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「生まれ変わったら、どんな魚になりたいか」
ということについて考えてみたい。
いや、生まれ変われるのならば魚になんかなりたくない、という意見もあるだろうがまぁ聞いてくれ。魚ぁ?オレは忙しいんだよっ!という人もいるだろうが、まぁ一緒に考えてみましょうぜ。
まず、魚として王道で一番なじみがあるもので「タイ」がある。
生まれ変わったらタイ。どうだろうか。どうだろうかといわれても困るだろうけど。タイつーのはお祝い事や文字通りメデタイときなどに登場するなかなかエライ魚という部類に入ると思われるが、それだけになにかエラぶっているような気がする。オレはタイだ!えらいんだぞ!っと、その少々タラコ化した厚い唇が言っているような気がする。目にも気合がないように思え、その地位に溺れ、ヌルマ湯に浸かっているような顔をしている。結局、向上心がない。
タイにはなりたくない。たぶん政治家とか、中小企業の無意味にエバッっているオヤジとかがタイになって、魚に生まれかわってもなお嫌われればいいのだ。
次にマグロやカツオなどの回遊魚が挙げられる。
生まれ変わったら、こんな窮屈な会社ではなく大洋を泳ぎ回るマグロになりたい!と思う人もいるだろう。しかし、マグロなどの回遊魚は泳いでいないと口の中に水が入ってこなくて息ができなくて死んでしまうという致命的弱点を持っている。毎日泳ぎ回って疲れてしまいそうだ。止まると死ぬし、不便なのでなりたくない。
逆に常に泳いでいない根魚と言われる底モノ魚はどうだろうか。具体的にはカサゴやカレイやヒラメなどだ。
カサゴなんてなかなかカワイイし、根拠はないけどモテそうだ。目がクリッとしていて輝いており何かいつも大きな夢を持っていそうな顔をしている。でもボクはどうしても釣りで使うゴカイがウマソウには見えないので釣り針に取り付けられたゴカイへまっしぐらに飛びつくことは出来ない。これはカサゴの生き方としては失格なのかもしれない。あんなものがウマイのだろうか?
一方でカレイやヒラメというのは、あれは子供の頃はちゃんと目が左右に付いているのですね。
「いつかオレもマグロやカツオのように大海を泳ぎまわるぜ!」と闘志に燃えているところ、ある日、自分の意思とは関係ナシに目が一方のほうへ移動してきてしまい、なんだなんだと言っている間に体が平べったくなってしまう。夢、叶わず。だから彼らの眼というのは常に憎悪に満ち溢れ、海の底から水面を泳ぎまわる魚たちを恨めしそうに見ており、たまに近くに泳いできた小魚などをオノレ!などと叫んで飲み込んでしまう。性格が悪そうだ。やはり、これらの魚には人間時代にいい思いをした政治家や高級官僚が生まれ変わり、すこし反省してもらうのが妥当なようである。
サンゴ礁のキレイな魚はどうか。なんだか意味もなくカラフルでハデハデでハズカシそうだ。大阪のおばちゃん風。品がない気がする。マグロあたりからバカにされそうな気がする。しかし泳いでいるサンゴの世界というのはキモチが良さそうで、この世の楽園なのかもしれない。でも油断しているとサンゴの陰から出てくるウツボなんかに食われて無念の殉職、というパターンも含んでおり危険である。
そうだウツボはどうか?
アレは器用な人でないと長いので自らの体がからまってしまうキケンをはらんでいる。大雑把な人がウツボに生まれ変わると、自分でからまってしまい、ほどけなくなって、やっぱりマグロあたりにバカにされる。
時々、サンゴ礁にも顔を出す、その場を仕切っているサメはどうか。気分が良さそうだが陰では嫌われている存在なのかもしれない。あの人いつもエラそうでムカツクのよね。歯が全部抜けちゃえばいいのに!とかハタの奥さんたちから言われている。でもね、本当は優しいヒトでたまにボクにお菓子をくれるんだぁ。などとハゼの子供たちから尊敬の目で見られたりもするが、基本あんなヒトと関わってはダメです!っとエイのおじさんに言われたりしているのだ。
エイはサメと微妙な関係位置にあり、サメのほうはそうでもないが、エイのほうはかなりサメを意識しており、時にそういう悪口を陰で言うのだ。ジンベエザメは、あいつは優しいやつだけど大きすぎてジャマだ、とみんなに言われている。
水深をさげて、深海魚はいかがですか?
明かりのない世界でヒッソリとくらす深海魚はあまり楽しみがなさそうで、起伏のない人生なのかもしれない。やることがないのだ。なるなら、読書灯を装備しているチョウチンアンコウになって、深い海の底で読みたい本をジックリ読むのはそれはそれで幸せなのかもしれない。チョウチンアンコウのオスはメスに寄生して最終的にはメスの体の一部になってしまうので、人間時代にAKBの熱狂的ファンだった超オタクな人とかは、これがいいかもしれない。
結局、どんな魚がいいのだろうか。水族館に行ったとき考えながら見ても面白いのかもしれませんね。。。っと問いかけておしまい。
日本の川の水槽一つがやや寂しくなってきたので、川へ何か生き物をスカウトしに行かねばならなかったのだが、暑いしなかなか重い腰があがらなかった。何かを自然の中へ(仕事にカラんで)取りに行くという行動は遊びで行く場合と違って、行くまでがなかなか決心が付かない場合が多い。特に暑いときは「今度の休みの日でいいべ」っと何度も思って、休日は毎回グウタラ過ごしてしまい、行く機会を失い最終的に「ウオー!!」とか奇声をあげて一大決心して逆上気味に突撃しないといつまでたっても行くことが出来ない。
でも、行ってしまえば楽しいんだけどね。
今回もそうだった。この暑いのにいい年して川なんて行きたくネェ、とかこのご時世、平日の昼間に川なんかで魚を追いかけてヘラヘラ微笑んでいたらすぐに警察に通報されるとか思って、行っていなかった。
そんな時、ふと思った!あ、「サワガニ」があるじゃないか!
っと言うことで、そうだ!京都行こう!というJR東海的気分で涼を求めて、ぢゃなかったカニを求めて山のほうへ向かった。付いたのはポイントH。何年か前に見つけたサワガニ大フィーバーポイント。
仕事にかかる前にハラが減ったので見つけた蕎麦屋でメシを食うことにしたが、山菜ソバ五平餅付き!という筆文字看板につられて入ったその店は、どうしたらこんなにやる気がなくなるのだろうか、というレベルに達したオババがヨタヨタしながら睨みつけてきて「何もないよ、ソバくらいしかないよ」というのであった。だから蕎麦を食いに来たのだ!と思い、蕎麦を注文したら「えぇ?作るのぉ、マジで?」というような意味のことを小さくホザイて嫌々厨房へ向かいオゴソカに作り始めるので、期待して入ったことを全面的に後悔してしまった。出てきた蕎麦の味はこれまた全面的に普通の味だった。
なんだかブルーになったテンションを上げながら川沿いを車をゆっくり走らせて窓からのぞくと、岩陰に柿色の小さなカニがアチコチですぐに発見できた。よーしよーし。今そっちに行って採ってやるからね。
「サワガニ」は日本のカニで唯一一生を川で過ごすカニで、小型のザコガニ。とは言ってもナメてはいけない。日本にしかいないカニらしく、しかも高級料亭などでは唐揚げや佃煮になって晩御飯の会席の一品として出てくる。ザコガニだけど食える。名前どおりサワ(沢)に住んでいるキレイな場所にしか住めないデリケート繊細ガニでもある。
食えるけれど、さらにここでナメてはいけない。半ナマだったり生だったりすると『肺吸虫症』という寄生虫症になる。カニの体内に寄生している虫がカニとともに人の体内に入って引き起こす。セキ、発熱、血痰などの症状がでる。虫が脳に移行するとかなり危険。数年前に水族の寄生虫の企画展示をやったときに勉強したのだ。寄生虫は気持ちが悪いが、実際気持ちが悪い。でも本などを見て勉強するとヤツらにもヤツらなりの悩みや苦しみや将来展望などがあって、それらが知れるとなかなか楽しいし、知っておいて損はない。得もそれほどないが。
ゾウリで川にドカドカと入っていくと、カニたちはゴジラのようなの(おれのことね)が来た!っとややヒルんで岩の陰などに隠れるが、これを無視してワシワシつかんでバケツの中に放り込んでいく。本気を出すと10分もしないうちに展示に必要な匹数は確保できた。早いもんである。
展示に使えそうなコケの生えた石や水辺の植物なども引っこ抜いて持っていくことにした。川には「ヨシノボリ」というタラコクチビルの人をバカにしたような顔をした底生魚もいたので、つかまえて同時にスカウト。
山のほうなので流れる水がキレイで冷たくて気持ちがいい。サワガニはひっくり返すとおなかに大量の子供を抱えているものもあり、そういうヤツは今度来る時のためにと仏の心を持って逃してあげた。メスはおなかに卵を抱え、抱えられたまま子供は生まれて、しばらくはお母さんの腹にへばりついているのだ。
バケツから発砲箱に入れ替えて車に乗せて水族館に拉致した。今日は朝からサワガニの展示で水槽をイジって、一緒に持ってきた石や草を飾って、あっという間にサワガニワサワサ水槽の完成である!生き物が少なくて寂しかったので困っていたがサワガニたちでにぎやかくなった。日本には「困ったときのカニだのみ」というコトワザがある。いや、ない。
隣の県の「浜名湖」で平和に暮らす水中生物の寝込みを襲い、ガッツシ捕獲しよう、という反逆的ゲリラ行為に挑むことになった。
浜名湖は「湖」と名前に付くが、海に口を開いた海水の水溜りである。余談だが、この地域の自動車学校に通う人間を「ハマイン」という。CMをよくやっているのだ。
夜の10時過ぎに襲撃した。
ポイントの船溜まりを懐中電灯で念入りに照らし、寝ている生き物を探して、見つけたら起きる前にアミですくう、なんとも魚からしたら大変迷惑で不公平なスポーツマンシップにのっとていない捕獲スタイルである。
夜の浜名湖は岸壁沿いに寝ている小魚が多く、また夜に動き出す昼間はなかなか見ることができない生き物も多くいる。浮かれていたり油断しているので、結構簡単にアラよっと、っという感じでアミですくえてしまう。
数時間の採集での成績は、いろいろな生き物が採れてマズマズだ。
イカも採れた。採れたというか、イカは大部分は食用のカニを捕獲している親子からもらった。自分で努力して採ったものはフグの子どもや、ザコハギとか、よくわからんハゼとか、毛のいっぱい生えた得体の知れない貝とか、なんだかよくわからんが生きているものは手当たり次第何でもアミですくってバケツにいれたのだ。反逆ゲリラだからこれでいいのだ。げへへへへ。なめんなよ。
コレといった生き物としては「ゴンズイ」の子供。
体からフェロモンを出して集団でかたまって行動する海のナマズ。日中はどこかその辺に潜んでいて、夜になると集団で動き出す典型的夜の帝王魚だ。体からはフェロモンをだすが、うふふぅ♪ うっふん♪ あははぁ~ん♪ ばかぁ~ん♪ というものではなく、単なる集合フェロモンだ。ゴンズイの集団をゴンズイ玉という。
集合体でいると敵に狙われにくいというが、ワシから見たら逆で、ライトの中で集団で泳ぐ黒い物体は間違いなくゴンズイで、うまくすくえば1匹残らず群れの全てを捕獲することが出来る。申し訳ない。3玉すくった。3玉といえば、大盛りラーメン級だ。5ミリくらいの子供ゴンズイざっと数百匹。
その他、コーフンしたのは「トゲチョウチョウウオ」。
本日一番の高レベル魚である。まだ保育園児くらいの赤ちゃんサイズ。夏から秋にかけての魚の寝込み捕獲イベントではメインターゲットとなる生物。ゴンズイが1ポントだとしたら、チョウチョウウオは76ポイントくらいもらえ、ハワイ旅行への挑戦権獲得級である。
そして、本日は、さらに違う意味でコーフンした生物がコイツ。
「ウミケムシ」という。7匹くらい捕獲した。
コイツも夜行性で、夜になって楽しげに飲み屋へ向かうところをあっけなく捕獲された。体中がケムクジャラで毒がある。まさに海に住む毛虫でウミケムシだ。なんのヒネリもない、見た目そのまんまのまことに持って覚えやすい名前およびインパクトの生物。
見た目を一言で言ったら、オゾマシイやつ。生まれ変わってもウミケムシにはなりたくない。もっとも、オマエにそんなこと言われたくない、と相手には言われそうだが。しかしコレだけ見た目が怪奇で不気味にオゾマシク動くと、この生物は、普段何を思い、何を考え、何が楽しくて何が悲しいのか、非常に興味がある。
夜になるとウレシイらしく、海底の砂の中から這い出してきて、あきらかに常識的に見て多すぎる体中の毛を器用に動かしながら水面を楽しげに背泳ぎしたり、開放的にバカみたいにクルクル回ったりしているので、ホイ、という感じで捕獲。しまった。はしゃぎすぎた。完全に油断した。後悔しております。という姿で捕獲されたアミの中で静かに反省をしておる。
こういった怪奇生物は当館スタッフの三田に任せることに昔から決まっているので、水族館に持ち帰り、あずけたら、すぐに解説ラベルを作って展示してくれた。普段はあまり動かないが、エサをやるとモゾモゾ動き出して、自分の半分くらいのエサでも怪物的に大きな口をあけて、あざやかに丸呑みしてしまう。人間にはオゾマシイ物見たさという感情があるらしく、お客さんはみんな釘付けで見ている。
夜の採集はこれからが本格的シーズンなので、機会を見つけてまたドンドン行くのだ♪
ブサカワ、エロカワなどいろいろな「~カワ」というものが蔓延している。ブサカワというのはブサイクカワイイ、エロカワはエロカワイイ、の略だという。
今日、ボクが重い腰を上げて日差しに向かってめんどくせぇなぁと叫びつつ釣ったのは「オイカワ」だ。おいしくないかわの魚だから「オイカワ」なのだろうか。おいてめぇ良く見るとかわいいやつだ、だからオイカワだろうか。そのあたりはよく知らないしあまり興味もない。
展示の水槽にドンコという悪魔化したハゼのような魚を入れたら、どんどん水槽内の他の魚を食ってしまい、展示が寂しくなってしまったので、補充するために市内のN川のポイントに向かった。狙いの魚がオイカワという魚だったってわけさ。
最近、行きつけの熱帯魚屋の店員が同い年ということもあって激しく交わり、盛り上って海外の魚ばかり目を向けていたので、ここらでちょっくら減点怪奇?おぉ、なんだこの変換は!?原点回帰で日本の川の魚を攻めるのだ!
方法としては、とてもシンプルで釣具屋で、一番小さい針を買って、昼に食ったレーズンパンのカケラを鼻くそ大に丸めて針につける。ホイッと川の淵に投げる。釣れる。ウレシイ。楽しい。
ウネウネ多足ゴカイや、ウジムシなどを使う必要なく、パンで簡単に釣れてしまうので簡単というかあっけないというか、とにかくリーズナブルなのですね。竿もいらない。その辺に生えている竹をへし折ってきて使えばOK。子供のザリガニ釣りに毛が生えた程度のレベルである。
川の魚は、アミを片手に川にズンガズンガ入っていって、川岸の草むらをガサガサやると結構採れるけれど、ハゼ系の底モノの魚が圧倒的に多い。今回の狙いの中層から表層を泳ぐロケットタイプの体型をした魚は、なかなか採れない。川に入っても目があった瞬間に簡単に足の間をすり抜け遠くのほうに逃げてバーカバーカと言ってくるムカツク野郎なのだ。川はヤツラの土俵なのだ。
というわけで今回は釣り。この時期のオイカワは婚姻色といって繁殖期特有のカラフルな色が体に現われ、オスはほっぺに「追い星」というニキビのようなブツブツができる。これはコイの仲間の特徴。
同じ要領でカワムツという魚も釣れる。カワムツのほうが多く釣れる。こちらも繁殖シーズンでキレイな体の色だ。カワムツとオイカワが同居している淵なのだ。カメもいた。ヘビもいた。トカゲもいる。トリもお空で鳴いている。みんないてボクもいる。風が吹く。お日様ランラン。地球に生まれてよかった。
オイカワもカワムツも小さな川で暮らし、いつかアタイらもヤマメやイワナのように有名になって塩焼きになりたいわね、っと思いをはせている雑魚というやつだ。
浅い川なので、魚がパンを食うのが見える。お!うまそ!パクリ!なにっ!しまった!!くそぉ!!無念!!という一連の釣れるまでの基本段階が見えるのだ。
小さいものが多いが、5匹に一度くらい、警戒しつつも近寄ってきて一気にパンに食らいつくボス的サイズのオスも釣れて、こういうのがかかると竹の簡易竿が折れそうになるくらい引っ張られて楽しい。気分はマグロやカジキに挑む松方弘樹だ。カジキじゃなくてオイカワだけど。
でかいやつは釣り上げられると、てめぇ!上から卑怯だぞ!パンなんかで釣り上げやがって!人でなし!!っという目でボクを見つめ、必死にもがいて川へ逃げようとする。ハイハイ、ゴメンナサイネ、アンタは今日から水族館よ、とあしらって針をはずしバケツに放り込む。
でかいのが上がると、川下は警戒するのか、すこし釣れ行きが鈍る。あのパンは要注意だ!むやみに食いついてはいかん!さっきも向かいの家の及川さんのご主人があれに食らいついた途端に謎の失踪をしているんだ。っと水面下では長老株が町の重役たちを集めてガヤガヤ緊急会議をおこない連絡網が回るらしい。
しかし相手はドブ川の雑魚だ。5分もするとまた釣れだす。でかいのが釣れるとまた止まる。すこし休んでパンを入れるとまた釣れる。
1時間ほどで20匹くらい釣れた。うち15分くらいは畑から帰る途中に通りかかった自転車のオバサンの地獄のエンドレス一方的トークに捕まっていたので、都合45分くらいだ。私はアンタのことをよく知っている、よくテレビや地元の広報誌で見るからだ、というわりには、話を聞くと誰かと間違えているような発言が多く、すこし問いただすと畑の会話に話題をすりかえる不思議なオババだった。
6月○日
市内の川にホタルを見に行く。川の前に美人ハトコが住んでいて毎年「出たよ」と情報をくれる。今年は多いと聞いたけど、遅かったのかやる気がないのか3匹くらいしかいない。しかし天然。もっとがんばれ。
6月○日
水槽の展示換え・大移動。300キロくらいの砂をバケツに少しずつ入れて水槽間を何往復もする。こういう時のコツは、自分はマゾなのだ、あぁ、楽しい、快感だぁ!っと思い込みながら重労働に励むことだ。なぜか30代のボクとトダテ君がこの役を引き受けて、おとなしくマゾになった。水槽はどんどん換えていき、トレンディの「水塊」(チックな)展示もできる(予定)。
6月○日
オオグソクムシという深海のダンゴムシの親分みたいなエイリアン生物が大量に水族館にやってきた。こんなにいらない。漁師さんの嫌がらせだ。300匹以上在庫を抱えてしまった。展示する水槽もいっぱい。途方に暮れる。
6月○日
安室奈美恵ちゃんのファンクラブに入ろうか真剣に悩む。
人生で初めてプラネタリウムに行く。しかも世界最大級らしい。名古屋市科学館。即殺で寝る。
6月○日
FA宣言した「オオグソクムシ」が、福島の水族館さんの「クマガイウオ」とのトレードが設立し、クマガイウオゲット。カッコイイ。
「オオグソクムシ」は現在もFA宣言中。あなたの施設にお一ついかがですか?
6月○日
後輩のクラゲ採りを観察。漁港に浮いているので、ひしゃくで水ごと掬うと馬鹿みたいに簡単に捕獲できる。クラゲなんか採ってどうすんだ?ヘンなヤツだなオマエ、っとオマエのほうが3億倍ヘンなヤツだ、と思える地元の親父にカラマレル。
クラゲは弱そうに見えて、少しくらいなら素手でつかんでも大丈夫なことを知った。子供の頃、浜辺に掘った穴に大量にクラゲ採って入れて、棒でグシャグシャにして、その辺に落ちていたゴミのお皿に盛り付けて、オシッコをかけて置いておいたら、通りすがる人は寒天と間違える人がいるか、ということをやったことを思い出した。すると、なぜか急速に気分がものすごく悪くなった。
6月○日
市内の海で青潮発生。青潮はこの辺りの地域では苦潮という。海底にあった酸素のない水が雨と風によって潮の流れで海面に上がってきて、魚や生き物が酸欠になる。
新鮮な海水に戻すと、酸欠は治り元気になる。どこからか沸いて出てきたように大量に発生する海好きオヤジ達にまじってアミでホイホイ掬う。オヤジ達は晩御飯のおかずにするのだ。シロギスとアイナメが多い。展示が潤う。
6月○日
前回のコラムで書いた「アピストグラマ」という魚の洋書をamazonで入手。ウシシ。しかし全部ドイツ語なのでまったく読めない。普段はめんどくせぇことだが、こんな時、全世界共通名である「学名」のありがたいこと。説明はドイツ語だけど、魚の名前は学名で書いてあるので、どんな名前の魚かはわかる。
そして安室奈美恵ちゃんのファンクラブに入ろうかまだ悩んでいる。
飼育員っつーと、テレビなんかで見るとマボロシの魚を追い求めて!とか飼育困難魚に挑む!なんてやっていて、一度はオレもそんなことして輝いてみてぇなぁ、などと寝転がってお尻なんかを掻きつつテレビを見ているのだが、毎日そんなことをやっているわけではない。(いや、オレもそうだけど、何かに挑んでいる飼育員さんの方もね。)
我々の仕事のメインとなるのは展示で、まぁ飼育もしているわけだけど、まぁ普通、飼育員さんって言われるし、まぁオレだって飼育ぐらいできるっしよ、まぁ魚を手に入れることもできるサァ、いっちょたまにはマジメに飼育してみっぺかな、っとまぁ「まぁ」が多くあちこちの方便を使いながら、ちょっと何かを飼ってみることにした。
おもしろい魚でもいねぇもんかなぁ、っとパソコンをポチポチやっていると(べつに現地のキケン地帯に行って調査するわけではない)、「アピストグラマ」という魚が気になった。
南米の小川に住んでいる小魚。大きさ数センチと、小さいので格闘して捕獲する必要はない。凶悪なキバで噛み付かれることもない。大型トラックで何十時間もかけて輸送作戦をすることもない。テレビもない。ラジオもない。おら東京さ行くだ。
早速、今日は休みだったのでパソコン(もっぱら家から動かない)で情報を集め、目が痛くなったので、行きつけの熱帯魚屋へ行った。何種類かの「アピストグラマ」がいた。
おぉ、来たね、アピスト?いいよ。アピストはオススメだよぉ。っと案内してくれるのは同い年の店員N君。彼とは、もぉ何年もの付き合いでフシギ熱帯魚の展示の強い味方。
ブラジルの規制が整理され、アピストグラマは結構輸入が多くなり注目だそうだ。アピストの良さは小さい体ながら、オス同士の小競り合いやメスへのアピールの時などに魅せるオスの体の色やヒレの華麗さ。パンクロッカーのようにモヒカン的な大きい背ビレを持っているものが多い。
アピストグラマ・ナンチャラとか、いろいろな種類がいてどれもキレイで、飼うのは中級~上級者レベルで、そんじょそこらの飼育員ではしっかりネットサーフィンして情報を集めないと、うまく飼えない。
N君と話す。彼は最近、ブラジルの川やその支流やその小川付近の村だか住所だかの地名まで網羅しはじめ、行ったこともないのに、ここは○○川の上流に○○って場所があるでしょ、その上流にある場所でインディオ保護区。っとか熱く語るからスゴイ。輸入されるアピストには、だいたい産地のロケーションがついていて、アピストグラマ・なんとか・フロムなんとかという風になっていて、ロケーションによって同じ種類の魚でも色が違う。これは日本の魚ではないことだ。九州のナマズも青森のナマズも見た目同じで黒くてヌルヌルでしょ?日本の場合、あそこのサバはあそこよりウマイ!っという味に関しては地域バリエーションが高い。
アピストグラマの場合、当然キレイな色の産地の魚は人気みたい。ワシにはよぉわからんが。
N君の教えを行儀良く聞いて(最終的には意味が解らなくなり呪文のようにしか聞こえなかったが)、アマゾンの支流・ネグロ河系の種類に絞った。キレイな種類が多いが、飼育にクセがある。phが低くて、軟水で飼育しないといけないのだそうだ。ナンスイ?なんじゃそれ?大学の時授業で習ったような習ってないような、寝ていたような。
まぁ、アピストグラマはキレイな魚ってことですね。
※文中写真はすべてレヨンベールアクアより。
怖いもの見たさで3Dのサダコを見てきた。日食のメガネをかけても3Dの映画は見れない。その逆もだ。3Dメガネをかけて日食を見ると目を痛めます。
ボクは恋愛にも霊感にも鈍感人間なのでそういったステキおよびフシギな現象というのに立ち会ったことはない。できれば立会いすることなく一生を終えたいと強く願っている。逆に、女子に好かれても好かれているということに鈍感で、うまくいかなく恋愛成就できないことがこれまで多々あった(らしい)。後になって、アノ子はアンタが好きだったのに、なんで気がつかないの!?っと怒られることがよくある。好きになってくれる子に気がつかない。だからひょっとかして、オバケにも気がついていないだけなのかもしれない。不感症なのだろうか。
オバケに関して、世の中にはそういったものが見える人がいて、身近な人でも見えてしまうという人も結構いるので、半分だけ信じている。
オバケと宇宙人とどっちが見たいか、といったらボクは自信をもって宇宙人だ。幽霊はかなわないけど、宇宙人は敵の身体能力や戦闘意思によっては倒せたり捕獲できたりの可能性が、限りなく少ないけど、ある。オバケには勝てないもの。
カッパと人魚は死ぬまでに見てみたい。
っと思っていたら、サダコは思いのほか妖怪クモ女のような動きの俊敏なゾンビ的物体で、その辺に転がっている鉄パイプ等で次々に簡単に征伐されてチョウチョになってしまうので、おかしかった。サダコがクモ的動きで何匹もハングリー精神剥き出しで廃墟を走り回っては残念だ。映画的には物足りない内容だった。話もよくわからない。主演の女優が美人なだけに残念だ。
翌日の今日は、5時半に起きて水族館横の漁港の岸壁に釣りに出かけた。目的はサバ。展示用にスカウトするのだ。同行するのは海水魚担当の後輩の須田。意気込み十分の頑張り屋で期待のルーキー。だから今日は「サダコ」ならぬ「サバコ」だ。
15cmくらいの食うには残念なサイズの展示には良型のサバが釣れる。
6時から始める。すでにヒマなオヤジ達が10人くらい岸壁から竿を出しバンバン上げている。
サバコが竿を出すと程なくアタリ。サバコ興奮。彼女は以前から海の水を見ると飛びこみたくなる突発性入水自殺症の疑いがあり、前もボラの子供を展示用にスカウトしに行った時、笑顔で僕の前から0.2秒で消えて見事あざやかに海へ転落したことがある。
コーフンするサバコに注意してボクも竿を出すとすぐに釣れた。釣れる釣りっつーのは面白い。なーんだ簡単じゃねーか、よしよし、どんどん釣れろ♪とボクもコーフンする。
スゴイのは、サバを釣るために針につけるエサがなんと、サバなのだ。この海域ではサバを釣るにはサバで釣るのが一番釣れるらしい。完全共食いぢゃねーか。小指の爪くらいにサイコロ状に切ったサバを針につけるとサバが釣れる。エビでタイを釣る、という言葉があるが、サバでサバを釣る。これではプラスマイナスゼロのような気がするが、気にせずバンバン釣り上げる。
しかし、少しすると群れが離れたのか、釣れなくなってしまった。3時間で20匹くらい。少ないが展示するにはいい量。アシカなら5秒で食いきる量だ。
水槽に入れると群れで泳ぎ、キレイ。文句ない。
大きなサバをマグロ水槽などで展示している水族館は多いが、普通のサバを展示している水族館というのは少ない。イワシとかの群れ展示はよくあるが、サバも群れで泳ぐとキレイだ。貧乏貧弱水族館なので小さな水槽しかないのでサバには申し訳ない。もう少し大きな水槽で余裕を持って泳がせてあげたい。
遅い朝飯を食って、そのまま行きつけの熱帯魚屋へ。サバなんか釣ってないで水族館界の穴であるおもしろい熱帯魚を買いなさい、と擦り寄ってくる店員のN君と、最近できた水族館の話をして、ちょっと珍しい魚を展示用にスカウト。ブラジルの規制が整理緩和され、少しずつ面白い魚がアマゾンから来ているらしい。
帰って今度は近所の川で展示用の川魚を採ろうかと思ったが、雨が降ってきた。海から川からアマゾンから半魚人は忙しいのだ。
沼津にできた新しい水族館の偵察をかねて、伊豆のほうへ行った。傍らには美女5人をしたがえている。ウソ。
時間があったので、帰りによった「柿田川」という川が感動的に素晴らしく、都合3館行った伊豆と沼津の水族館の記憶をすべて忘れてしまった。それくらいキレイだったし、記憶力は良くないのでしかたがない。どーでもいいけど伊豆はイズで変換、沼津はヌマヅで変換、めんどくさい。
インターのすぐ近くの国道沿いの道をずっと行くと突如都会の中に公園が現われて、公園を進むと、柿田川が現われてくる。
柿田川は長良川、四万十川と並んで日本3大清流だ。
中学生の時、写真で柿田川の水中写真(水草が繁茂した中をなんちゃらマスが泳いでいる風景)を見て「なぬ!?こんなキレイな川が日本にはあるのか!」と思い、いつか行ってみたいなぁとボンヤリ思っていたのだが月日は経ちやっと今、目の前にした。
長良川も四万十川も見たけど、水質とかの具体的なことはわしゃ知らんが、見た目でいうと柿田川がズバヌケトップの美しさだ。公園を抜けて展望台に出てその流れを目にした時は、コーフンし息乱れて奇声を発してしまった。バカなのかもしれない。
これがこんな場所(普通のまちなか)を流れる日本の川か!?と思うような光景で、なんだか異次元おとぎの国空間に迷い込んでしまったような気持ちになる。川底は富士山に降った雨が湧き出ており、そのイキオイでモコモコ砂が踊っている。あそこに足を入れたら底なし沼(沼じゃないけど)でどこまでも吸い込まれるのかな、と思う。
そこかしこでリシマキアのような水草がワサワサ生えており、一掴みむしってきてドレッシングをかけて食ったら何年分になるかなぁ、とか思うけど食える草ではない。
コーフンしたままフンガフンガと次に行った第2展望台は湧き水が吹き出る大きな井戸がある。魚があからさまに嬉しそうに贅沢に泳いでいる。底までバッチリ透き通った水で底からはモコモコ湧き水の大きな井戸なんだからサダコもビックリだ。水中マスクをつけて満面の笑顔でサダコがこの井戸から元気良く出てきたらそれはそれでコワイ。
その後の遊歩橋からは公園内の森や川の全貌が見える。階段の足元にキレイな川にしか住まないサワガニ。通常カニなので赤いが、ここのは全て青タイプ。嬉しくてそのへんのオヤジとかを蹴りたくなる。
柿田川にはミシマバイカモという金魚藻も生えており、これも侘びさび感がありいいんだな。そのへんを歩いている猫も嬉しくて終始にゃあにゃあほざいている。
川の水はとうとうと流れて、気を抜くと視界のハジのほうにカッパが見えそうな雰囲気および美しさ。パッと見た感じ、たぶん流域に58匹くらいカッパが住んでいると感じる。ここの魚はみんな笑っており我が物顔で泳いでいる。豊かな生活空間だ。
普段、地元のヘドロコケにまみれた高濃度生活廃水配合の川を見ているので、その格差がすごい。地元の川では絶滅危惧種の「川ガキ(川で遊んだり魚を採って楽しむ子ども)」の姿が休日や夏休みには多く見られるが、この子たちを柿田川に連れて行ったらきっと同じ日本の川だと思わないだろうし、そのショックで何もかもイヤになって不良になってしまうかもしれない。
行ったのが夕方で、少し暗くなっていたのと一眼を持っていなかったのがクヤシイ。また行きたい。
そぉそぉハプニングが起こるわけでもないので、なかなかコラムが書けなくて事務局にゴメイワクをおかけしている。
「第1001回全国マテ貝採り大会」がコッソリ開催されたのでエントリーした。この大会は、JUMC(ジャパン・ウハウハ・マテガイ・コミッション)という日本全国会員約2名の存在するのかしないのか、たぶんしない団体が開催した、マテガイを愛するマテガイの、マテガイのための、マテガイに限りなくメイワクな大会である。
会場は市内のMBP(マテガイ・ベスト・ポイント)である潮干狩り場のS。ここで何日か前にボクは中京テレビの撮影をしてテレビにも映ったんだ。
全国の潮干狩り場のアサリを代表とする貝類にはその貝殻のすべてに「これは漁協のものです盗むな」と書いてあるというので、お金を払わないと採らせてもらえないどころか、潮干狩り場に入ることすら出来ない。飛行場のゲートより厳しいのだ。しかし、監視員のオヤジに「マテガイだけを採る、マテガイ命、3度のメシよりマテガイが好き、持って帰らない、インディアンうそつかない」といったら「んじゃ、よかんべ、入れ」とお許しが出たので、バーローバーロー!と言いつつ、現場へ。
マテガイ(馬刀貝)とは、海に住んでいる貝の仲間で、二枚貝網マテガイ科。10センチほど。見た目変だが、バター焼きなどで食えてウマイ。以上。
GWも終わった平日の潮干狩り場はスッキリしたもんで、波の音とオババの世間話の声しか聞こえない。マテガイとりの手順は以下の通り。
①まずは、そこらの砂をかるくホジル。
②出てきた穴に塩を入れる。
③慌てふためき飛び出してきたマテガイをつまむ。
④なろー!っと奇声をあげて引っこ抜く。
⑤引っこ抜いたマテガイを砂浜に横たえる。
⑥すこし距離をとってそれを眺める。
マテガイからしたら、巣穴に海よりしょっぱい塩を大量投入されるので、とんだメイワクな話しだ。自分の家の窓からいきなり大量の塩を放り込まれたら高血圧必至である。
塩を入れたら少し待てである。ナイスガイはマテ茶でも飲んで待て。だからマテガイ。いや違う。
塩を放り込まれたマテガイは「ちょ、何してんだよ!しょっぺぇ!ちくしょう!」と言って穴から姿を現す。威勢のいいヤカラであれば体の半分くらいは穴から飛び出してくる。これをつまんでユックリ引っ張る。
初めてこの現場に遭遇すると、人は出てきたマテガイ以上に気が動転して、つまむのをためらってしまう。そうすると、あ、失礼しました、と言ってマテガイは再び土中深く潜って出てこなくなってしまう。思い切って素早く出てきたマテちゃんを捕まえるのがコツだ。
マテのほうも、「待てマテ、話せばわかるマテ!落ち着いて、まずはその手を離すマテ!」と言って土の中でふんばって抜かれまいと抵抗してくるので、「問答無用!!」と言って手を離さず力を入れてゆっくり引っこ抜く。
文章だとそのトキメキが伝わりにくいが、実際やってみるとコーフンするのだよこれが。アサリ採りをやりにきた人でも、マテガイ採りを教えるとみんなコーフンしてマテガイ採りに夢中になり、もっと塩を!こっちにも塩を!っとわめき散らすレベルである。
もっとも、最近はアサリすら採ったことがない人が多いので、アサリでコーフンしている。しかもそれはアサリではなくシオフキガイというアサリに似た貝の時が多くある。シオフキガイは3日くらい砂だししないとジャリジャリで食えないぞ。
引っこ抜かれたマテガイちゃんは砂浜にだらしなく横たわって並べられるが、ふと我に返って貝から足を伸ばしたり縮めたりしてフニフニ動いて砂に帰っていく。この光景がなんとも気味が悪い。ニョキニョキフニフニ動くマテガイの足(みたいな部分)は、動く鼻水、もしくは果てしなくだらしのないチンチンみたいな感じなのよ。いやホントに。
この日は、お日柄も潮も良くて、短時間にホイホイとつまんでは引っこ抜き、30本くらい引っこ抜いて、いい加減そのうち飽きて、マテガイ以外のものは飛び出してこんのか!この野郎!とかいって終了した。
広大な砂浜なので、ここにいったい何本のマテガイがフニフニ動いておるのか、と想像するとなんだか怖くなる。
潮溜まりにはカニやボラの子供の大軍がいて、これからの時期、海がどんどん面白くなってくるのだ。
お魚解説パネル By竹島水族館 その2
「方言や言い方を使ってなんとなくごまかしている?編」
・セルフィンプレコ
わしゃ水槽のお掃除屋さんだがね。吸盤のような口でモゾモゾとコケや汚れを食べるだぎゃぁね。
セルフィンプレコはアマゾンのジャングルを流れる河に住んでいて、コケや沈木を食べるベジタリアン。ベジタリアンは草食性、と書くのが普通だが、「草食性」という表記は面白くない。かといって「ベジタリアン」という言葉を使っての解説は他の魚で使われている。同じように「草食系なの、おとなしいのよ」というのも他のパネルで使われている。その結果、名古屋弁表記へと活路が導かれた。
べつにアマゾンは名古屋弁というわけではない。
・オジサン
まいど~!!わてオジサンいいまんねん。おもろいやろ?ま、メスでもオジサンやねんけどなッ!
オジサン、とういう魚が存在する。その辺のおじさんのようにあごの下にヒゲがある。
オジサンというイメージからオヤジがよく言いそうな言葉、「まいど~~!!」を表記。しかしその後、なにも特徴は浮かんでこず、オジサンいいまんねん、とまずは自己紹介。このとき、突如として関西弁になっている。その後、自分でおもろいやろ?っと言ってしまい、そのあとは流れでメスはオバサンではなく、メスでもオジサンだ、と畳み込んで終了。流れのまま倒しにかかり終わらせる、押さえ込み一本型手法。ウケが非常に良いパネルのひとつ。
・ミノカサゴ、ハナミノカサゴ
その姿から2匹ともドレスを着たように見える。しかしスリムな体型ではなく少し丸っこいので、ドレスを着たお姉さんではなく、太っちょ貴婦人オババ路線を選択。結果、「ざます口調」。ミノカサゴとハナミノカサゴを上下で掲示して貴婦人オババの対決。
・ヒメ
ワラワは姫じゃ。どうじゃ、赤くてキレイな着物が美しいであろう?そなたもそう思うであろう??
深海魚でなかなか展示は珍しい種類。ヒメという名前がどういう由来で付いたのかわからないが、赤がキレイなので着物をまとった姫であろう。おまえこの着物がキレイに見えるだろ?え?そうだろ?キレイって言えよ、良く見ろよ。と言っている。
先のミノカサゴ、ハナミノカサゴとともに、このヒメにも「?」が使われている。解説というのはそもそも解説なのだから、「~である。」や「~です。」、「~ます。」という断定口調なのだが、「~だろ???」という「そう思わないかい???」という疑問投げかけ型を使っているのは他にはない特徴です。
~???と言われれば、読み手は、え?そうなの?とか、そうかなぁ?と思って確認するために対象の魚を見てしまう。結果、解説板も見るし、読むし、魚も見る。書いてあるとおりだと横にいる人に教えたくなる。盛り上る。