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2009/03/19

私は15歳で仏師の世界(仏像彫刻)に飛び込みました。
中学生の時、京都と奈良に修学旅行に行って昔の素晴らしい仏像と出逢ったのがきっかけでした。

それまで西洋の絵や彫刻を見たり描いたり造ったりとすることは好きでしたが日本にこの様な素晴らしいものが存在していたことと、また仏像を彫る仕事があるということも初めて知ることとなりました。
私自身それまでは仏像自体、いったい何なのかさえ知りませんでした。

しかし、京都の三十三間堂にある仏像を拝観した時、頭から足先にかけて雷が落ちる程の衝撃を受けました。
千手観音の数と前に並ぶ二十八部衆、そして真ん中には大きな千手観音菩薩の座像が私たちをお出迎えしてくださりました。

「何だこれは!!」日本にこんな凄いものがあるのかとその場を動けなくなりました。
まだ車や機械もない時代にこの数を作り上げた古来の人々の迫力と思いを初めて肌で感じる事ができました。

その出来事をきっかけに私は深く仏像に興味を持つようになりました。
そしてのちに現在でも仏像を彫る仕事があるという事を知りました。

中学卒業後、「心から仏像を彫りたい、もっと学びたい」という気持ちが高まり、富山県の仏師、斉藤侊琳先生の門をたたきました。

仏師の世界は職人と同じで先生→兄弟子→自分というような縦社会で成りたっています。
最初、右も左も分からない中、彫刻刀の作り方、研ぎ方など兄弟子から付きっ切りで教わりました。
そして本格的な技術を身に付ける為に先生や兄弟子下で約10年間学びました。

仏像彫刻とは千二百年以上の歴史がある技術のため、一生勉強をしてもたりない程の本当に奥の深い世界でした。
そして、仏像のお姿は平安、鎌倉期に完成されており、自分の好きなように彫るという事ではなく、いくつもの決まり事に基づいて制作をしていきました。
その決まりごとの中で自分の想いを込め、現す事が自分の考える仏様となるということに気づいていきました。
仏像は宗教と密接に繋がっているため、いくら技術を磨いても、人の悲しみ、苦しみ、痛み等を知り理解しその思いを形にしなければ仏像とは言えないのではないかと思うようになりました。
今は、その二つを常に考え表現する事が私にとっての仏師のあるべき姿だと考えております。

今後は仏師としてこの現代社会に何のお役に立てるかも考えてまいりたいと思います。
そのためには多くの人々と触れ合う事で何かを感じていき、また違う新たな表現や活動ができるのではないかとも思っております。

今、兄弟子の仏師 関 侊雲さんを代表とし仏像彫刻を通しての展覧会やボランティア活動、教室などを行っております。
この様な活動を通して感じたこと学んだ事を自分なりにお伝えできればと思っております。

この人々の世界はあまりにも大きく複雑に絡み合っています。
まだまだ人生の勉強と技術の勉強が足りません。

この先仏師として少しずつではありますが思いや考えをこの場をお借りしてお伝えできればと考えております。

ここでお伝えする事により皆様とも繋がりを持つことができれば大変嬉しく思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

                                                                                                       仏師 紺野侊慶

ホームページ  http://www.kanhoudou.co.jp/~koukei/

侊心会 仏像彫刻・木彫刻教室 http://www.kanhoudou.co.jp/~school/

2009/03/19 12:10 | 自己紹介 | 2 Comments

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Comment & Trackback

私も仏像大好きです15歳で決断出来るなんて凄いです

Posted at 2010.03.22 5:14 PM by エリカ

[…] 動けなくなりました。 まだ車や機械もない時代にこの数を作り上げた古来の人々の迫力と思いを初めて肌で感じる事ができました。 (初投稿記事より抜粋 http://www.junkstage.com/konno/?p=211) […]

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