコーディネートをするのがキモノ乙女の必須事項になってまいります。
てなわけで、今回は秋先取りのコーディネイトについてのお話です。
てっとり早く「秋」なコーディネイトをするには、季節を想起させるモチーフを使うのがベスト。
植物であれば竜胆や菊やススキ、生き物であれば鈴虫やキリギリス、歳時記にのっとれば月や虫篭などもよろしいかと思われます。

▲ たとえばこんなススキの帯をつかってコーディネイト。
赤の夏帯(素材は麻)ですが、ざっくりと描かれているススキが涼しさを演出します。
ただし上記のモチーフを取り入れたからといって、暑苦しく見えてはかなり残念な印象になってしまいます。着物美人の最上級課題=見た目の涼しさを忘れてはなりません。
したがって、色選びがかなり重要になってまいります。
例えば上記写真の帯であれば、赤と金が入っていますのでわたくしは着物自体は白や淡い黄をベースにしたもので合わせます。帯揚げ・半襟は淡色で揃えれば、秋を意識しつつ暑苦しくないコーディネイトになるからです。
なお、9月でも上旬であれば絽や紗の着物であってもそう問題はないかと思いますので、暑くて死ぬ!!というお嬢様たちは帯どめからモチーフを取り入れてもよろしいかもしれません。

▲ たとえばこんな帯留で季節を先取り。
こちらから画像をお借りしたサイトへ飛ぶことができます。
まだまだ残暑の厳しい季節だからこそ、可愛らしく涼しいコーディネイトを心がけることが着物美人への道。全国の着物ファンの皆様、どうか頑張ってくださいませ!
わたくしも保冷剤使用でがんばって暑さを乗り切りますvv